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トーネードの無職生活

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兵器と戦術の世界史、日本史

2015-05-24 09:26:23 | 日記
 「兵器と戦術の世界史」「兵器と戦術の日本史」という本を読んだところです。著者は金子常規氏で陸士出身、その後自衛隊に勤務された砲兵が専門の方です。

 本の題名に世界史、日本史とついていますが、歴史書ではありません。歴史書であれば戦争が起こった背景だとか何を目的に戦争に至ったのかとかが書かれていて、どのように戦ったのかという点はほとんど書かれておりませんが、この本では著者独特の視点で使われた兵器と戦術についてのみ簡潔に書かれています。

 日本史についていうと、歴史の授業では習わないほとんど神代の伝説の時代の戦闘についてかなり細かく書かれていたり、朝鮮との関係では白村江の戦いに敗れて日本は朝鮮から手を引くわけですが、当時の日本で新羅派と百済派とがあらそっていて新羅派が勝ったとか、なかなかユニークな視点から書かれています。

 また、日本陸軍の成立に関しては、戊辰戦争の時からの影響を引きずっているとして、長州が陸軍を握ったために、長州の考え方である砲兵の軽視、白兵突撃の精神論が太平洋戦争まで引き継がれたとしています。長州出身で有名な大村益次郎や木戸考允などはぼろくそに言われています。

 著者が砲兵の出身なので砲術にも詳しく触れられていますが、上記のように普通では思いつかないような考え方が示されていたりして、なかなか面白かったです。元軍人が書かれた本は、文章が硬くて読みにくいものが多いですが、金子氏のこのふたつの本は読みやすい本です。興味のある方は中公文庫から出版されていますのでどうぞ。