すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

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アッテンボロー監督らの訃報を悼む

2014年08月26日 | 日記

 今朝の新聞の訃報欄を見て、惜しい人がたくさん亡くなれていることに惜別の念を禁じえませんでした。川島保さんはハンセン病国賠訴訟の元原告。瀬戸内海に浮かぶ長島愛生園に11歳のときから入所されておりましたが、勝訴とともに大阪市内に転居。ハンセン病患者の社会復帰のモデルのようになられた方です。享年81歳でした。小田原紀雄さんは日本基督教団の牧師さんで、東京・山谷に日雇い労働者の拠点「山谷労働者福祉会館」を建設され、人権擁護に尽力されました。働く者の権利が経済優先の政策で奪われつつある今こそ、益々活躍していただきたい方でした。まだ69歳のお若さでした。そして、韓国人被爆者訴訟の元原告だった孫振斗さんも87歳で、インドネシアに出征した元日本兵で、終戦後も残留して対オランダ独立戦争を戦った小野盛さんが95歳で、そして、映画「大脱走」などに出演し、アパルトヘイトと闘う黒人解放運動家を描いた「遠い夜明け」などを監督したリチャード・アッテンボローさんも90歳で亡くなったそうです。ご冥福をお祈りするととともに、亡くなった方々の崇高な遺志を少しでも継いでいかなければと思いました。

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政務活動費を含め、議会改革を進めた鳥取県議会

2014年08月24日 | 日記

 今朝の朝日新聞で、政務活動費の全国調査の結果が掲載されています。領収書の添付を例外なく必須としたのは鳥取県の1県だけだったという内容です。その理由について「片山知事時代に議会改革が進み、住民の監査請求が活発なため」とされていますが、それは一面的な見方ですので、少し説明させていください。


 片山さんは総務省から鳥取県の議会対策を担当する財政課長、総務部長に出向されていたこともあり、県議会の重要性を認識し、当時の県議会の在り方に疑問を感じておられました。その結果、知事就任後、県議会の質疑が知事部局とすり合わせてすることを「県議会は八百長と学芸会」揶揄するなど、議会を挑発し、続けてられました。議会はそれに反発はしましたが、対立するのではなく、知事をギャフンと言わせる議会を目指しました。それが、議員提案条例の多さなど議会改革につながったのは事実ですが、知事は挑発しただけで、意識改革をしたのは先輩議員の皆様であり、議会の主体的な行動であったということは県民の皆様にご理解を賜りたいと思います。

 そして、私が当選後、議長に伊藤美都夫さん、副議長に稲田さんが就任しました。この2人は議会改革に、言い方は失礼になりますが、それこそ「執念」を燃やし、議長が座長を務める議会改革推進会議を設置し、議会基本条例や議会倫理条例を制定し、今、問題となっている政務活動費のガイドラインの全面見直しを実現しました。私も、この議会改革推進会議のメンバーだったのですが、開催回数は50回を越え、2時間を超える議論はザラで、半日議論をしたこともありますし、先進的と言われる議会改革の試みには出かけて行って当事者からお話を伺ったりしました。しかも、一度も多数決を取ることはせず、委員だけの議論ではいけないと何度も何度も会派に持ち帰り、議員全員が納得できないまでも、我慢できる着地点を得てきたと思っています。

 今になって、この政務調査費について、いろいろ言われる議員もおられますが、ならばどうして、この議論の中で強く修正を求めなかったのか、疑問を覚えます。確かに、全員一致の結論を得るため、私自身としては妥協をした部分がなかったと言えば嘘になりますが、本当に丁寧な議論の進め方をしてきたと自負していますので、このような発言があることは残念です。
 この間、住民監査請求も出されましたが、私たちに意見交換を求めることもなく、確認も問い合わせもないまま自分たちのルールを押し付けてくるものでした。私はビルの1階、2階を政務活動のために借りていますが、このため火災保険などの領収書は2枚ずつあります。すると、私が二重請求をしたとして批判をされました。保険証書まで添付してあるのでに、どうしてこうなるのかと疑問に思いますし、この点、監査委員が「問題なし」と評価された後、謝罪は全くありません。ですので、参考になるような部分はあまり無かったように思えます。

