智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

ホモ・サピエンスという生き物

2015年07月28日 | 日記
7月5日のNHKスペシャル「生命大躍進」では、知性の誕生が取り上げられました。


現存する人類は、人種に関わりなく生物の分類上は、ホモ・サピエンスであり、

近似種のネアンデルタール人は、存在期間中、作り出した石器は単純であり、進化が見られなかったのに比して、

ホモ・サピエンスの石器は、段々、複雑化、多様化して、様々な文明の利器を作り出せるに至った。

その背景に、言語能力の発達の差が、理由として考えられる、とのこと。

ホモ・サピエンスは親から子へ、言葉で伝承できたことから、代々工夫して発展させることができた。


単純な言葉しか持てなかったであろうネアンデルタール人は、

豊富な言葉を操るホモ・サピエンスと同時期に存在していましたが、

生存競争に負けて、絶滅します。


TVでは、ホモ・サピエンスが更にどのように枝分かれしたか、

男性のY遺伝子の変異から人種の系統を探る、最新の遺伝子解析の手法を用いた分子人類学も紹介していました。


系統図を見て、ふと、気が付いたことですが・・・・・


古い系統の人種は、近代まで狩猟生活をして、文字を持たない民族が該当し、

現代社会では「先住民」と呼ばれ、

例えば、南北米ネイティヴ・アメリカン、オーストラリア先住民、アフリカ系ネグロイド、日本ではアイヌ民族。

後から入植した民族から、辺鄙な土地に追いやられ、差別や迫害を受けている・・・・

新しい系統に属する民族は、農耕文明と共に、文字を発明し利用している。


言葉を持ったホモ・サピエンスは、

まず、言葉の乏しいネアンデルタール人を滅ぼし、

次に、文字を発明し、書物という文明の利器で、英知を後世に伝承できた民族が、

文書化する力を持たなかった民族を迫害し、「少数民族」と呼ばれるほどに人口を減らしめ、

そうして、勢力を広げてきた。


これが、ホモ・サピエンスの歴史、宿命なのでしょうか・・・・・