すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

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六月議会一般質問① 壇上からの質問

2012年07月24日 | 日記

 六月議会では地酒の振興策と題して、質問をさせていただきました。私はお酒が好きです。趣味と言ってもいいと思います。ベルギーにはビールを飲むためだけに1週間行ってきましたし、アメリカのナパバレーのワイナリーを訪ね歩いたこともあります。四川省では紹興酒の向上を見学してきました。その土地、その土地の食材には、その土地、その土地のお酒があり、そのマリアージュこそが、食文化なのだと思っています。鳥取の清酒は本当に美味しい。なにより、蔵元の皆さんが情熱をかけて、真面目に酒造りをされています。それなのに、酒の販売量は減り、醸造を止める蔵元が増えています。そして、その構図は他の伝統産業でも同じです。そこで、今回の一般質問ではテーマを「地酒」にしぼり、一時間にわたって質問させていただきました。

 ○3番(砂場隆浩君)(登壇、拍手)会派「かけはし」の砂場でございます。一般質問もあと2人となりました。きょうは、通告に従いまして「食のみやこ鳥取県」は本物か、地酒を通して議論をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 「食のみやこ鳥取県」。いい発想だと思います。地域の食を通じて県民の皆さんと誇り、それから地域への愛情を醸成するアイデアとしては非常にいいと思いますし、それが食のみやこ推進課までつくられ、着実に歩まれていることは評価をいたしますが、この将来ビジョンを見ますと、米、シイタケ、ナシ、スイカ、鳥取和牛、大山赤ぶた、鳥取地どりピヨ、魚など出てきませんが、地酒が出てまいりません。確かに飲酒運転や未成年の飲酒は論外であります。ルールは守らなければなりませんが、大人の楽しみであり、そして文化であるお酒をもう少し大切にしていただいてもいいのではないかと思います。

 

現在、今、鳥取県がどういう状況か考えてみたいと思うのですけれども、皆さんの手元に、議長のお許しを得て資料を配らせいただきました。それをレジュメとして進めます。

 2ページを見て下さい。県内の酒量の販売量ですが、1997年には4万 7,950キロリットルあったものが2010年には4万 2,377キロリットルと11.6%減っております。日本酒で見ますと、1997年は22.9%、 8,940キロリットルであったものが2010年には 4,337キロリットル、約半分以下になりまして、占める割合も14.4%です。

 次に、3ページのグラフを見ていただければ、日本酒だけを取り上げたものですが、いかに少なくなったかわかると思います。

 4ページは、それに伴いまして酒造免許状の数がどれだけ減ったかです。2009年は23ですが、現在は19にまで減っております。

 私は、酒造業は鳥取の宝だと思っています。地域の伝統産業であり、地域の伝統文化ですけれども、清酒の三要素こそが鳥取の宝だと思います。清酒の三要素は、水、米、人です。鳥取の水は、きょうの午前中に福間議員が議論されましたように、本当にいい水です。ミネラルウオーターの生産高が全国3位であることからもわかります。そして、鳥取の米は、後で述べますが、強力や鳥姫などブランドの酒造好適米があります。日本は弥生時代、大陸から米が渡ってきて文明が花咲きました。そして、池田家は32万石と、米の収穫量で領地を示します。外国は何エーカーみたいな面積で示していて、これから見ても、いかに日本人が米を大切にしてきたか、そして米の酒である清酒を大切にしてきたかがわかると思います。そして、鳥取の人がつくります。蔵元、杜氏、そして蔵人ですが、昔は出雲杜氏、但馬杜氏がほとんどでしたが、今はほとんど社員が杜氏になっておりますし、家族経営ですから息子さんや娘さんがお酒をつくっておられます。酒を醸すことは地域の誇りを醸すことだと思いますし、客観的に見ても鳥取の酒は鳥取の宝であると思います。

 次、6ページを見ていただきたいのですが、酒造好適米の比率は、鳥取県は 72.68%で全国で1番です。ほかのところ、例えば酒どころと言われている伏見や灘があります兵庫県は 12.45%、京都は9.54%です。いかにいいお米をつくっているか、これがわかると思います。右を見てください。精白ぐあいですけれども、大吟醸が50%以下、吟醸酒は60%以下、本醸造は70%以下ですが、鳥取県は59.9%まで米を磨き上げます。全国平均が67.1%であることから比べても、よくわかると思います。兵庫、京都は73.1%、73.3%です。それから米1トン当たりのアルコール使用量ですが、鳥取は何と67リットルしか入れていません。全国で5位です。全国の3分の1しか入れていません。米だけでしっかりとした酒をつくっているのが鳥取のお酒です。そして日本酒度ですが、 1.4からマイナス 1.4が普通です。 5.9から 3.5ぐらいが辛口、6を超えると大辛口ですが、何と 6.2で2位です。1番は高知の 6.4です。そういう意味でも、非常に特色のある酒をつくっています。

 私は、鳥取の酒は鳥取の宝として「食のみやこ鳥取」でも、言葉にはありませんが、その中で位置づけて、しっかり支援をしていただきたいと思いますが、知事、いかがでしょうか。

 次は、農商工連携の理想像を酒造好適米で実現をしていただきたいという思いから質問いたします。

 実は昨年ですけれども、鳥取県は山田錦の種もみを熊本県から買っていますが、出荷しないという連絡があり、大騒ぎになりました。原々種は兵庫県がもちろんお持ちです。担当課は兵庫県やJAとかけ合って種もみを確保しようと努力したそうですが、かないませんでした。結局、蔵元さんや栽培農家が走り回って、やっと確保したそうです。今、県は種もみが異種交配しないように抜き取りなどの協力はされているそうですが、やはり県民が困ったときに支えてこその県ではないでしょうか、行政ではないでしょうか。そういう状況になっても蔵元や栽培農家を県の職員が訪ねることは少なかったと不満をお聞きいたしました。酒造業界が小さい業界だからなのでしょうか、それとも食のビジョンの中、県の将来ビジョン「食のみやこ鳥取県」に書かれていなかったからでしょうか。

 ところで、この問題は知事のもとに報告上がっていたのでしょうか。私は、この問題は小さい問題ではないと思いますので、答弁を求めます。

 次、8ページを見てください。鳥取県で酒造好適米として栽培されているのは玉栄、五百万石、山田錦、強力、鳥姫の5種類です。このうちの強力は大正時代、県の奨励品種であったものなのですが、これが戦後消えまして、昭和61年、鳥大農学部で一握りにも満たない種もみが保存されていることがわかり、これを復元したものです。鳥取県以外に強力は出しておりませんし、3年ごとに種もみも更改しておりますので、非常にしっかりと県民の皆さんが支えている米です。鳥姫は1996年に五百万石系列の神の舞に玉栄を交配して鳥取県でつくられたものです。いずれも、やはりいい米だと思っています。ブランド酒米競争が今、全国で行われている中、この2つの酒造好適米は、すごいものだと私は思っています。生産が安定するように、また蔵元が使いやすいように補助金を出すなど、何か思い切った支援策を講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 もう1つは、酒蔵の後継者の問題です。手仕事担い手育成事業というのがありまして、県は2分の1補助をされています。非常にいい制度だと思いますが、研修生の現状で言いますと、これまで14人の方がこの支援事業を受けて修行をなさいましたが、就業された人は7人、未就業者は7人で、現在2人が修行中です。杜氏分野ではお一人が、この分野で研修をされました。

 私は、問題なのは、この制度そのものはいいと思うのですけれども、事業の実施要綱の中に、研修受け入れ先の代表者の3等親以内の直系親族以外の者という1項が入っていることです。今回、蔵元7つ、みんな訪ねました。みんな家内清酒工業のような小さな小さな家族でのお仕事です。そして、陶芸や竹細工なども家内的にされているところがほとんどです。本当に担い手を、地域の産業を守ろうというのであれば、この1項の条項を削除をしていただくことはいかがでしょうか。やはり、家族であっても東京で働いている、大阪で働いている子を、会社をやめさせて後継ぎにしようといったときに、では帰ってきたらすぐ売り上げが上がるというわけではないのです。そういう意味では、やはりこの条項を外していただいて、家族であっても支援が受けられるようにしていただきたいと御提案をしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 もう1つは、地理的表示の保護制度の提案です。一番有名なのはシャンパンだと思います。シャンパーヌ地方でつくられたブドウで、瓶の中で2次発酵したものだけがシャンパンということができます。あとはスパークリングワインになります。これについては、国はもう既に検討を始めておりまして、2010年に閣議決定をして検討を始め、昨年10月には保護制度を導入するというふうにしております。この中では、鳥取県では鳥取砂丘、ラッキョウ、鹿児島県の黒酢などが候補として上がっています。では、県で見ますと、「食のみやこ鳥取県」では、推進サポーター制度というのがありますが、これは登録をすればだれでもなれますし、推進三ツ星サポーターについても、生産者であれば年2回以上の対面販売や年2回以上のPRイベントに参加すればいいということになっています。基本的には、このサポーターというのはPRサポーターでありまして、ブランド化には余り役立たないのではないかと思っておりますので、新しいそういうブランド化のための制度を考えたらいかがでしょうか。

 我が国の中にも、WTO協定に基づくTRIPS協定で、地理的表示に関する表示基準というのは国税庁が告示をしておりまして、壱岐しょうちゅう、球磨しょうちゅう、泡盛、琉球泡盛、薩摩じょうちゅう、それから白山の清酒が指定をされております。これも一つ検討に値するのではないでしょうか。

 諸外国の例を見れば、アメリカが証明標章制度を導入しています。12ページを見ていただければわかるのですけれども、このカウボーイみたいなこのマークですけれども、これはアイダホ州ポテト委員会から認証を受けなければ書くことができません。アメリカでは、このほかマウイタマネギ、インディアナ州牛肉、 100%ハワイコーヒーなどが、この制度の認証を受けています。