 政務調査費を含め、鳥取県議会の議会改革は、知事が仕向けたり、住民監査が活発だからなされたのではなく、議会の自主的な活動を積み重ねてきた結果であることをご理解頂きたいと思います。その結果、日経グローカルや早稲田大学マニフェスト研修所の評価では、日本で2番目に進んだ議会との極めて高い評価を頂戴しました。議会改革推進会議の一員として、様々な調査をし、提言してきたが報われた思いがして、うれしく思っています。私は全国1を目指して、これからも議会改革を続けていく所存です。その意味で、今回の新聞記事を読んでいただけると幸甚です。

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兵庫県森林動物研究センター(2)

2014年08月24日 | 日記

 兵庫県立森林動物研究センターでは、防護柵の研究に力を入れておられます。防護柵は対象とする動物によって使い分けるのが有効なのだそうです。たくさんの防護柵を見せていただきましたが、その中から、いくつか紹介します。

【1】モンキーショック

 京大霊長類研究所がサルを対象として開発した電気柵です。サルは柵をよじ登るというサルの行動特性を利用した構造になっているので、効果的にサルの侵入を防止できるそうです。ネットが支柱から離れているため、サルがよじ登るのに時間がかかり、サルに対して確実に電気刺激を与えられるのが特徴です。しかも、支柱などの材料材は一定の郷土さえあればいいので、廃材など利用してコスト削減を図ることも可能な上、雑草による漏電がないため、草刈りの頻度を少なくすることもできます。イノシシ、シカなどの複合柵へと発展させることもできます。

【2】小動物用電気柵

 アライグマ、ハクビシン、ヌートリア、タヌキなどの小動物を対象とした柵です。金属ネットの上に電気柵のワイヤーを貼っています。小動物の手や鼻があたる位置にワイヤーを設置することで、電気刺激を効果的に与えることがきるそうです。しかも、ネットが金属製なので、切られにくいので、メンテナンスの利便性があります。小動物のため、潜り込むを防ぐことができるようにネットの下部をしっかりと固定することが、設置する時大事だそうです。

【3】リボンワイヤーを使った電気柵

 シカ、クマなど比較的背が高い動物を対象とした電気柵です。視認性がより良いリボンワイヤーを使うことで、動物が柵の存在を確認しやいのが特徴です。支柱がFRPで、柵線をクリップで留めるため、設置作業が楽なうえ、金属クリップにも電気は流れるため、クリップ部分でも動物を感電させることができます。潜り込みを防ぐため、最下部のワイヤーは高さを20~256センチ程度にするほか、草が伸びてワイヤーに触れると、漏電して電圧が落ちるので、除草は十分にやる必要があります。

【4】シシ垣くん

 鳥取県が開発した柵です。獣類の侵入による被害を受けにくく、簡易で低コスト、塩ビパイプやダブルクリップなど入手しやすい素材を使い、設置も比較的簡単なこともメリット。対象となる動物に合わせて工夫を加えていけば、効果はさらに上がるそうです。

【5】トタン+電気柵

 アライグマなど乗り越えようとする動物に対応する柵です。トタンを利用し、その上に電気柵をワイヤーを張っています。手先が器用なアライグマに対し、登ってきたところにワイヤーを張っているので、効果的に電気刺激を与えることができますし、トタンで中が見えないので、動物の安心感をなくすことも期待されます。また、資材はホームセンターで購入できるものばかり、設置も比較的簡便です。ワイヤーがトタンの上でなので、草による漏電も防ぐことが出来ます。

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兵庫県森林動物研究センター(1)

