消防救助機動部隊とは、阪神・淡路大震災を教訓に大規模災害等に対応するため、特別な技術・能力を有する隊員や装備で編成された特別高度救助隊のことです。通称、ハイパーレスキュー(Hyper Rescue)と呼ばれています。
東京消防庁には第二消防方面本部消防救助機動部隊(大田区):震災及び航空機・船舶火災に対応、第三消防方面本部消防救助機動部隊(渋谷区):NBC災害(CBRNE)に対応、第六消防方面本部消防救助機動部隊(足立区):震災及び大規模水害に対応。スイフトウォーターレスキュー(急流救助)も担当、第八消防方面本部消防救助機動部隊(立川市):震災に対応し、航空救助連携隊にも指定の4部隊があります。わたしたちは、立川の第八消防方面本部消防救助機動部隊を視察しました。
第1部隊長で、震災対策係長の大久保善幸消防指令らから説明を受けましたが、救助機動部隊の特徴は重機や火薬を使用して救助する部隊だということで、専用の高度な設備を持った車両が多いことがそうです。東日本大震災でも出動し、4台の特殊車両を現地に置いてきたそうで、現在も現地で活躍しているとのことだそうです。
主力車両の4型救助車です。
C-130輸送機に搭載可能にするため、小型化したそうで、海外に派遣されるのは、この車両です。4輪駆動の救助車で、画像探査装置、人命探査装置などの器具を搭載。2台1組で活動しているそうです。
大容量送水車(スーパーポンパー)を使って隊員のみなさんが訓練していました。
2キロもホースが延び、高圧で毎分4000リットルを送水することが可能で、福島原発にも急行しました。1台約8000万円もします。
一番奥が3型救助車。主要装備は4型救助車と変わりませんが、後部にクレーンを搭載したことから車両が大型化し、1台約3400万円します。
真ん中が特殊救急車(スーパーアンビュランス)です。消防救助機動隊の救急車は高規格救急車と呼ばれる車両で構成され、救命救急士が隊長となり、医師と連携しながら気管挿菅や薬剤の投与も可能で、救出して、救命措置を取りながら搬送までをします。特にこのスーパーアンビュランスは、車体が左右に広がって、40平方メートルの広さを確保し、8床のベッド置いて、救命措置を取ることが可能です。酸素吸入器などの設備も、高規格救急車8台分を装備しています。1台約6000万円もします。
手前が救出救助車及び重機搬送車です。
機動特科隊が丁度、訓練を展開していました。
ショベル、放水銃、クレーン車などを装備し、隊員は大型免許の保持者が多いそうです。右側の車両は20トンの釣り上げ可能なクレーン車で、路線バスが横転したときでも、バスを持ち上げて救助します。クレーン車ですが、高速道路を走れるそうです。
消防機動救助隊は最先端の危機を装備するとともに、隊員のみなさんの絶えまぬ訓練の上に高度な救助が可能になっています。
この建物は潜水訓練のための水塔です。
22メートルの深さがありますが、東京都内で1番深いのはレインボーブリッチのところで、22メートル。その想定で訓練がなされています。
消防機動救助隊の庁舎は同時に訓練棟でもあります。
右側は都市を想定し、ビルからの救助訓練に使用し、左側は山岳からの救助訓練に対応しています。
立川飛行場に隣接していることから、東京消防庁の飛行隊とは密接に連携しているそうです。
陸路だけでなく、空路でも全国へ救命救助に駆けつけます。国内だけでなく、国際救助隊としても活動を展開しており、パキスタン地震、ニュージーランド南島地震、四川地震、インドネシア森林火災などへ出動し、国際的な評価を得ています。
東京と鳥取では人口も、財政規模を違います。鳥取が同等の高規格部隊を持つことはできません。しかし、災害時を想定し、ハイパーレスキュウ的部隊を、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市の各市消防局が組織していますので、そことの連携は検討すべき課題と感じました。
予断ですが、国岡議員は元消防士で、救命救急隊員でもありました。質問も専門的でさすがだと関心しました。災害の現場で命と向かい合ってきた議員がいることは鳥取県にとっては大きな力です。防災を始めとする危機管理は県政の喫緊の課題です。共に県民のみなさまのために努力していこうと改めて心に誓いました。
夜は財務省や総務省の職員のみなさん、財務会計や国際経済の専門家らと懇談会も開きました。こちらも有意義な意見交換ができました。
東京消防庁には第二消防方面本部消防救助機動部隊(大田区):震災及び航空機・船舶火災に対応、第三消防方面本部消防救助機動部隊(渋谷区):NBC災害(CBRNE)に対応、第六消防方面本部消防救助機動部隊(足立区):震災及び大規模水害に対応。スイフトウォーターレスキュー(急流救助)も担当、第八消防方面本部消防救助機動部隊(立川市):震災に対応し、航空救助連携隊にも指定の4部隊があります。わたしたちは、立川の第八消防方面本部消防救助機動部隊を視察しました。
第1部隊長で、震災対策係長の大久保善幸消防指令らから説明を受けましたが、救助機動部隊の特徴は重機や火薬を使用して救助する部隊だということで、専用の高度な設備を持った車両が多いことがそうです。東日本大震災でも出動し、4台の特殊車両を現地に置いてきたそうで、現在も現地で活躍しているとのことだそうです。
主力車両の4型救助車です。
C-130輸送機に搭載可能にするため、小型化したそうで、海外に派遣されるのは、この車両です。4輪駆動の救助車で、画像探査装置、人命探査装置などの器具を搭載。2台1組で活動しているそうです。
大容量送水車(スーパーポンパー)を使って隊員のみなさんが訓練していました。
2キロもホースが延び、高圧で毎分4000リットルを送水することが可能で、福島原発にも急行しました。1台約8000万円もします。
一番奥が3型救助車。主要装備は4型救助車と変わりませんが、後部にクレーンを搭載したことから車両が大型化し、1台約3400万円します。
真ん中が特殊救急車(スーパーアンビュランス)です。消防救助機動隊の救急車は高規格救急車と呼ばれる車両で構成され、救命救急士が隊長となり、医師と連携しながら気管挿菅や薬剤の投与も可能で、救出して、救命措置を取りながら搬送までをします。特にこのスーパーアンビュランスは、車体が左右に広がって、40平方メートルの広さを確保し、8床のベッド置いて、救命措置を取ることが可能です。酸素吸入器などの設備も、高規格救急車8台分を装備しています。1台約6000万円もします。
手前が救出救助車及び重機搬送車です。
機動特科隊が丁度、訓練を展開していました。
ショベル、放水銃、クレーン車などを装備し、隊員は大型免許の保持者が多いそうです。右側の車両は20トンの釣り上げ可能なクレーン車で、路線バスが横転したときでも、バスを持ち上げて救助します。クレーン車ですが、高速道路を走れるそうです。
消防機動救助隊は最先端の危機を装備するとともに、隊員のみなさんの絶えまぬ訓練の上に高度な救助が可能になっています。
この建物は潜水訓練のための水塔です。
22メートルの深さがありますが、東京都内で1番深いのはレインボーブリッチのところで、22メートル。その想定で訓練がなされています。
消防機動救助隊の庁舎は同時に訓練棟でもあります。
右側は都市を想定し、ビルからの救助訓練に使用し、左側は山岳からの救助訓練に対応しています。
立川飛行場に隣接していることから、東京消防庁の飛行隊とは密接に連携しているそうです。
陸路だけでなく、空路でも全国へ救命救助に駆けつけます。国内だけでなく、国際救助隊としても活動を展開しており、パキスタン地震、ニュージーランド南島地震、四川地震、インドネシア森林火災などへ出動し、国際的な評価を得ています。
東京と鳥取では人口も、財政規模を違います。鳥取が同等の高規格部隊を持つことはできません。しかし、災害時を想定し、ハイパーレスキュウ的部隊を、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市の各市消防局が組織していますので、そことの連携は検討すべき課題と感じました。
予断ですが、国岡議員は元消防士で、救命救急隊員でもありました。質問も専門的でさすがだと関心しました。災害の現場で命と向かい合ってきた議員がいることは鳥取県にとっては大きな力です。防災を始めとする危機管理は県政の喫緊の課題です。共に県民のみなさまのために努力していこうと改めて心に誓いました。
夜は財務省や総務省の職員のみなさん、財務会計や国際経済の専門家らと懇談会も開きました。こちらも有意義な意見交換ができました。
午後は立川市緑町にあります立川広域防災基地を視察しました。ここが砂川闘争で有名な米軍基地があった場所です。各官公庁や東京都などの防災関係機関が集積されています。敷地面積は115ha。900mの滑走路を持つ立川飛行場・医療施設・備蓄倉庫などがあり、空輸による人員・物資の緊急輸送の中継・集積拠点として、また、自衛隊、東京消防庁、警視庁などの援助隊の運用・受入拠点として、南関東地域における災害応急対策活動の中核拠点として機能することが期待されていますが、一番重要なことは首都機能が喪失したときには、ここが代替機能を果して、災害機能を果たすことになります。
具体的には、内閣府立川災害対策本部予備施設、国土交通省関東地方整備局営繕部甲武営繕事務所、陸上自衛隊東部方面隊直轄 東部方面航空隊 本部・第1師団 第1飛行隊、海上保安庁海上保安試験研究センター、農林水産省関東農政局東京農政事務所食糧部防災倉庫課 立川政府倉庫(南関東地域広域災害用備蓄倉庫)、東京都立川地域防災センター、警視庁警視庁第八方面本部・通信司令本部多摩指令センター・第四機動隊立川飛行センター・多摩備蓄倉庫、東京消防庁航空隊・多摩災害救急情報センター・第八消防方面本部・第八方面消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)・立川都民防災教育センター(立川防災館)、独立行政法人国立病院機構災害医療センター(旧: 国立病院東京災害医療センター)、日本赤十字社東京都支部災害救護倉庫・東京都西赤十字血液センターなど、これでもかというほどの施設が集中してます。
まず、訪れたのは災害医療センターです。
ここは、南関東を直下型地震が襲った時に、医療部門を受け持つことになっています。高里良男院長、小土井雄一救命救急センター長、中雅典事務局長から説明を受けました。
通常は455床の拠点病院ですが、倉庫には500床のベッドが備蓄されており、緊急時には4床室を6床にし、看護学校の実習室も病室になり、900床まで増床することができるそうです。備蓄倉庫にはベッドの他、3日分の食糧や緊急用の薬剤があり、緊急発電機用の重油は5日分の備蓄されているそうです。
「平時にできないことは、緊急時にもできない」と高里院長は言われます。
まず、医療情報の収集拠点になるよう努めておられるそうです。データ管理に力を入れ、X線画像などは電算管理されているそうです。小土井センター長の調査では、東日本大震災では、携帯や有線の電話が次々と使えなくなりると、災害時医療の拠点病院でありながら、次々と連絡が取れなくなり、それが1日以上続いた病院も少なくなったそうです。「まず情報」と小土井センター長は強調されていました。
「いかなることがあっても、診療依頼は断わらない」も、病院のモットーだそうですが、これも、「平時にできないことは、緊急時にもできない」という基本方針から出ているそうです。立体駐車場の1階が備蓄倉庫で、屋上にはぺリポートがありました。
ヘリで緊急搬送された患者さんはエレベータで1階へ降り、その前にある救命救急センターへ運ばれます。
放射線科は24時間体制です。救急救命センターには手術室が2つ、34床のICUがあり、これとは別に中央手術室には8室の手術室があり、治療にあたる清潔区域と医療廃棄物などが動く不潔区域を分けることで、感染症の完全なシャットアウトを目指しているそうです。
また、医療連携室を設置して、日頃から、病診病病連携を強化されていることのこ「災害時は病院の中だけなく、地域の医療機関が、地域でチームワークを発揮することが大事なんだ」とも繰り返されていました。
「助けられる命は絶対に失わない」。医師をはじめとする科学者は、まともであれば「絶対」という言葉は決して使いません。絶対を肯定したら、それはもう科学ではないからです。しかし、ここではお聞きした「絶対」という言葉には、医師として強い信念と覚悟が込められているように思えました。
災害医療センターの次に訪れたのは、東京都西赤十字血液センターです。
輸血のための拠点ですが、日本赤十字社の災害備蓄倉庫でもあります。3階には救援物資が山積みでしたが、野口博事務長部長は「東日本大震災で、ほとんどの物資を出しまたから、あまりなくても済みません」と言われました。確かに部屋の5分の1ほどしかありません。
中には、炊き出し用の鍋釜のセットもあります。
ここでも、強調されたのは情報の大切さです。2階には無線室がありました。
災害が起こったとき、どこで、何人の人が、何を求めているかという情報があずあって、これらの情報を集積、分析することが、災害対応の第一歩なのだそうです。
具体的には、内閣府立川災害対策本部予備施設、国土交通省関東地方整備局営繕部甲武営繕事務所、陸上自衛隊東部方面隊直轄 東部方面航空隊 本部・第1師団 第1飛行隊、海上保安庁海上保安試験研究センター、農林水産省関東農政局東京農政事務所食糧部防災倉庫課 立川政府倉庫(南関東地域広域災害用備蓄倉庫)、東京都立川地域防災センター、警視庁警視庁第八方面本部・通信司令本部多摩指令センター・第四機動隊立川飛行センター・多摩備蓄倉庫、東京消防庁航空隊・多摩災害救急情報センター・第八消防方面本部・第八方面消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)・立川都民防災教育センター(立川防災館)、独立行政法人国立病院機構災害医療センター(旧: 国立病院東京災害医療センター)、日本赤十字社東京都支部災害救護倉庫・東京都西赤十字血液センターなど、これでもかというほどの施設が集中してます。
まず、訪れたのは災害医療センターです。
ここは、南関東を直下型地震が襲った時に、医療部門を受け持つことになっています。高里良男院長、小土井雄一救命救急センター長、中雅典事務局長から説明を受けました。
通常は455床の拠点病院ですが、倉庫には500床のベッドが備蓄されており、緊急時には4床室を6床にし、看護学校の実習室も病室になり、900床まで増床することができるそうです。備蓄倉庫にはベッドの他、3日分の食糧や緊急用の薬剤があり、緊急発電機用の重油は5日分の備蓄されているそうです。
「平時にできないことは、緊急時にもできない」と高里院長は言われます。
まず、医療情報の収集拠点になるよう努めておられるそうです。データ管理に力を入れ、X線画像などは電算管理されているそうです。小土井センター長の調査では、東日本大震災では、携帯や有線の電話が次々と使えなくなりると、災害時医療の拠点病院でありながら、次々と連絡が取れなくなり、それが1日以上続いた病院も少なくなったそうです。「まず情報」と小土井センター長は強調されていました。
「いかなることがあっても、診療依頼は断わらない」も、病院のモットーだそうですが、これも、「平時にできないことは、緊急時にもできない」という基本方針から出ているそうです。立体駐車場の1階が備蓄倉庫で、屋上にはぺリポートがありました。
ヘリで緊急搬送された患者さんはエレベータで1階へ降り、その前にある救命救急センターへ運ばれます。
放射線科は24時間体制です。救急救命センターには手術室が2つ、34床のICUがあり、これとは別に中央手術室には8室の手術室があり、治療にあたる清潔区域と医療廃棄物などが動く不潔区域を分けることで、感染症の完全なシャットアウトを目指しているそうです。
また、医療連携室を設置して、日頃から、病診病病連携を強化されていることのこ「災害時は病院の中だけなく、地域の医療機関が、地域でチームワークを発揮することが大事なんだ」とも繰り返されていました。
「助けられる命は絶対に失わない」。医師をはじめとする科学者は、まともであれば「絶対」という言葉は決して使いません。絶対を肯定したら、それはもう科学ではないからです。しかし、ここではお聞きした「絶対」という言葉には、医師として強い信念と覚悟が込められているように思えました。
災害医療センターの次に訪れたのは、東京都西赤十字血液センターです。
輸血のための拠点ですが、日本赤十字社の災害備蓄倉庫でもあります。3階には救援物資が山積みでしたが、野口博事務長部長は「東日本大震災で、ほとんどの物資を出しまたから、あまりなくても済みません」と言われました。確かに部屋の5分の1ほどしかありません。
中には、炊き出し用の鍋釜のセットもあります。
ここでも、強調されたのは情報の大切さです。2階には無線室がありました。
災害が起こったとき、どこで、何人の人が、何を求めているかという情報があずあって、これらの情報を集積、分析することが、災害対応の第一歩なのだそうです。
新橋にある食のみやこプラザから、視察しています。冷蔵庫には「とろはた」が並んでいます。
秋田は生。干物が鳥取産というのが東京での通り相場なんだそうです。約20センチで4匹680円です。東郷池のしじみもあります。500グラムで1380円。ひとつ一つが大きくりっぱです。
藤本敏明店長によると、売れ筋は年間ならラッキョウだそうです。甘酢がおおいそうですが、塩味も売れている人気だそです。生干しホタルイカ も結構売れていて、70グラムで525円です。購買客は、東京の人と、鳥取にゆかりの人が半々だそうです。開店時は、鳥取ゆかりの人ばかり。客層がかわったと感じておられるそうです。年齢層も年金者から若者に移っています。東京だけでなく、横浜、大宮など地域が広がっているそうです。PRは口コミが大きいそうです。
「このネギ美味しいわよ。スーパーでは買えないよ」とお店でお客さん同士では話されるそうで、ありがたいことだと藤本店長は話されていました。お店としても、鳥取を夕方出て、昼頃には到着させろようにしているとか。鮮度が命なんですね。無添加という志向も強いようです。野菜、卵も人気だそうです。
課題は店舗面積。商材を置ききれないようになているようです。アンテナショップと言う以上、ここに来たら、鳥取の商品はすべてあるというところまでいきたいというのが目標だそうで、そうなると店舗面積を考えないといけないのではないでしょうか。今、販売は休みは正月の1-3日だけが休みで、営業時間は午前10時から午後9時まで。24時間眠らない店にしたいし、季節感を大切にしたいというのが藤本店長の思いだそうです。
秋田は生。干物が鳥取産というのが東京での通り相場なんだそうです。約20センチで4匹680円です。東郷池のしじみもあります。500グラムで1380円。ひとつ一つが大きくりっぱです。
藤本敏明店長によると、売れ筋は年間ならラッキョウだそうです。甘酢がおおいそうですが、塩味も売れている人気だそです。生干しホタルイカ も結構売れていて、70グラムで525円です。購買客は、東京の人と、鳥取にゆかりの人が半々だそうです。開店時は、鳥取ゆかりの人ばかり。客層がかわったと感じておられるそうです。年齢層も年金者から若者に移っています。東京だけでなく、横浜、大宮など地域が広がっているそうです。PRは口コミが大きいそうです。