 この制度では、フランスのAOCが有名ですけれども、EUでは、このAOCをベースとして今、PDOとPGIと2つの制度があります。簡単に言うと、PDOのほうは、生産、加工、調整のすべてが特定の地域内で行われなければなりませんが、PGIについては生産、加工、調整のいずれかが特定の地域内であれば大丈夫です。皆さん御存じのロックフォール、チーズですね、青カビの。ちょっと僕は苦手なのですけれども、これはロックフォール・シュール・スールゾン村の牧草で育てた羊の生乳を使って、村の洞窟の青カビで、村の洞窟で最低3カ月熟成したものがこれに当たります。

 では、使ってみたらどうかというと、次の14ページを見てほしいのですけれども、ブレス鶏は農家額でほかの鳥に比べて 4.6倍の値段がついていますし、小売価格では 3.7倍です。トスカーナのオリーブオイルも約2倍、それからノン渓谷のリンゴはトレンティーナ州のほかのに比べて 1.7倍の値段がついております。そういう意味では、ブランド化を進めるのでは非常に有効だと思います。

 確かにいろいろな難しい問題もあります。余り厳しくしてしまうと指定ができませんし、緩くしてしまうとブランド化になりませんので、そういう調整などさまざまな問題はあると思いますが、鳥取県版の産地呼称制度導入の研究を始めてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。

 最後の質問は、まんが博で、この地酒を全国発信、世界発信できないかということです。北東アジアの地方政府サミット、本当にお疲れさまでございました。成功だったと思います。ですが、そのレセプションなのですけれども、壇上には鳥取の酒と書かれたたる酒が置かれて、おお、やるなと思ったのですけれども、乾杯をますでやったのはメーンテーブルだけでした。あとは大手ビール会社のビールでした。韓国、中国、ロシア、モンゴル、たくさんのお客さんがおられるのですから、皆さんに楽しんでいただけたらと思いました。しかも、そのあとのうたげで供されたのは、外国産のワイン、県外産のしょうちゅう、大手会社のウイスキーでした。

 次、15ページを見ていただけたらいいと思うのですけれども、海外客へのレセプションで提供された地酒の一覧でございます。確かに中国美食協会の来県のときには、さまざまなお酒が出されましたが、それ以外はこれでいいのでしょうか。

 福寿海の上撰が出されていますが、中川酒造さんは強力の栽培に力を入れておられ、純米酒づくりにしっかりと力を入れておられます。それがなぜ上撰なのでしょうか。担当者にお聞きすると、経費の問題だと言われました。エンジン01のレセプションでは谷本酒店の谷本さんを中心になって地酒コーナーがつくられたそうです。太田酒造の陽子さんたちも出て、鳥取の酒をPRしてきたとお聞きしました。

 今回、鳥取県東部にある7つの蔵元さん全部にお聞きしたのですけれども、県が本当にそういうチャンスをつくってくれるなら、1本の値段で2本を出してもいいです、原価で出してもいいですなど、皆さん、そういうお声を聞きました。しかし、県の職員が蔵元さんたちにそういう提案をされたことはなかったそうです。レセプション会場の外で直販コーナーを設けるなど、移動酒販免許を持っている酒屋さんに来てもらうとか、直販免許がなくても注文を受けることはできるのですから、そこで注文の受け付けコーナーをつくるとかそういう、県が、1本でもいいから皆さんのお酒を売りますよ、こういう思いを蔵元の皆さんにも、そして消費者の皆さんにも示すことが大事だと思いますが、知事、いかがお考えでしょうか。お答えをお願いをしたいと思います。

 それともう1つ。実は鳥取のお酒が漫画にはよく出てくるのです。これが「美味しんぼ」という漫画ですけれども、「美味しんぼ」で日本酒新時代というコーナーがあるのですけれども、鳥取の日置桜が紹介されています。それから「夏子の酒」には何回も出てきます。

 これは上原浩先生がこの主人公の一人になるのですけれども、甲州屋さんという池袋にあるお酒屋さんですけれども、児玉光久さんという方が経営されて43歳で亡くなったのですけれども、その逸話が出ていまして、売れない酒は社会の迷惑ですとして諏訪泉が出ています。これは、こんなにいいお酒をつくって、どうして売れないのかという、児玉さんの叫びを描いたものです。それから、もう1つは、同じ諏訪泉ですけれども、諏訪泉の鵬も出てまいります。こうじというのは大体37度でつくるのですけれども、鵬は47度でこうじをつくります。そのときに名作鵬を生んだ諏訪泉という形で紹介されています。非常にいろいろなところで、漫画で鳥取の酒が出てまいりますので、ぜひともまんが博覧会、マンガサミットの会場には、そういうコーナーも設けていただき、またレセプションもたくさんあるでしょうから、しっかりと地酒をPRしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 以上で壇上からの質問を終わります。

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六月議会一般質問② 知事の答弁

2012年07月24日 | 日記

壇上からの質問に対して、知事ら執行部の皆さんから答弁をいただきました。

○議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。

 平井知事

○知事(平井伸治君)(登壇)砂場議員の一般質問にお答え申し上げます。

 砂場議員のほうからは、地酒の振興につきまして何点かお尋ねをいただきました。

 まず第1点目として、地酒は大切な鳥取の食文化ではないだろうか、「食のみやこ鳥取」での位置づけやいかんというお話がございました。これは全く同感でございまして、別に、先ほど将来ビジョンで欠けているというお話がございましたけれども、排除するような意思は全くございません。私も就任当初から、この地酒につきましては海外への売り込みも含めまして、いろいろと事業を展開してまいりました。例えば一緒にニューヨークのほうへ出かけていったり、あるいは韓国との売り込みとの関係でいろいろな意見交換をさせていただいたりいたしました。

 先ほどの議員のグラフの中でも、日本酒の販売量がずっと減ってきているところでありますが、最近何とか横ばいで頑張れているというような状況もあります。厳しさには変わりはないし、蔵元が減ってきたことがこれまでも影響しているわけではございますけれども、私は、単に県内で飲めばいいということだけではなくて、先ほど漫画で「夏子の酒」あるいは「美味しんぼ」の御紹介がございましたが、すばらしいお酒が鳥取県内にはたくさんある、そのPRをしっかりとやって、県内外、国内外で鳥取のお酒が出回るような、そういう姿を夢見ているところでございます。

 鳥取県には「食のみやこ」の一つの要素として地酒があると思いますが、議員のほうからも、鳥取のお酒の特徴の御紹介がありました。恐らく鳥取県は純米酒という意味では、他に比類のない地域を形成してきたというふうに思います。それは、先ほど上原さんの御紹介もございましたけれども、地域を挙げていいお酒をつくろうということを一生懸命になってやってきたからだと思います。残念ながら、既に他界されました上原さんの遺徳をしのびながら、私たちもその志をしっかりと地域で継承し、発展させなければならないという思いを新たにするところでございます。

 

その地酒としての純米酒のよさもありますし、それからさまざまな古いお米の品種である強力だとか鳥姫だとか、いろいろと消費者の嗜好性も考えて販売戦略、開発を行っていくというようなことも必要であります。

 また、いろいろな売り込みをかける、そういう場の提供ということもあろうかと思います。現実にも、東京でアンテナショップをつくりました。そのアンテナショップをつくって、毎年のように、そこで地酒の販売イベントをされていまして、向こうへ出ていかれる酒蔵さんもいらっしゃいます。その新橋のアンテナショップは小さいものでありますけれども、そのほかにもさまざまな物産展など、そういうものがございます。こういうものにも出品をされておられます。また、海外への展開につきましても、例えば去年も、またことしもということだと思います。香港のほうのフードエキスポなど、食品関係のものもございます。いろいろな場に出ていただくということでありますが、非常に評判がいいというふうに思います。

 正直な話として今、鳥取の地酒に対する内外での評価は高まりつつあるかなと思います。例えば、辨天娘さんだとか関西方面でもなかなか手に入りにくいというようなお話が聞こえてきたり、あるいは千代むすびさんがアメリカに出たりしていましたけれども、アメリカのいろいろなレストランにも出るように最近はなってきていますし、さらに韓国だとかそうしたところには支店を設けられる、あるいは台湾とかですね、いろいろと出ていかれていらっしゃいます。こういうような千代むすびさんだけでなくて、中川酒造さんもアメリカのほうに出していかれたり、大谷酒造さんは、今度は吉林省のほうにアンテナショップ的な展開が予定をされていますけれども、その中で出品していこうかと、出していこうかと、供給していこうかというような、こういう動きも出てきています。

 こういうように、国内外通じて外へ打って出る戦略がここ最近、非常に活発化してきたというのはありがたいことだと思いますし、ぜひそうやって評価を集めて、売れるような商品として発展していただきたいというふうに思います。

 この地酒の振興との関係で、先ほども御紹介ございましたけれども、私どもでもたびたび、いいチャンスというのはめぐってきます。つい先般、エンジン01という大きな大会が鳥取市内で開かれました。これの我々、非常に注目したところは、メディアを通じた発信力の強い人たちが集まられることであります。その中にはフードアナリストの方なども入っておられます。ワインのテースティングでテレビに出てくる方もいらっしゃいます。そういうような名立たる名士がそろってくるときに、鳥取の魅力をいろいろ売り込む必要があるのではないかと。実行委員会のほうでも大分工夫をされまして、谷本さんとか若い流通の方々も頑張られまして、日本酒のコーナーをつくられました。そこに大体我々のリサーチどおりではありましたけれども、結構お酒に興味を持たれる先生方が多いということでございまして、大分寄ってこられました。実は2次会等も用意をしたりしたのですが、そういうところでもいろいろと提供させていただきました。そういう中で、京都吉兆さんなどは辨天娘を買い付けようではないかと、そういうことで販売戦略が調ったりしたこともございましたし、そのほかも、そういう評論家の皆さんから高い称賛をいただいて、その後の展開が楽しみなものも出てきています。

