今般の新型コロナウイルス感染症に関して、「歴史的緊急事態」として公文書管理がなされることとなっています。
だいぶ以前、武田泰淳の『司馬遷-史記の世界』を読んでから、史記を読みたいと思っていたのですが、紀伝体の形式で大部のため、なかなか手を出せずにいました。
3、4年くらい前に、徳間文庫カレッジの『史記』が書店に並んでいたのを購入し、その片鱗に触れることができました。
この文庫では、史記の要所を、本紀、世家、列伝から時代順に切り取って整理しており、読みやすくなっています。
まず翻訳があり、その直後に原文(句読点のみ付与)と書下し文があるので、ストーリーをつかみつつ、原文の雰囲気も味わえる構成となっています。
巻を読み進めるほど面白くなって、通読することができました。
長い歴史も、短い間に活動する個々人の連なりから作り上げられていることを強く感じました。
本篇は一~七巻までで、第八巻は、概要、古事名言、人物小辞典を収めたガイドとなっています。
次は、本格的に完全版を読んでみようかという気にもさせてくれます。