「このネギ美味しいわよ。スーパーでは買えないよ」とお店でお客さん同士では話されるそうで、ありがたいことだと藤本店長は話されていました。お店としても、鳥取を夕方出て、昼頃には到着させろようにしているとか。鮮度が命なんですね。無添加という志向も強いようです。野菜、卵も人気だそうです。
課題は店舗面積。商材を置ききれないようになているようです。アンテナショップと言う以上、ここに来たら、鳥取の商品はすべてあるというところまでいきたいというのが目標だそうで、そうなると店舗面積を考えないといけないのではないでしょうか。今、販売は休みは正月の1-3日だけが休みで、営業時間は午前10時から午後9時まで。24時間眠らない店にしたいし、季節感を大切にしたいというのが藤本店長の思いだそうです。
11月県議会の質問のために、中央官庁を回わりました。今回の質問は、来年11月に開催されるマンガサミットと、中国河北省との国際交流について、知事に聞く予定です。
まず、日中緑化基金事務局を訪れました。100億円あった基金も、36億円まで減り、今後どうするか、検討されているとのこと。倉吉のサカズキネットの活動は高く評価されていましたが、GDPが日本を抜いて世界第二位まで伸びた中国に対して、これまでと同じような基金の運営でいいのか、これはしっかり考えないといけない問題と思いました。
文化庁には総合メディア芸術としてマンガをどうしていくのか、国の基本方針をお聞きしました。観光庁には国としてマンガサミットをどう支援するつもりか説明を求めました。警察庁、厚生労働省、国土交通省も回り、様々な県政の課題解決のために使える制度はないか模索いたしました。これらの成果は11月議会の一般質問で生かして参ります。
まず、日中緑化基金事務局を訪れました。100億円あった基金も、36億円まで減り、今後どうするか、検討されているとのこと。倉吉のサカズキネットの活動は高く評価されていましたが、GDPが日本を抜いて世界第二位まで伸びた中国に対して、これまでと同じような基金の運営でいいのか、これはしっかり考えないといけない問題と思いました。
文化庁には総合メディア芸術としてマンガをどうしていくのか、国の基本方針をお聞きしました。観光庁には国としてマンガサミットをどう支援するつもりか説明を求めました。警察庁、厚生労働省、国土交通省も回り、様々な県政の課題解決のために使える制度はないか模索いたしました。これらの成果は11月議会の一般質問で生かして参ります。
第11回都道府県議員研究交流大会が東京で開かれ、参加いたしました。400人を超える議員、職員を含めると600人を超える参加者数える大会です。
まず、全国都道府県議長会会長の山本教和三重県議会議長が「地方分権改革の三法が、真に実行あるものにしなければならい。自由裁量が大きくなり、責任が大きくなった。議員の法的位置づけを明確にし、活動基盤をしっかりしたものにしていきたい。選挙区を条例で決められるように法律改正を求めていく」と挨拶しされました。
基調講演は時事通信社の加藤清隆解説委員です。講演概要は以下の通りです。
野田政権の特徴は、まず野田さんが保守政治家であるということ。お父さんは、自衛官。威勢の言いことを言うが、今は歯切れが悪い。松下政経塾の一期性。松下幸之助さんから、「大忍」を学んだという。野田さんの信念を実行して欲しい。政治家は行動力です。
第二の特徴は、小沢さんに頼っていること。輿石さんを幹事長にした。幹事長は公認権と政党助成金150億円を握っている。これは大きな力です。とろが、小沢さんは刑事被告人になってしまった。小沢さんは初公判後、検察批判を展開した。田中角栄も、金丸信も、思い半ばで退場せざる得なかったかもしれないが、やはり、今後の裁判に影響が大きいだろう。
第三は財務省主導だということ。勝栄二郎は次官、野田さんは財務副大臣、財務大臣を経て総理になった。安住財務大臣も問題が多い。何がなんでも増税するという財務省の意思を感じる。
大規模災害の時に増税する前例はない。経済が萎んでいるときに、増税すればもっと悪くなる。ただでさえ、デフレが続いている時にしていいのか。諸外国でも、関東大震災でも、阪神淡路大震災でも、国債で凌ぎ、増税はしていない。今することは、100年に耐える橋を、堤防を、公共施設をつくること。だったら、60年の建設国債ですればいい。100年国債を発行してもいい。
TPPには反対。オバマの再選戦略のためでしかない。5年間で輸出倍増させて米国の景気を回復するためだ。米は日本に入って欲しいだけだ。日本の関税は平均で2.6%しかない。米や韓国の方が高い。為替差損は20%以上ある。関税よりも為替の方が輸出産業には影響が大きい。自動車産業はすでに生産拠点を海外に移している。するなら10%の関税をかけているEUが先ではないのか。
ギリシャの次に日本の財政が悪いというが、これは大嘘。ギリシャは70%が外国人が買っている。しかも、ユーロ建て。日本は95%は国内で所有。しかも、円建て。最後は通貨を刷ればいい。
超円高。海外から安くなった鉄鉱石、セメント買ってきて、東北の道路、堤防をつくること。第二の日本列島改造論だ。TPPは、アジアの成長力を取り込むというが、中国、インド、インドネシアが入っていない。強い者だけが生き残る強欲資本主義ではだめだ。
宰相の条件は�洞察力があること�大局観=地球儀を横に置いて考えること�歴史観・国家観を持つ=首脳同士があって解決するとき、しっかり主張することができること�長期ビジョン=せめて50年の将来を見つめる。TPPを導入したければ、増税したければ、何度も記者会見をして国民に説明すべきではないだろうか。大平総理は在職中亡くなった。命をかける裂帛の気迫がない。小選挙区で政治家が小物になった。衆院300、参院100でいい。まず、自ら血を流さないと国民は納得しない。
デフレを脱却し、緩やかなインフレに。そのためには公共事業しかない。
分科会は第5分科会に参加しました。テーマは「議会の政策形成機能強化の取り組みと大学・研究者との連携」です。コーディネーターは山梨学院大学教授の江藤俊昭さん。パネラーは山形県議の金沢忠一さん、徳島県議の藤田豊さんです。
まずは、江藤さんが報告されました。以下、その概要です。
大学との連携はシティズンシップ教育につながる。個別の研究者と繋がるための制度設計が必要。100
条の2の活用もある。
新しい議会が登場した。議会にはシンクタンクや研究者を使う考えはなかった。しかし、地方分権改革や地方財政危機を背景に、政治主導になってきた。議員の議決責任が大きくなった。
議会は多様な人がいるから、住民参加がしやすい。議会は議論する空間。議論することが新しい発見がある。執行機関と切磋琢磨する。「私は与党だから知事に質問しない」という人もいたが、変わってきた。
新しい議会つくるためには条件整備が必要。議員はボランティアでいいという意見がある。しかし、報酬がないと特定の人しか議員になれない。その意味で条件整備がいる。
議会費。行政改革と議会改革は違う。議会改革は地域民主主義の確立だ。議会事務局の充実は大切だが、現実には難しい。議会事務局を拡充することは、議会事務局機能拡充。大学、研究者との連携、提携というアウトソーシングも必要だ。大学には学生の若い政策を受け取っていくことが大事だ。
大学との連携は、議会インターシップも出てくる。議員は努力していることを知るようになる。家族に言う、友達に言う、そんな広がりが大切だ。
大学との連携の実例としては、山梨県昭和町議会と山梨学院大学ローカルガバナンス研究センターがある。統一地方選後、町議会に教えに行ったことがきっかけ。学生のアイデアだけでなく、住んで欲しいという思いもあった。
通任期で考えることも大事。議会として何をするのか考えるべき。研究者との連携を強化する中で、政策形成能力が強化していくことができる。研修、コンサルタント、学生議会、ワークショップなどが想定できる。専門的知見活用が大事です。
議会サポーター制度。無報酬。参考人制度は委員会で使える制度。常任委員会ではかなりやっている。懇談会でもいいと思う。地方自治法改正で本会議でもできるようにしようとしているが、法に書き込まなければできないのはおかしい。
議会だけでなく、研究者と会派でパートナーシップ協定を持ってもいい。県と大学が包括協定を結んでいることもある。一方で、研究者が正しいとは限らないし、議会が必要なところだけいいとこ取りすることもある。これも問題になっている。
続いて、山形大学と相互協力協定を結んだ山形県議会の金沢県議が説明されました。
議会の機能を伸ばすには大学との連携が必要と考え、議会から大学へ呼びかけた。大学側も結城学長という文科省次官に変わり、地域との連携を深めたいとの思いがあった。他大学もあるのに、なぜ山形大学という批判もあった。自由度を担保するため、連携協定ではなく、相互協力協定とした。1年目は、議場に結城学長を招き、講演会そ開催。委員会が大学を訪問し、大学視察や意見交換をした。宮城県議会とでつくる交流議員連盟で大学を視察した2年目は、政策提言ワークショップを三回開催し、ミニセミナーや留学生に参加してもらって、議論した。また、インターシップも議会事務局に受け入れている。3年目は震災対策特別委員会で、教員2人を招いて議員研修会を開催した。
今後は100条の2の活用で、専門的知見を活用する一方、学生の議会傍聴会、意見交換、さらには授業に議員を派遣するなどしたい。
最後の報告は、徳島文理大学と包括連携協定を結んだ徳島県議会の藤田さんです。
政策立案能力の強化に加え、若者の政治離れの対策として考えた。
学長が議場で講演したほか、大学院生となった県議が知事選の構図などを大学院生と教員の前で講演した。
若手議員と総合政策学部の3年生が、街中のサテライトオフィス「まちなか教室」で意見交換会を開いた。商店街の活性化策を、商店街の理事長らも含めて開催した。その結果、アニメを使った街づくりという質問を知事にした。さらに二回目も開催した。本会議や委員会の傍聴もしてもらった。
議員インターシップは、議会事務局ではなく、会派で受け入れた。期間は学生と話して、任意の5日間。関西広域連合議会も傍聴してもらった。委員会や会派総会を傍聴してもらったほか、会派によっては県外、県内調査に同行した。車中や食事中まで議論している姿に学生は感動したと感想をもらしていた。学生の着眼点が勉強になったという議員もいた。
以後、会場を交えての議論になりました。
まず、全国都道府県議長会会長の山本教和三重県議会議長が「地方分権改革の三法が、真に実行あるものにしなければならい。自由裁量が大きくなり、責任が大きくなった。議員の法的位置づけを明確にし、活動基盤をしっかりしたものにしていきたい。選挙区を条例で決められるように法律改正を求めていく」と挨拶しされました。
基調講演は時事通信社の加藤清隆解説委員です。講演概要は以下の通りです。
野田政権の特徴は、まず野田さんが保守政治家であるということ。お父さんは、自衛官。威勢の言いことを言うが、今は歯切れが悪い。松下政経塾の一期性。松下幸之助さんから、「大忍」を学んだという。野田さんの信念を実行して欲しい。政治家は行動力です。
第二の特徴は、小沢さんに頼っていること。輿石さんを幹事長にした。幹事長は公認権と政党助成金150億円を握っている。これは大きな力です。とろが、小沢さんは刑事被告人になってしまった。小沢さんは初公判後、検察批判を展開した。田中角栄も、金丸信も、思い半ばで退場せざる得なかったかもしれないが、やはり、今後の裁判に影響が大きいだろう。
第三は財務省主導だということ。勝栄二郎は次官、野田さんは財務副大臣、財務大臣を経て総理になった。安住財務大臣も問題が多い。何がなんでも増税するという財務省の意思を感じる。
大規模災害の時に増税する前例はない。経済が萎んでいるときに、増税すればもっと悪くなる。ただでさえ、デフレが続いている時にしていいのか。諸外国でも、関東大震災でも、阪神淡路大震災でも、国債で凌ぎ、増税はしていない。今することは、100年に耐える橋を、堤防を、公共施設をつくること。だったら、60年の建設国債ですればいい。100年国債を発行してもいい。
TPPには反対。オバマの再選戦略のためでしかない。5年間で輸出倍増させて米国の景気を回復するためだ。米は日本に入って欲しいだけだ。日本の関税は平均で2.6%しかない。米や韓国の方が高い。為替差損は20%以上ある。関税よりも為替の方が輸出産業には影響が大きい。自動車産業はすでに生産拠点を海外に移している。するなら10%の関税をかけているEUが先ではないのか。
ギリシャの次に日本の財政が悪いというが、これは大嘘。ギリシャは70%が外国人が買っている。しかも、ユーロ建て。日本は95%は国内で所有。しかも、円建て。最後は通貨を刷ればいい。
超円高。海外から安くなった鉄鉱石、セメント買ってきて、東北の道路、堤防をつくること。第二の日本列島改造論だ。TPPは、アジアの成長力を取り込むというが、中国、インド、インドネシアが入っていない。強い者だけが生き残る強欲資本主義ではだめだ。
宰相の条件は�洞察力があること�大局観=地球儀を横に置いて考えること�歴史観・国家観を持つ=首脳同士があって解決するとき、しっかり主張することができること�長期ビジョン=せめて50年の将来を見つめる。TPPを導入したければ、増税したければ、何度も記者会見をして国民に説明すべきではないだろうか。大平総理は在職中亡くなった。命をかける裂帛の気迫がない。小選挙区で政治家が小物になった。衆院300、参院100でいい。まず、自ら血を流さないと国民は納得しない。
デフレを脱却し、緩やかなインフレに。そのためには公共事業しかない。
分科会は第5分科会に参加しました。テーマは「議会の政策形成機能強化の取り組みと大学・研究者との連携」です。コーディネーターは山梨学院大学教授の江藤俊昭さん。パネラーは山形県議の金沢忠一さん、徳島県議の藤田豊さんです。
まずは、江藤さんが報告されました。以下、その概要です。
大学との連携はシティズンシップ教育につながる。個別の研究者と繋がるための制度設計が必要。100
条の2の活用もある。
新しい議会が登場した。議会にはシンクタンクや研究者を使う考えはなかった。しかし、地方分権改革や地方財政危機を背景に、政治主導になってきた。議員の議決責任が大きくなった。
議会は多様な人がいるから、住民参加がしやすい。議会は議論する空間。議論することが新しい発見がある。執行機関と切磋琢磨する。「私は与党だから知事に質問しない」という人もいたが、変わってきた。
新しい議会つくるためには条件整備が必要。議員はボランティアでいいという意見がある。しかし、報酬がないと特定の人しか議員になれない。その意味で条件整備がいる。
議会費。行政改革と議会改革は違う。議会改革は地域民主主義の確立だ。議会事務局の充実は大切だが、現実には難しい。議会事務局を拡充することは、議会事務局機能拡充。大学、研究者との連携、提携というアウトソーシングも必要だ。大学には学生の若い政策を受け取っていくことが大事だ。
大学との連携は、議会インターシップも出てくる。議員は努力していることを知るようになる。家族に言う、友達に言う、そんな広がりが大切だ。
大学との連携の実例としては、山梨県昭和町議会と山梨学院大学ローカルガバナンス研究センターがある。統一地方選後、町議会に教えに行ったことがきっかけ。学生のアイデアだけでなく、住んで欲しいという思いもあった。
通任期で考えることも大事。議会として何をするのか考えるべき。研究者との連携を強化する中で、政策形成能力が強化していくことができる。研修、コンサルタント、学生議会、ワークショップなどが想定できる。専門的知見活用が大事です。
議会サポーター制度。無報酬。参考人制度は委員会で使える制度。常任委員会ではかなりやっている。懇談会でもいいと思う。地方自治法改正で本会議でもできるようにしようとしているが、法に書き込まなければできないのはおかしい。
議会だけでなく、研究者と会派でパートナーシップ協定を持ってもいい。県と大学が包括協定を結んでいることもある。一方で、研究者が正しいとは限らないし、議会が必要なところだけいいとこ取りすることもある。これも問題になっている。
続いて、山形大学と相互協力協定を結んだ山形県議会の金沢県議が説明されました。
議会の機能を伸ばすには大学との連携が必要と考え、議会から大学へ呼びかけた。大学側も結城学長という文科省次官に変わり、地域との連携を深めたいとの思いがあった。他大学もあるのに、なぜ山形大学という批判もあった。自由度を担保するため、連携協定ではなく、相互協力協定とした。1年目は、議場に結城学長を招き、講演会そ開催。委員会が大学を訪問し、大学視察や意見交換をした。宮城県議会とでつくる交流議員連盟で大学を視察した2年目は、政策提言ワークショップを三回開催し、ミニセミナーや留学生に参加してもらって、議論した。また、インターシップも議会事務局に受け入れている。3年目は震災対策特別委員会で、教員2人を招いて議員研修会を開催した。
今後は100条の2の活用で、専門的知見を活用する一方、学生の議会傍聴会、意見交換、さらには授業に議員を派遣するなどしたい。
最後の報告は、徳島文理大学と包括連携協定を結んだ徳島県議会の藤田さんです。
政策立案能力の強化に加え、若者の政治離れの対策として考えた。
学長が議場で講演したほか、大学院生となった県議が知事選の構図などを大学院生と教員の前で講演した。
若手議員と総合政策学部の3年生が、街中のサテライトオフィス「まちなか教室」で意見交換会を開いた。商店街の活性化策を、商店街の理事長らも含めて開催した。その結果、アニメを使った街づくりという質問を知事にした。さらに二回目も開催した。本会議や委員会の傍聴もしてもらった。
議員インターシップは、議会事務局ではなく、会派で受け入れた。期間は学生と話して、任意の5日間。関西広域連合議会も傍聴してもらった。委員会や会派総会を傍聴してもらったほか、会派によっては県外、県内調査に同行した。車中や食事中まで議論している姿に学生は感動したと感想をもらしていた。学生の着眼点が勉強になったという議員もいた。
以後、会場を交えての議論になりました。
鳥取青年会議所が13日、賀露町のかろいち隣の食育文化ホール「とりっこ広場」で、「環境と経済の好循環」をテーマに「環境パートナーシップin因幡」を開催されたので、行って参りました。基調講演されるのが、葉っぱビジネスを立ち上げられたことで知られる徳島県上勝町の横石知二さんだったからです。横石さんは私が朝日新聞松山総局に勤務していた時代、徳島県上勝町の横石さんを取材に訪れ、また、横石さん、ごっくん馬路村で知られるゆずビジネスを立ち上げた東谷さん、夕日が止まる街づくりを進める若松さん、内子町で農産物直販所を立ち上げ、日本一と言われるまでに育てた森本さんの4人を招いて、昼から夜まで徹底討論したシンポを開催したことから、何度もお話は伺ってきたのですが、横石さんからは毎回、元気をもらうので、楽しみです。
横石さんの基調講演は以下が、その概略です。
私は今日のテーマと同じで、環境と観光の好循環を目指してやってきた。まあ、商売が好きなんです。好きこそ、ものの上手なれ。だから、30年やって一度も売り上げを落としたことがない。
大事なことは居場所と出番を作ることです。縦軸に経済性、横軸に社会性を取って、グラフを書いて自分の立ち位置を知ることが大事、そして、それが目標になる。一番いいのは、もちろん(B)。そして、スタートは(C)。これまでは、(A)の社会だったが、今は(D)が商売になるようになった。社会性は環境への配慮と置き換えてもいい。
経済性(高い)
│
(A) │ (B)
│
社会性(低い) ──・── 社会性(高い)
│
(C) │ (D)
│
経済性(低い)
今、私の会社では多くのインターンが働いているが、みな、都会から来た若者です。田舎は、できない理由を見つけて逃げる。マイナス思考です。しかし、これではだめ。いいな流れをつくるのが、プラス思考です。上勝も高齢化率は高い。でも、経験がある高齢者は宝です。インターンを教えるのは高齢者。高齢者の得意分野で勝負できるような仕組み作りが大事だ。
人も商品も地域も出番をつくること。私が働き始めたころの上勝は酒が好き、人の悪口が好き、負け組根性が染み付いている地域だった。そんな中で、大阪で入った寿司屋で、若い子が紅葉の葉っぱを見て、「かわいい。持って帰ろう」とはしゃいでいるんです。これは売れるぞと思って、葉っぱを売ろうとしたが、現場を知らなかったんで全く売れなかった。それで、料亭通いを続けた。でも、何も教えてくれない。業者がお店に入るので一緒に入って、写真を撮っていたら、お店の人から殴られる事件が起こった。血だらけで帰ってきた私を見て、妻が「家に1円の金も入れでんいいから、お客として行ってください」と言ってくれた。それで3年間、料亭に通い詰め、どんな葉っぱが売れるか分かった。
今、200人が働いている。高齢者の持つ良さを活かす仕組みをつくることだ。それと、売った瞬間にデータが記録されるコンビニの仕組みを導入したいと思った。いつ、どの店で、何が、どんな人に売れたかをリアルタイムで集計できるのはすごいと思った。その二つを合わせたのが上勝の仕組みだ。出番、評価、自信は繋がっている。出番をつくり、それが評価され、自信になるようにしないといけない。キーボードは気ボードだ。テレビはぼーっと見れるが、キーボードは押してみないと始まらない。やる気がないと何もできない。だから気ボードだ。
商売のツボは人の習慣を掴むこと。朝の6時に注文の電話をする。早起きの人は「早くてありがとう!頑張ってますね」と評価されるが、朝寝坊の人だと「こんな早くから馬鹿か!」ということになる。①情報力を高める②情報と現場の距離感をちじめる③情報の見える化することが大切だ。山でなければできない。田舎でなければできない商売をすることだ。
上勝のシステムでは見たら得する情報というのがある。私が得た情報をおばちゃんたちの家に戻す仕組みだ。現場で写真を撮ってすぐアップして情報を伝える。そうすると私が何をしているか、みんなすぐ分かる。この信頼関係が重要。いい流れを作れる。
上勝ではバーコードでいつ、何が、どこで売れたか、自宅で分かるようにしている。お年寄りがタブレット端末を70台使っている。田舎は変化を嫌う。してもらうにドップリ浸かっている。これを自分で何かしようと意識改革することだが、そのプロデューサがいない。いい関係で繋がっていることは、相乗効果。足を引っ張ればマイナスになる。このことに気がついてもらうための仕組みが大事だ。
「あっそうか」という「 気付き」、「なるほどな」という「検証」、「よしやってみるか」という「実行」を 習慣にしたい。この3つで、脳を鍛えると、情報が流れる。そして、生活習慣も大事。 活かせる力がつく。時間を守る。綺麗にする。この2つが重要だ。組織ではなく、個を磨くこと。組織はその集合体に過ぎない。地域、商品、人といずれも個を磨くことだ。そのためには、できることを積み重ねて行くことだと思う。
私は人が輝く舞台づくりをしたいと思ってきた。
価値 場面
商品
情報 仕組み
商品を個として輝かすには、価値、場面、情報、そして仕組みづくりが、相互に商品を中心にして連携することだ。
「棚田コミュニティで幸せ作り」という中心に対して、「棚田ファン」「 棚田オーナー」「耕作者」……とたくさんのスポークをつくって自転車の車輪を創りたい。 脳梗塞で倒れながら、右手一本で30万円稼ぐおばばちゃんがいる。元気なころより、今の方が出番がるあるから幸せという。これがほんまの福祉だと思う。上勝では34にゴミを分別している。しかも、自分でゴミステーションに持っていく。大変だと思ったらだめ。ゴミは好きな時間に出せると思ってもらう。分別も商品で分ける。だから簡単だ。ゴミ収集車なし、ゴミ焼却場なし。それが上勝のごみ処理だ。小さな町だからできるんでしょうとよく言われる。だったが、小さなゴミ処理地区を設ければいい。やる気と工夫の問題だ。
応援から共感へ時代は移りつつある。「あなたが作ったものだから買いたい」へ、「いいものだから買いたい」から移りつつある。上手に人に伝えることが大事な時代になった。小学生に分かるように伝えたい。私は「葵の御紋作り」だと思う。商品や地域の切り札は何かを考えたい。そして、自信を持つ。そうすればやる気が育つ。年齢は関係ない。人は誰でも主役になれる。80歳を越えたおばあちゃんが木を植える。収穫できることろには、このおばちゃんは多分生きてはいない。それでも、「死んでも、子や孫のために種を蒔きようんよ」と言って木を植えている。すごいことだと思う。小さくてもいい、キラリと光るものがあることがいい。それが上勝だ。
その後、賀露おやじの会の藤田さん、鳥大の馬場先生も加わってパネルディスカッションもありました。さらには、環境ビジネスに取り組む皆さんが横石さんにアピールするタイムもありました。
県庁の防災監を最後に退職され、今は菜の花を育て、菜種油を精製されている岩下さん=写真左端=のお顔もその中にありました。
横石さんの基調講演は以下が、その概略です。
私は今日のテーマと同じで、環境と観光の好循環を目指してやってきた。まあ、商売が好きなんです。好きこそ、ものの上手なれ。だから、30年やって一度も売り上げを落としたことがない。
大事なことは居場所と出番を作ることです。縦軸に経済性、横軸に社会性を取って、グラフを書いて自分の立ち位置を知ることが大事、そして、それが目標になる。一番いいのは、もちろん(B)。そして、スタートは(C)。これまでは、(A)の社会だったが、今は(D)が商売になるようになった。社会性は環境への配慮と置き換えてもいい。
経済性(高い)
│
(A) │ (B)
│
社会性(低い) ──・── 社会性(高い)
│
(C) │ (D)
│
経済性(低い)
今、私の会社では多くのインターンが働いているが、みな、都会から来た若者です。田舎は、できない理由を見つけて逃げる。マイナス思考です。しかし、これではだめ。いいな流れをつくるのが、プラス思考です。上勝も高齢化率は高い。でも、経験がある高齢者は宝です。インターンを教えるのは高齢者。高齢者の得意分野で勝負できるような仕組み作りが大事だ。
人も商品も地域も出番をつくること。私が働き始めたころの上勝は酒が好き、人の悪口が好き、負け組根性が染み付いている地域だった。そんな中で、大阪で入った寿司屋で、若い子が紅葉の葉っぱを見て、「かわいい。持って帰ろう」とはしゃいでいるんです。これは売れるぞと思って、葉っぱを売ろうとしたが、現場を知らなかったんで全く売れなかった。それで、料亭通いを続けた。でも、何も教えてくれない。業者がお店に入るので一緒に入って、写真を撮っていたら、お店の人から殴られる事件が起こった。血だらけで帰ってきた私を見て、妻が「家に1円の金も入れでんいいから、お客として行ってください」と言ってくれた。それで3年間、料亭に通い詰め、どんな葉っぱが売れるか分かった。
今、200人が働いている。高齢者の持つ良さを活かす仕組みをつくることだ。それと、売った瞬間にデータが記録されるコンビニの仕組みを導入したいと思った。いつ、どの店で、何が、どんな人に売れたかをリアルタイムで集計できるのはすごいと思った。その二つを合わせたのが上勝の仕組みだ。出番、評価、自信は繋がっている。出番をつくり、それが評価され、自信になるようにしないといけない。キーボードは気ボードだ。テレビはぼーっと見れるが、キーボードは押してみないと始まらない。やる気がないと何もできない。だから気ボードだ。
商売のツボは人の習慣を掴むこと。朝の6時に注文の電話をする。早起きの人は「早くてありがとう!頑張ってますね」と評価されるが、朝寝坊の人だと「こんな早くから馬鹿か!」ということになる。①情報力を高める②情報と現場の距離感をちじめる③情報の見える化することが大切だ。山でなければできない。田舎でなければできない商売をすることだ。
上勝のシステムでは見たら得する情報というのがある。私が得た情報をおばちゃんたちの家に戻す仕組みだ。現場で写真を撮ってすぐアップして情報を伝える。そうすると私が何をしているか、みんなすぐ分かる。この信頼関係が重要。いい流れを作れる。
上勝ではバーコードでいつ、何が、どこで売れたか、自宅で分かるようにしている。お年寄りがタブレット端末を70台使っている。田舎は変化を嫌う。してもらうにドップリ浸かっている。これを自分で何かしようと意識改革することだが、そのプロデューサがいない。いい関係で繋がっていることは、相乗効果。足を引っ張ればマイナスになる。このことに気がついてもらうための仕組みが大事だ。
「あっそうか」という「 気付き」、「なるほどな」という「検証」、「よしやってみるか」という「実行」を 習慣にしたい。この3つで、脳を鍛えると、情報が流れる。そして、生活習慣も大事。 活かせる力がつく。時間を守る。綺麗にする。この2つが重要だ。組織ではなく、個を磨くこと。組織はその集合体に過ぎない。地域、商品、人といずれも個を磨くことだ。そのためには、できることを積み重ねて行くことだと思う。
私は人が輝く舞台づくりをしたいと思ってきた。
価値 場面
商品
情報 仕組み
商品を個として輝かすには、価値、場面、情報、そして仕組みづくりが、相互に商品を中心にして連携することだ。
「棚田コミュニティで幸せ作り」という中心に対して、「棚田ファン」「 棚田オーナー」「耕作者」……とたくさんのスポークをつくって自転車の車輪を創りたい。 脳梗塞で倒れながら、右手一本で30万円稼ぐおばばちゃんがいる。元気なころより、今の方が出番がるあるから幸せという。これがほんまの福祉だと思う。上勝では34にゴミを分別している。しかも、自分でゴミステーションに持っていく。大変だと思ったらだめ。ゴミは好きな時間に出せると思ってもらう。分別も商品で分ける。だから簡単だ。ゴミ収集車なし、ゴミ焼却場なし。それが上勝のごみ処理だ。小さな町だからできるんでしょうとよく言われる。だったが、小さなゴミ処理地区を設ければいい。やる気と工夫の問題だ。
応援から共感へ時代は移りつつある。「あなたが作ったものだから買いたい」へ、「いいものだから買いたい」から移りつつある。上手に人に伝えることが大事な時代になった。小学生に分かるように伝えたい。私は「葵の御紋作り」だと思う。商品や地域の切り札は何かを考えたい。そして、自信を持つ。そうすればやる気が育つ。年齢は関係ない。人は誰でも主役になれる。80歳を越えたおばあちゃんが木を植える。収穫できることろには、このおばちゃんは多分生きてはいない。それでも、「死んでも、子や孫のために種を蒔きようんよ」と言って木を植えている。すごいことだと思う。小さくてもいい、キラリと光るものがあることがいい。それが上勝だ。
その後、賀露おやじの会の藤田さん、鳥大の馬場先生も加わってパネルディスカッションもありました。さらには、環境ビジネスに取り組む皆さんが横石さんにアピールするタイムもありました。
県庁の防災監を最後に退職され、今は菜の花を育て、菜種油を精製されている岩下さん=写真左端=のお顔もその中にありました。
東京にお住まいの故西尾優鳥取市長のご子息、西尾啓一さんから宅急便が届きました。ずっしりと重い箱を開けると中から出来たのは3分冊になった本「満ちて溢れず 資料からだどる一人の男の足跡」という本でした。
ページをめくると、資料を読み解いて西尾市長の足跡がまとめられています。すごいのは上巻の途中から始める書簡、新聞記事、議会議事録などの資料です。これはもう、完全に追悼記の域を出ています。大量の資料が、きちんと整理、構成されていますから、西尾市長が生きた時代の貴重な郷土史資料です。啓一さんは上海環球金融中心や東急キャピトルタワーなどの国内外で大きな建築プロジェクトを手掛けてこられた建築家ですから、資料整理に慣れておられたからだと思いますが、それに加えて、何よりも父親である西尾市長への思いがこの質の極めて高い労作を完成させたのだと思います。読者にとって読みやすい工夫が随所に感じられ、本当に優位性の高い資料になっています。これから県政を調べるうえで、あのときはどんなだっただろうと振り返る時は、使わせていただこうと思っています。
各巻500ページから600ページの膨大な資料ですから、パラパラとめくっただけですが、中には「とっとり世界おもちゃ博覧会」の担当だった私が書いた新聞記事も出できます。本当に懐かしく様々な場面が思い起こされました。西尾優さんは本当にぶれることがない政治家だったように思います。今と違い、労組の対立もありました。市立病院の移転新築もありました。しっかりと議論をし、部下の話に耳を貸し、そして、責任を持って決断される方だったと思います。
今、鳥取市では市庁舎移転が降って湧いたように起こり、半年足らずの間に駅北口から旧市立病院跡地へと候補地が変わり、建設費も110億円から、96億円、そして、75億円と変わっていくことを思いますと、やはりトップの資質が如何に大事かが分かると思います。
おもちゃ博覧会で駐車場が足りないのではないかと思った私が、そのことを指摘しますと「砂場さんならどうされますか」と聞き返され、「津ノ井ニュータウンなど造成中の土地がたくさんあるので、そこを駐車場にしてバスでピストン輸送すれば費用もかからないのではないでしょうか」と答えると、「それはいい考えですね」と言われたことがありました。この問答から1週間もたたないうちに市役所内で検討が始まり、現実のものとなりました。
私は大学を出たばかりの駆け出しの記者で、西尾市長は67歳でしたが、いつも、「砂場さん」と呼んでいただき、砂場君とは決して言われませんでした。そこにあるのは、人は人として大事にしたという西尾市長の思いだったのだと思います。返す返すも、任期途中で病に倒れ、懸命のリハビリで復帰されたのに任期途中で辞任されたことが、今のことのように残念でなりません。あと1期、西尾市長が続けられていたら、鳥取市政は今とは違ったものになったであろうと思います。
改めて西尾市長のご冥福をお祈りいたしますとともに、膨大な時間を費やして、この本を世に出した啓一さんに、心からの敬意を表したいと思います。
ページをめくると、資料を読み解いて西尾市長の足跡がまとめられています。すごいのは上巻の途中から始める書簡、新聞記事、議会議事録などの資料です。これはもう、完全に追悼記の域を出ています。大量の資料が、きちんと整理、構成されていますから、西尾市長が生きた時代の貴重な郷土史資料です。啓一さんは上海環球金融中心や東急キャピトルタワーなどの国内外で大きな建築プロジェクトを手掛けてこられた建築家ですから、資料整理に慣れておられたからだと思いますが、それに加えて、何よりも父親である西尾市長への思いがこの質の極めて高い労作を完成させたのだと思います。読者にとって読みやすい工夫が随所に感じられ、本当に優位性の高い資料になっています。これから県政を調べるうえで、あのときはどんなだっただろうと振り返る時は、使わせていただこうと思っています。
各巻500ページから600ページの膨大な資料ですから、パラパラとめくっただけですが、中には「とっとり世界おもちゃ博覧会」の担当だった私が書いた新聞記事も出できます。本当に懐かしく様々な場面が思い起こされました。西尾優さんは本当にぶれることがない政治家だったように思います。今と違い、労組の対立もありました。市立病院の移転新築もありました。しっかりと議論をし、部下の話に耳を貸し、そして、責任を持って決断される方だったと思います。
今、鳥取市では市庁舎移転が降って湧いたように起こり、半年足らずの間に駅北口から旧市立病院跡地へと候補地が変わり、建設費も110億円から、96億円、そして、75億円と変わっていくことを思いますと、やはりトップの資質が如何に大事かが分かると思います。
おもちゃ博覧会で駐車場が足りないのではないかと思った私が、そのことを指摘しますと「砂場さんならどうされますか」と聞き返され、「津ノ井ニュータウンなど造成中の土地がたくさんあるので、そこを駐車場にしてバスでピストン輸送すれば費用もかからないのではないでしょうか」と答えると、「それはいい考えですね」と言われたことがありました。この問答から1週間もたたないうちに市役所内で検討が始まり、現実のものとなりました。
私は大学を出たばかりの駆け出しの記者で、西尾市長は67歳でしたが、いつも、「砂場さん」と呼んでいただき、砂場君とは決して言われませんでした。そこにあるのは、人は人として大事にしたという西尾市長の思いだったのだと思います。返す返すも、任期途中で病に倒れ、懸命のリハビリで復帰されたのに任期途中で辞任されたことが、今のことのように残念でなりません。あと1期、西尾市長が続けられていたら、鳥取市政は今とは違ったものになったであろうと思います。
改めて西尾市長のご冥福をお祈りいたしますとともに、膨大な時間を費やして、この本を世に出した啓一さんに、心からの敬意を表したいと思います。
11月補正予算の編成を控え、私たち会派「かけはし」は先日(7日)、平井知事に予算要望書を提出しました。本来なら2月に提出される来年度当初予算案に対する要望は1月中旬に提出するのが通例なのだそうですが、今、県庁の各部局では来年度予算編成に向けた検討作業が始まっていますので、その中で検討していただきたいと、当初予算案への要望も盛り込みました。その結果、長くなってはいますが、一読いただければ幸甚です。 父の葬儀や特別委員会の県外調査が重なり、アップが遅れたことをお詫びします。
2011年11月7日
鳥取県知事 平井 伸治 様
鳥取県議会会派「かけはし」
会 長 長谷川 稔
平成23年11月補正予算に対する会派要望
会派「かけはし」は平成23年11月補正予算に対する要望を以下のように提出いたします。県予算編成が知事の一般査定に変わったことにより、来年度当初予算案に盛り込んでいただきたい提案についても、今回提出する方が効果的と考えましたので、同時に提出いたします。もちろん、平成23年11月補正予算で前倒しして対応していただいてもかまいません。
いずれも、県民の声をもとに作成したものですので、十分検討していただき、できる限り対応していただくようお願い申し上げます。
◆11月補正予算で是非とも取り組んで欲しい案件
(1) 原子力防災対策の強化
本年3月に発生した東日本大震災での福島第1原発事故を踏まえ、原子力安全委員会の作業部会は、原発事故に備えて防災対策を重点的にとる地域を原発から半径8~10kmとしていた従来の指針を同約30kmに拡大することで合意されたところである。範囲拡大は鳥取県が要望してきたことであり、範囲拡大に伴う中国電力との安全協定の締結、情報収集・連絡体制の整備、高齢者や障がい者を含む実効的な避難計画の策定、必要な資機材整備など原子力防災対策の一層の強化を図られたい。加えて、国に対して具体的な防護対策や財政措置を早期に提示するよう強く求められたい。
(2)緊急雇用対策