 こういうように、あらゆるチャンスをとらえて、「食のみやこ鳥取県」の重要な局面として売り込みを図ってまいりたいなというふうに思います。

 次に、山田錦の種もみ供給の件につきまして御質問がございました。これにつきましては、非常にちょっと微妙な問題もあるわけでございますけれども、我々としてもJAグループと酒造組合等との間で今後も汗をかかさせていただきたいと思います。詳細につきまして、農林水産部長からお答えを申し上げます。

 次に、強力、鳥姫といったような酒米についてのお尋ねをいただきました。これにつきましては、議員のほうからもいろいろと解説もあったとおりでございますが、強力とか鳥姫だとか、そうした新しいというか、そうした酒米の好適品種の生産供給に我々としても、開発段階も含めて協力をしていきたいと思います。

 強力は古い品種ではありましたけれども、鳥取大学の中に残っていたということから、ここ最近、復活をしてきていますが、実際その強力でお酒をつくったものをいろいろな皆さんに飲んでいただきますと、非常に評判がいい、コクがあっておいしいというようなお話がございます。一番いいのは、これは鳥取県でないところのお酒が出てこないことでございまして、地酒の一番の楽しみである地域性、この意味では、ほかのお酒とは際立った特色のあるものに成長したと思います。

 鳥姫は、近年の傾向として、開発段階のとき吟醸酒の需要が非常に高かったわけですね、大吟醸も含めまして。酒造関係では吟醸酒ブームというものが起こってきた、そういうことを背景にして開発をしました。吟醸酒の場合は、先ほど精米の話がございましたけれども、削り込んでいくわけでございます。そうするとお米の粒というのは小さいものですから、削っていくとなくなってしまうわけですね。そういうことで生産性が悪いわけでございますので、しっかりとしたお酒に向くお米であって、比較的粒が大きいものというものを開発をしようではないかと。それが鳥姫の開発コンセプトでありました。これが実際、酒蔵のほうに出回り始めたころ、私も大谷酒造さんの酒蔵だったと思いますが、お伺いをしまして、鳥姫はどうでしょうかというお話を申し上げましたら、正直な話として、扱いにくい面もあるというような評価もいただきました。それは、大きい粒なものですから、その分、削っていっても大分残るという意味で、生産性はいいのでしょうけれども、それが今度壊れてしまうと、粒のほうがですね。そういうような逆の問題もどうもあったようでございます。ただ、その大谷酒造さんにしても太田酒造さんにしても、この鳥姫を使ってお酒を今、出しておられますが、純米酒として用いるということにしますと、女性的なというか、それは向こうの表現なのですけれども、酒蔵さんの表現では女性的な味わいのいいお酒になると、そういう評価もありまして、鳥姫という名前にもちなむかもしれませんが、そういうちょっとおしゃれなお酒として提供するということで始められています。

 そのほかにも今、研究もやっていまして、別のお酒の好適米を開発しようではないかという動きもいたしております。

 次に、手仕事担い手育成支援事業について御提案がございました。もっともだと思いますので、要件の見直しをさせていただこうかなと思いました。今、実は農業のほうでいきますと、後継者のほうについては、保険が出るということであればそれは対象にしようということにいたしておりまして、雇用保険を一つのメルクマールにして3親等以内のところにも助成金を出すというようなやり方をやっております。これと全く一致させるのがいいかどうかはともかくとして現実問題、今、遠くから杜氏さんがやってきてというような時代でなく、自分の家で継ぐのだと。ただ、最近もあるのですけれども、宮城県のほうに出かけていって研修をするのだけれども本当は地元でやるのがいいと、帰って来ざるを得ないとか、そういうようなことも現実問題あると伺いました。ですから、そういう要件の緩和をして、実際に担い手として技術を研さんし、継承していこうという方が使いやすい制度に変えていきたいというふうに思います。また、当初予算までによく検討をさせてもらいたいと思います。

 次に、鳥取県版の原産地証明のお話がございました。これにつきましては、市場開拓局長のほうからお答えを詳細、申し上げたいと思いますが、TRIPS協定の関係となりますと、酒造組合の申請のことになります。酒造組合のほうにお話をさせていただいて、そちらの考え方で尊重しながらということだろうというふうに思います。

 また、AOCでございますけれども、アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレは、これはワインについているAOC、例えばボルドーとかですね、ああいうやつでございます。これ、ワインとかで見なれているものですから、何か独特なものかなというふうに思いますけれども、例えて言えば、我々のふるさと認証食品と実は考え方は一緒でございまして今、私どもも日本酒も含めてふるさと認証食品をとっておられます。それは材料の問題もありますし製法の問題、伝統的な製法があればということにもなっています。ちょっとこの辺も関係者とよく話をさせていただいて、現状の体制でいいのかどうか意見交換をしてみたいと思います。

 

 次に、レセプション等での活用につきましては、これは市場開拓局長のほうから詳細をお話を申し上げたいと思います。

 私どもとしては、これまで2~3年前にもやはり改めて申し入れをしたこともあるのですが、地酒で乾杯ということを本来はやってみようではないかとか、あるいはレセプション等で地酒を活用しようではないかということを推奨しております。現に県の行事、この間の北東アジアのサミットも含めて、できるだけ地酒を楽しんでいただけるようにさせていただいています。あとは宣伝効果なども考えるわけでございまして、先般のエンジン01のように、非常に宣伝効果があるということですと酒造組合さんとかとも話もしやすいし、現に効果もあるということでございます。そういうようないろいろな場をとらえて、その場その場のTPOに合わせた対応をとってまいりたいと思います。

 漫画の活用につきましては、これ、詳細は文化観光局長は、いない。漫画のことにつきましては、これは考えてみたいと思います。先ほど「夏子の酒」とか「美味しんぼ」につきまして御提案がございましたけれども、マンガサミットの場合でしたらレセプションの場もあろうかと思いますので、検討をさせていただきたいなと思います。

 実は国際まんが博に向けまして、例えば智頭では「夏子の酒」の作者を呼んで、最近シンポジウムなどをやられるようになっておられます。それぞれの地域の取り組みも含めて活用してまいりたいと思います。

○議長(伊藤美都夫君)補足答弁を求めます。

 西山農林水産部長

○農林水産部長(西山信一君)山田錦の種もみ供給につきまして補足答弁をさせていただきます。 山田錦の本県での種子の購入は、一般的にはJA全農を通じて入手をするという方法以外に酒蔵のほうから個別に入手をされたり、それから生産農家が個人のつてをたどって入手をされるというふうな方法がございます。

 県のJAの関係は熊本県の経済蓮から入手をしておりましたけれども、議員のお話のように、来年度、種を植えつける、来年産のものから供給ができないというふうな話が熊本県の経済連のほうから入ってきたということでございます。その状況を受けまして、全農それから農協、それから県も入りまして、対応を検討をいたしました。その結果、2反ぐらいの水田で種もみを生産をすると足りそうだということで、県内の生産者の水田で種子の生産をしていくという話を進めてまいりまして、青谷町のほうで水田を確保し、生産者それから全農、JAで契約を結びまして現在、来年用の種子生産が始まったということでございます。これでおおむね来年以降の心配はないというふうな状況になったというふうに理解をしております。

 実は、余り知られておりませんけれども、山田錦は兵庫県が育成をされて非常に人気が高かったということから門外不出にされております。現在も兵庫県育成者は、県外に正式な種子を供給はされておりません。ただ過去、こういう知的財産に対してのいわば意識が低い時代に、いろいろな人づて的に出て全国に広まっているというふうな状況もございます。そういうふうな点も含めて、県で直接もとの種子を入手をして取り組むという点は難しかったという点はございました。

○議長(伊藤美都夫君)三木市場開拓局長

○市場開拓局長(三木教立君)補足答弁いたします。 まず、県版AOCについてでございます。先ほど議員から御指摘のあったAOCにつきましては、製造過程と品質評価に基づき付与される制度ということで、既に国内でも長野県とか佐賀県が行っている原産地呼称管理制度というのがございます。一方、県では先ほど知事が申し上げましたように、原材料に県産の農林水産物を使用したり県内で製造される加工食品をふるさと認証食品として認証しておるところでございます。この商品には認証マークのEマークをつけて他商品と差別して、県が実施する各種イベント等で広くPRしたところでございます。なお、この認証食品の数でございますけれども、総数で 539商品、うち酒類は27商品が認証しておるところでございます。

 もう1点ございまして、いろいろなイベントといいますか、お酒のコーナーを設けるなどいろいろPRしてはどうかという御提案でございます。せんだって行いました北東地方政府アジアサミット、またエンジン01など、海外、県外から多くの影響力のある方々が参加する場というのは、議員お話のように鳥取県の地酒をPRする絶好のチャンスというふうに伺っております。せんだって6月15日にアラブ諸国の中日大使が来県された折にも、地酒と名水のコーナーを設けたということになっております。また、イベント等での酒類の販売コーナー設置については、個々の酒造業者や酒造組合の意向を第一に考えながら、地酒のPRが一過性に終わることなく、利益やリピーターの確保につながるよう、手法についていろいろ考えてみたいというふうに思っております。このことについては酒造組合の皆さんとよくよくこれから話し合いを見たいというふうに思っておるところでございます。

