すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

メニュー

福祉生活病院常任委員会県外調査2日目 津波対策とBCP 

2012年01月12日 | 日記
 調査2日目は徳島県庁を訪れ、津波対策とBCPについてお話をお聞きしました。
 浜田委員長が「平成16年に応援協定を結んでいます。連携ができればありがたい」と挨拶して調査は始まりました。


(右から危機管理政策課の林宏典課長補佐、南海地震防災課の十川正樹政策調査幹、危機管理政策課 勝間基彦課長補佐)

 ◆危機管理の体制
 まず、危機管理部南海地震防災課の十川正樹政策調査幹が、危機管理部の体制について説明されました。
 危機管理部は平成17年に防災局を独立、その後、県民くらし安全課を設けた。1局4課80人体制。4課は危機管理政策課、南海地震防災課(自然災害全体を担当)、消防安全課、県民くらし安全課(消費者行政全般)。東海、東南海、南海の三連動地震の発生確率は60%以上。国に先立って昨年12月に津波高の予想値を発表した。

 ◆津波対策
 津波対策は危機管理政策課の勝間基彦課長補佐から話を聴きました。
 地震津波減災対策検討委員会を4月18日に発足させた。減災対策策定の議論をして、8月3日に中間とりまとめをした。今年度末までに最終とりまとめをする。
 東日本大震災の特徴を調べると、津波防護施設には減災効果はあったが、防ぎきれなかった。道路の盛り土も有用だったなどのことがわかった。そこで、助ける命を助けるために「防災」から「減災」へ意識を変えた。
 
「津波対策の課題と対応」
 津波対策は1年以内にすべきこと、3年以内にすべきこと、長期的にするものに対策を分類した。対策は300項目にのぼった。
①防災減災対策…助ける命を助ける
②被災者対策…被災者のQOLを高める
③産業対策・社会作り…産業の再生・回復
の3分野に分けて進めている

「防災・減災対策に係る総点検」
 県と全市町村が対象。防災拠点(217施設336棟9、避難所(1022施設1177棟)、学校(483施設1443棟)、道路や橋梁など公共土木施設、災害時要援護者施設、災害時対応協定について、津波浸水の有無、耐震性能、ライフラインの整備などを調べた。その結果 まだまだやるべきことが多いとわかった。
 ○例 防災拠点、避難所(1722施設2956棟)
  津波浸水 12%が津波浸水区域以内
  非常用電源 81%が未整備
  食料・飲料水 77%が未整備
  避難所マニュアル 99.7%で未整備

「津波高暫定値の公表」
 津波予想がないと対策が立てられない。検討委員会にプロジェクトチームをつくり、調査した。マグニチュード9の想定でシュミレーションした。
 結果
 蒲生田岬以南 美波町阿部漁港では15M~20M。これまでの想定の3倍
     以北 鳴門市里浦海岸で4.2M~4.9Mと高くないが、浸水区域は広い。
 緊急津波対策が必要とわかった。

「津波から命を守る緊急総合対策事業」
①避難路緊急整備モデル事業 補助率1/2 沿岸9市町×150万円
②市町村防災拠点避難所整備モデル事業 ソーラー発電や浄水装置など整備
③緊急避難所機能強化モデル事業 補助率1/2 沿岸9市町×250万円
④津波避難困難地区解消施設整備事業 国1/2、県と市町1/4 3カ所×500万円 津波避難タワーなど

 ◆BCP
 林宏典課長補佐からはBCPについて徳島県の現状を聞きました。

 徳島のBCPは、徳島県企業BCP支援(商工労働部対応)と徳島県庁版BCPのふたつ。企業BCPは9.11テロでBCPのあるなしで、業務再開が大きく違ったことから注目を集めた。

 H16年10月23日の中越地震のある会社で、BCPがあれば、①生産活動停止による被害軽減②取引先を失う心配を軽減できることが分かった。

 その中で「まず、県自身がつくるべきではないか」という意見が出て、全国の都道府で始めて平成20年3月に「業務継続計画」を策定した。

 徳島大学の中野先生が中心。月1回企業を集めて研修会をしている。また、四国地方整備局とも連携している。

 「どういった事業を県がやらないといけないか」という視点で、非常時優先業務を洗い出した。もちろん、地域防災計画とマニュアルがあった。しかし、自らが被災している中で、人的・物的リソースが限られている中で、実施が可能なのかという視点での見直していこうということだ。

「BCPのまとめ方」
①自身も被災するという認識を持つ。津波高想定などで被害を想定
②非常時優先業務を洗い出す。
③必要なリソースを洗い出す。
④被害想定から確保できるリソースを見積もる
⑤そこで④と⑤を比較
⑥リソース確保のための対策を実施する
⑦非常時優先業務を絞り込む

「県庁版BCP」
非常時優先業務 606業務
 3時間以内にすべきこと
 1日以内にすべきこと
 3日以内にすべきこと
 1週間以内にすべきこと
 2週間以内にすべきこと

非常時優先業務に必要なリソースの対策
・職員の確保
①職員の安否確認
②部局を超えた応援態勢
・庁舎機能の確保
①会議室は全部危機管理部が押さえる
②庁舎ライフラインの維持確保

・安否確認システム「すだちくんメール」
 yahooと連携して開発した。県職員全員が登録済み。企業の安否確認用として100社に使ってもらっている。

・平成20年3月に策定したが、3.11の被害は、被害想定を超えている。見直し作業が必要になった。

その後、質問を受けていただき、丁寧にお答え頂きました。
・3.11で減災という視点が入った。堤防は津波を内陸に入れないために作ったが、防ぎ切れない。いかに早く、高く逃げられるかが大事。
・津波避難タワーなどもあるが、高速道路の盛り土、急傾斜地なども避難地には利用hしているが、ソフト的なものになる。
・津波避難タワーは100人収容で、3千数百万円かかる。
・津波避難ビルの指定をしているが、全県で1万人分足りない。
・ビルに外付け階段をつけるほか、ロック付きのマンションでは一定の震度でロックが自動解除させることも検討している。
・高速道路の避難所としての利用は道路管理者と協定を結んだので協議してマニュアルなどを作っていく。
・災害対応型自動販売機は260台。電光掲示板があり、必要な情報が出て、無料で飲み物が出る。
・中央防災会議のメンバーも県の対策検討委員会に入ってもらって、情報の共有に努めている。
・最後は情報提供。いかに災害発生の情報を周知するか。JRに地震速報を出してもうことにした。啓発はする。避難所マニュアルができてないので、今後、マニュアルの作成を通して住民の意識を改革したい。
・市町村と連携することが大事。
・どこで津波が来襲するかメール配信していく。
・防災センターに教員を移動させることを検討している。
・企業BCPに認定されると、入札時の加点がある。どういうふうにバックアップするか、何を残さないといけないのか、を検討しているが、中小企業は存続そのものが大変になる。
・本庁舎の建物、災害時に拠点になる。
・国は官庁に住民を入らせない。3.11の時は津波警報が出たら住民が県庁に来た。これは想定しなかった。宮城県庁に大勢の県民が助けを求めて集まったように大規模災害では、同様の事態が想定される。国のように県は送り返せない。対応策を考えたい。
・鳥取県との交流人事はない。今後、検討していく事項だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする