地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

3月16日20時過ぎの時点でウクライナについて思う

2014年03月16日 20時16分15秒 | 時事ネタ


20年ほど前の旧ソ連崩壊時は、その影響下にあった東ヨーロッパ諸国が
数十年ぶりにソ連の軛から脱したことによるカタルシスと喜びを西側諸国
ともども共有したものでした。崩壊後設立された独立国家共同体(CIS)は
旧ソ連構成国だった15ヶ国のうち、躊躇なくEU入りを決断したバルト3国は
元々非加盟。親欧米をあからさまに標榜するザカフカスのグルジアは、ロ
シアの圧力で途中で加入したもののロシアとの揉め事絶えず脱退。中央ア
ジアのトルクメニスタンは独裁国家ながら表向きは永世中立国を目指すと
のことで準加盟国の扱い。そして、今回大揉めに揉めているウクライナもト
ルクメニスタンとともにCIS憲章を批准していないため公式な加盟国とはみ
なされていません。トルクメニスタンより面積一回り大きい程度のウクライ
ナですが、旧ソ連邦の中では、ロシア連邦に次ぐ経済規模と人口規模の
国です。一の子分として手なずけていこうと思っていたロシアとしては、政
変によって親欧米政権が誕生しそれが固定化するのを面白く感ずるわけ
もありません。

元来「ウクライナ」との国名からして、ロシア語話者は「場末」「辺境」「はず
れ」という意味として理解しているようですし、別の言語からの見立てでも、
「僻地」を意味する近世のポーランド語の「オクライナ」が語源であるとのこ
と。ウクライナ人たちからするとあまり面白い話ではないようです。

当社に勤務しているロシア人のOTさんによれば、ロシア語とウクライナ語
の近縁性はかなりのものらしく、両者の会話成立度を日本国内に例えて言
うならば、久留米弁話者と津軽弁話者の意志疎通程度らしい。これがポー
ランド語とロシア語になると全く通じなくなるとのことですから、平均的ロシ
ア人感覚を代弁するならば「ロシアの一辺境地域が勝手にNATOに入りた
がっている、困ったもんだ」ってな感じでしょうか。僕も理解可能なロシア語
・ウクライナ語の違いと言えばやはり固有名詞。地名に違いを見てとれます。
ウクライナ語でドネツィクはロシア語でドニエツク、だとか、ウクライナ語で
ハルキウがロシア語ではハリコフだとか。

ソ連の最初にして最後の大統領たるゴルバチョフやロシア連邦初代大統
領のエリツィンにとっては、時代背景的にロシア以外の旧ソ連諸邦の状況
をどうこうできるほどの余裕など全くなかったのですが、資源輸出によって
国力に余裕が出てきた現プーチン大統領は、旧ソ連崩壊以前の冷戦時の
東側ブロックに可能な限り最大限近い国土を回復したい意図を明確に保
持しています。例えが適切か否か微妙ですが、東西に分裂したローマ帝
国のうち、先に滅んでしまった西ローマ帝国領を取り返そうとゲルマン人
駆逐に努力した東ローマ皇帝ユスチニアヌスのような心持ちなのではない
かと思われます。

しかし、自分たちの領土を蹂躙し支配したロシア人のノスタルジーなど知っ
たことかと、ロシア以外の旧ソ連構成国家の幾つか、そしてロシア連邦の
中でもカフカス山脈北麓のイスラム系諸族が、域内の「パックス・ロシアー
ナ」に異を唱えているのは周知の通りです。

今回の、ウクライナ政変とクリミア自治共和国のロシア再編入有無も、この
大きな文脈の中の一事例です。

ただし、ウクライナという、それなりの大国が親ロから親欧米に大きく舵を
切るという状況は、ロシアにとって穏やかな心証継続できるわけもなし、否
応無しに旧ソ連が行ったハンガリー動乱やプラハの春的力技を使うところ
まで選択肢を狭められているというのが、僕の見立てです。