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六月議会一般質問③ 追及質問

2012年07月24日 | 日記

知事から答弁をいただきましたので、自席から、さらに質問を続けました。

議長(伊藤美都夫君)3番砂場隆浩議員

3番(砂場隆浩君)知事のほうから「食のみやこ鳥取県」から排除するものではないと、県内外に出回っている姿を夢見ているという回答をいただきました。力強く思います。手仕事担い手事業につきましても、要件を見直して当初予算あたりで考えたいという、非常に前向きなお答えをいただきまして、ありがとうございました。ぜひとも実現に向けて御努力をお願いをしたいと思います。

 実はAOCについてなのですけれども、ふるさと認証食品ですが、これに参加しているのは4社だけなのですね、鳥取県内の酒蔵で。参加しにくい部分、もしくは参加してもPR力が弱いのではないかというふうに思われているところがあるので、やはり制度の見直しといいますか、もう1回、知事もおっしゃいましたけれども、関係者とよく話ししていただいてPR力のあるもの、ブランド力がつくものにしていただければありがたいというふうに思います。

 実は先日、飛行機に乗りましたら、「翼の王国」を見たら、杯洗という記事が出ていました。皆さんのお手元では16ページですけれども、結構失われた酒の文化があると思います。この杯洗というのは、お酒を飲むときに杯を洗って先輩が後輩に「おい」と渡すやつですけれども、今はもう全く見ません。その下にあるのがはかまですね、お酒の。こういうものも見なくなりました。それから杯そのものが見なくなりましたね。上にあるのが陶器製、下のが木杯ですけれども、これがなかったのです。

 私は酒器もやはり大切だろうと思うのです。それはなぜかというと、鳥取は吉田璋也を生んだ町だからです。本当に生活雑器の中に美しさを見直して芸術にした吉田璋也の町だからこそ、こういった酒文化というものを手仕事の町だからこそ復活して、全国へPRをしていただければありがたいなと思いますが、いかがでしょうか。

 もう1つ、ことし4月7日から5月4日まで、「とっとり今食×うつわ」というのが県立博物館を中心にして行われました。とてもいい企画だと思います。そういう器、食、お酒、こういうものはやはりマリアージュしてこそ魅力が出ますので、こういうのは非常にいいと思いました。県博のカフェ・ダールミュゼの会に参加させていただきましたが、チーズと地酒のマリアージュという会でした。日本酒のどれが、どんな日本酒に合うかという会で、ああ、おもしろいなというふうに思いましたし、それから谷本酒店さんは、自分のところで試飲会をされておりますし、今ちょっと活動がとまっていますけれども、鳥取飯酒というグループもありまして、これは御飯にお酒と書くのですけれども、三金交代といって第3金曜日に日本酒を飲もうと、こういう会なども皆さんの間であるようです。酒は文化ですから、本当は教育で取り上げたらいいのでしょうけれども、未成年に酒を飲ませるわけにはいきませんので、やはり別の機会をつくらなければなりません。本当にいい地酒があっても、飲まないと意味がわかりませんので、そういう機会をつくることができませんでしょうか。

 もう1点は18ページで書いていますけれども、租税特別法の清酒に係る税率の特例ですけれども、これが来年の3月31日で切れてしまいますので、やはり中小零細業者が多いものですから、国のほうへ再延長を働きかけていただきたいというふうに思います。

 さらには、具体的な技術の支援も必要だと思います。産業技術センターの支援については、各蔵元とも非常に感謝をしているというふうに言っておられます。科学的にお酒を分析して、前年度と比べるとどこが悪いかわかるというのですね。それについても民間の企業に出すと非常に高いのですけれども、これがしっかりやっていただける。また経営講座等々も充実して非常にありがたいという声を聞きました。それで産業技術センターに行きましたところ、年度を決めてさまざまな研究がなされておられましたけれども、実は、ここには酒造のプラントがないのですね。結局、酒蔵さんに頼んでやると非常に大きなロットでしかお酒がつくれない。もし酒造のプラントがあると、季節ごとではなくて1年間研究ができるということでしたので、これも御検討をいただけたらと思います。

 もう1つは、何か技術的にいいものはないかと思いまして、東京の農林水産技術会議に行ってまいりました。これは農林水産省の機関ですけれども、その中で独立行政法人の農研機構の近畿中国四国農業研究センターが黄桜酒造と共同で低グルテン米の開発をしたり、兵庫県立農林水産技術センターが酒米をいつ植えたらいいのかという適期を開発する、それから水管理の開発のほうをやっておられましたけれども、まだ鳥取県との共同研究はないそうですので、これも一つの方法だと思いますが、いかがでしょうか。

 先ほど話がありましたけれども、知事のおっしゃるとおり20ページのグラフを見ていただければいいのですけれども、これは日本全体ですが、やはりこれから海外への輸出というのは一つの生きる道だと思います。1989年には 6,783キロリットルだったものが、2011年には1万 4,014キロリットルとかなり大きくなっています。しょうちゅうよりも多いのですね、清酒のほうが。

 ですから、これに力を入れていただきたいと思いますが、21ページで書いていますのは、「エンジョイジャパニーズコクシュ」プロジェクトというものを古川国家戦略大臣が5月11日に決定をいたしました。日本酒、しょうちゅうを合わせて国酒というのだそうです。そこではやはり、何かと一番大きいのは在外公館にワインを買うより酒を買え、しょうちゅうを買えと、こういう動きなのだそうです。やはり、こういうふうなオールジャパンでの取り組みを国も始めたということですので、先ほどるる知事がおっしゃいましたけれども、それを一つまとめて、鳥取県版のエンジョイトットリプロジェクトみたいな形でできないかというふうに思います。

 さらには、ふるさと産業元気な企業育成事業ですけれども、これもふるさと産業の協同組合や企業グループに支援をされています。

 23ページを見ていただければいいのですけれども、こういう形でいきますと、海外への販路開拓に県がお金を出していることがわかりました。ですが、この中でびっくりしたのは、福寿海のブランドは、もう中国で別の会社が商標登録しているのだそうです。そういう状況もあるそうですので、やはりしっかりと海外の進出を応援をしていただきたいと思いますが、問題は、実際やっていないかというと、ニューヨークの国際レストランフード&サービスショーに出られていたり、関西本部がふるさとと地酒の名産品祭り等々いろいろあるのですけれども、これらのものが、どうも単発のような感じがするわけです。市場開拓課は市場開拓課みたいなものなので、どこかでコーディネートできるようなものができて、例えば技術開発にしろ、市場開拓にしろ、酒造業界に対してどこかがトータルでコーディネートしていく。同じように、やはり陶器ですとか地場産業はいろいろありますから、それぞれの業界ごとに何か整理をするものができないのだろうかというふうに思います。

 B-1グランプリなのですけれども、これも大手のビール会社が会場内で生ビールを販売していたのですけれども、地酒のほうは物販コーナーで上代さんがどぶろく、久米桜さんが大山の地ビールを売っておられるだけでしたし、エンジン01は、知事が地元の地酒の振る舞い酒を持って回られて非常に好評だったと思うのですけれども、実は、これエンジン01の事務局の指示で写メールの撮影やブログの掲載が禁止されたということなのですね。お店の人は直接話をして、文化人の快諾を受けて実際に写メールを流したお店もあったと聞くのですね。一番大きいのは、こういう場合はやはりブログや写メでITによる口コミというのは物すごく早いし、物すごく数が多いものですから、やはり一番大きなPR手段を自分から手を縛ることはないと思うのですね。やはりイベントをやる以上は利用し尽くすぐらいの気持ちでやることが大切だと思います。そういう意味では、我々がこういうポロシャツ着ているのもその一つなのですけれども、やはりそういう情報をみんなで共有をしていって、もちろん担当者は目の前で一生懸命ですから、そういう仕組みづくりもやっていただいて、ことしがまんが博、マンガサミット、来年が植樹祭に都市緑化フェアとイベントが続きますから、お金をかける以上、そのイベントを 100%でも 200%でも使うような仕組みづくりでは、やはり知事がリーダーシップをとって意識改革もしていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

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六月議会一般質問④完 追及質問への答弁

2012年07月23日 | 日記

追及質問に対して、知事を始め、執行部の皆さんから重ねて答弁をいただきました。その後、時間の許す限り、議論を続けさせて頂きました。

知事(平井伸治君)(登壇)砂場議員から重ねてのお尋ねをいただきました。

 まず、後継者育成につきましては要件の見直しを今後、取りかかっていきたいと思いますし、AOCと言われる原産地表示ですね、このシステムにつきましては関係者と意見交換をしてみたいと思います。

 酒文化の復興ということにつきましてお話をいただきました。先ほど「とっとり今食×うつわ2012」のイベントの御紹介もございましたけれども、鳥取県のいわば古い民芸という、そういう古(いにしえ)から残っている様の美というものを感じさせる、そういう器の美しさ、これが食べ物とかお酒と出会って、すばらしい食文化というものを提供できるのではないか。これで先般、そういうイベントをやったわけでありますが、大変に好評だったわけでございます。こういうようなことで、これからも鳥取県の器等もあわせて、そういう食文化、酒文化と一緒に売り込みを図っていく、それはいいアイデアだなというふうに思います。今後どういう展開ができるかということにつきましては、また関係者とも話をさせていただいて、そういういいコラボレーションができるのであれば、今後とも「食のみやこ鳥取県」の振興事業なりで応援をしてまいりたいというふうに思います。

 お酒を飲む機会をつくるべきではないかということにつきましては、市場開拓局長から御答弁を申し上げたいと思います。

 さらに、酒税の税率の特例措置のお話がございました。これにつきましては、ちょっと経緯のある話でございまして、一たん30%まで租税特例措置が進んだのですけれども、今は25、20というふうに下がってきています。全国の酒造団体のほうからも国のほうへ要望が出ている話ではないかなと思います。要は最近、酒蔵が減少することに象徴されますように、酒造メーカーの経営力に陰りが出てきていますので、税の面でも担税力に課題があると、こういうような議論だと思います。これは酒造組合とも御相談させていただいて、国に対してどういう要望をするのか、必要があるのか、ちょっとこれも検討させていただきたいと思います。

