小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

宇野浩二 「蔵の中」

2005-10-31 21:40:07 | 小説
「そして私は質屋に行こうと思い立ちました。」
売れない小説家が、質屋の蔵の中で、預けっぱなしになっている質草の着物の虫干しをする。
それらの着物に纏わる女性たちとのエピソードが諧謔的に語られていく。
その語り口がすばらしい。
(講談社文芸文庫に収録。56ページ)
思い川・枯木のある風景・蔵の中

講談社

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内田百 「喰意地」 

2005-10-30 11:30:31 | 内田百
食品会社の応接室で待っている間に、向かいの戸棚に並んだ缶詰の味に思いを巡らす百先生。
壜詰を缶詰に置き換えて想像して味わったり、西日が当たって古くなったものを好んだりするところなど、こだわりの人ぶりを発揮。
文庫本でたった2ページの文章なのに、ユーモアをたっぷり楽しめます。
(旺文社文庫「沖の稲妻」で読みましたが、中公文庫「御馳走帖」に収録されているようです。)
御馳走帖

中央公論社

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