三洋コンシューマーエレクトロニクスの事業再編に伴い、鳥取市内で勤務する450人が県外に配置転換される計画が明らかになるなど県内で雇用不安が広がっている。雇用先を拡大することが重要であり、県外企業の誘致、県内企業の新増設のために設けられた「働くぞ!頑張る企業を応援する鳥取県雇用促進事業」の対象事業を、特定補助金を受給している企業や経営革新計画の承認企業以外へも拡大するほか、「重点分野職場体験雇用促進事業」の対象分野も拡大していただきたい。また、雇用のミスマッチを解消するためのミドル・シニア仕事プラザの要員をさらに増員するほか、「県職員全員で就職先を探すプロジェクト」を新設し、職場を開拓した県職員に報奨金を支払う制度を新設されたい。
(3)運転技能免許や大型二種免許の取得補助制度の新設
建設業界、運輸業界への就職を志望する生徒、現に従事している労働者にとっては、特殊車両の免許を持っていたり、小型移動式クレーンやフォークリフトの運転技能講習等を受講していたりすることは、とても有利に働く。そこで、求職者や労働者に対して、大型特殊自動車免許取得等の経費の一部助成制度を新設していただきたい。厚生労働省の教育訓練給付制度で取得経費の20%の給付を受けることができるが、取得経費は高額であり、高卒就職予定者や建設業労働者にとっては負担感じが大きい。スキルアップこそ、この不況での就職戦線を勝ち抜くためには必要であると考える。
また、大型バスを運転できる大型二種免許の保持者は、70代が1600人台、60代と50代が1100人台であるのに対し、40代は600人台、30代が300人台、20代が50人台と極めて少なく、このまま推移すれば鳥取県の公共交通で大きな位置を占めるバスの運行に支障を来たしそうである。大型二種免許の取得費は現在45万円前後もすることが、免許取得の阻害原因となっているので、県内バス会社で一定期間勤務することを条件に免許取得費の補助、もしくは貸与制度を新設していただきたい。
(4)地域のコミュニティ拠点整備の助成制度の新設
中山間地の農山村、沿岸の漁村だけではなく、市街地にある公民館や集会所、隣保館などが市町村の財政悪化を理由に、地元集落へ次々に所有の移転が進められている。この中には耐震改修がなされないまま譲渡されたケースや県単独事業で建築され、市町村に移管された老人憩いの家も含まれている。ところが、これらの施設は築後年数が経過し、老朽化したものが多く、改修修繕の必要があるものが少なくない。地元移転が市町村の財政悪化が原因であるため、改修修繕の要望に対して、市町村の対応が住民の思いに応じきれていない。しかも、地元でも高齢化が進み、年金生活の中から改修修繕費を捻出できないのが現状である。一例であるが、鳥取市用瀬町江波の多目的集会所は、和式の汲み取り便所であるため、地元の皆さんが行ききサロンを実施すると参加したお年寄りは和式では用を足せず、尿意を催す度、ボランティアの皆さんが家まで連れて行き、用を足しては戻ってくるような様子で、サロンの実施に支障をきたしているが、改善の目途は全くたっていない。そこで、地元に移管された地域拠点について、地域住民が申請すれば、改修修繕費を、県と市町村で応分に負担して、地域のコミュニティ拠点を維持するための補助制度を新設していただきたい。施設があるからお年寄りや子どもたちが集え、地域のコミュニティが維持されている。地元の負担が増えれば、施設の利用も減り、最後には地域コミュニティの崩壊にもつながりかねないと危惧している。
(5)介護保険料や助成金など公的資金が投入されている法人への緊急一斉監査
みのり福祉会、あすなろ会と相次いで社会福祉法人の不正会計事件が表面化し、監督権限のある県の監査機能が十分に機能しているか、県民の間から大きな疑問が出ており、信頼の回復は急務である。もちろん、県職員の皆さんが真摯に調査なされたと信頼はしているが、やはり、福祉法人等の会計処理は複雑であり、土地や資本の複雑な操作による不正を見抜くには、極めて専門性の高い知識や経験が必要であると思慮する。担当部課の職員に加え、公認会計士、税理士、経済事犯捜査の豊かな経験を持つ警察官らからなる調査チームを編成して、福祉法人等に対する緊急一斉監査の実施を検討されたい。加えて、緊急一斉監査終了後も、常置的な監査体制を設置されたい。両法人で不正に浪費された金額は判明しているだけで10億円を超える。主に公費で運営していることを考えると、ここは費用がかかっても、監査体制の整備・強化が必要と考える。
(6)急傾斜地の防災対策の推進
県治山砂防課は昨年8月、「急傾斜地崩壊危険区域」354カ所を緊急点検した結果を明らかにした。同年7月の島根の豪雨災害を受けて調査したところ、1メートル以上の落石の危険性や岩盤がむきだしで崩落の恐れがあり、緊急対策が必要な場所が16カ所あることが分り、昨年度までで13カ所が終わったが、残り2カ所についても対策がなされる予定であるが、確実に対応をしていただきたい。(1カ所は再調査で不要と判明)。「緊急性はないが詳細な調査が必要」とされた43カ所のうちの7カ所が昨年度までに対策が取られ、今年度で21カ所の対応が取られ、来年度が11カ所の対応が取られて計画(対策不要が4カ所)だ。確実に計画が進行するよう万全の対応を取られたい。
(7)とっとり元気創造賞の新設
鳥取城北高校相撲部は国体、インターハイなど主要な全大会で団体・個人で優勝し、三洋コンシューマーエレクトロニクスの野球部は会社再編の大波の中で全国大会に優勝し、鳥取県民の大きな励ましとなり、元気をいただいた。教育委員会の表彰はあるが、国民栄誉賞のようなものはない。
業界や公職の地位ではなく、スポーツ、学術、教育、人命救助など県民の全員が頑張ってくれてありがとうと素直に喜べる人や団体だけを毎年ではなく、そういった事績があったときに表彰する制度を新設していただきたい。
(8)プレイベントなど鳥取マンガサミットの広報予算の充実
北京マンガサミットに対して北京市ならびに同市石景山区は相当の費用を投入し、2年を超える準備期間を費やしたと聞いた。振り返って本県の準備状況を見るに、北京での展示ブースは海外からの誘客を狙ったにしては十分とは言えず、国内での認知度もまだ低い。直近の国内での開催である京都大会が3万人を動員にことから考えれば、今からしっかりネジを巻き直して本気でかからねば、「なんだ鳥取県は」ということになりかねない。そのためには版権の使用料を含め、PRが行き届くような財政措置を執っていただきたい。また、本番のマンガサミットが陳腐なものにならないように新年度予算でも格別の配慮をお願いしたい。
◆来年度当初予算で検討していただきたい案件
(1)予算の繰り越しのインセンティブ
予算編成作業の改善が進んでいることは評価するので、さらに努力を重ねていただきたい。かなり意識は改善されたものの、予算は使いきらねば翌年度予算で削減対象にならないかという危惧がまだ職員の中にあるように思える。そこで、当年度に使いきらなかったとしても翌年度に使う繰り越し制度をもっと柔軟にしていただくと共に、むしろ、予算を厳しく運用して、予算を余らした担当課には、余らしたお金の何割かを自由に翌年度予算化できるインセンティブを設けてはどうか。「もったいない」との思いで、執行段階でも、税金の使いみちに厳しい目を向けるようになるではないだろうか。
(2)砂丘のボーリング調査
鳥取砂丘周辺には戦前、尻なし川がいくつもあった。砂丘の地下には岩盤の層があり、その間を地下水が還流しており、それが湧き出して川となったものだ。そこで、砂丘でボーリング調査をして、井戸を掘ってみてはどうだろうか。砂丘の地下から若水が湧き出れば、それだけで新しい観光資源となるだろう。
(3)「支え愛」関連事業予算の拡大
「支え愛」の街づくり事業は、地域包括ケアへ福祉政策を転換させる基盤作りに寄与していると高く評価するので、来年度以降も継続していただきたい。特に地域での見守りシステムの拡張、共生ホームの進展などを進めていただきたい。ただし、「支え愛」の拠点整備事業は「新しい」ことを助成の条件としたが、これまで頑張って地域で高齢者を支えてきた生き生きサロンなどにも目を向けていただきたい。これらの活動も高齢化の波が押し寄せており、公的支援がないと長年続いていた活動が停止しかねない。来年度以降の公募にあたっては、新しさに注目するのではなく、その地域に本当に必要な事業かどうかで判断していただきたい。
(4)地域包括ケアを推進するカリスマ職員の育成
地域包括ケアを進めるのは市町村だが、実現のためには県が市町村の体制構築に強力な後押しをすることが重要である。市町村にあれこれ口を出すだけの指導でなく、具体的に事業を支援することができる事務職・専門職のチームを県庁内に作っていただきたい。また、地域包括ケアを進めるのは施設でも、システムでもなく、人である。そして、先進地には必ず、地域を巻き込んで強力に進めるカリスマと呼ばれる職員がいる。県が市町村の充実した職員研修に取り組んでいただくことは当然として、海外先進地への留学なども含め、他県ではできないような思い切った育成プログラムを企画していただきたい。
(5)地域包括ケアのモデル地区への予算の集中投下
地域包括ケアの進度は、県内の市町村でまちまちであり、一斉にレベルを上げることは難しい。ならば県内市町村の先頭を走る市町村に予算を集中投下してブラシュアップし、全国のトップレベルに進めることで、他市町村に刺激を与えると共に、すぐに学ぶことができるお手本へと育成されたい。琴浦で進められている認知症に対応した徘徊模擬訓練、北栄町で実施されている民生委員、介護施設職員も参加する地域ケア会議を中心にした介護予防活動などは、このモデル地区にふさわしい事業と考えている。現在の地域包括支援センターの多くは、現実には介護保険認定センターでしかない所が少なくない。モデル地区をつくることで、真の地域包括ケアを実現していただきたい。
(6)成年後見支援センターの新設
成年後見制度は高齢者を守るうえでは有効な制度である。県内には弁護士、司法書士、社会福祉士 (ソーシャルワーカー)らでつくる成年後見ネットワークが活動しているが、皆、本業があるうえ、後見人の報酬は低い。違法性の強い高価な品物を売り付ける訪問販売から高齢者を守るためには、クーリングオフの期間毎に居宅を訪問するなど日常活動が必要で、本人の浪費が問題の場合などはとても大変である。1人で10人近い成年後見を引き受けている弁護士もいて、ボランティアで進めるのは限界だ。西部に成年後見支援センター(仮称)が委託事業として設置されたが、東部、中部にも設置を検討していただきたい。
(7)高齢者向けグループホームの新設
3人から5人の高齢者が、これまで暮らしていた街中や中山間地で1軒家を借家的に使って安価にシェアし、グループリビングを展開する高齢者向けグループホームの新設を検討していただきたい。認知症のグループホームを、障がいのない高齢者へ広げようという提言であり、高齢者向けグループホームは住民主体で運営し、自治会や地域づくり協議会が関わっていく形を想定している。昔はどこにでもいた 世話焼きおばちゃん(ライフサポートアドバイザー)が運営の中心になればいいと考える。国土交通省は、各種の高齢者住宅を来年度から高齢者ケア付き住宅に一本化するが、これは市街地向けで、しかも、厚生年金を貰っている富裕サラリーマン層が対象であり、鳥取の中山間地では適用できない。県単独事業となるが、是非とも研究していただきたい。
(8)介護が必要な高齢者や障がい者の交通機関利用時の助成制度新設
介護や補助の必要な高齢者、身障者の利用時に自宅のベッドや車椅子からの乗降などさまざまな介助をする介護タクシーが県内でも走っているが、運転手は2種免許とホームヘルパーの資格を持たねばならず、なかなか広がらない。通院の乗降介助、または、身体介護として介護保険で利用できる場合もあるが、多くは介護保険で利用できない現金対応であることから、利用が増えない原因と思える。障がい者の外出時のタクシー利用を補助する目的で、料金の一部を負担する制度を持つ市町村もあるが、高齢者は対象とならない制度が多いようなので、まず実態調査していただき、高齢者、障がい者の交通手段の確保に努力されたい。
(9)五大疾病の専門医等資格取得支援事業の新設
6月補正予算で、がん専門医等資格取得支援事業として、がん治療に係る各学会が認定する専門医等の新規資格取得を目指す医師に対して、資格審査に必要となる費用の一部を支援することで、県内がん医療水準のさらなる向上を目指すための費用463万4千円が計上された。現代医学は細分化された専門医による高度医療を可能としたが、医学部が1つしなかい県内においては十分とはいえない側面がある。そこで、がん専門医等資格取得支援事業をお手本に、県内死亡率の上位を占める心疾患、肺疾患、脳血管疾患、腎不全、糖尿病の5つの疾患についても類似の制度を設け、県内医療水準の向上に努められたい。
(10)歯科医療検診治療車の開発
虫歯や歯周病の早期発見、早期治療は自分の歯をいつまでも保つためには欠かせないが、県保健医療計画で掲げた歯科検診率は30%に過ぎない。また、歯科検診は学校や公共施設で簡単な器具で調査されているに過ぎず、歯科用レントゲン装置や診療台を整備した歯科検診車もあってもよさそうだが、目にしたことはない。そこで、県がバスを購入して、歯科用レントゲン装置や診療台を搭載した歯科検診治療車を作ってはどうか。レントゲン車など医科用検診車があるのだから、検討されたらいかがだろうか。元気に長生きしていただくためには歯と口腔の健康は欠かせないことを再認識して、検討していただきたい。
(11)病診・病病連携の推進とジェネリック医薬品の使用拡大
急性期の病院であるはずなのに3週間以上入院している例が、県立中央病院で39.9%。厚生病院で40.4%であった。高い医療水準急性期の病院は高い医療水準が求められ、ここでの3週間以上の入院は、医療費の高騰を招くだけでなく、手術など命を繋ぐために一刻を争う患者さんのためにも認めるべきではない。このことは県内の民間病院でも同様であり、病院相互間の連携を高め、急性期、回復期、維持期(リハビリ期)の各ステージに合わせた病院で治療することの徹底を図ることが肝要だ。病診・病病連携の推進のための計画を立案し、実施するとともに、ジェネリック医薬品の使用を求めるジェネリックカードを作成し、ジェネリック医薬品の利用促進に努められたい。
(12)医療人材確保のための実態把握調査の実施
9月補正予算に対する会派要望で、医師・看護師だけでなく、薬剤師の医療人材の不足が県内でも極めて深刻と指摘したが、県は「2009、2010年度は薬学部6年制化に伴い国家試験受験者が少なかった(2009年度は前年度の44%)ことにより、薬剤師不足を訴える薬局も一部に見られたが、近年薬学部の新設が進み、定員も増加し、2011年度以降、新卒薬剤師の増加が見込まれるので、県下全体では、薬剤師不足が急迫している状況にはない」との認識を示された。しかし、定員は増加したものの、6年制導入による受験生離れ、授業料の上昇による地元歯科大への進学志向の強まりなどから、薬局間の薬剤師争奪競争は異常なほどに過熱している。新設薬科大や県内薬局経営者を訪れての政務調査で、2011年度卒業生に対して、薬剤師試験に合格しなかった人への勉学資金の供与、500万円に迫る初任給の提示などをお聞きし、県の認識と大きな隔たりがあることがわかった。理学療法士で実施したいように薬剤師、レントゲン技師、歯科技工士など広範な医療人材に対するニーズ調査を実施して、しっかり現状を把握して、これからの鳥取県の医療を担う医療人材確保を計画的に進められたい。
(13)若年性認知症患者の支援策を充実
近年、若年性認知症がクローズアップされている。早期発見、早期治療が、病状を進行させないうえで大きいので、シンポジウムの開催などで県民への周知に努めていただきたい。現在は長寿社会課が担当だが、若年性であるがゆえに、就労や子育てなどの独特の問題もあるので、それでいいのかも検討もしていただきたい。
(14)障がい児者用ショートステイ施設を県東部、中部にも新設されたい
在宅高齢者向けの福祉施設はショートステイ、小規模多機能、デイサービスと様々なニーズに応えて整備されたが、障がい児者向け施設の整備はまだまだだ。家庭で重度の障害児を見守っているところは本当に大変な毎日を過ごしているが、家人が病気なったり、冠婚葬祭があったりしたときは、子どもを数日預かってもらえるようなショートステイができる施設を求める声が強い。昼間は民間で見てもらえる施設もあるが、宿泊できるところはない。米子市にある県立総合療育センターが、宿泊で障がい児の面倒を見ているが、県東中部から連れて行くのは負担が大きいと嘆く声が多い。県東部と中部にそれぞれ一カ所程度、県立総合療育センターのように県営で宿泊ができる障がい児者用ショートステイ施設を設けることを検討していただきたい。障がい児者の中には想定外の行動を取ることがあり、民間は事故を危惧して、なかなか取り組みが進まないのが現状であり、是非とも検討していただきたい。
(15)街路灯の整備
中学校ではスポーツや文化の部活動に頑張っている生徒が多いが、秋から冬にかけては帰宅するころにはすっかり日が落ちてしまい、中山間地では真っ暗な中を自転車を漕いで、また、徒歩で帰宅することになる。児童生徒の通学の安全を守るために、通学路となっている県道の街路灯の整備をお願いしたい。
(16)再生可能エネルギー導入モデル事業に対する十分な資金措置
環境イニシアティブ事業の中心をなる再生可能エネルギー導入モデル地区に、鳥取市川端通り商店街など2カ所が選ばれ、基本計画づくりが進められている。環境と雇用は鳥取県最大の課題であり、環境イニシアティブ事業は、環境だけではなく、新産業の育成へと繋がり、当新たな雇用も創造するものと期待している。その中心的役割をモデル地区が担うことになると考えるし、それだけに、中途半端なものではなく、これこそが、鳥取の環境政策の頂点だというものにしていただきたい。ついては、十分な予算措置を講じていただくと共に、中国経済産業局や地域整備局などとも連携していただき、国土交通省の社会資本整備総合交付金(エコまちづくり交付金)なども活用して、すばらしい基本計画はできたが、資金供給ができずに計画を縮小したということがないよう万全の対応を取られたい。
(17)地区生活実態把握調査と不動産取引差別調査の実施
5年間隔で実施された地区生活実態把握調査は2005年に実施されて以降、把握調査がなされていない。県内の被差別を表記した「鳥取県の地区」というものが、グーグル社のマップに条例情報を悪用・加工して作成され公表されている。グーグル社と法務局に削除を要請するも、放置されたままにあるのが現状であり、新たな差別が生まれる懸念がある。2010年11月に人権施策基本方針の改定がなされ、本年6月には宅地建物取引上の人権問題に関するアクションプログラムも策定されたが、やはり、継続されている県人権意識調査だけでは不十分で、きちんと生活実態を把握した上で、施策は立案すべきと考えるので、地区生活実態把握調査を早急に実施していただきたい。土地取引についても、宅地建物取引業協会に協力を求めて実態を把握すべきと考える。実態が明らかにならなければ有効な解決手段を模索することができないからだ。アクションプログラムは動き出しており、早急な着手を求めたい。
(18)インターネットのモニタリング監視