 次に、産業技術センターにつきましてお尋ねをいただきました。それからあと技術開発、連携共同研究についてもあわせてお尋ねをいただきました。商工労働部長から詳細をお答え申し上げたいというふうに思います。

 産業技術センターの機能を強化するために、もともと酒造関係は産業技術センターでも手がけていた分野でございますけれども、今は実験室的にやっていると。ですから、適宜適切に必要に応じた研究開発には少し設備が足らざるところがございますので、その辺は設備の強化をして、これは研究開発にも役立ちますし、後継者育成の舞台としても活用できるかもしれません。これも関係者の意向も聞いて、当初予算に向けて検討してみたいというふうに思います。

 

次に、日本酒の海外消費についてお尋ねをいただきました。「エンジョイジャパニーズコクシュ」プロジェクトの御紹介がございました。先ほども冒頭申し上げましたように、さきのニューヨークのほうの販売とか、そういういろいろなことをこれまでもやってきておりまして、鳥取県としてもそういう海外戦略、いろいろな形で支援をしてまいりたいと思います。県では今、これも議場でもたびたびの議論もありまして、機能強化をしようと。産業振興機構などにこういう貿易のノウハウをワンストップサービス的にまとめてこようということをやっていまして、その辺もバックアップしていきながら、そういう海外戦略を整えてまいりたいと思います。

 なかなか海外に売り込むというのは、簡単なようで難しいわけでありまして、よく持っていきさえすれば何とかなるだろうと思われる方も最初のうちは多いのですけれども、ただ、流通のシンジケートだ、ネットワークというのがあるわけですね。そこに入っていけるかどうか、あるいはアメリカのことでいえば、やはり日本酒は高級志向のところがございまして、高級なレストランがワインとあわせて日本酒というものをそこで提供するかどうかと、その辺が大事でございます。そうなりますと、実はいろいろと手を尽くしてやっていかなければならないわけでありまして、根気の要る仕事になります。

 ニュージャージーのほうに持っていって日本酒も並べて物産展をやって、そのときは例えばじゃこ天だとかそういう鳥取県の物産も持っていきました。定番化して、それ以来、取引もしていただいている銘柄もございます。ただ、行きまして、なるほどなと思いましたのはお国柄だと思いますが、並べたところで試飲をさせていかないとなかなか味がわからないものですから、お買い上げいただけるかどうかわからないといったことになります。ただ、試飲をさせることが法律で禁止されているのですね。州にもよるのでしょうけれども、酔っぱらいというのは害悪だという、そういうアメリカ的文化もございまして、白昼堂々お酒を店頭で出すというのはけしからんと。だから試飲ができないというようなことがございました。いろいろとやはりお国柄もございますし流通のシンジケートなどの難しさもございまして、これは粘り強く売り込みを図っていく必要があるだろうと思います。

 在外公館で使ってもらうのがコクシュプロジェクトの一つの基本だというお話がございました。実は三朝の藤井酒造さん、ロンドンのコンテストに出しまして、古酒の分野でブランデーのような色をした白狼が2年連続で金賞をとると、金メダルをとるということになりました。それもイギリスのほうの在外公館で使ってもらうということにもなりました。そういうように、私どもとしても後押しを今後ともやっていきたいと思います。

 最後にB-1グランプリ等のイベント対応のお話がございました。これにつきましては市場開拓局長からお答えを申し上げたいと思いますが、イベント、イベントでいろいろな事情もございますけれども、我々としてはできるだけ効果のあるような対応をとるように、職員一丸となって心がけていきたいと思います。

○議長(伊藤美都夫君)補足答弁を求めます。三木市場開拓局長

○市場開拓局長(三木教立君)補足答弁をいたします。

 まず、最初にお酒の消費拡大といいますか、たくさん飲んでいただく方策はあるものかというお話でございます。議員がお示しになった最初のページの3ページのように、県内の清酒の販売数量というのは毎年減少している状況にございます。これは鳥取県に限ることではなくて日本全国そういう状況でありまして、酒類全般としては変わらないのですけれども、とりわけ日本酒、ビールが非常に敬遠されている状況でございます。今伸びているのは発泡酒とかリキュールが伸びている状況にございます。

 なぜ清酒が嫌われるのかなということでいろいろアンケートなりを見ますと、悪酔いや二日酔いをしてしまうとか、味が嫌い、においが臭い、こんなアンケートの結果が出ております。これは年齢を下げるに従って強い傾向がございまして、日本酒と言えば年配を中心に今飲まれているのが現状ではないかと思っております。

 一方、若者のこういう事態といいますか、日本酒嫌いというのが広まっておりますけれども、若者自体はくせのない酒とか、先ほどリキュールが好きだというふうなの申し上げましたけれども、そういうお酒を飲む傾向にございます。

 また一方、お店に入るときは、例えば女性のほうが選択権がございまして、男性はそのお金といいますか、出すほうに回っていくということもございますので、女性に受けるようなお酒というのをこれからつくっていく必要があるのではないかなというふうに思っております。そういうことで、例えば鳥取県は純米酒が非常に頑張っていくということなのですけれども、純米酒を若い女性にPRしていくという作戦もあるのかなというふうに思っているところでございます。

 もう1点ございまして、イベント等での地酒の情報発信ということでございます。大規模なイベントを通じて鳥取県の地酒を初め、物産とかそういうものを情報発信していくということはもう議員の御提案に大変賛同するものでございます。

 B-1グランプリでは実は先ほどお話しになったように、当日会場では、いわゆる出たのは上代さんと久米桜の地ビールさんだったのですけれども、前夜祭がありまして、そのときで約 250名、これは県外の方の参加者の方、あとB-1の関係者の方がいらっしゃいましたけれども、19の蔵がありまして、その純米酒を全部そろえましてPRしたところでございます。

 またエンジン01につきましても、すべての夜楽会場、これは25会場あるのですけれども、そこで実行委員会から地酒を提供したりというようなこともありました。またウエルカムパーティーということで、講師の皆さん 180名ほどいらっしゃったわけですけれども、会場内に地酒のコーナーを設置しております。

 今後は、先ほどまんが博の話もございました。全国の植樹祭が来年に控えております。また都市緑化フェアとか国際エコツーリズム世界大会ということで、全国から注目が集まる鳥取県ではイベントが続くことから、その機会を通じて地酒や鳥取県の食、「食のみやこ鳥取県」を積極的にPRしたいというふうに思っているところでございます。

○議長(伊藤美都夫君)岡村商工労働部長 

○商工労働部長(岡村整諮君)それでは、補足の答弁をさせていただきます。

 まず、産業技術センターに設置をしてはどうかという酒造プラント、ミニプラントの件でありますけれども、今、産業技術センターでも酒造組合さんと協議しながら、やはり現場に適したような試作品ですとか、実地研修ができるようなプラントの必要性というものは認識しております。そのプラントについての設備導入でありますけれども、実は独立行政法人を対象にした共同施設利用の補助制度等もございまして、先ほど知事から当初予算に向けてというお話もございましたけれども、規模の大小をちょっと検討する必要があると思いますけれども、必要に応じて緊急性を要するものがあれば、交付金等を使って国の補助金をとりにいくということも可能でございます。国などに働きかけるなど強力にバックアップしていきたいというふうに考えております。

 それと連携研究につきまして、ここで御提案いただいています国の独法ですとか兵庫県立の農林水産技術総合センターとの連携研究というお話もございました。今、県の産業技術センターと農業試験場で共同研究等もされております。産業技術センターのほうでは先ほど市場開拓局長のほうからもありました女性に好まれるという話もありましたが、糖類ゼロの低アルコール清酒の開発、これを酒造組合さんと今現在、開発をスタートさせております。当然新しい鳥姫に次ぐ酒米の開発も農業試験場と産業技術センターで共同研究を今スタートさせているというところでございます。

 このほか解決できないような課題がありましたら、御提案いただきました兵庫県の農林水産研究技術総合センター、実は関西広域連合の中で産業部会の中で商工労働部以外に農林水産部の研究機関も入ってきていただくことになると思いますので、設備の共同利用等を検討するということで今、部会で検討しております。今後、必要に応じてこういう共同研究が進むよう、県としても関係県との調整などを強力に働きかけたいと思います。

○議長(伊藤美都夫君)3番砂場隆浩議員

○3番(砂場隆浩君)酒造プラントですけれども今回、補助金を申請してだめになったではないですか、国で。だから県でやったらどうかという意味で質問したのですよ。もう1回、そこはどうなのかお答えください。

○議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。

 平井知事

○知事(平井伸治君)(登壇)いずれにいたしましても整備について前向きに進めてまいりたいと思いますが、経過につきまして商工労働部長からお答え申し上げます。

○議長(伊藤美都夫君)補足答弁を求めます。 岡村商工労働部長

○商工労働部長(岡村整諮君)今回、補助採択が受けられなかったというのが、これは実は別の補助制度でございまして、ほかにも有利な制度が実は別にございます。年度の中途でも独立行政法人を対象にした共同施設利用の整備補助金というのがございまして、それをぜひ活用できないかということで今、検討を進めているというところでございます。

○議長(伊藤美都夫君)3番砂場隆浩議員

○3番(砂場隆浩君)では引き続き、よろしくお願いいたします。

 

