今日は、恵比寿の写真美術館で、コレクション展「こどもの情景」、江成常夫写真展「昭和史のかたち」、鬼海弘雄写真展「東京ポートレート」を見る。
「昭和史のかたち」では、物に、場所に、人に残った戦争の傷跡が、胸に突き刺さってくるようでした。
「東京ポートレート」は、浅草で撮影した個性的な人々のポートレートと、東京や川崎の街の風景とで構成されています。
浅草でのポートレートは、以前にカメラ雑誌などで目にして印象深く思っていましたが、「昭和史のかたち」で戦争の残虐さに打ちのめされた後で、人間の生きる姿が肯定的にとらえられているのをあらためて感じて、少し心強くなりました。
今日は偶然にもアーティスト・トークの日で、鬼海さんの写真に対する思いや撮影の際のエピソードを聞くことができました。
被写体は「濃い」方々が多いですが、鬼海さんは至って穏やかな感じの方でした。
人間が好きで、きちんと人と向き合うことから生まれた写真だということがよくわかりました。
入り込みすぎず、一定の距離感を保っているということです。
「サラリーマンのように電車で撮影に通ってます。」というのが、ちょっと面白かったです。
バックとなる浅草寺の赤い壁を拭くのが最初の仕事というのに、生真面目さを感じたり。
街の撮影も、広角を使わずに、ポートレートと同じレンズなんですね。
人物は無地の背景で、街は人を入れずに、というのがこだわりだそうです。
他にも、アンジェイ・ワイダ監督との交流などのお話も聞けてよかったです。
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EPSON R-D1s ・ Summicron 35mm/F2 ・ ISO 200 <恵比寿>