小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

カフカ 「十一人の息子」

2007-03-27 23:59:38 | 小説
十一人の息子を持つ父親が、それぞれの自慢(?)をしつつ、欠点を次々と挙げていく、という超短篇です。

長男・・・真面目だし、頭もいいが、単純すぎる。
次男・・・男前でスラリとしており、切れ者だが、左目をいつも瞬きしている。
三男・・・美男だが、世間知らず。
といった具合に、11人分の愚痴がならんでます。

要するに、父親というものは、息子に対して、自分が上だと思って、権威を振りかざしていたいだけなのかも知れませんね。
そんな父親自体がどうなんだろうと、ちょっと可笑しくなってしまいます。
しかし、これが高じると、「判決」の父親のように恐るべきものになってしまうわけなんですね。

カフカ寓話集

岩波書店

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