東京大学大学院で教えていてドーパミンを研究している著者はまぎれもなくアタマのいい人だ。でも、アタマの良さって、なにをもって言えるのかといえば、意外にむずかしい。
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昭和17年20歳の山田風太郎は片道切符を握って兵庫但島をあとに東京へ家出。
知人とて一人もいない都だ。
着いた東京駅の待合室を追い出され、丸ビルの敷石の上で寝ていると「皇軍ラングーン占領の鈴の音が走っていった」とある。
風太郎の生い立ちと戦争観を語ったエッセー集。
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【サムライ ニッポン】 文と武の東洋史 石毛直道 中公新社
武の歴史をたどった日本の歴史自画像を隣国の儒教文化と比較して描きたかったらしい。侍ニッポンといえば「人を切るのが 侍ならば 恋のみれんが・・・・」の歌を思い出す。 . . . 本文を読む
高血圧の悪役酵素「レニン」の研究には牛の脳下垂体が膨大な数を必要とする。どうしても欲しいとなると3万5000頭分の牛となる。
これが欲しいと食肉センターに申し込むと半バカ扱いされて、てんで相手にされない。だが、「どうしても欲しい」という度重ねての熱意が伝わって冷蔵のものから渡すことで協力してくれた。 . . . 本文を読む
【阿久悠のいた時代】戦後歌謡曲史 篠田 柏書房
●津軽空 映画のような冬景色
さながら映画のワンシーンを見ているような歌謡詞で、時折湯ぶねで口ずさむ歌だ。注目は「さよならあなた 私は帰ります」という一節。女は男の胸に帰るのではない。 . . . 本文を読む
【江戸城が消えていく】「江戸名所図会」の到達点 千葉正樹 吉川弘文館
この本、企画から6年後に上梓となったそうだ。
画面線や、幾何学的遠近法の限界などを分析し、近世図像の限界をくどいほど指摘していた。挿絵の面白いのがふんだんに用意されたが小さくて虫眼鏡でのぞいたものもあった。でも、巷間よく聞く「江戸名所図会」がなんであるかは少しわかった感じがした。
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【千年の京から 「憲法九条」】私たちの生きてきた時代 瀬戸内寂聴 鶴見俊輔
かもがわ出版 200805050
この本は二人が歩んできた昭和のあれこれをふりかえりつつ、九条を擁護すべきとの
対談集になっている。
瀬戸内が徳島から東京へ上京し「少女世界」に投稿していたころ吉村昭の奥さん津村節子がそこにいた。このことは、はじめて知った。
宿縁というものは面白いものだ。
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【蝶々はなぜ葉の裏にとまるのか】 日本人の暮らしと身近な植物
稲垣栄洋 著 /三上修 絵 草思社
昨年の夏から秋の菜園でモンシロチョウを追い回した。キャベツ、ハクサイ、ブロッコリーにたくさんの菜虫がついて、採取するのにおおわらわ。そこで、今回この本を読んでみた。
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著者は「私が文献で集めた近代以前のことわざ用例は4~5万程あるが・・・」と述べていた。そのなかからこの本が作られた。
河鍋暁斎をはじめ浮世絵、鳥羽絵などがことわざに添えられて内容をもりあげ面白かった。
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月に1回郷土史を学んでいる会があり名主文書などを読んでいる。先日、ささやかな懇親宴があり関東地方こそ中世日本の中心だったはずと熱を帯びて語る先生がいた。そこで江戸の近隣県のことを知りたくなった。この本は江戸時代の先人の足跡を物語風に解き明かしてくれた。
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