2014年08月23日 | 日記

 県議会農林水産商工常任委員会の県外調査で8月22日、兵庫県丹波市にある兵庫県森林動物研究センターを訪問しました。センターの土岡正洋次長が挨拶され、田口彰業務部副部長から説明を受けました。以下は説明の概要です。

 

【1】センターの概要

 鳥獣被害が深刻化したことからワールドライフマネージメント拠点として平成19年4月24日に開所。実験フィールドは126ヘクタール。ワールドライフマネージメントとは、科学的な調査研究に基づき、「生息地管理」「個体数管理」「被害管理」を状況に応じて組み合わせ、「人」と「野生動物」と「自然環境(生息地)」の関係を調整すること。兵庫県農政環境部の地方機関であり、兵庫県立大学自然・環境科学研究所内の施設として位置づけている。

 所長は兵庫県篠山市出身の霊長類学者、児童文学社として有名な授河合雅雄・京大名誉教授。研究統括監は国立科学博物館長や山階鳥類研究所長を務める林良博さん。専門は、動物資源科学、獣医解剖学、寄生虫学、人と動物職員は森林環境や生態系、野生動物学の専門家を全国公募し、県立大学の教授、准教授と兼務の研究員5人と、農林業普及指導員や獣医師ら技術系県職員から選任した森林動物専門員6人を中心に構成される。専門員は鳥獣の専門家ではないので、研修を受けて勤務している。研究員の調査研究に基づき、専門員が対策や施策立案に当っている。

 

【2】柵を中心にした被害対策

 兵庫県の鳥獣被害は9億7000万円。野生動物が増えたことに加え、農地や集落が野生動物の餌場になっていることが問題。対策は①柵の設置②駆除③不要果実など餌をなくす④山際の藪など動物が隠れる場所をなくすなど環境の改善⑤追い払いの5つある。柵の種類は設置方法によって①集落柵②グループ柵③個別柵の3つ、柵の種類によって①電気柵②金網柵③ワイヤーメッシュ柵④ネット柵⑤トタン柵がある。

 

 電気柵は正確に設置し、維持管理できれば、非常に有効だ。ちょうど動物の鼻が触るところに柵線がくるように調整すること、また、1年を通して電気を流すことで、動物の学習効果を利用することが大事だ。また、また、電圧を定期的に測定し、電圧が下がらないように維持管理することも重要。農閑期に電気流さないのは柵の効果を削ぐことになる。

 集落柵から農地ごとのグループ柵に変えて設置した集落は、作業効率が上がった。集落先は規模が大きく、それを全部管理するのは大変。農家が減る中では協力して設置できるグループ柵は有効だ。また、資材の工夫も大事。積雪対策でグラスファイバー製のポールを使い、碍子をクリップ式に変えたことで、撤去も楽で、積雪にも強い柵を実現した。

  金網柵とワイヤーメッシュ柵は、定期的な見回りと補修が肝要。点検は月1実施すると効果が高い。ルートの設定も大事。最短コースを通りながら尾根まで張り、斜面は雪で倒されないよう場所に設置しないといけない。柵の両側にトタンを敷き、雑草の繁茂を防ぎ、動物が隠れる場所をなくすと効果が高い。

 ワイヤーメッシュ柵は加工が簡単で、費用が安い利点がある。集落柵として使われることが多いが、道路や河川から流入する危険がある。田んぼの山との境に設置したが、それでも防げないので、集落間にも埋めて設け、個別柵も併用した。

 ワイヤーメッシュ柵と目隠しになるトタン柵を併用するとイノシシに効果がある。また、ワイヤーメッシュ柵の上に電気柵を併用すればサル対策に有用。地域の実情に合わせ、柵の設置方法、種類を選択することが肝要だ。