携帯電話やパソコンでインターネットを使用する場合、犯罪の危険が潜む出会い系サイトやクリック詐欺、さらには、少女ポルノなどの有害サイトのほか、いじめに繋がる学校裏サイトなど様々な問題がある。県青少年保護条例が改正されて、フィルタリングが義務付けられたといっても、それだけでは十分と言えず、やはり、ネット上をモニタリングして、問題サイトの早期発見、被害が発生する前に問題サイトの予防駆除を図ることが重要だと考える。そこで、子育て王国推進局、県警、教育委員会、人権局の連携の下、統一してモニタリングする担当部署を設けていただきたい。
(19)避難所備蓄品の整備
大規模な災害が発生した想定で、必要な物資の備蓄がなされているが、備蓄品と備蓄体制の再点検を進められたい。発災当初はガス、水道、電気というライフラインが破壊されるので、復旧するまでの間を耐えるためには、発電機、飲料水のほか、学校のプールの水を生活用水として利用するためのポンプ、石油ストーブのように単体で使用できる暖房具が必要だ。また、簡易トイレは断水で使用できなったり、容量が足りなかったりしたケースが東日本大震災ではあった。マンホールトイレは、洋式で段差もないため、高齢者には評判が良かったので、鳥取県でも備蓄量を増やされたい。
(20)有害鳥獣被害対策で里山の整備
クマやシカが有害鳥獣となって人間と共生できなくなったのは中山間地が疲弊したからで、奥山、里山で、人間がはびこってクマやシカを追いやった結果である。クマが出没するのは春から夏で、実の成る木を植え、昆虫も育つ環境を整え、食べる物がたくさんいる緩衝帯を作ることが有害鳥獣対策としては有効と考える。絶滅危惧種を殺していいのかという疑問もあり、原則殺処分というツキノワグマの管理計画は見直すべきである。京都の美山町に行くと非常に綺麗な緩衝帯が整備され、しかも、鳥獣被害は極めて少ないという。山が荒れているのが問題の根源であるから、環境整備計画を立案し、実行して欲しい。
(21)耕作放棄地で菜の花プロジェクト
耕作放棄地で菜の花を栽培する菜の花プロジェクトを応援していただきたい。県内では防災監だった岩下氏が退職金をはたいて搾油機を買って「菜の花工房」を立ち上げて頑張っているが、もう限界と聞いている。東近江市では120ヘクタールもの畑で栽培され、大型の菜の花用コンベアーまで整備されているし、淡路島全部を菜の花にするプロジェクトも進行している。菜の花はとても美しい景観を形成できるだけでなく、種まき、花見、刈り取り、種落としなどを市民が自然と触れ合うイベントとしても構成でき、しかも、菜種油という特産品も生み、エゴマとの二期作も可能で、地域資源としての価値が高い。「菜の花工房」の活動に助成金を支出するほか、器具の貸与などを検討していただきたい。
(22)竹林整備で竹害を解決
筍や竹材を採るために栽培されていた竹林が放置された結果、周囲の植生に孟宗竹が無秩序に侵入する竹の被害が拡大している。筍栽培が経済的に成立しなくなり、竹材の需要も減少すると、竹林は管理されなくなっていったことが原因だ。竹をパウダーにして肥料にするとか、竹炭を竹酢液にするプロジェクトとかなどの計画もあったが立ち消えてしまった。竹の服や竹のシーツ、竹の家具など竹は生活の中で使える。もう一度、全県で竹林を整備して、遊ぶ竹林、食べる竹林、品物を作る竹林を再生する県民運動を展開していただきたい。鳥大、県産業技術センター、医薬品などのメーカーと協力して、何か突破口になるような製品の開発もしていただきたい。
(23)森林施業団地化コーディネーター雇用制度の新設
森林施業団地化推進員配置事業を緊急雇用対策の一環として、平成21年~平成23年度にかけて取り組んでいるが、本年度で打ち切りとなる。団地化が進んでいない状況にある中、団地化を推進していかなければ林業の活性化は難しい。団地化推進員の森林・林業の基礎知識、作業道の開設や間伐技術、プランニング力等が必要となり、事業全体での実践研修(OJT)でのレベルアップが大切である。鳥取県の森林施業の将来に必要な森林施業団地化コーディネーターを、直接雇用するための補助制度の新設が必要と考える。
(24)60年生以上の高齢級間伐補助制度の創設
森林環境保全整備事業の補助対象は、原則60年までとなっているが、60年生以上の木材の割合が増えている。県産材の自給率向上と、高齢級木材の流通を進めるためにも、高齢級の間伐補助制度の新設が必要と考える。
(25)森林ボランティアによる林業の再生
土佐の森救援隊を参考に、林業の再生の一助にしてみてはどうか。森林ボランティアを養成して、土日祝日に作業道や森林の整備(間伐、植樹、山に木質スポンジを戻す運動等)、その他森林関係のイベント(交流会、ボランティア祭り、ログハウス教室、グリーンツーリズム等)の実践活動を展開して、山村地域の住民と、都市部住民が協働作業で共に汗を流すことで、幅広い交流の輪を広げていただきたい。また、森林証券制度を導入して、地場産品との交換券である地域通貨券「モリ(森)券」(地場産品との交換券)を発行し、森林ボランティアの働きに応じて渡し、地域産業の振興、地場産品の消費にも寄与していただきたい。再生する森林は、宮崎県綾町のように照葉樹林を基本とされたい。
(26)高騰する原油に対する助成の上乗せ制度
沿岸、沖合漁業とも漁獲高の減少に悩んでいるが、そこに原油高が追い打ちをかけている。国は直前2年間の平均原油価格に1.15を乗じた額を補填基準額として助成しているが、ここ数年は原油価格が高止まりしているため、補填される額は少なく、これでは漁獲高が多い時期以外は、出漁を控える漁民が絶えない。そこで、補填基準額という考えではなく、85円、できれば80円を超えたときは、国の補填額基準額と85円、もしくは、80円との差額を助成する制度を新設していただきたい。すでに長崎県では実施しており、本県でも見習っていただきたい。
(27)少人数学級の拡大
文部科学省の「公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議」が今年9月に発表した中間とりまとめによると、少人数学級の導入により、学習行動、出欠、不登校の改善について大きな教育効果があると指摘。同省は来年度予算の概算要求で、小学校1年に続き、小学2年生の35人以下学級の実現のための4100人を含め、計7000人の定員改善のために義務教育費国交負担金の8億円の増額を求めている。鳥取県は市町村との協力しつつ、すでに小学校1、2年で30人学級を導入しているが、今回の措置で増えるであろう交付税を原資に小学校3年生以上についても、段階的に30人学級を実施していただきたい。ただし、少人数学級の良さが強調される一方で、適正な学級定数がいくらであるかという疑問もあり、実証的な追跡調査もしていただきたい。
高等学校についても、生徒数の減少を教育環境改善の好機と捕らえ、学級数の削減ではなく、普通科40人、専門科38人の学級定員数の維持に取り組んでいただきたい。
特別支援学級についても、現在、1学級の定員は8人であるが、3つの学年以上で構成されている学級では、児童生徒の障害に応じた十分な教育が難しいことから、定員を削減するとともに、児童生徒の障害に応じて、さらなる加配も検討されたい。
(28)経済的に苦しい高校生家庭の負担軽減
高校教育は無償化したのであるから、県立高校の入学金は廃止していただきたい。また、県立高校では学校によって大きく違うものの、6000円前後の生徒会費、5000円前後のPTA会費、1万~6万円の学年費、1000円~6万円の教材費、高い学校は9万円にもなる修学旅行費などの校納金が年間で必要になり、経済的に苦しい生徒の家庭では大きな負担になっている。中学生の中には、この経済負担から進学を断念する生徒もいるので、保護者の収入に合わせた減免、もしくは、助成制度を新設されたい。
(29)学校施設の非構造物の耐震化
東日本大震災では1636校の天井材が、410校では照明器具が落下し、怪我をする児童生徒が発生した。天井から吊ったテレビが落下したほか、体育館の天井や壁に固定してあったバスケットボールゴールの固定金具が破損して傾き、体育館に避難していた約400人が隣の校舎へ再度避難したという事例も報告されている。建物の耐震化を進めることも大事ではあるが、それと同時に天井や照明器具といった非構造材、さらには、設備機械等についても、県立高校の耐震化を進め、生徒の安全を守っていただきたい。
(30)特別支援学校を障がい者の避難所として活用できる体制整備
東日本大震災では、障がい者が避難所に受け入れられなかったり、避難所の生活に困難が生じたりした事例が見られた。特別支援学校は障がい者を始めとする要介護者にとってのバリアフリー環境が整っているので、あらかじめ福祉保健部と危機管理局、県教委の連携の下で、特別支援学校を障がい者を主として受け入れる福祉避難所に指定し、一般の避難所の備蓄品に加え、オストメイトや痰の吸引などの機器を備蓄しておくなどの整備を進められたい。
(31)幼児教育におけるLD等特別支援員の新設
小中学校では学習障害(LD)の児童生徒に対応して、LD等特別支援非常勤講師が加配されているが、保育園、幼稚園にはそのような加配はない。LDと思われる幼児は早期にきちんとした教育的対応をしてから、就学させた方が、お子さんにとっても、受け入れる学校にとっても、教育的効果が大きいと思われる。県単独、もしくは、市町村への補助事業で、保育園、幼稚園へのLD等特別支援員の配置を検討されたい。
(32)教育現場の非常勤教員の待遇改善
教育現場では特別支援学級支援やLD等特別支援、小規模サポートは非常勤講師で担われており、小学校現場では教職員定数2641人に対し、非常勤は511人、中学校現場では定数1472人に対し、非常勤175人と多くの非正規雇用がなされているが、できるだけ非常勤ではなく、正規職員で雇用するように努められたい。また、高等学校の非常勤講師の給与単価は1コマ2540円で、週15時間前後の授業で、夏休み等の長期休暇もあるため、年収にすると200万円を切っている人が少なくない。単価を国レベルの2790円に引き上げ、待遇の改善に務められたい。
(33)日本語未習熟児童生徒への配慮
日本語を母国語としない児童生徒が、授業の理解を手助けするためになされている教員の加配は現在、渡日から3年を基準になされているが、3年間では日本語の習得には短く、十分理解できないまま授業を受けている児童生徒もいる。奈良県では渡日後5年を基本に特別加配がなされており、児童生徒の日本語能力に応じて、場合によっては奈良県にならって3年以上の児童生徒でもあった加配をしていただきたい。
(34)美術館・博物館の連携強化
美術館、博物館は学校教育、生涯教育を進める上で重要であるばかりか、観光立県を考える時には、その充実も求められる。県の各施設のほか、県内の公民館や市町村庁舎などには地元作家から寄贈されたが、いつの間にか作者名も忘れられたような名品がたくさん眠っているように感じる。県立博物館を中心に各市町村と協力して、所有美術品・歴史資料の悉皆調査を実施し、文化財データベースを作成していただきたい。完成後は各施設に公開し、各施設での企画展や常設展示では相互に他施設所有の美術品・歴史資料を展示して、各館の専門性と魅力をアップしていただきたい。また、県東中部の施設に全部入れる因幡共通券、県西部の施設に全部入れる伯耆共通券を制作し、1館で終わるところを、もう1館を巡ってもらえるようにしていただきたい。
(35)不登校と自殺対策
不登校児童生徒の対応をするスクールカウンセラーをマンツウマンで、きめ細かく対応できるように加配していただきたい。不登校をそのまま放置するといじめなどにつながり、お子さんが命を絶つような最悪なケースも想定されるからだ。「うつ病は心の風邪で、治療すれば完治する病気。精神科の受診は何も恥ずかしいことなどないよ」というように誰もが考えることができるように、児童生徒に加え、教師、保護者を対象にした研修会やシンポジウムも開催する経費を計上していただきたい。うつ病は早期に治療を開始すれば、快復も早いが、遅れると自殺へもつながる。児童生徒が十分に睡眠を取れているかなど担任教師に十分な配慮を求めることに加え、疑われる症状を発見したら、すぐ専門医に受診することができるような配慮をしていただきたい。
2011年11月7日
鳥取県知事 平井 伸治 様
鳥取県議会会派「かけはし」
会 長 長谷川 稔
平成23年11月補正予算に対する会派要望
会派「かけはし」は平成23年11月補正予算に対する要望を以下のように提出いたします。県予算編成が知事の一般査定に変わったことにより、来年度当初予算案に盛り込んでいただきたい提案についても、今回提出する方が効果的と考えましたので、同時に提出いたします。もちろん、平成23年11月補正予算で前倒しして対応していただいてもかまいません。
いずれも、県民の声をもとに作成したものですので、十分検討していただき、できる限り対応していただくようお願い申し上げます。
◆11月補正予算で是非とも取り組んで欲しい案件
(1) 原子力防災対策の強化
本年3月に発生した東日本大震災での福島第1原発事故を踏まえ、原子力安全委員会の作業部会は、原発事故に備えて防災対策を重点的にとる地域を原発から半径8~10kmとしていた従来の指針を同約30kmに拡大することで合意されたところである。範囲拡大は鳥取県が要望してきたことであり、範囲拡大に伴う中国電力との安全協定の締結、情報収集・連絡体制の整備、高齢者や障がい者を含む実効的な避難計画の策定、必要な資機材整備など原子力防災対策の一層の強化を図られたい。加えて、国に対して具体的な防護対策や財政措置を早期に提示するよう強く求められたい。
(2)緊急雇用対策
三洋コンシューマーエレクトロニクスの事業再編に伴い、鳥取市内で勤務する450人が県外に配置転換される計画が明らかになるなど県内で雇用不安が広がっている。雇用先を拡大することが重要であり、県外企業の誘致、県内企業の新増設のために設けられた「働くぞ!頑張る企業を応援する鳥取県雇用促進事業」の対象事業を、特定補助金を受給している企業や経営革新計画の承認企業以外へも拡大するほか、「重点分野職場体験雇用促進事業」の対象分野も拡大していただきたい。また、雇用のミスマッチを解消するためのミドル・シニア仕事プラザの要員をさらに増員するほか、「県職員全員で就職先を探すプロジェクト」を新設し、職場を開拓した県職員に報奨金を支払う制度を新設されたい。
(3)運転技能免許や大型二種免許の取得補助制度の新設
建設業界、運輸業界への就職を志望する生徒、現に従事している労働者にとっては、特殊車両の免許を持っていたり、小型移動式クレーンやフォークリフトの運転技能講習等を受講していたりすることは、とても有利に働く。そこで、求職者や労働者に対して、大型特殊自動車免許取得等の経費の一部助成制度を新設していただきたい。厚生労働省の教育訓練給付制度で取得経費の20%の給付を受けることができるが、取得経費は高額であり、高卒就職予定者や建設業労働者にとっては負担感じが大きい。スキルアップこそ、この不況での就職戦線を勝ち抜くためには必要であると考える。
また、大型バスを運転できる大型二種免許の保持者は、70代が1600人台、60代と50代が1100人台であるのに対し、40代は600人台、30代が300人台、20代が50人台と極めて少なく、このまま推移すれば鳥取県の公共交通で大きな位置を占めるバスの運行に支障を来たしそうである。大型二種免許の取得費は現在45万円前後もすることが、免許取得の阻害原因となっているので、県内バス会社で一定期間勤務することを条件に免許取得費の補助、もしくは貸与制度を新設していただきたい。
(4)地域のコミュニティ拠点整備の助成制度の新設
中山間地の農山村、沿岸の漁村だけではなく、市街地にある公民館や集会所、隣保館などが市町村の財政悪化を理由に、地元集落へ次々に所有の移転が進められている。この中には耐震改修がなされないまま譲渡されたケースや県単独事業で建築され、市町村に移管された老人憩いの家も含まれている。ところが、これらの施設は築後年数が経過し、老朽化したものが多く、改修修繕の必要があるものが少なくない。地元移転が市町村の財政悪化が原因であるため、改修修繕の要望に対して、市町村の対応が住民の思いに応じきれていない。しかも、地元でも高齢化が進み、年金生活の中から改修修繕費を捻出できないのが現状である。一例であるが、鳥取市用瀬町江波の多目的集会所は、和式の汲み取り便所であるため、地元の皆さんが行ききサロンを実施すると参加したお年寄りは和式では用を足せず、尿意を催す度、ボランティアの皆さんが家まで連れて行き、用を足しては戻ってくるような様子で、サロンの実施に支障をきたしているが、改善の目途は全くたっていない。そこで、地元に移管された地域拠点について、地域住民が申請すれば、改修修繕費を、県と市町村で応分に負担して、地域のコミュニティ拠点を維持するための補助制度を新設していただきたい。施設があるからお年寄りや子どもたちが集え、地域のコミュニティが維持されている。地元の負担が増えれば、施設の利用も減り、最後には地域コミュニティの崩壊にもつながりかねないと危惧している。
(5)介護保険料や助成金など公的資金が投入されている法人への緊急一斉監査
みのり福祉会、あすなろ会と相次いで社会福祉法人の不正会計事件が表面化し、監督権限のある県の監査機能が十分に機能しているか、県民の間から大きな疑問が出ており、信頼の回復は急務である。もちろん、県職員の皆さんが真摯に調査なされたと信頼はしているが、やはり、福祉法人等の会計処理は複雑であり、土地や資本の複雑な操作による不正を見抜くには、極めて専門性の高い知識や経験が必要であると思慮する。担当部課の職員に加え、公認会計士、税理士、経済事犯捜査の豊かな経験を持つ警察官らからなる調査チームを編成して、福祉法人等に対する緊急一斉監査の実施を検討されたい。加えて、緊急一斉監査終了後も、常置的な監査体制を設置されたい。両法人で不正に浪費された金額は判明しているだけで10億円を超える。主に公費で運営していることを考えると、ここは費用がかかっても、監査体制の整備・強化が必要と考える。
(6)急傾斜地の防災対策の推進
県治山砂防課は昨年8月、「急傾斜地崩壊危険区域」354カ所を緊急点検した結果を明らかにした。同年7月の島根の豪雨災害を受けて調査したところ、1メートル以上の落石の危険性や岩盤がむきだしで崩落の恐れがあり、緊急対策が必要な場所が16カ所あることが分り、昨年度までで13カ所が終わったが、残り2カ所についても対策がなされる予定であるが、確実に対応をしていただきたい。(1カ所は再調査で不要と判明)。「緊急性はないが詳細な調査が必要」とされた43カ所のうちの7カ所が昨年度までに対策が取られ、今年度で21カ所の対応が取られ、来年度が11カ所の対応が取られて計画(対策不要が4カ所)だ。確実に計画が進行するよう万全の対応を取られたい。
(7)とっとり元気創造賞の新設
鳥取城北高校相撲部は国体、インターハイなど主要な全大会で団体・個人で優勝し、三洋コンシューマーエレクトロニクスの野球部は会社再編の大波の中で全国大会に優勝し、鳥取県民の大きな励ましとなり、元気をいただいた。教育委員会の表彰はあるが、国民栄誉賞のようなものはない。
業界や公職の地位ではなく、スポーツ、学術、教育、人命救助など県民の全員が頑張ってくれてありがとうと素直に喜べる人や団体だけを毎年ではなく、そういった事績があったときに表彰する制度を新設していただきたい。
(8)プレイベントなど鳥取マンガサミットの広報予算の充実