 街角から豆腐屋さん、なくなりましたよね。げた屋さんも駄菓子屋さんも。ところが、郊外型大型店には豆腐もげたも生活雑器もあふれていますけれども、それでは本当に豊かな地域だと私は言えないと思います。先ほど話が出ました日本酒の話、これ大手酒造メーカーの大量生産されたお酒の話だと思います。鳥取の酒が臭かったり二日酔いすることもないと私は思います。そういう酒で鳥取の酒が駆逐されるのは、私は我慢がならないわけであります。

 きょうは、そういう意味で伝統産業の一つとして地酒を取り上げましたけれども、もちろん新しい技術を開発する、誘致するのも大事ですけれども、伝統産業もしっかり守ってこそ豊かな鳥取県ができるのだと思うので、よろしくお願いを申し上げます。

 あすは知事を初め私たちも期末手当が支給されます。率先垂範して地酒の消費拡大に協力をしたいと思いますし、していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。これで質問は終わります。

○議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。 平井知事

○知事(平井伸治君)(登壇)あしたと言わず、きょうからでもお酒を飲みたいと思います。

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長浜戦国ふるさと博で、国際まんが博覧会をPR

2012年07月20日 | 日記

 福祉生活病院常任委員会の県外調査を終えた私たちは、長浜市観光協会を訪れました。私たちは同常任委員であると同時に、「まんが王国建国推進議員連盟」に加盟しているので、このチャンスを生かそうということになりました。というのも、長浜市では3月24日から12月2日まで「長浜戦国大河ふるさと博覧会」が開催されており、多くの観光客が訪れています。戦国大河ふるさと博覧会の会場でも国際まんが博覧会のポスターを掲示していただき、PRのチラシを置いてもらえないかと、ちょっと図々しいお願いをしようと思いついたのです。もちろん、希望されれば、国際まんが博覧会の会場にも、長浜戦国ふるさと博覧会のポスターやチラシを置き、地域間連携でお互いの博覧会をPRし合いましょうと提案するつもりでした。

 出迎えてくれたのは北川賀寿男・長浜市観光振興課長でした。。私はまんが議連の幹事を仰せつかっていますので、浜田委員長の挨拶に続き、発言させていただきました。まず、山名氏、尼子氏の争いのほか、豊臣秀吉の鳥取城攻めで大活躍し、最後は自分の命と引き替えに、城兵を救った吉川経家公の古事を紹介するなどして、鳥取の戦国時代を説明。続けて、国際まんが博覧会の概要を説明させていただき、来場を呼びかけました。そして、「地方も連携すれば、大都市に打ち勝てるのではないでしょうか。一緒に助け合ってお互いの博覧会を成功させたいと思います」などと話をまとめさせていただきました。

 

続いて北川課長から長浜戦国大河ふるさと博覧会の説明を聞きましたが、観光を担当して9年目というベテラン職員だけに、北川課長のお話は示唆に富むものでした。以下は北川課長のお話の概要です。

 鳥取砂丘には一度行ったことがある。そのスケールに驚いていたら、地元の方々が、砂丘の緑地化が心配されていたのが印象的だった。鬼太郎は大好きな漫画で、ゲゲゲの女房も好きなテレビ番組で、毎回見ていた。境港は情緒のある町だろうな想像し、一度、出かけて行きたいと思っている。私は9年、観光振興課にいるが観光旅行に行っていない。ぜひともお邪魔させていただきたい。

 しかし、ドラマは観光という面では一過性だ。放映のある年は人が来ても、翌年は別の番組が放送され、別の場所に行く。 昨年放映された大河ドラマの「姫たちの戦国」で、浅井長政の居城で、江ら浅井三姉妹が生まれ、育った場所として小谷城が出てきた。それで、小谷城は知る人が知る城から、メジャーな名城になっていった。大河ドラマがあると、その年は観光客が増えるが、翌年は見事に観光客が減る。そうならないように小谷城を売り出したいと思っているし、戦国大河まんが博覧会もそのための仕掛けに使いたい。

 戦国大河ふるさと博覧会の目標来場者は50万人。しかし、今のペースだと27、8万人くらいになってしまうので、頑張らないといけないと思っている。それだけに、地方の博覧会同士、手を取り合ってPRしましょうというご提案は本当に嬉しい。

 滋賀県にはたくさんの文化財を戦国がある。たくさんの文化財があるということは多様な文化があるとうことではあるが、そこに一つ通った軸を見出せないということでもある。観光は分かり易さ大事だ。そうなると、滋賀をまとめるキーワードは戦国しかなった。

 分かり易さが観光には何よりも大事です。小谷城も城郭史上の重要ささより兄の信長と夫の長政の間で苦悩するお市というドラマ、長浜城も信長が倒れた後、清州会議を知力で制した秀吉が、天下を取ったドラマの舞台としての賤ケ岳古戦場、さらには、秀吉の居城だった長浜城。三成と秀吉の出会いのドラマも、ここにはあります。そうしたドラマの舞台も見ていただきたい。

 地域づくりは官から民への時代。博覧会も実行委員会の主催で民を中心にしたいと準備してきました。今回の博覧会は2億8000万円の予算ですが、展示物よりも、古城や古戦場への二次交通の整備と地域の情緒づくりに力を入れたつもりです。

 鳥取にとって秀吉は仇ですが、これからは水に流して交流していただければ、嬉しいです。

 

 以上が北川課長の話の概要です。その後、意見交換したのですが「妖怪が出ても不思議ではない雰囲気づくり、情緒づくりが大事」「妖怪漫画のコンクールを企画して水木しげる賞として続ける。推理漫画のコンクールをして青山賞として続けては。人材育成になり、次の戦略に繋がる。水木、青山というな名前は使わないと損だ」「鬼太郎のアニメのオープニングシーンの墓場は作れませんか?  今、荒れているお寺が滋賀県にはいくつかあるんですが、鳥取にもそうしたお寺があれば、再生もおもしろいのでは」などと、様々ヒントをいただきました。さすが、観光職員歴9年という感じがしました。

 

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県議会 福祉生活病院常任委員会県外調査3日目①(あいとうエコプラザ菜の花館)

2012年07月20日 | 日記

 県議会福祉生活病院常任委員会の県外調査3日目は滋賀県東近江市の「あいとうエコプラザ菜の花館」を訪れました。浜田委員長の挨拶の後、葉の花館の増田隆館長が「地域循環型の東近江モデルが注目されています。その一番の特徴は菜の花プロジェクトの発祥の地であるといこと。琵琶湖の赤潮から雑排水をどうしようというところから始まり、石けんプロジェクト、菜の花へと発展していきました。何か皆さんの参考になればうれしいです」と挨拶されました。その後、野村正次副館長から説明を聞きました。以下はその概要です。

 

 菜の花プロジェクトを始めたのは平成10年からでしたので、もう14年になる。循環型の地域モデルを作っていこうというもの。菜の花プロジェクトの経過を簡単に説明したい。

 第一期(1977年~)琵琶湖の水質保全

 琵琶湖の赤潮が発生、廃食油の回収とし、石けんを作って利用する運動を展開した。住民主導のリサイクルシステムが確立された。ごみは7品目11種類に自治会が分別して集め、菜の花館のヤードに持って行くような仕組みもできた。

 第二期(1992年~)再生可能エネルギー(BDF)への変換利用

 市民運動の高まりから7割が石けん利用になったが、各メーカーが良い香りがするなど様々な無リン石けんを開発して販売するようになると石けんが売れなくなった。廃食油を回収しても、余るようになったので、ドイツに学び、生成して、ディーゼル燃料を製造するようにした。

第三期(1998年~)資源循環型社会の具体的な地域モデルの構築

 30アールで菜の花の栽培を開始した。全国へ広がり、菜の花プロジェクトネットワークが結成された。菜の花を植えれば、休耕田対策になる。菜の花は開花すれば美しいので観光資源になる。NPOが収穫、乾燥、搾油して菜種油にした。菜種油は安心安全。学校給食や家庭で利用するとコミュニティービジネスになる。その廃食油は回収してBDFにして資源循環システムを構築したいと活動を展開した。

 第四期(2005年~)農村・暮らし・地域の再生・自立運動へ

 菜の花プロジェクトを教材にした出前講座を開催し、環境への子どもたちの環境への関心を高めている。市民の意識も高まり現在は136の自治会が協力してくれている。廃食油で発電して電飾で飾る光の祭典「コトナリエサマーナイト」へは10万人の観光客が来ている。

 

 農業・農村に活力を生みたい。緑の分権改革にも取り組み、ヒト・モノ・カネが回る仕組みをつくりたい。その結果、孫子安心の社会を作りたいというのが現在の目標だ。NPO法人「愛のまちエコ倶楽部」を設立。里山保全活動に取り組む「里守隊」は学生を中心に活動している。東近江ハンドシェーク協議会は2008年に立ち上げた。環境系NPOとまちづくり協議会、財団、市で組織して連携して活動している。学ぶ(体験)プロジェクト、安らぐ(泊まる)プロジェクト、食べる(地元食)プロジェクトの3つに取り組んでいる。春夏秋冬とおせちの年5回の地元食の発表会を開催し、地元食205品のレシピ集を刊行した。5件の農家民宿も開業した。2009年から検討が始まった福祉モール構想にも、入っていくことにした。

 

葉の花プロジェクトが地域へもたらしたものは大きい。農業の新たな展望が見いだせた。耕作放棄地で栽培することの意味は大きいし、エネルギー消費者型農業からエネルギー供給型農業へ転換する展望も得られた。NPO法人が循環過程の一翼を担うことでコミュニティービジネスも生まれた。開花期の菜の花は観光資源となり、経済効果を生んだ。環境意識が高まり、厄介者だった廃食油が資源になった。その結果、市民や各機関、企業に新しい連携軸も生まれた。菜の花プロジェクト発祥の地として全国へに情報の発信源になったことで市民や子どもたちの誇りになっている。

 