  イノシシの力は想像以上に大きい。潜り込む隙間があれば鼻を入れ、柵をこじ開けて進入する。シカが飛び越えるのは斜面など柵との高低差が小さな場所。設置場所を考えることが大事。そうした場所を動物はいつも見つけ、侵入の機会を伺っている。犬に追われるなどパニックになると柵に体当たりするなど命がけの行動をとることがある。

 

 電気柵は管理が重要。碍子は山側に向けて取り付け、柵線が山側に貼ること。動物は支柱に関心を示すので、触れないようにする方がいい。雨の流れで柵の下に隙間ができる、あるいは、柵の下を動物が掘り返すなどで、効果がなくなる。維持管理が重要だ。

 

【3】サルの生態と被害対策

 群れで生活する。メスは群れでずっと暮らすが、オスはおとなになると群れを離れる。鼓動範囲は約50平方キロ、7キロ四方。様々なものを食べる。6~7歳で出産し、3年に1回出産するが、餌が良ければ毎年繁殖する。運動能力が高い。数センチの凹みでも壁を登れる。判断は視覚情報中心。成人男性に対しても逃げず、向かってくる。

  兵庫県は14~15群の958頭が生息。絶滅も心配しながら被害を防ぐ必要がある。ワイヤーメッシュ柵の上に電気柵を設けるのが有効。ワイヤーメッシュ柵を登ると、電気柵に触れ、感電する仕掛けだ。

 【4】植林地被害対策

 森林林業センターが研究している。苗木を単木的に守る資材を設置する方法と、造林地毎に植生防護柵を設置する方法がある。植生防護柵は谷などを含むため、なかなか完全に囲めず、防ぎきれていないのが現状だ。

  最後に、研究と対策の融合性をどう取っているか、研究成果の情報提供の仕方はどうしているか、生息地管理や個体数管理の詳細、予算などの質問にお答えいただき、意見交換などもしました。

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69回目の終戦記念日に思う

2014年08月15日 | 日記

 今日は69回めの終戦記念日です。先の大戦では県内からも2万3000人の戦死者を出しています。その死を思う時、痛惜の念に耐えましせんし、今日の平和が、犠牲に成った皆様の上に築かれたことに思いを致し、御霊の安らからんことを祈念したいと思います。

 さて、戦後、我が国は日本国憲法を制定し、1発の砲銃弾を打つこともなく、平和を堅持してきました。しかし、安倍政権の発足以来、軍事機密を守る特定秘密保護法の制定、武器輸出三原則をないがしろにする韓国軍への銃弾の貸与、集団的自衛権の行使容認の閣議決定などいつか来た道を歩んでいる危機感を多くの県民の皆様が募らせておられます。

 平和を希求するには過去に学ぶことが重要であり、来年、太平洋戦争の集結から70周年を迎えるにあたり、戦時体験の聞き取り調査と資料の収集をする必要性を強く思います。

 先日の朝日新聞には、日本人捕虜の集団脱走で234人が亡くなった豪・カウラ事件の生存者村上輝夫さんの貴重な証言が掲載していましたが、村上さんは県内在住と記されていました。加えて、真珠湾攻撃で特殊潜航艇搭乗員として戦死した九軍神の横山薫範特務少尉、第十三方面司令官として名古屋空襲の米軍捕虜を処刑した責任で戦犯として処刑され、映画「明日への遺言」で描かれた岡田資中将、連合艦隊参謀長などを務めた福留繁中将ら、太平洋戦争で注目すべき県出身の軍人は少なくありません。県内には旧帝国海軍の美保基地や鳥取連隊の兵舎などの戦争史跡も、まだ残っています。鳥取県にとっても戦争は大きな足跡を残しているのです。

 私が新聞記者になった25年前は、たくさん戦争体験を語っていただける方が居られましたが、取材した方々は年々他界され、戦争体験を聞くこと自体が難しくなってきています。今、証言を記録し、資料を集めておかねば、後世に戦争の記憶を残すことは出来ないのではないでしょうか。今後、県議会などから提案していきたいと思います。

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