北京マンガサミットに対して北京市ならびに同市石景山区は相当の費用を投入し、2年を超える準備期間を費やしたと聞いた。振り返って本県の準備状況を見るに、北京での展示ブースは海外からの誘客を狙ったにしては十分とは言えず、国内での認知度もまだ低い。直近の国内での開催である京都大会が3万人を動員にことから考えれば、今からしっかりネジを巻き直して本気でかからねば、「なんだ鳥取県は」ということになりかねない。そのためには版権の使用料を含め、PRが行き届くような財政措置を執っていただきたい。また、本番のマンガサミットが陳腐なものにならないように新年度予算でも格別の配慮をお願いしたい。
◆来年度当初予算で検討していただきたい案件
(1)予算の繰り越しのインセンティブ
予算編成作業の改善が進んでいることは評価するので、さらに努力を重ねていただきたい。かなり意識は改善されたものの、予算は使いきらねば翌年度予算で削減対象にならないかという危惧がまだ職員の中にあるように思える。そこで、当年度に使いきらなかったとしても翌年度に使う繰り越し制度をもっと柔軟にしていただくと共に、むしろ、予算を厳しく運用して、予算を余らした担当課には、余らしたお金の何割かを自由に翌年度予算化できるインセンティブを設けてはどうか。「もったいない」との思いで、執行段階でも、税金の使いみちに厳しい目を向けるようになるではないだろうか。
(2)砂丘のボーリング調査
鳥取砂丘周辺には戦前、尻なし川がいくつもあった。砂丘の地下には岩盤の層があり、その間を地下水が還流しており、それが湧き出して川となったものだ。そこで、砂丘でボーリング調査をして、井戸を掘ってみてはどうだろうか。砂丘の地下から若水が湧き出れば、それだけで新しい観光資源となるだろう。
(3)「支え愛」関連事業予算の拡大
「支え愛」の街づくり事業は、地域包括ケアへ福祉政策を転換させる基盤作りに寄与していると高く評価するので、来年度以降も継続していただきたい。特に地域での見守りシステムの拡張、共生ホームの進展などを進めていただきたい。ただし、「支え愛」の拠点整備事業は「新しい」ことを助成の条件としたが、これまで頑張って地域で高齢者を支えてきた生き生きサロンなどにも目を向けていただきたい。これらの活動も高齢化の波が押し寄せており、公的支援がないと長年続いていた活動が停止しかねない。来年度以降の公募にあたっては、新しさに注目するのではなく、その地域に本当に必要な事業かどうかで判断していただきたい。
(4)地域包括ケアを推進するカリスマ職員の育成
地域包括ケアを進めるのは市町村だが、実現のためには県が市町村の体制構築に強力な後押しをすることが重要である。市町村にあれこれ口を出すだけの指導でなく、具体的に事業を支援することができる事務職・専門職のチームを県庁内に作っていただきたい。また、地域包括ケアを進めるのは施設でも、システムでもなく、人である。そして、先進地には必ず、地域を巻き込んで強力に進めるカリスマと呼ばれる職員がいる。県が市町村の充実した職員研修に取り組んでいただくことは当然として、海外先進地への留学なども含め、他県ではできないような思い切った育成プログラムを企画していただきたい。
(5)地域包括ケアのモデル地区への予算の集中投下
地域包括ケアの進度は、県内の市町村でまちまちであり、一斉にレベルを上げることは難しい。ならば県内市町村の先頭を走る市町村に予算を集中投下してブラシュアップし、全国のトップレベルに進めることで、他市町村に刺激を与えると共に、すぐに学ぶことができるお手本へと育成されたい。琴浦で進められている認知症に対応した徘徊模擬訓練、北栄町で実施されている民生委員、介護施設職員も参加する地域ケア会議を中心にした介護予防活動などは、このモデル地区にふさわしい事業と考えている。現在の地域包括支援センターの多くは、現実には介護保険認定センターでしかない所が少なくない。モデル地区をつくることで、真の地域包括ケアを実現していただきたい。
(6)成年後見支援センターの新設
成年後見制度は高齢者を守るうえでは有効な制度である。県内には弁護士、司法書士、社会福祉士 (ソーシャルワーカー)らでつくる成年後見ネットワークが活動しているが、皆、本業があるうえ、後見人の報酬は低い。違法性の強い高価な品物を売り付ける訪問販売から高齢者を守るためには、クーリングオフの期間毎に居宅を訪問するなど日常活動が必要で、本人の浪費が問題の場合などはとても大変である。1人で10人近い成年後見を引き受けている弁護士もいて、ボランティアで進めるのは限界だ。西部に成年後見支援センター(仮称)が委託事業として設置されたが、東部、中部にも設置を検討していただきたい。
(7)高齢者向けグループホームの新設
3人から5人の高齢者が、これまで暮らしていた街中や中山間地で1軒家を借家的に使って安価にシェアし、グループリビングを展開する高齢者向けグループホームの新設を検討していただきたい。認知症のグループホームを、障がいのない高齢者へ広げようという提言であり、高齢者向けグループホームは住民主体で運営し、自治会や地域づくり協議会が関わっていく形を想定している。昔はどこにでもいた 世話焼きおばちゃん(ライフサポートアドバイザー)が運営の中心になればいいと考える。国土交通省は、各種の高齢者住宅を来年度から高齢者ケア付き住宅に一本化するが、これは市街地向けで、しかも、厚生年金を貰っている富裕サラリーマン層が対象であり、鳥取の中山間地では適用できない。県単独事業となるが、是非とも研究していただきたい。
(8)介護が必要な高齢者や障がい者の交通機関利用時の助成制度新設
介護や補助の必要な高齢者、身障者の利用時に自宅のベッドや車椅子からの乗降などさまざまな介助をする介護タクシーが県内でも走っているが、運転手は2種免許とホームヘルパーの資格を持たねばならず、なかなか広がらない。通院の乗降介助、または、身体介護として介護保険で利用できる場合もあるが、多くは介護保険で利用できない現金対応であることから、利用が増えない原因と思える。障がい者の外出時のタクシー利用を補助する目的で、料金の一部を負担する制度を持つ市町村もあるが、高齢者は対象とならない制度が多いようなので、まず実態調査していただき、高齢者、障がい者の交通手段の確保に努力されたい。
(9)五大疾病の専門医等資格取得支援事業の新設
6月補正予算で、がん専門医等資格取得支援事業として、がん治療に係る各学会が認定する専門医等の新規資格取得を目指す医師に対して、資格審査に必要となる費用の一部を支援することで、県内がん医療水準のさらなる向上を目指すための費用463万4千円が計上された。現代医学は細分化された専門医による高度医療を可能としたが、医学部が1つしなかい県内においては十分とはいえない側面がある。そこで、がん専門医等資格取得支援事業をお手本に、県内死亡率の上位を占める心疾患、肺疾患、脳血管疾患、腎不全、糖尿病の5つの疾患についても類似の制度を設け、県内医療水準の向上に努められたい。
(10)歯科医療検診治療車の開発
虫歯や歯周病の早期発見、早期治療は自分の歯をいつまでも保つためには欠かせないが、県保健医療計画で掲げた歯科検診率は30%に過ぎない。また、歯科検診は学校や公共施設で簡単な器具で調査されているに過ぎず、歯科用レントゲン装置や診療台を整備した歯科検診車もあってもよさそうだが、目にしたことはない。そこで、県がバスを購入して、歯科用レントゲン装置や診療台を搭載した歯科検診治療車を作ってはどうか。レントゲン車など医科用検診車があるのだから、検討されたらいかがだろうか。元気に長生きしていただくためには歯と口腔の健康は欠かせないことを再認識して、検討していただきたい。
(11)病診・病病連携の推進とジェネリック医薬品の使用拡大
急性期の病院であるはずなのに3週間以上入院している例が、県立中央病院で39.9%。厚生病院で40.4%であった。高い医療水準急性期の病院は高い医療水準が求められ、ここでの3週間以上の入院は、医療費の高騰を招くだけでなく、手術など命を繋ぐために一刻を争う患者さんのためにも認めるべきではない。このことは県内の民間病院でも同様であり、病院相互間の連携を高め、急性期、回復期、維持期(リハビリ期)の各ステージに合わせた病院で治療することの徹底を図ることが肝要だ。病診・病病連携の推進のための計画を立案し、実施するとともに、ジェネリック医薬品の使用を求めるジェネリックカードを作成し、ジェネリック医薬品の利用促進に努められたい。
(12)医療人材確保のための実態把握調査の実施
9月補正予算に対する会派要望で、医師・看護師だけでなく、薬剤師の医療人材の不足が県内でも極めて深刻と指摘したが、県は「2009、2010年度は薬学部6年制化に伴い国家試験受験者が少なかった(2009年度は前年度の44%)ことにより、薬剤師不足を訴える薬局も一部に見られたが、近年薬学部の新設が進み、定員も増加し、2011年度以降、新卒薬剤師の増加が見込まれるので、県下全体では、薬剤師不足が急迫している状況にはない」との認識を示された。しかし、定員は増加したものの、6年制導入による受験生離れ、授業料の上昇による地元歯科大への進学志向の強まりなどから、薬局間の薬剤師争奪競争は異常なほどに過熱している。新設薬科大や県内薬局経営者を訪れての政務調査で、2011年度卒業生に対して、薬剤師試験に合格しなかった人への勉学資金の供与、500万円に迫る初任給の提示などをお聞きし、県の認識と大きな隔たりがあることがわかった。理学療法士で実施したいように薬剤師、レントゲン技師、歯科技工士など広範な医療人材に対するニーズ調査を実施して、しっかり現状を把握して、これからの鳥取県の医療を担う医療人材確保を計画的に進められたい。
(13)若年性認知症患者の支援策を充実
近年、若年性認知症がクローズアップされている。早期発見、早期治療が、病状を進行させないうえで大きいので、シンポジウムの開催などで県民への周知に努めていただきたい。現在は長寿社会課が担当だが、若年性であるがゆえに、就労や子育てなどの独特の問題もあるので、それでいいのかも検討もしていただきたい。
(14)障がい児者用ショートステイ施設を県東部、中部にも新設されたい
在宅高齢者向けの福祉施設はショートステイ、小規模多機能、デイサービスと様々なニーズに応えて整備されたが、障がい児者向け施設の整備はまだまだだ。家庭で重度の障害児を見守っているところは本当に大変な毎日を過ごしているが、家人が病気なったり、冠婚葬祭があったりしたときは、子どもを数日預かってもらえるようなショートステイができる施設を求める声が強い。昼間は民間で見てもらえる施設もあるが、宿泊できるところはない。米子市にある県立総合療育センターが、宿泊で障がい児の面倒を見ているが、県東中部から連れて行くのは負担が大きいと嘆く声が多い。県東部と中部にそれぞれ一カ所程度、県立総合療育センターのように県営で宿泊ができる障がい児者用ショートステイ施設を設けることを検討していただきたい。障がい児者の中には想定外の行動を取ることがあり、民間は事故を危惧して、なかなか取り組みが進まないのが現状であり、是非とも検討していただきたい。
(15)街路灯の整備
中学校ではスポーツや文化の部活動に頑張っている生徒が多いが、秋から冬にかけては帰宅するころにはすっかり日が落ちてしまい、中山間地では真っ暗な中を自転車を漕いで、また、徒歩で帰宅することになる。児童生徒の通学の安全を守るために、通学路となっている県道の街路灯の整備をお願いしたい。
(16)再生可能エネルギー導入モデル事業に対する十分な資金措置
環境イニシアティブ事業の中心をなる再生可能エネルギー導入モデル地区に、鳥取市川端通り商店街など2カ所が選ばれ、基本計画づくりが進められている。環境と雇用は鳥取県最大の課題であり、環境イニシアティブ事業は、環境だけではなく、新産業の育成へと繋がり、当新たな雇用も創造するものと期待している。その中心的役割をモデル地区が担うことになると考えるし、それだけに、中途半端なものではなく、これこそが、鳥取の環境政策の頂点だというものにしていただきたい。ついては、十分な予算措置を講じていただくと共に、中国経済産業局や地域整備局などとも連携していただき、国土交通省の社会資本整備総合交付金(エコまちづくり交付金)なども活用して、すばらしい基本計画はできたが、資金供給ができずに計画を縮小したということがないよう万全の対応を取られたい。
(17)地区生活実態把握調査と不動産取引差別調査の実施
5年間隔で実施された地区生活実態把握調査は2005年に実施されて以降、把握調査がなされていない。県内の被差別を表記した「鳥取県の地区」というものが、グーグル社のマップに条例情報を悪用・加工して作成され公表されている。グーグル社と法務局に削除を要請するも、放置されたままにあるのが現状であり、新たな差別が生まれる懸念がある。2010年11月に人権施策基本方針の改定がなされ、本年6月には宅地建物取引上の人権問題に関するアクションプログラムも策定されたが、やはり、継続されている県人権意識調査だけでは不十分で、きちんと生活実態を把握した上で、施策は立案すべきと考えるので、地区生活実態把握調査を早急に実施していただきたい。土地取引についても、宅地建物取引業協会に協力を求めて実態を把握すべきと考える。実態が明らかにならなければ有効な解決手段を模索することができないからだ。アクションプログラムは動き出しており、早急な着手を求めたい。
(18)インターネットのモニタリング監視
携帯電話やパソコンでインターネットを使用する場合、犯罪の危険が潜む出会い系サイトやクリック詐欺、さらには、少女ポルノなどの有害サイトのほか、いじめに繋がる学校裏サイトなど様々な問題がある。県青少年保護条例が改正されて、フィルタリングが義務付けられたといっても、それだけでは十分と言えず、やはり、ネット上をモニタリングして、問題サイトの早期発見、被害が発生する前に問題サイトの予防駆除を図ることが重要だと考える。そこで、子育て王国推進局、県警、教育委員会、人権局の連携の下、統一してモニタリングする担当部署を設けていただきたい。
(19)避難所備蓄品の整備
大規模な災害が発生した想定で、必要な物資の備蓄がなされているが、備蓄品と備蓄体制の再点検を進められたい。発災当初はガス、水道、電気というライフラインが破壊されるので、復旧するまでの間を耐えるためには、発電機、飲料水のほか、学校のプールの水を生活用水として利用するためのポンプ、石油ストーブのように単体で使用できる暖房具が必要だ。また、簡易トイレは断水で使用できなったり、容量が足りなかったりしたケースが東日本大震災ではあった。マンホールトイレは、洋式で段差もないため、高齢者には評判が良かったので、鳥取県でも備蓄量を増やされたい。
(20)有害鳥獣被害対策で里山の整備
クマやシカが有害鳥獣となって人間と共生できなくなったのは中山間地が疲弊したからで、奥山、里山で、人間がはびこってクマやシカを追いやった結果である。クマが出没するのは春から夏で、実の成る木を植え、昆虫も育つ環境を整え、食べる物がたくさんいる緩衝帯を作ることが有害鳥獣対策としては有効と考える。絶滅危惧種を殺していいのかという疑問もあり、原則殺処分というツキノワグマの管理計画は見直すべきである。京都の美山町に行くと非常に綺麗な緩衝帯が整備され、しかも、鳥獣被害は極めて少ないという。山が荒れているのが問題の根源であるから、環境整備計画を立案し、実行して欲しい。
(21)耕作放棄地で菜の花プロジェクト
耕作放棄地で菜の花を栽培する菜の花プロジェクトを応援していただきたい。県内では防災監だった岩下氏が退職金をはたいて搾油機を買って「菜の花工房」を立ち上げて頑張っているが、もう限界と聞いている。東近江市では120ヘクタールもの畑で栽培され、大型の菜の花用コンベアーまで整備されているし、淡路島全部を菜の花にするプロジェクトも進行している。菜の花はとても美しい景観を形成できるだけでなく、種まき、花見、刈り取り、種落としなどを市民が自然と触れ合うイベントとしても構成でき、しかも、菜種油という特産品も生み、エゴマとの二期作も可能で、地域資源としての価値が高い。「菜の花工房」の活動に助成金を支出するほか、器具の貸与などを検討していただきたい。
(22)竹林整備で竹害を解決
筍や竹材を採るために栽培されていた竹林が放置された結果、周囲の植生に孟宗竹が無秩序に侵入する竹の被害が拡大している。筍栽培が経済的に成立しなくなり、竹材の需要も減少すると、竹林は管理されなくなっていったことが原因だ。竹をパウダーにして肥料にするとか、竹炭を竹酢液にするプロジェクトとかなどの計画もあったが立ち消えてしまった。竹の服や竹のシーツ、竹の家具など竹は生活の中で使える。もう一度、全県で竹林を整備して、遊ぶ竹林、食べる竹林、品物を作る竹林を再生する県民運動を展開していただきたい。鳥大、県産業技術センター、医薬品などのメーカーと協力して、何か突破口になるような製品の開発もしていただきたい。
(23)森林施業団地化コーディネーター雇用制度の新設
森林施業団地化推進員配置事業を緊急雇用対策の一環として、平成21年~平成23年度にかけて取り組んでいるが、本年度で打ち切りとなる。団地化が進んでいない状況にある中、団地化を推進していかなければ林業の活性化は難しい。団地化推進員の森林・林業の基礎知識、作業道の開設や間伐技術、プランニング力等が必要となり、事業全体での実践研修(OJT)でのレベルアップが大切である。鳥取県の森林施業の将来に必要な森林施業団地化コーディネーターを、直接雇用するための補助制度の新設が必要と考える。
(24)60年生以上の高齢級間伐補助制度の創設
森林環境保全整備事業の補助対象は、原則60年までとなっているが、60年生以上の木材の割合が増えている。県産材の自給率向上と、高齢級木材の流通を進めるためにも、高齢級の間伐補助制度の新設が必要と考える。
(25)森林ボランティアによる林業の再生
土佐の森救援隊を参考に、林業の再生の一助にしてみてはどうか。森林ボランティアを養成して、土日祝日に作業道や森林の整備(間伐、植樹、山に木質スポンジを戻す運動等)、その他森林関係のイベント(交流会、ボランティア祭り、ログハウス教室、グリーンツーリズム等)の実践活動を展開して、山村地域の住民と、都市部住民が協働作業で共に汗を流すことで、幅広い交流の輪を広げていただきたい。また、森林証券制度を導入して、地場産品との交換券である地域通貨券「モリ(森)券」(地場産品との交換券)を発行し、森林ボランティアの働きに応じて渡し、地域産業の振興、地場産品の消費にも寄与していただきたい。再生する森林は、宮崎県綾町のように照葉樹林を基本とされたい。
(26)高騰する原油に対する助成の上乗せ制度
沿岸、沖合漁業とも漁獲高の減少に悩んでいるが、そこに原油高が追い打ちをかけている。国は直前2年間の平均原油価格に1.15を乗じた額を補填基準額として助成しているが、ここ数年は原油価格が高止まりしているため、補填される額は少なく、これでは漁獲高が多い時期以外は、出漁を控える漁民が絶えない。そこで、補填基準額という考えではなく、85円、できれば80円を超えたときは、国の補填額基準額と85円、もしくは、80円との差額を助成する制度を新設していただきたい。すでに長崎県では実施しており、本県でも見習っていただきたい。
(27)少人数学級の拡大
