小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

司馬遷 『史記』 (徳間文庫カレッジ)

2020-05-08 23:56:32 | 歴史
今般の新型コロナウイルス感染症に関して、「歴史的緊急事態」として公文書管理がなされることとなっています。

だいぶ以前、武田泰淳の『司馬遷-史記の世界』を読んでから、史記を読みたいと思っていたのですが、紀伝体の形式で大部のため、なかなか手を出せずにいました。
3、4年くらい前に、徳間文庫カレッジの『史記』が書店に並んでいたのを購入し、その片鱗に触れることができました。
この文庫では、史記の要所を、本紀、世家、列伝から時代順に切り取って整理しており、読みやすくなっています。
まず翻訳があり、その直後に原文(句読点のみ付与)と書下し文があるので、ストーリーをつかみつつ、原文の雰囲気も味わえる構成となっています。
巻を読み進めるほど面白くなって、通読することができました。
長い歴史も、短い間に活動する個々人の連なりから作り上げられていることを強く感じました。
本篇は一~七巻までで、第八巻は、概要、古事名言、人物小辞典を収めたガイドとなっています。
次は、本格的に完全版を読んでみようかという気にもさせてくれます。



 
 
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君塚直隆 『ヨーロッパ近代史』(ちくま新書)

2019-03-16 23:59:20 | 歴史
ルネサンスから第一次世界大戦までの、500年にわたるヨーロッパの歴史を、各時代を象徴する人物を軸に俯瞰していきます。
具体的には、ルネサンスはレオナルド・ダ・ヴィンチ、宗教改革の時代はマルティン・ルター、近代科学誕生には、ガリレオ・ガリレイ、続いて、ジョン・ロック、ヴォルテール、ゲーテ、ダーウィン、最後はレーニンが、キーパーソンに据えられています。
現代につながる政治、経済、科学、文化の変遷を一気に読めて、質、量ともに読みごたえがあります。
350ページ近くと厚めですが、面白く読み進められる一冊です。

ヨーロッパ近代史 (ちくま新書)
クリエーター情報なし
筑摩書房
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水島 吉隆 『写真で読む昭和史 占領下の日本』 (日経プレミアシリーズ)

2013-05-03 22:22:47 | 歴史
ゴールデンウイークは、「昭和の日」や「憲法記念日」など、歴史を振り返るのにいい機会ですね。

この新書では、マッカーサーが厚木に降り立った時から、51年のサンフランシスコ講和条約の調印とその5時間後の日米安全保障条約の成立、55年体制の確立、56年の「もはや戦後ではない」とした経済白書までの歴史を、写真とともにコンパクトにまとめてあります。
現在につながる日本の戦後史を、ざっと概観することができて、よくまとまっています。
また、「ニッポン・アルバム 米軍が撮った日本人の暮らし」というコーナーもあって、歴史写真とは違ったスナップも見られて興味深いです。

昭和史はまだまだ続いているということを考えさせられました。

写真で読む昭和史 占領下の日本 (日経プレミアシリーズ)
水島 吉隆
日本経済新聞出版社
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水島 吉隆 『写真で読む昭和史 太平洋戦争』(日経プレミアシリーズ)

2013-03-02 23:44:11 | 歴史
3月となれば、冬が終わりに近づき、そろそろ春という頃ですが、二年前には3.11の東日本大震災、68年前には3.10の東京大空襲という痛ましい日の記憶もあります。

この本は、張作霖爆殺事件に始まり、サンフランシスコ講和条約までの太平洋戦争の流れを多数の資料写真とともに、一冊の新書にまとめたものです。
写真は、日本側が撮ったもの、連合軍(米国)側が撮ったものの両方があって、中には目をそむけたくなるのもあります。
どうしてこういうことが起こってしまったのか、恐ろしくなります。

コンパクトに太平洋戦争の流れを知るためによい一冊です。

写真で読む昭和史 太平洋戦争(日経プレミアシリーズ)
水島 吉隆
日本経済新聞出版社
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