緑の分権改革は、中央集権から地域分散への取り組み。これを東近江でもやっていこうとしている。あるものを活かすのが大きなテーマ。創るのではなく、地域資源の再評価と活用をすることだ。多極連携による地域ビジネスの創造をする。内発型発展による強い自治の仕組みを作りたい。食・エネルギー・ケアの自給圏の形成していきたい。

 菜の花プロジェクトとは、自立と自立の地域づくりを基本にした運動。地域のことは地域で解決することを目標に、今後も「地域発想」「地域自立」の取り組みを目指していく。

 

 以上が野村副館長のお話の概要です。意見交換もしました。以下は、その概要です。

Q PDFを軽油に混ぜると税金がかかるし、軽油よりも高いので普及しにくいのでは

A 市内の理解あるガソリンスタンドで、5%混ぜて販売してもらっている。自動車はエンジンが傷むという問題があり、今は止めている。現在は、籾殻をくん炭にするときにPDFを使うほか、イベント時の発電、耕耘機などで使い、ビニールハウスのボイラーでも使っている。

Q PDFの製造過程で出る排水の処理は。

A 排水処理をしている。強いアルカリなので農産物の栽培に使っている農家もある。

Q 燃料として使っている、搾っている油の量と廃食油の比率は。反あたりの菜種の収穫量は。

A 搾ったものはような微々たるもの。ほとんどは廃食油。収穫は反200キロが目標だが、休耕田など荒れた土地を使うので150キロくらいだ。

Q プロジェクトは人。地域へのアピールするうえでご苦労されたことはないか。

A 愛東町は6000人の小さな町だったが、町長始め思いが地域にあった。プロジェクトは何度も地域へ出て行って、説明もしてきた。

Q プロジェクトを進めるうえで、意見を出し合う場所はあるのか。

A 年に1回菜の花楽会を開いているが、これは実行委員会で主催し、市民の皆さんに意見を出し合っている。

Q 最初に参加した子どもも大人になった。人を育ててきたという実感はないか。

A 中学生は1年生になれば、この施設に来て、プロジェクトの話を聴くし、3年生になれば何人かは職場体験に来ている。何年かすれば応援してくれると期待している。

Q 学校給食での利用は

A 全市の給食ならば1000リットルを一度に使うので、使ってもらえれば大きい。一部では使ってもらっている。

Q 撒く種は自家栽培か。購入か。

A 県の種苗協会から購入している。改良している品種なので交雑しやすい。厳格に管理して栽培するのは難しい。中には自家栽培した物を使っている方もいる。

Q 景観対策ということでは河川敷などで栽培できればいいと思うが、それは難しいか。

A 県がへち川の河川敷に撒くことを決め、協力した。

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県議会 福祉生活病院常任委員会県外調査3日目①(あいとうエコプラザ菜の花館 見学編)

2012年07月20日 | 日記

意見交換した後、野村副館長に「あいとうエコプラザ菜の花館」の施設を案内していただきました。

 

ここで菜種油の石けんを作ります。

肌に優しいと人気なんだそうです。

 

BDFで動くカートです。出前学習会などでは子どもたちを載せて動かしているそうです。

 

 

 

籾殻からくん炭を作るプラントです。最初の20分ぐらいはBDFで加熱しますが、その後は、相次いで燃えるので熱源はいりません。ここで発生した熱は菜種の乾燥や暖房にも再利用するのだそうです。

収穫した菜種の選別作業をされていました。

 

 

搾油のプラントです。

 搾った油が瓶詰めして売られていました。470mlで800円は高いという印象を持たれる人がいるかもしれませんが、オリーブオイルの値段を考えると高くないのではないでしょうか。オレイン酸の含有も高く、健康にもいいそうです。

 BDFの製油プラントです。廃食油や菜種油をディーゼル燃料に精製します。生物由来ですから、再生可能エネルーです。

 鳥取でも岩下さんたちが頑張って菜の花プロジェクトを進めておられますが、規模の違いを感じました。あいとうエコプラザは、愛東町時代、町が建設したものです。そういう意味では行政の関わり方が、こうしたプロジェクトの成功に大きく関わるのかもしれません。

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県議会 福祉生活病院常任委員会県外調査2日目①(京都大学原子炉実験所)

2012年07月19日 | 日記

 県議会福祉生活病院常任委員会の県外調査2日は大阪府泉南郡熊取町にある京都大学原子炉実験所から調査を再開しました。まず福永俊晴副所長から話を聞きました。

昭和38年の設置以来、全国の共同利用研究機関として研究活動をしている。研究が進む中で、専門家しすぎたきらいがあり、横の繋がりを重視している。外の先生にも参加していただいて、そんな体制をつくろうとしている。

2つの原子炉があり、私が使っているのは通常は最大100ワットで、通常は1ワットで研究、教育のために動かしている。22の研究室があり、京大の中では2番目に大きい研究所。原子力基礎科学研究本部が原子炉の研究をしており、粒子線物質科学研究本部と放射線生命科学研究本部が原子炉から出てきたものを研究している。研究スタッフは教授22人を中心に124人。理学、工学、エネルギー科学、農学、医学の6分野の大学院生61人が学んでいる。

原子力科学の教育、研究、学際領域(放射線を利用した研究、革新的ガン治療)の研究をしている。共同利用・共同研究の拠点のため、国内外の研究者がここで最先端の研究をしている。全国13大学、韓国6大学、スウェーデンの学生が来ているので、教科書も英語、日本語、韓国語で書いている。臨界集合体(CA)は小さな原子炉の集合体。実際に原子炉に触れて学べる施設は世界的にも珍しい。操作盤は原発並。実験する学生は年々増えている。

研究用原子炉の回りに様々な機器を置いて研究している。中性子で物体の透視をしたり、中性子でダメージを受けない素材の研究をしたり、がん治療の研究をしている。中性子は分析に有用で、水俣病の患者さんの髪の毛や小惑星探査機はやぶさが、小惑星イトカワから持ち帰った試料も分析した。中性子は金属の中の様子を調べることが出来る。橋の劣化などを調べることなどに応用できる。中性子小拡散装置はゆらぎを調べることができる。リチウム電池の性能を上げる研究もしている、リチウムイオンが電池の中でどう流れていくか、中性子を使って原子レベルで回析している。

ホウ素中性子捕捉療法の研究もしている。ホウ素から出た熱中性子を当てるとがん細胞だけを殺し、正常細胞を傷つけないという特色があり。2001年12月~2006年3月では192症例を治療。原子炉改修のため4年間治療を中止したが再開後でる2010年6月~2012年2月では102症例と急増している。中皮腫は肺全体に広がったがんなので、外科的治療が難しく、中性子の治療が有効だ。

次世代を目指した研究もいろいろしている。加速器駆動未臨界システムは、臨界に達しないうちに中性子を取り出そうとしているもので、臨界でないので安全性が高い。サイクロトロン加速器中性子照射システムは原子炉ではなく、加速器で取り出そうというもの。これなら会議室くらいの広さがあり、病院でホウ素中性子捕捉療法が可能になる。

福永所長とは意見交換もしました。

Q 普通の人には放射線への恐怖感があるが

A 放射線は宇宙から降ってきている。共存共栄すべきものだ。原子炉事故から心配が高まったこともあり、緊張感を持って研究している。

Q 使用済みの核燃料の始末は

A 最大5000キロワットで稼働しているので、30本の燃料棒がある。何年かに1本出る。研究用原子炉の燃料はアメリカが引き取って処理してくれる。

Q がん治療の放射線は、どれくらいのシーベルトか

A 換算すると数十シーベルト。放射線医療技師を育てていて、安全に

Q 放射線の照射は突然変異を起こさないか

A 自然の放射能ではDNAに変異を起こさせる。人間は免疫で変異した細胞を殺す。変異の状況の研究もしている。

次に中島健教授からお話を伺いました。原子炉の安全性について話をお聞きしました。

原子力発電は核分裂で得た熱は水を水蒸気にしてタービンを回して発電している。原子炉格納容器の中で核分裂して放射性物質が飛び散ることはないとされてきたが、それが福島の事故でひっくり返った。少量の燃料で大量のエネルギーを発生させることができ、しかも、CO2を出さないというメリットがあるが、その反面、放射線と放射性物質が発生し、これらの放射性廃棄物はテロ、事故さらには処理の問題がある。

 核分裂反応を止めても、核分裂生成物は熱を出し続ける。停止後3日経っても、1時間で8.3トンの水を蒸発させるほどだ。原発に何かあったら、「核分裂を止める」「原子炉を冷やす」「放射性物質を閉じ込める」が原則。

 福島第一原発には6基の原子炉があり、1~3号機がメルトダウンした。揺れは想定の1.2倍にもなったが設計の余裕の範囲内で、これまでの解析では壊れたのではないと思われる。津波は6メートル想定で15メートルが来た。その結果、海水ポンプが浸水して冷やせなくなった。自家発電は16機あったが1機を残して壊れた。電源車を持ってきても配電盤が水に浸かって動かなかった。

 原子炉や使用済み燃料プールに水を送れなくなった。しかも、ジルコニュームが水と反応して水素を出し、それが漏れ出し、爆発した。

 安全設計指針には、短時間(30分~数時間)の電源喪失の対応しか書かれていなかった。非常用電源装置が動いたり、送電線が復旧したりすると考えていたからだ。オフサイトセンターはサイトから5キロの地点にあり、電源が喪失して、電源が復旧しても放射線の問題で機能不全にになった。

 自然災害の評価の難しさが一番の教訓。想定外への対応は思考停止にならないようにしなければいけない。準備や訓練をしていたが、それが本当の意味で役立つものでなkればならない。さらにはエネルギーの安全保障も必要だ。 原子力安全基盤の研究を今年から始めた。

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県議会 福祉生活病院常任委員会県外調査2日目②(美浜原発オフサイトセンター)

2012年07月19日 | 日記

 県議会福祉生活病院常任委員会の県外調査2日目は、2番目の調査地として敦賀市の美浜原子力防災センター(オフサイトセンター)を訪れました。

緊急対策室の全体界議場で説明を受けました。原子力安全保安員美浜原子力保安検査官事務所の小野祐二所長=写真左=が挨拶された後、宇佐見孝之原子力防災官=右=の説明を聞きました。以下は宇佐見防災官の説明の概要です。

 

 原子力安全保安院が原子力規制委員会に変わり、その事務局として規制庁が設けられる。

職員は800人で、その半分が原子力担当。オフサイトセンターは経産省所管が20カ所ある。オフサイトセンターは緊急事態応急対応拠点施設のこと。法律では敷地境界で5μSv/hで立ち上がり、500μSv/hで緊急事態を宣言だが、福井県は0.5μSv/hと1μSv/hにしている。

 設備は衛星通信設備、過半型携帯衛星電話、ERSSで美浜のパラメーターを表示して状況を把握。SPEEDI、空間線量システムなどがある。サーベイメーターも各種用意している。

PAZ(5キロ)避難の流れは、関連機関が集まってオフサイトセンターを立ち上げ、国の対策本部に判断を求めるという形になっていたが、オフサイトセンターに関係機関が集まれることができなかった。事故の場合はオフサイトセンターも即、避難となるので国が判断して直接、地方自治体へ情報を投げることにした。

福島第一原発事故ではオフサイトセンターが機能不全を起こした。電力会社本店にオンサイト対応の総合対策室を設けることにして、オンサイトとオフサイトで分担して対応することになった。

 以上は宇佐見さんの説明の要旨です。小野所長からは美浜原発の安全対策を聞きました。以下はその話の概要です。

 福島第一原発では地震によって外部電源は喪失したものの、原子炉は自動停止し、海水ポンプも、非常用電源装置も起動し、冷却機能は維持された。ところが、津波で、非常用発電機、蓄電池、配電盤が水をかぶって所内電源が喪失。冷却機能を失った。炉心は停止したものの、炉心が損傷してジルコニュームと冷却水と触って水素が発生し、水素爆発を起こし、放射性物質が大量に放出された。

 格納容器のベント操作を行う前に格納容器の破損し、放射性物質が漏洩された。4号機は定期検査中で核燃料はなかったが、3号機と換気系を共有していたため、4号機に3号機で発生した水素が流入して水素爆発を起こし、放射性物質が漏洩した。

 中性子によって素材が経年劣化したのではないかと指摘があったが、解析した結果、今のところ、経年劣化はなかった。

 海溝型地震だったため、大きなすべり量と地震セグメントにより、大きな津波となった。古文書、伝承の調査、津波堆積物の調査、海底地形図の作成により、津波の高さを予測することにした。福島第一原発事故に学んで30項目に対策を立てた。電源確保は電源車や非常用発電装置を追加し、接続の用意かも図った。水源確保では消防ポンプ、可搬式エンジン駆動海水ポンプ、大容量ポンプを順次配備した。浸水対策としては扉や配管官貫通部にはシールを貼ったほか、非常用電源装置は海抜42メートル、消防ポンプは同32メートルに置いた。防潮堤も地盤プラス11.5メートルにかさ上げする。

 シビルアクシデント対策としては、建屋からの着実な廃棄手順を整備したほか、静的触媒式水素再結合装置を設ける予定。また、フィルタベントも設置する。扉が曲がって使えなかった経験から免震事務棟を28年までに新設する。

 休日夜間要員を26人から47人に増強し、2時間以内に100人以上の技術系社員の招集ができるようにした。また、プラントメーカーも、三菱若狭原子力安全統括センターを美浜町内に開設した。

 

 説明を聞いた後、質疑応答をしました。

Q ここのオフサイトセンターの原発からの距離は

A 原発からは9キロ。UPZの30キロ圏内に設けることになるが、法律で原発の立地県に作られることになっているので、隣接県では作れない。

Q ここのセンターを使っての訓練は

A 福井県内には4カ所の原発があり、年に1回はどこかのオフサイトセンターで訓練しているので、そのときは参加している。

Q 安全神話が崩れた。大飯原発の再稼働はおかしい。安全が確認されていないのに認めている。皆さんは事故はあるという思いでおわれるのか、

A バックフィットを新しい法案には導入している。しかし、事故は起こるという前提で準備や訓練はしている。

Q 津波以前に地震で損傷があったという報道があった。オフサイトセンターはどこまで対応されるのか

A パラメーターで異常が出た場合、原発に行って検査し、指導する。ERSSが途切れても、衛星携帯で連絡を取る。

Q 福井県には4つの原発があるが、地震や津波は広範囲で起こっている。同時に事故が起こることは想定して準備や訓練はされていないのか。オフサイトセンターが4つ同時に立ち起あげるようになった場合、構成メンバーが重なっていて、必要な判断や支援ができなくなるようなことはないようになっているのか。また、放射性物質が複数の場所から漏洩したときには、濃度が上がったり、拡散範囲が広くなったりする可能性があると思うが、そういう想定はされているのか。

A 同時発災は考えていない。断層の調査をしているが、その結果では考えざることになるかもしれない。

Q オフサイトセンターの代替施設は考えているのか。防災センターの立場から見えてきた問題点は

A 5キロ離れた敦賀原発のオフサイトセンターを考えている。これも駄目なら、大飯原発、高浜原発のオフサイトセンターになるだろう。4つとも施設の規模、設備などが同じようになっている。それがないときは福井県庁。昨年の9月に来たが、防災の人間は、いざという時のリソースが必要。やはり、人間が大事。東京も増員を考えている。規制庁になっても、原子力安全基盤機構など含め、来年4月までは体制が整わないので、そこが少し不安です。

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県議会 福祉生活病院常任委員会県外調査1日目①(京都府庁)

2012年07月18日 | 日記

 今回の福祉生活病院常任委員会の県外調査のテーマは「隣接県の原発対応」。京都府庁から調査を開始しました。京都府民生活部防災・原子力安全課の木村兼喜参事から話をお聞きしました。以下は木村参事の話です。

  京都府は法律的な隣接県で、鳥取県は違う。3.11の事故以来、防災計画ではEPZの拡大を検討してきたが、今年3月にUPZ(30キロ)に拡大した区域を対象とした。大飯発電の再稼働が問題であったが、同じ隣接県である滋賀県と共同歩調を取った。別の立場の県もあり、両県で4月17日に提言を発表。6月6日には再度提言を発表した。

 7月13日には立ち入り検査権も使って大飯原発の安全性を現地で確認した。防災指針も出ていないこともあり、住民の不安がある。防災計画は30キロ圏内の住民をどう逃がすかを中心に検討している。福島原発事故級だと、高浜原発は5市2町の約13万人で舞鶴市は全域が入る。大飯原発は4市1町で約7万人(ただし京都市は山間部で住民ゼロ)を避難対象として考えている。この時、風向きが重要になってくる。兵庫県、もしかしたら、鳥取県にもお願いすることになってくるかもしれない。避難の中心は高速道路になりそうだ。規制は府警、ネクスコと相談することになってくるだろう。

  説明を受けた後、質疑応答になりました。以下は質疑の一部です。

 Q 風向きは偏西風。そうなると立地県なみの協定が欲しい。協定はどうなっているか。

 A 京都府は法的な権限を持つ隣接県。昨年の9月に関電と交渉した結果、協定の締結をする方向になった。しかし、事前了解の部分で議論があり、そこの部分で進んでいない。急いでワンランク下のものを作ってもしかたないと思って、粘り強く交渉している。

 Q 原子力関係の交付金は。

 A 10キロ圏内の市町村を含む都道府県に降りてくる。額は約1億5000万円。

 Q 協定の件だが、交渉の回数、レベルなどを教えて欲しい。

 A 公開は9月20日の1回きり。週に1回は事務レベルでは会っていて、副社長と副知事、危機管理官レベルで会っている。

 Q 府民のみなさんの意見は

 A 立地県並を臨む声がメールや手紙では多い。立地県並を目指して頑張れというものが、ほとんどだ。

A 風は時期的なものがある。いつの季節ならこうという形で府民に示しているのか。

 Q 高浜原発のスピーディーの様相を公表を出した。平均的な風向き、風速を基に予測したが、1月は琵琶湖西側、2月は京丹波市、兵庫県篠山市へと西へ広がり、季節ごとに違いが出た。

A 教育の部分は

Q 教育委員会が担当。先生に何回か研修会を開催した。

A 関西広域連合での取組はわかるが、電力はたくさんもらっている県としては言いにくい部分もある。打開策はないか。

Q 規制庁ができないといけない部分もある。福井が連携できるのは避難の部分。事務方は分かっているので、ここで連携をスタートしたい。

A 立ち入れ検査の法的位置づけは

Q 原子力災害特措法32条です

A 鳥取県の避難計画は公共交通機関、貸し切りバスを使うが、京都府県は自家用車がメイン。渋滞等の問題はないのか。

Q 旧来型の避難計画では自家用車は使わないようになっていた。しかし、現実問題として使わないことには避難できない。福島原発事故の事例を見ても、高速道路が生きていて、インターチェンジを押さえて、一方通行や緊急車両に限定などの指定をしたことが効を奏した。

A 関電との関係だが、事故時、情報はちゃんと来るのだろうか?

Q 国の専門官もいるので、情報はきちんと共有できる。命に関わる問題なので、遺漏はない。

最後に浜田委員長が8月4日から始まる国際まんが博覧会をPRして、京都府庁を後にしました。

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