文部科学省の「公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議」が今年9月に発表した中間とりまとめによると、少人数学級の導入により、学習行動、出欠、不登校の改善について大きな教育効果があると指摘。同省は来年度予算の概算要求で、小学校1年に続き、小学2年生の35人以下学級の実現のための4100人を含め、計7000人の定員改善のために義務教育費国交負担金の8億円の増額を求めている。鳥取県は市町村との協力しつつ、すでに小学校1、2年で30人学級を導入しているが、今回の措置で増えるであろう交付税を原資に小学校3年生以上についても、段階的に30人学級を実施していただきたい。ただし、少人数学級の良さが強調される一方で、適正な学級定数がいくらであるかという疑問もあり、実証的な追跡調査もしていただきたい。
高等学校についても、生徒数の減少を教育環境改善の好機と捕らえ、学級数の削減ではなく、普通科40人、専門科38人の学級定員数の維持に取り組んでいただきたい。
特別支援学級についても、現在、1学級の定員は8人であるが、3つの学年以上で構成されている学級では、児童生徒の障害に応じた十分な教育が難しいことから、定員を削減するとともに、児童生徒の障害に応じて、さらなる加配も検討されたい。
(28)経済的に苦しい高校生家庭の負担軽減
高校教育は無償化したのであるから、県立高校の入学金は廃止していただきたい。また、県立高校では学校によって大きく違うものの、6000円前後の生徒会費、5000円前後のPTA会費、1万~6万円の学年費、1000円~6万円の教材費、高い学校は9万円にもなる修学旅行費などの校納金が年間で必要になり、経済的に苦しい生徒の家庭では大きな負担になっている。中学生の中には、この経済負担から進学を断念する生徒もいるので、保護者の収入に合わせた減免、もしくは、助成制度を新設されたい。
(29)学校施設の非構造物の耐震化
東日本大震災では1636校の天井材が、410校では照明器具が落下し、怪我をする児童生徒が発生した。天井から吊ったテレビが落下したほか、体育館の天井や壁に固定してあったバスケットボールゴールの固定金具が破損して傾き、体育館に避難していた約400人が隣の校舎へ再度避難したという事例も報告されている。建物の耐震化を進めることも大事ではあるが、それと同時に天井や照明器具といった非構造材、さらには、設備機械等についても、県立高校の耐震化を進め、生徒の安全を守っていただきたい。
(30)特別支援学校を障がい者の避難所として活用できる体制整備
東日本大震災では、障がい者が避難所に受け入れられなかったり、避難所の生活に困難が生じたりした事例が見られた。特別支援学校は障がい者を始めとする要介護者にとってのバリアフリー環境が整っているので、あらかじめ福祉保健部と危機管理局、県教委の連携の下で、特別支援学校を障がい者を主として受け入れる福祉避難所に指定し、一般の避難所の備蓄品に加え、オストメイトや痰の吸引などの機器を備蓄しておくなどの整備を進められたい。
(31)幼児教育におけるLD等特別支援員の新設
小中学校では学習障害(LD)の児童生徒に対応して、LD等特別支援非常勤講師が加配されているが、保育園、幼稚園にはそのような加配はない。LDと思われる幼児は早期にきちんとした教育的対応をしてから、就学させた方が、お子さんにとっても、受け入れる学校にとっても、教育的効果が大きいと思われる。県単独、もしくは、市町村への補助事業で、保育園、幼稚園へのLD等特別支援員の配置を検討されたい。
(32)教育現場の非常勤教員の待遇改善
教育現場では特別支援学級支援やLD等特別支援、小規模サポートは非常勤講師で担われており、小学校現場では教職員定数2641人に対し、非常勤は511人、中学校現場では定数1472人に対し、非常勤175人と多くの非正規雇用がなされているが、できるだけ非常勤ではなく、正規職員で雇用するように努められたい。また、高等学校の非常勤講師の給与単価は1コマ2540円で、週15時間前後の授業で、夏休み等の長期休暇もあるため、年収にすると200万円を切っている人が少なくない。単価を国レベルの2790円に引き上げ、待遇の改善に務められたい。
(33)日本語未習熟児童生徒への配慮
日本語を母国語としない児童生徒が、授業の理解を手助けするためになされている教員の加配は現在、渡日から3年を基準になされているが、3年間では日本語の習得には短く、十分理解できないまま授業を受けている児童生徒もいる。奈良県では渡日後5年を基本に特別加配がなされており、児童生徒の日本語能力に応じて、場合によっては奈良県にならって3年以上の児童生徒でもあった加配をしていただきたい。
(34)美術館・博物館の連携強化
美術館、博物館は学校教育、生涯教育を進める上で重要であるばかりか、観光立県を考える時には、その充実も求められる。県の各施設のほか、県内の公民館や市町村庁舎などには地元作家から寄贈されたが、いつの間にか作者名も忘れられたような名品がたくさん眠っているように感じる。県立博物館を中心に各市町村と協力して、所有美術品・歴史資料の悉皆調査を実施し、文化財データベースを作成していただきたい。完成後は各施設に公開し、各施設での企画展や常設展示では相互に他施設所有の美術品・歴史資料を展示して、各館の専門性と魅力をアップしていただきたい。また、県東中部の施設に全部入れる因幡共通券、県西部の施設に全部入れる伯耆共通券を制作し、1館で終わるところを、もう1館を巡ってもらえるようにしていただきたい。
(35)不登校と自殺対策
不登校児童生徒の対応をするスクールカウンセラーをマンツウマンで、きめ細かく対応できるように加配していただきたい。不登校をそのまま放置するといじめなどにつながり、お子さんが命を絶つような最悪なケースも想定されるからだ。「うつ病は心の風邪で、治療すれば完治する病気。精神科の受診は何も恥ずかしいことなどないよ」というように誰もが考えることができるように、児童生徒に加え、教師、保護者を対象にした研修会やシンポジウムも開催する経費を計上していただきたい。うつ病は早期に治療を開始すれば、快復も早いが、遅れると自殺へもつながる。児童生徒が十分に睡眠を取れているかなど担任教師に十分な配慮を求めることに加え、疑われる症状を発見したら、すぐ専門医に受診することができるような配慮をしていただきたい。
エネルギー・雇用促進調査特別委員会の2日目の県外調査は、淡路市を訪れました。淡路市が昨年1月に稼働させたメガソーラー発電所「あわじメガソーラー1」を視察するためです。まず、淡路市防災あんしんセンターで、森和重・副市長、猪坂好弘・総務部管財課長、飯田伸浩係長らから話を聞きました。
森副市長が「太陽光、風車は自然エネルギー導入の2つの柱。メガソーラーについては新設の話もあり、期待しているところです」などと挨拶され、飯田係長が説明に立たれました。以下がその説明の概要です。
「あわじメガソーラー1」という名前は市民公募で決めた。兵庫県は「あわじ環境未来島構想」で特区を申請している。「あわじ環境未来島構想」は3つの持続を掲げている。
現状 2020年 2050年
エネルギーの持続 自給率 7% 20% 100%
温室ガス排出量 △19% △39% △88%
(国の目標) (△25%) (△80%)
農と食の持続 食料自給率 333% 300% 300%
暮らしの持続 生活満足度 54% 60% 90%
「太陽と風と緑を生かした多様な地域」であることを大切にしたい。具体的には①大規模な土取り跡地を生かした太陽光発電所の建設②潮流を利用した潮流発電の検討③洋上風力の検討などをしていく。
「あわじメガソーラー1」は昨年11月稼働。1000KWの容量。地球温暖化を防止を目的に計画した。同市生穂新島には防災あんしんセンター、津名浄水センター、市役所が隣接してあり、その隣接する県有地1.5ヘクタールも無償貸与を受けて、計5022枚の太陽光パネルを敷設した。事業費は県を通して、環境省の地域グリーンニューデール基金を活用した。
こうした発想ができたのも、①兵庫県にはもともと「淡路公園島構想」があり、以前から美しい島づくりをしてきたこと②太陽に恵まれた気候で、年間2100時間の日照時間があること③広大な土地が確保できる目処があったことが挙げられる。太陽光パネルを置いている面積は、屋上や屋根も含め、1.9ヘクタールを使っているが、県企業庁から、1.5ヘクタールを無償貸与(20年間)してもらい、そこも使っている。県企業庁は、企業誘致をしようと土地を造成したが、しようとメガソーラー発電所の建設が、企業配慮企業誘致の呼び水にもなるのでは考えて貸与となった。
規模は約110万kwhを想定したが、稼働半年で計画発電量を3割上回る発電量があり、順調に稼働している。この電力量は一般家庭では300世帯分の年間使用量に該当する。防災あんしんセンター、津名浄水センター、市役所3施設の必要電力量の半分を賄う計画だ。この結果、300トンのCO2を削減している計算になる。3施設で使った残りは売電しているが、事業費を県に出していただいたこともあり、発電収益から経費を引き、残りは県の太陽光発電を広げていくための基金へお渡ししている。
太陽光発電の問題は、まず発電コストが49円と高いこと。原子力なら5~6円。加えて、広大な土地も必要だ。そして、発電が天候に左右されることだ。発電コストについては、全量買い取り制度が法的に決まったが、価格と期間がこれからなので、注目していきたい。土地は淡路のようなところなら可能。3.11以降、いくつかの企業から淡路で発電事業を展開したいとの問い合わせもあった。
飯田係長の説明を聞いた後、質疑応答となりました。「閉庁時はどうしていますか」「発電コストは」「経理処理は」などとの質問が出されました。飯田係長は「閉庁時は売電している。売電単価は家庭で42円だが、高圧電流での契約であり、24円で売電している。しかし、契約電力量を上回った場合は買い取りをしないというのが関電のルールらしいが、その時でも、12.6円で買ってもらっている」「49円は経産省のデータ。事業費は4億6000万円だったが、計算すると49円に近いところで、年間の収益は2000万円くらいになるだろう。実は機器の部品の交換もお金がかかると思っている」「会計は一般会計。建設費は全額県に見てもらい、余ったものは県に返すので、それで事足りる」などと回答をいただきました。
私は「建設費は妥当ですか」とお聞きしました。
飯田係長は「敷地はきちんと整備された状況ではなく、その経費がかかりました。それでも1キロワット当たり60万円とかかっていないので、押さえられたと思っている。三洋のパネルを使ったが、三洋さんは、ここでは特別に安くやったので、パンフの事業費を数字を消してくれないかと言われているくらいだ」などと答えていただきました。
続いて、「確認ですが、エネルギー自給率の目標は、自県で発電した比率ですか。それとも、コージェネレーションなどは外した再生可能エネルギーですか」と確認すると、「自給率は新エネルギー。コージェネは入っています。化石燃料や原子力などでない発電です」と言われました。最後に三重県でも、議論になった送電線の問題をお聞きしますと、「ここは企業誘致を目的した造成地なので、はじめから高電圧の送電線が近くまであったので、それを使っている。1メガ程度なら問題は全くなかった」と聞かせていただきました。
次は、あわじメガソーラー1を現実に見せていただきましたが、県有地部分は1.5ヘクタールですが、思ったよりも狭い感じを受けました。
視察しながらも、淡路市の皆さんから、いろいろとお聞きしましたが、日常のメンテナンスはしていないそうで、対応孔パネルが汚れても、傾斜があるので、雨で洗い流してくれるのを待つだけいいそうです。クローバーを、雑草を防ぐため、種を蒔いたが上手くいかなかったとも言われましたが、私の目にはクローバーがちゃんと成長しているように見えました。また、敷地の隅の建物は、発電した直流電流を交流に変換して送電する施設ですが、機械の寿命が短く300~600万円が5年毎に更新かかるそうです。また、太陽光パネルは加熱しても発電効率が落ちるため、真夏は鬼門だと言われていますが、ここでは8月が一番発電量が多く、問題はなかったそうです。また、県有地を無償貸与してくれた理由には、企業誘致はバンバン決まるような状態ではなく、遊ばせておくよりも政策的使った方がいいという判断があったのではないかとのことでした。
思った以上に渋滞がなかったことから、視察は順調に進み、少し時間が余ったので、鳥取市で都市緑化フェアーが計画されていることから、長谷川議員の提案で、帰路の途中にある「淡路夢舞台・国営明石海峡公園」に立ち寄りました。淡路夢舞台(あわじゆめぶたい)とは、兵庫県淡路市にある複合文化リゾート施設で、兵庫県が出資している株式会社夢舞台が運営しています。急なことなので、説明を求めることはできませんが、それでも、現場を見る意味はあるので、計画変更です。
個性的な庭園が遊歩道やデッキなどで結ばれた広大な庭園、国際会議場や外資系リゾートホテル、野外劇場、植物園もあり、建築家・安藤忠雄の設計です。2000年に開催された国際園芸・造園博「ジャパンフローラ20000」の会場を転用したものだそうです。園内で働く人は高齢者ばかりという印象でした。
野田議員がその中のお一人にお聞きすると、種を採取しているところで、近所にお住まいの方だとのこと。雇用の場として、ここが意味をもっているという感じがしました。
中国道、鳥取道とも極めて順調に走行でき、午後5時過ぎには鳥取駅に帰ってこれました。今回の視察を踏まえ、特別委員会での議論を深めたいと思います。
森副市長が「太陽光、風車は自然エネルギー導入の2つの柱。メガソーラーについては新設の話もあり、期待しているところです」などと挨拶され、飯田係長が説明に立たれました。以下がその説明の概要です。
「あわじメガソーラー1」という名前は市民公募で決めた。兵庫県は「あわじ環境未来島構想」で特区を申請している。「あわじ環境未来島構想」は3つの持続を掲げている。
現状 2020年 2050年
エネルギーの持続 自給率 7% 20% 100%
温室ガス排出量 △19% △39% △88%
(国の目標) (△25%) (△80%)
農と食の持続 食料自給率 333% 300% 300%
暮らしの持続 生活満足度 54% 60% 90%
「太陽と風と緑を生かした多様な地域」であることを大切にしたい。具体的には①大規模な土取り跡地を生かした太陽光発電所の建設②潮流を利用した潮流発電の検討③洋上風力の検討などをしていく。
「あわじメガソーラー1」は昨年11月稼働。1000KWの容量。地球温暖化を防止を目的に計画した。同市生穂新島には防災あんしんセンター、津名浄水センター、市役所が隣接してあり、その隣接する県有地1.5ヘクタールも無償貸与を受けて、計5022枚の太陽光パネルを敷設した。事業費は県を通して、環境省の地域グリーンニューデール基金を活用した。
こうした発想ができたのも、①兵庫県にはもともと「淡路公園島構想」があり、以前から美しい島づくりをしてきたこと②太陽に恵まれた気候で、年間2100時間の日照時間があること③広大な土地が確保できる目処があったことが挙げられる。太陽光パネルを置いている面積は、屋上や屋根も含め、1.9ヘクタールを使っているが、県企業庁から、1.5ヘクタールを無償貸与(20年間)してもらい、そこも使っている。県企業庁は、企業誘致をしようと土地を造成したが、しようとメガソーラー発電所の建設が、企業配慮企業誘致の呼び水にもなるのでは考えて貸与となった。
規模は約110万kwhを想定したが、稼働半年で計画発電量を3割上回る発電量があり、順調に稼働している。この電力量は一般家庭では300世帯分の年間使用量に該当する。防災あんしんセンター、津名浄水センター、市役所3施設の必要電力量の半分を賄う計画だ。この結果、300トンのCO2を削減している計算になる。3施設で使った残りは売電しているが、事業費を県に出していただいたこともあり、発電収益から経費を引き、残りは県の太陽光発電を広げていくための基金へお渡ししている。
太陽光発電の問題は、まず発電コストが49円と高いこと。原子力なら5~6円。加えて、広大な土地も必要だ。そして、発電が天候に左右されることだ。発電コストについては、全量買い取り制度が法的に決まったが、価格と期間がこれからなので、注目していきたい。土地は淡路のようなところなら可能。3.11以降、いくつかの企業から淡路で発電事業を展開したいとの問い合わせもあった。
飯田係長の説明を聞いた後、質疑応答となりました。「閉庁時はどうしていますか」「発電コストは」「経理処理は」などとの質問が出されました。飯田係長は「閉庁時は売電している。売電単価は家庭で42円だが、高圧電流での契約であり、24円で売電している。しかし、契約電力量を上回った場合は買い取りをしないというのが関電のルールらしいが、その時でも、12.6円で買ってもらっている」「49円は経産省のデータ。事業費は4億6000万円だったが、計算すると49円に近いところで、年間の収益は2000万円くらいになるだろう。実は機器の部品の交換もお金がかかると思っている」「会計は一般会計。建設費は全額県に見てもらい、余ったものは県に返すので、それで事足りる」などと回答をいただきました。
私は「建設費は妥当ですか」とお聞きしました。
飯田係長は「敷地はきちんと整備された状況ではなく、その経費がかかりました。それでも1キロワット当たり60万円とかかっていないので、押さえられたと思っている。三洋のパネルを使ったが、三洋さんは、ここでは特別に安くやったので、パンフの事業費を数字を消してくれないかと言われているくらいだ」などと答えていただきました。
続いて、「確認ですが、エネルギー自給率の目標は、自県で発電した比率ですか。それとも、コージェネレーションなどは外した再生可能エネルギーですか」と確認すると、「自給率は新エネルギー。コージェネは入っています。化石燃料や原子力などでない発電です」と言われました。最後に三重県でも、議論になった送電線の問題をお聞きしますと、「ここは企業誘致を目的した造成地なので、はじめから高電圧の送電線が近くまであったので、それを使っている。1メガ程度なら問題は全くなかった」と聞かせていただきました。
次は、あわじメガソーラー1を現実に見せていただきましたが、県有地部分は1.5ヘクタールですが、思ったよりも狭い感じを受けました。
視察しながらも、淡路市の皆さんから、いろいろとお聞きしましたが、日常のメンテナンスはしていないそうで、対応孔パネルが汚れても、傾斜があるので、雨で洗い流してくれるのを待つだけいいそうです。クローバーを、雑草を防ぐため、種を蒔いたが上手くいかなかったとも言われましたが、私の目にはクローバーがちゃんと成長しているように見えました。また、敷地の隅の建物は、発電した直流電流を交流に変換して送電する施設ですが、機械の寿命が短く300~600万円が5年毎に更新かかるそうです。また、太陽光パネルは加熱しても発電効率が落ちるため、真夏は鬼門だと言われていますが、ここでは8月が一番発電量が多く、問題はなかったそうです。また、県有地を無償貸与してくれた理由には、企業誘致はバンバン決まるような状態ではなく、遊ばせておくよりも政策的使った方がいいという判断があったのではないかとのことでした。