2月23日に上海でウクライナ情勢についてFBアップしたところ、「おそらく」
ですが、人海戦術にて「危なげな個人記事」を全て削除するとの中国公安
当局によってFB記事削除されてしまいました。ウクライナ政変、他人事な
らずなのでしょう。3月2日にホーチミン市にて同様のFB記事を発信した処、
あの国ではネット記事削除人海戦術を使っていないのか、それとも極く瑣
末な記事なので御目こぼしにあずかったのかわかりませんが、そのままF
Bアップ出来ました。

クリミア投票の今日、3月2日の段階より既に事態が進捗していますが、大
枠、こちらの予想に近い状態で流れているようなので、改めて、その時のF
B記事を転載します。



「元々、宗教的バッグボーンなど文化要素に差異の大きいウクライナの西
北部と東南部です。数年前に起こったオレンジ革命の際に大統領となった
ユーシェンコ、その失脚後に後継したティモシェンコともに、首都キエフを
含む、親欧米の西北部を地盤にしていました。対するにウクライナは自分
の一の子分だと堅く認識しているロシアのプーチン大統領は、傀儡たるヤ
ヌコビッチに親ロ政策を採らせ、脅しすかしなだめしながら、ウクライナをロ
シア傘下に入れようとしていましたが、今、あの有り様。現時点では、旧ソ
連時代にフルシチョフがロシアからウクライナに割譲していたクリミア半島
以外は、親欧米の民主政権に統治されていく可能性がありますが、プーチ
ンの考え次第で、まだまだ激しい動きがあるのではないかと考えます。元々
ロシア領だったクリミア半島を奪還させて手打ちとしたい、との思惑が、ウ
クライナ新政権とEUに内在しているはずですが、それで終わるでしょうか。
ウクライナ国家全体を影響下に置くことを断念したプーチンは、親ロ意識が
強いウクライナ南東部だけでも切り取りにかかる可能性があります。現在
は、クリミア半島だけを「奪還」しに出ましたが、いずれ、ウクライナ国家を
親欧米の西北部と親ロの東南部に分裂させる画策を行なうのではないか
と。何しろ、グルジアやモルドバあたりの小国と違ってフランス並みの面積
と人口を抱えた旧ソ連第二の大国にして、ロシア連邦の一の子分だったは
ずのウクライナが欧米に日和るのは、プーチンの、ロシアの、プライドを著
しく傷つけるに違いないですから。数ヶ月、もしくは数年間、ウクライナ国家
分裂の可能性を油断せずにウォッチしておこうと思います。とりあえず、ク
リミア半島がロシア領となる確率は80%、ウクライナ国家が分裂する可能
性は50%と見ます。で、暖かくなったら、ドンバス炭田のロシア側、ロストフ
・ナ・ドヌーに出向き、その後勢い付けてウクライナに越境し、ドネツィクと
ハルキウを訪問しようと思っていましたが、情勢余りにも風雲急をつき過ぎ
ている為、無期延期です。桑原桑原。」



先ほど、ウクライナ国家内の地域別使用言語分布図をwikipediaから仕入
れました。


(ウクライナ語使用比率図)


(ロシア語使用比率図)


(クリミア・タタール系言語使用比率図。11世紀から18世紀後半までモンゴ
ル・タタール系国家があった名残で、ロシア帝国領となった後もタタール系
言語話者が多い。スターリンの民族強制移住政策によって、クリミア半島
に住むタタール人の数十%がウズベキスタンなどに移された歴史がありま
す)

これ見ると、フルシチョフの時代にロシアからウクライナに振り替えたのが、
やはり今回の事態の元凶だなというのが理解できます。

もし、ロシア語話者優先地域が全てウクライナでなくなったならば、ウクラ
イナ国家は黒海への出口のない内陸国になってしまいます。チリとの戦争
に負けて内陸国となってしまい国力衰退したボリビアと同じ憂き目を見るこ
とがないようにしたいというのが、ウクライナ側視点での今回の事態の最
終決着点ではないかと考えます。



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