すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

エネルギー・雇用促進調査特別委員会の県外視察(第二日目)

2011年11月10日 | 日記
 エネルギー・雇用促進調査特別委員会の2日目の県外調査は、淡路市を訪れました。淡路市が昨年1月に稼働させたメガソーラー発電所「あわじメガソーラー1」を視察するためです。まず、淡路市防災あんしんセンターで、森和重・副市長、猪坂好弘・総務部管財課長、飯田伸浩係長らから話を聞きました。



 森副市長が「太陽光、風車は自然エネルギー導入の2つの柱。メガソーラーについては新設の話もあり、期待しているところです」などと挨拶され、飯田係長が説明に立たれました。以下がその説明の概要です。


「あわじメガソーラー1」という名前は市民公募で決めた。兵庫県は「あわじ環境未来島構想」で特区を申請している。「あわじ環境未来島構想」は3つの持続を掲げている。
                         現状   2020年 2050年
エネルギーの持続 自給率        7%    20%   100%
             温室ガス排出量 △19% △39%   △88%
             (国の目標)          (△25%) (△80%)
農と食の持続     食料自給率    333%  300%    300%
暮らしの持続      生活満足度     54%   60%      90%

「太陽と風と緑を生かした多様な地域」であることを大切にしたい。具体的には①大規模な土取り跡地を生かした太陽光発電所の建設②潮流を利用した潮流発電の検討③洋上風力の検討などをしていく。
「あわじメガソーラー1」は昨年11月稼働。1000KWの容量。地球温暖化を防止を目的に計画した。同市生穂新島には防災あんしんセンター、津名浄水センター、市役所が隣接してあり、その隣接する県有地1.5ヘクタールも無償貸与を受けて、計5022枚の太陽光パネルを敷設した。事業費は県を通して、環境省の地域グリーンニューデール基金を活用した。
こうした発想ができたのも、①兵庫県にはもともと「淡路公園島構想」があり、以前から美しい島づくりをしてきたこと②太陽に恵まれた気候で、年間2100時間の日照時間があること③広大な土地が確保できる目処があったことが挙げられる。太陽光パネルを置いている面積は、屋上や屋根も含め、1.9ヘクタールを使っているが、県企業庁から、1.5ヘクタールを無償貸与(20年間)してもらい、そこも使っている。県企業庁は、企業誘致をしようと土地を造成したが、しようとメガソーラー発電所の建設が、企業配慮企業誘致の呼び水にもなるのでは考えて貸与となった。
規模は約110万kwhを想定したが、稼働半年で計画発電量を3割上回る発電量があり、順調に稼働している。この電力量は一般家庭では300世帯分の年間使用量に該当する。防災あんしんセンター、津名浄水センター、市役所3施設の必要電力量の半分を賄う計画だ。この結果、300トンのCO2を削減している計算になる。3施設で使った残りは売電しているが、事業費を県に出していただいたこともあり、発電収益から経費を引き、残りは県の太陽光発電を広げていくための基金へお渡ししている。
太陽光発電の問題は、まず発電コストが49円と高いこと。原子力なら5~6円。加えて、広大な土地も必要だ。そして、発電が天候に左右されることだ。発電コストについては、全量買い取り制度が法的に決まったが、価格と期間がこれからなので、注目していきたい。土地は淡路のようなところなら可能。3.11以降、いくつかの企業から淡路で発電事業を展開したいとの問い合わせもあった。

飯田係長の説明を聞いた後、質疑応答となりました。「閉庁時はどうしていますか」「発電コストは」「経理処理は」などとの質問が出されました。飯田係長は「閉庁時は売電している。売電単価は家庭で42円だが、高圧電流での契約であり、24円で売電している。しかし、契約電力量を上回った場合は買い取りをしないというのが関電のルールらしいが、その時でも、12.6円で買ってもらっている」「49円は経産省のデータ。事業費は4億6000万円だったが、計算すると49円に近いところで、年間の収益は2000万円くらいになるだろう。実は機器の部品の交換もお金がかかると思っている」「会計は一般会計。建設費は全額県に見てもらい、余ったものは県に返すので、それで事足りる」などと回答をいただきました。

私は「建設費は妥当ですか」とお聞きしました。
飯田係長は「敷地はきちんと整備された状況ではなく、その経費がかかりました。それでも1キロワット当たり60万円とかかっていないので、押さえられたと思っている。三洋のパネルを使ったが、三洋さんは、ここでは特別に安くやったので、パンフの事業費を数字を消してくれないかと言われているくらいだ」などと答えていただきました。
続いて、「確認ですが、エネルギー自給率の目標は、自県で発電した比率ですか。それとも、コージェネレーションなどは外した再生可能エネルギーですか」と確認すると、「自給率は新エネルギー。コージェネは入っています。化石燃料や原子力などでない発電です」と言われました。最後に三重県でも、議論になった送電線の問題をお聞きしますと、「ここは企業誘致を目的した造成地なので、はじめから高電圧の送電線が近くまであったので、それを使っている。1メガ程度なら問題は全くなかった」と聞かせていただきました。

 次は、あわじメガソーラー1を現実に見せていただきましたが、県有地部分は1.5ヘクタールですが、思ったよりも狭い感じを受けました。



 視察しながらも、淡路市の皆さんから、いろいろとお聞きしましたが、日常のメンテナンスはしていないそうで、対応孔パネルが汚れても、傾斜があるので、雨で洗い流してくれるのを待つだけいいそうです。クローバーを、雑草を防ぐため、種を蒔いたが上手くいかなかったとも言われましたが、私の目にはクローバーがちゃんと成長しているように見えました。また、敷地の隅の建物は、発電した直流電流を交流に変換して送電する施設ですが、機械の寿命が短く300~600万円が5年毎に更新かかるそうです。また、太陽光パネルは加熱しても発電効率が落ちるため、真夏は鬼門だと言われていますが、ここでは8月が一番発電量が多く、問題はなかったそうです。また、県有地を無償貸与してくれた理由には、企業誘致はバンバン決まるような状態ではなく、遊ばせておくよりも政策的使った方がいいという判断があったのではないかとのことでした。

 思った以上に渋滞がなかったことから、視察は順調に進み、少し時間が余ったので、鳥取市で都市緑化フェアーが計画されていることから、長谷川議員の提案で、帰路の途中にある「淡路夢舞台・国営明石海峡公園」に立ち寄りました。淡路夢舞台(あわじゆめぶたい)とは、兵庫県淡路市にある複合文化リゾート施設で、兵庫県が出資している株式会社夢舞台が運営しています。急なことなので、説明を求めることはできませんが、それでも、現場を見る意味はあるので、計画変更です。


 
 個性的な庭園が遊歩道やデッキなどで結ばれた広大な庭園、国際会議場や外資系リゾートホテル、野外劇場、植物園もあり、建築家・安藤忠雄の設計です。2000年に開催された国際園芸・造園博「ジャパンフローラ20000」の会場を転用したものだそうです。園内で働く人は高齢者ばかりという印象でした。



 野田議員がその中のお一人にお聞きすると、種を採取しているところで、近所にお住まいの方だとのこと。雇用の場として、ここが意味をもっているという感じがしました。
 中国道、鳥取道とも極めて順調に走行でき、午後5時過ぎには鳥取駅に帰ってこれました。今回の視察を踏まえ、特別委員会での議論を深めたいと思います。




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