思った以上に渋滞がなかったことから、視察は順調に進み、少し時間が余ったので、鳥取市で都市緑化フェアーが計画されていることから、長谷川議員の提案で、帰路の途中にある「淡路夢舞台・国営明石海峡公園」に立ち寄りました。淡路夢舞台(あわじゆめぶたい)とは、兵庫県淡路市にある複合文化リゾート施設で、兵庫県が出資している株式会社夢舞台が運営しています。急なことなので、説明を求めることはできませんが、それでも、現場を見る意味はあるので、計画変更です。
個性的な庭園が遊歩道やデッキなどで結ばれた広大な庭園、国際会議場や外資系リゾートホテル、野外劇場、植物園もあり、建築家・安藤忠雄の設計です。2000年に開催された国際園芸・造園博「ジャパンフローラ20000」の会場を転用したものだそうです。園内で働く人は高齢者ばかりという印象でした。
野田議員がその中のお一人にお聞きすると、種を採取しているところで、近所にお住まいの方だとのこと。雇用の場として、ここが意味をもっているという感じがしました。
中国道、鳥取道とも極めて順調に走行でき、午後5時過ぎには鳥取駅に帰ってこれました。今回の視察を踏まえ、特別委員会での議論を深めたいと思います。
県外視察に行きました。ちょっと長いですが、報告します。
午前8時に鳥取をバスで出発。高速道路を一路三重県津市にある三重県庁に向かいました。エネルギー・雇用促進調査特別委員会の第一回県外調査です。三重県庁には午後1時半に到着。議会棟は6階建て。エントランスも立派です。早速、委員会室に通されました。
まず、委員長の横山さんが「三重県は新エネルギー導入の先進県として尊敬しています。話はそれますが、伊勢国体に陸上の監督として来た思い出の地です。そのとき、優勝したのが瀬古俊彦さん。私が指導していた高校生が2位でした。しっかり勉強させていただくのでよろしくお願いします」と頭は下げました。
三重県議会の林議会事務局長は、横山委員長に話が受けたようで、「実は高校時代に瀬古を破ったことを誇りにしている県職員がいます。県議会も10年後の国体を目指す決議をして、準備を始めました」と。挨拶されました。そして、「三重県議会は平成7年以来、議会改革をしてきました。会期を年2回にして、ほぼ通年議会にしました。ですから240日くらい議会を開会しています。議会基本条例も作りました」と説明をいただき、その経過をまとめた資料をいただきました。私は議会改革推進課会議のメンバーであるので、参考にさせていただくつもりです。
テーマである三重県新エネルギービジョンの聞き取り調査は松本・三重県政策部副部長から始めました。松本副部長は「三重県は3つの特徴がある。一つ目は海あり、山あり、盆地ありで自然に恵まれている。鈴鹿下ろしは寒いが温暖。自然エネルギーのポテンシャルが多い。二つ目は名古屋と大阪の中間。名古屋圏と大阪圏の結節点にある。産業、観光で相乗効果を目指している。三つめは分散配置。中小都市が10キロから20キロでポンポンと配置されている。合併前は津市で27万人、そのほか10万人ぐらい。大都市でしか成立しない高次都市機能がないが、1時間で名古屋、1時間半で大阪。分散型配置になっている。今春の統一地方選で36歳の鈴木知事が誕生し、県の基本計画を年度末までつくるよう準備している。三重県に課題は、台風12号に襲われた東紀州地域の復旧。肝を据えて復旧したい。また、平成25年には伊勢神宮の式年遷宮がある。一度2つの社殿が並んで見える20年に一度の年。1000万人の観光客が訪れると期待している。また、県南部に高速道路が延と伸し、熊野古道も世界遺産登録10周年を迎えるので、観光開発にしっかり取り組みたい」などと三重県の概略を聴かせていただきました。
本題の三重県新エネルギービジョンの説明は和気・政策部土地資源室副室長です。以下は説明の概略です。
2000年3月に新エネルギービジョンを策定し、改訂を続けている。昨年から県議会などで議論して、パブリックコメントもして、昨年度末に中間案をとりまとめたが、3.11で一変した。加えて、経済産業省資源エネルギー庁にいた鈴木さんが知事に当選。中間案の見直しを実施中だ。同ビジョンは議決案件としているので、今年度末の議決を予定している。
ビジョンの趣旨は、化石燃料からの脱却、地球温暖化の危機を防ぐ、エネルギーの輸入依存に歯止めをかける。県下に市町、環境森林部と連携し、政策部が進めている。期間は10年間、2020年度までのビジョンだ。新エネルギーを三重県では、エネルギー政策基本法の定義から、雪氷熱利用、地熱発電を外す一方で、クリーンエネルギー自動車、燃料電池、コジェネレーション、ヒート・ポンプを加え、10項目と定義した
これまでの取り組みは以下の通りです。
① 県有施設への率先導入。導入指針を策定して進めている。太陽光発電は137件1290キロワット。公立学校全部に導入した市町村もある。水道の沈殿地は、水素を入れるが、太陽光が当たるとトリハロメタンを生成する。そこで屋根を設けるが、そのうえに太陽光パネルを設置した例もある。
② 新エネルギー普及促進事業 住宅用太陽光発電の国の補助制度が2005年に打ち切られたので、2008年度まで県独自の事業として民間住宅の導入補助をしていた。太陽光発電は民間は約7割。2009年度から国の補助制度が復活したので、県の補助制度はやめた。2010年度は2600件、2011年度は4400件の補助だ。県補助時代は700件だったので、今の方が多い。
③ 新エネルギーサポーター制度
関心の高い県民、事業者を対象。普及啓発が目的。事業者が従業員を含め、一度の1000人くらいがサポーターになったこともある。
④ 新エネルギー普及啓発事業
クリーンエネルギーフェア、出前講座、研修会など様々な取り組みをしている。
⑤ 次世代エネルギーパーク
環境教育に生かしていくために冊子を作成した。この冊子を片手に小学生たちのバスで回って欲しいと考えている。
導入実績
新エネルギーの導入件数を見るとコジェネレーションが多い。県内には産業部門、企業が多いので、CO2削減より、経済的効果が大きいので、導入されている。RDF発電もある。木質バイオマスを小さなパレットにして燃やしている。
次世代エネルギーパーク
子供達がバスで県内の施設を回ることを想定した冊子。ここで取り上げた施設を説明する。
① シャープ亀山工場 堺に工場が出来るまでシャープでは一番大きい工場だった。有名な亀山モデルを製造している。ここの太陽光パネルは屋上だけでなく、シースルータイプと呼ばれる窓に貼る太陽光パネルをさいようしたことだ。三重県の日照時間は全国で10位。
② 青山高原ウィンドファーム 51機で7万1000キロが稼働中だが、2000キロで40機増設。日本一にする。
③ 松坂木質バイオマス熱利用共同組合 三重県は森林が三分の二。木材を集めるコンビナートもある。ちょうど製油会社の隣に立地しているので、混ぜて使い重油を削減している。
新エネルギービジョンの見直し作業
(1)方向性 エネルギー政策は国や電力会社だけが考えるものではない。エネルギーは県内産業の基盤として県として取り組む。県内ので新エネルギーは全エネルギーの2%程度だ。ちなみに中部電力の原子力発電の比率は14%。浜岡原発を抱えている。省エネもしっかりとコミットメントしたい。化石燃料の高効率化も必要。LNGを使ったコンバインドシステムを進めている。三重県はエネルギー移出県。川越のLNGを使ったコンバインドシステムが県内発電量の9割占める。
(2)重点プロジェクト
日照、森林という三重県の特徴を生かしたい。
① 太陽光
② 木質バイオ 輸送に費用がかかる。碧南火力発電所で2%程度を重油に加える。単独より既存の産業にリンクする。一次産業も活性化する相乗効果を狙いたい。
③ クリーンエネルギーバレー構想 エネルギー関連の産業集積をはかる。
(3)中間改定案
理念:地域におけるエネルギー持久力の向上=分散型、自立型。
将来像:導入が進んだ社会(創エネ)、効率的な社会(省エネ)、産業振興社会(研究開発)
強み:海洋資源=洋上発電、熊野灘にあるメタンハイドレードを2030年を目標に開発する。
(4)課題
① 8月26日に特別措置法が可決されたが、値段、期間は来年2月をめどに決める。30円の後半、15年くらいというのが経産省の話。商社や住宅メーカーも意欲的だが、金額次第では水を差す。国へしっかり提言していかないといけない。
② 自然エネルギーの不安定性。送電の容量を増やすことが必要。50ヘルツ、60ヘルツの壁がある。10社の電力会社間の融通ができない。ここができないとベースが出来ない。
③ 社会的な需要性を高めていく。風力発電は低周波音、騒音の懸念がある。地熱は温泉業界からの不安がある。県民にしっかり説明していく。住民に経済的なメリットを与える。メガソーラーなら、その一部を還元する。風力なら、そのいくらかを出資してもらう。金になると回る音が心地よくなる。
以下、質疑応答が続きました。中部電力会社と県との関係、自然エネルギーでの電力供給の不安定さをどう解消するか、電力移出県のアドバンテージはあるのか、ビジョンのために特化された部局はあるのか、議会と意見交換はどうしているのかなどの質問が相次ぎました。いずれも、丁寧にご回答いただきました。
私は「①コージェネが多いと言われたが、CO2は少ないが排出する。その点はどう考えているか。②送電線の改良を考えているとの話だったが、地域での自給自足を考えるスマートグリッドの方が、メリットが多いのではないか。③クリーンエネルギーバレーはイメージ? それとも具体的な企業集積地なのか?」と3点をお聞きしました。
和気副室長は「確かにコジェネレーションは、炭素分は少ないが、CO2は出るには出る。オールクリーンが理想だが、エネルギー事情が逼迫する中で、省エネで取り組むことも必要でないか。スマートグリッドは地域の中での自給。ひとつの理想であることには間違いがない。課題は供給義務。電力会社は法的には供給義務を負っている。電力会社から分かれた地域は、だれが供給義務を負うのかが問題になる。新しい町なら電力会社を作り、足りない分だけをもらうとしても、その仕組みを検討してかないといけない。クリーンエネルギーバレー構想は、新エネルギー関連企業を集積化していって、実証していく流れのこと。企業がどんどん増えていくことを想定しているが、具体的にこの地域で企業団地を作るというものではない」と答えていただきました。
これで1日目は終了です。明日は淡路市で調査します。
午前8時に鳥取をバスで出発。高速道路を一路三重県津市にある三重県庁に向かいました。エネルギー・雇用促進調査特別委員会の第一回県外調査です。三重県庁には午後1時半に到着。議会棟は6階建て。エントランスも立派です。早速、委員会室に通されました。
まず、委員長の横山さんが「三重県は新エネルギー導入の先進県として尊敬しています。話はそれますが、伊勢国体に陸上の監督として来た思い出の地です。そのとき、優勝したのが瀬古俊彦さん。私が指導していた高校生が2位でした。しっかり勉強させていただくのでよろしくお願いします」と頭は下げました。
三重県議会の林議会事務局長は、横山委員長に話が受けたようで、「実は高校時代に瀬古を破ったことを誇りにしている県職員がいます。県議会も10年後の国体を目指す決議をして、準備を始めました」と。挨拶されました。そして、「三重県議会は平成7年以来、議会改革をしてきました。会期を年2回にして、ほぼ通年議会にしました。ですから240日くらい議会を開会しています。議会基本条例も作りました」と説明をいただき、その経過をまとめた資料をいただきました。私は議会改革推進課会議のメンバーであるので、参考にさせていただくつもりです。
テーマである三重県新エネルギービジョンの聞き取り調査は松本・三重県政策部副部長から始めました。松本副部長は「三重県は3つの特徴がある。一つ目は海あり、山あり、盆地ありで自然に恵まれている。鈴鹿下ろしは寒いが温暖。自然エネルギーのポテンシャルが多い。二つ目は名古屋と大阪の中間。名古屋圏と大阪圏の結節点にある。産業、観光で相乗効果を目指している。三つめは分散配置。中小都市が10キロから20キロでポンポンと配置されている。合併前は津市で27万人、そのほか10万人ぐらい。大都市でしか成立しない高次都市機能がないが、1時間で名古屋、1時間半で大阪。分散型配置になっている。今春の統一地方選で36歳の鈴木知事が誕生し、県の基本計画を年度末までつくるよう準備している。三重県に課題は、台風12号に襲われた東紀州地域の復旧。肝を据えて復旧したい。また、平成25年には伊勢神宮の式年遷宮がある。一度2つの社殿が並んで見える20年に一度の年。1000万人の観光客が訪れると期待している。また、県南部に高速道路が延と伸し、熊野古道も世界遺産登録10周年を迎えるので、観光開発にしっかり取り組みたい」などと三重県の概略を聴かせていただきました。
本題の三重県新エネルギービジョンの説明は和気・政策部土地資源室副室長です。以下は説明の概略です。
2000年3月に新エネルギービジョンを策定し、改訂を続けている。昨年から県議会などで議論して、パブリックコメントもして、昨年度末に中間案をとりまとめたが、3.11で一変した。加えて、経済産業省資源エネルギー庁にいた鈴木さんが知事に当選。中間案の見直しを実施中だ。同ビジョンは議決案件としているので、今年度末の議決を予定している。
ビジョンの趣旨は、化石燃料からの脱却、地球温暖化の危機を防ぐ、エネルギーの輸入依存に歯止めをかける。県下に市町、環境森林部と連携し、政策部が進めている。期間は10年間、2020年度までのビジョンだ。新エネルギーを三重県では、エネルギー政策基本法の定義から、雪氷熱利用、地熱発電を外す一方で、クリーンエネルギー自動車、燃料電池、コジェネレーション、ヒート・ポンプを加え、10項目と定義した
これまでの取り組みは以下の通りです。
① 県有施設への率先導入。導入指針を策定して進めている。太陽光発電は137件1290キロワット。公立学校全部に導入した市町村もある。水道の沈殿地は、水素を入れるが、太陽光が当たるとトリハロメタンを生成する。そこで屋根を設けるが、そのうえに太陽光パネルを設置した例もある。
② 新エネルギー普及促進事業 住宅用太陽光発電の国の補助制度が2005年に打ち切られたので、2008年度まで県独自の事業として民間住宅の導入補助をしていた。太陽光発電は民間は約7割。2009年度から国の補助制度が復活したので、県の補助制度はやめた。2010年度は2600件、2011年度は4400件の補助だ。県補助時代は700件だったので、今の方が多い。
③ 新エネルギーサポーター制度
関心の高い県民、事業者を対象。普及啓発が目的。事業者が従業員を含め、一度の1000人くらいがサポーターになったこともある。
④ 新エネルギー普及啓発事業
クリーンエネルギーフェア、出前講座、研修会など様々な取り組みをしている。
⑤ 次世代エネルギーパーク
環境教育に生かしていくために冊子を作成した。この冊子を片手に小学生たちのバスで回って欲しいと考えている。
導入実績
新エネルギーの導入件数を見るとコジェネレーションが多い。県内には産業部門、企業が多いので、CO2削減より、経済的効果が大きいので、導入されている。RDF発電もある。木質バイオマスを小さなパレットにして燃やしている。
次世代エネルギーパーク
子供達がバスで県内の施設を回ることを想定した冊子。ここで取り上げた施設を説明する。
① シャープ亀山工場 堺に工場が出来るまでシャープでは一番大きい工場だった。有名な亀山モデルを製造している。ここの太陽光パネルは屋上だけでなく、シースルータイプと呼ばれる窓に貼る太陽光パネルをさいようしたことだ。三重県の日照時間は全国で10位。
② 青山高原ウィンドファーム 51機で7万1000キロが稼働中だが、2000キロで40機増設。日本一にする。
③ 松坂木質バイオマス熱利用共同組合 三重県は森林が三分の二。木材を集めるコンビナートもある。ちょうど製油会社の隣に立地しているので、混ぜて使い重油を削減している。
新エネルギービジョンの見直し作業
(1)方向性 エネルギー政策は国や電力会社だけが考えるものではない。エネルギーは県内産業の基盤として県として取り組む。県内ので新エネルギーは全エネルギーの2%程度だ。ちなみに中部電力の原子力発電の比率は14%。浜岡原発を抱えている。省エネもしっかりとコミットメントしたい。化石燃料の高効率化も必要。LNGを使ったコンバインドシステムを進めている。三重県はエネルギー移出県。川越のLNGを使ったコンバインドシステムが県内発電量の9割占める。
(2)重点プロジェクト
日照、森林という三重県の特徴を生かしたい。
① 太陽光
② 木質バイオ 輸送に費用がかかる。碧南火力発電所で2%程度を重油に加える。単独より既存の産業にリンクする。一次産業も活性化する相乗効果を狙いたい。
③ クリーンエネルギーバレー構想 エネルギー関連の産業集積をはかる。
(3)中間改定案
理念:地域におけるエネルギー持久力の向上=分散型、自立型。
将来像:導入が進んだ社会(創エネ)、効率的な社会(省エネ)、産業振興社会(研究開発)
強み:海洋資源=洋上発電、熊野灘にあるメタンハイドレードを2030年を目標に開発する。
(4)課題
① 8月26日に特別措置法が可決されたが、値段、期間は来年2月をめどに決める。30円の後半、15年くらいというのが経産省の話。商社や住宅メーカーも意欲的だが、金額次第では水を差す。国へしっかり提言していかないといけない。
② 自然エネルギーの不安定性。送電の容量を増やすことが必要。50ヘルツ、60ヘルツの壁がある。10社の電力会社間の融通ができない。ここができないとベースが出来ない。
③ 社会的な需要性を高めていく。風力発電は低周波音、騒音の懸念がある。地熱は温泉業界からの不安がある。県民にしっかり説明していく。住民に経済的なメリットを与える。メガソーラーなら、その一部を還元する。風力なら、そのいくらかを出資してもらう。金になると回る音が心地よくなる。
以下、質疑応答が続きました。中部電力会社と県との関係、自然エネルギーでの電力供給の不安定さをどう解消するか、電力移出県のアドバンテージはあるのか、ビジョンのために特化された部局はあるのか、議会と意見交換はどうしているのかなどの質問が相次ぎました。いずれも、丁寧にご回答いただきました。
私は「①コージェネが多いと言われたが、CO2は少ないが排出する。その点はどう考えているか。②送電線の改良を考えているとの話だったが、地域での自給自足を考えるスマートグリッドの方が、メリットが多いのではないか。③クリーンエネルギーバレーはイメージ? それとも具体的な企業集積地なのか?」と3点をお聞きしました。
和気副室長は「確かにコジェネレーションは、炭素分は少ないが、CO2は出るには出る。オールクリーンが理想だが、エネルギー事情が逼迫する中で、省エネで取り組むことも必要でないか。スマートグリッドは地域の中での自給。ひとつの理想であることには間違いがない。課題は供給義務。電力会社は法的には供給義務を負っている。電力会社から分かれた地域は、だれが供給義務を負うのかが問題になる。新しい町なら電力会社を作り、足りない分だけをもらうとしても、その仕組みを検討してかないといけない。クリーンエネルギーバレー構想は、新エネルギー関連企業を集積化していって、実証していく流れのこと。企業がどんどん増えていくことを想定しているが、具体的にこの地域で企業団地を作るというものではない」と答えていただきました。
これで1日目は終了です。明日は淡路市で調査します。