小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

室生犀星 「雨の詩」

2007-07-11 23:45:07 | 
しばらく雨がちのお天気が続きそうです。
そこで、室生犀星の「雨の詩」を。

「雨は愛のやうなものだ

  … (中略) …

 雨はいつもありのままの姿と
 あれらの寂しい降りやうを
 そのまま人の心にうつしていた
 人人の優秀なたましひ等は
 悲しさうに少しつかれて
 いつまでも永い間うち沈んでゐた
 永い間雨をしみじみと眺めてゐた」
 
雨降りを眺める気持ちがよく伝わってくる詩ですが、それにしても、「人人の優秀なたましひ等」という表現がどうも気になります。
「優秀なたましひ」ってどういうこと?
しかも、「等」って?
こうしたちょっと引っかかるところがあるのが、詩の面白いところですね。

愛の詩集―室生犀星詩集

角川書店

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