すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

メニュー

みのり福祉会不正経理事件で参考人招致

2012年01月19日 | 日記
 みのり福祉会不正経理問題で理事長、元理事長、元理事、元事務局長を県議会福祉生活病院常任委員会を招いて、いろいろとお話をお聞きしました。

 不正経理事件で疑惑として県の改善命令と、それに対するみのり福祉会の改善報告で指摘されているのは、たくさんのありますが、大きなものは次の5点です。
(1)6件の土地取引で、法人が売買代金を支払っているのに、元理事長や元理事長の家族名義で登記し、しかも、法人と賃貸借して元理事長や、その家族に以上に高額な賃代を支払っている。
(2)香典代の支出のうち、約699万円は法人の関係の薄い人で、議員としての支出。しかも簿外処理されていた。
(3)法人の役人は報酬しか受け取ってはいけなのに、期末手当の支給を受けていた。
(4)各施設区分間、各経理区分間で貸し借りは頻繁に行われ、年度内に精算しなければならないのに、3億円を超えて残額がある。
(5)福祉職員の給与改善のために国から給付を受けた民改費を、借金の返済に充てた

 理事長は全部の疑惑を認めたうえで、理事長に就任するまでは、評議員兼幼稚園長であったが、不正の事実は知らなかった。不正支出分は前理事長に返還を請求すると共に刑事告発する。経理上の問題は、厳しい財政状況の中だが、きちんとしていくし、職員の待遇改善にも努める。不正が起こったのは理事長の先決で福祉会の運営がなされ、理事会が形骸化されたこと。理事会、評議員会、監査を三権分立させ、お互いに牽制しあって運営するようにしていくと改善への思いを語られました。
 実の父親を告訴するのは苦渋の選択だったと思います。前理事長下の不正を自ら明らかにし、法人の運営を適正化されることを期待したいと思います。甘いと言われるかもしれませんが、「利用者の笑顔のため、職員の笑顔のために頑張りたい」と言われた決意を今は信じたいと思います。

 元理事は「理事会は施設長会と一緒に開かれることもあり、どこまでが理事会で、どこまでが施設会かわからないこともあった。「出席して記憶も、議事録に署名した記憶もない理事会なのに、出席して署名したことになっているものがある」「理事会は連絡事項を伝えるような雰囲気で、議論するという感じではなかった」という意味のことを言われ、理事会が形骸化し、前理事長の個人商店のようになっていた法人の運営実態が明らかになりました。

 元事務長は疑惑の土地取引について、法人の土地として代金を支出したとの認識だ。なぜ、前理事長やその家族名義で登記したかは、脳梗塞で倒れたこともあり、失念したというのか、記憶にない。法人の土地なのに賃借料はなぜ支払ったかも、わからない。というものでした。その一方で、税務上の処理などは細かな数字まで覚えておられ、本当に失念されていたのか疑問です。また、「現在の専務理事は元福祉保健部長で、監査する側とされる側が一緒であることは問題だ。どういう経緯で採用したのか」と市谷委員が訪ねると、「現職県議の紹介、名前までは覚えていない」と答えられました。

 最後は元理事長です。土地取引の疑惑については、土地を売買すると税金がかかるが、福祉施設という公共目的があるから土地収用法に基づいて土地を収用して、補償金を払う形にしようと思い、三角譲渡となったというのです。これって脱税じゃないかと思うんですが、税務当局の指導に従ったとおっしゃるんです。この点は資料もお借りしましたので、税務署に確認しようと思います。また、それに、もし、土地収用法に基づくとなると、公共目的を持つ起業者が土地の所有者にならねばならず、自己名義にする理由にはならないと思いますが、その点、明確な説明はしていただけませんでしたし、細部になると事務局に任せていた。3人体制ではなく、もっと充実させておけば良かったと繰り返すばかりです。
 香典も、法人がお世話になった地域の人に線香の1本も手向けたかっただけ。では県議の肩書きはおかしくかとお聞きしましたが、「県議の肩書きだけの香典はない。改善報告が間違っている」と断言されました。また、県の監査に対して、県職員を恫喝するような言動をして、調査を妨害したと県職員から聞いていましたが、これも「一切やっていない」と否定されました。また、専務理事を紹介した県議会議員がだれかという質問もありましたが、「差し支えがある」と名前を明かすことを拒まれました。行政に精通した職員をリクルートしただけなら、名前を明かしても何の問題もないと思います。ここも疑問です。

 今後、この参考人招致の議事録を精査し、税務当局、さらには県福祉保健部にも意見が食い違っている部分について、再度、検証をお願いして、真相究明に向けて調査を進めようと思っています。

 質疑の内容は以下の県のホームページから、ご覧になれます。

http://www.pref.tottori.lg.jp/item/652642.htm#moduleid315377
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする