情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

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NHKは、史上最大の市民メディア?!~「公共」放送とは…

2007-09-23 19:56:05 | メディア(知るための手段のあり方)
 もしかしたら、NHKは、憲法9条と同じくらい画期的な試みかもしれないなぁ、って最近思い始めています。法的に受信料の支払い義務が定められていない公共放送っていうのは非常に珍しい。もしかしたら、NHKは、他に類例がない「市民メディア」なのかもしれない。そして、私たちはNHKを9条同様、NHKを真に自分たちのものにできるかどうか、今、問われているのかもしれない…。

◆市民メディアの定義◆
 市民メディアの定義はまだ確立しているわけではない。大づかみにいえば、市民のための情報を発信するメディアということになるだろう。そして、そのメディアを支えるのは市民だ。さらに、情報発信自体を市民が行うかどうかという問題がある。この点は、市民が運営に関わっていればよいのではないだろうか。簡単に言えば、市民の、市民による、市民のためのメディアといえるかもしれない。

 そうだとすると、NHKっていうのは、本来は、究極の市民メディアのように思える。

◆NHKは市民メディアか◆
 市民のための情報を発信するという点については、民放がCM料を出している企業のために情報を発信しがちであることと比較すると分かりやすい。NHKはまさに、あらゆる権力から独立して、市民のための情報を発信することができるはずのものだ(本来は…)。

 さらに、NHKに対しては、放送の対価として受信料を支払っているわけではない。見ようが見まいが、テレビがあれば、受信料を支払う仕組みだ。これは、明らかに、ある放送局を市民が支えるシステムだといえる。これを市民メディアと言わずして何を市民メディアというのか、という気になってくる。

 運営への参画という点でも、「協会の経営方針その他その業務の運営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する」経営委員会のメンバーは、「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する」ことになっている。しかも、「この場合において、その選任については、教育、文化、科学、産業その他の各分野が公平に代表されることを考慮しなければなら」ず、地域的にも「委員のうち八人については、別表に定める地区に住所を有する者のうちから各一人を、その他の委員については、これらの地区を通じて四人を任命しなければならない」とバランスを保つことが要求されている(放送法13条、16条)。
 本来、市民の代表が選ばれ、運営に参画することが予定されていることが分かる。

 さらに、ここが画期的なところだが、受信料の支払が法的に強制されていないため、その放送のあり方が、市民メディアとは異なる者となった場合(政府や企業におもねるような場合)、支払を拒否することで、NHKのあり方に対して、個々の市民が影響力を与えることができる。つまり、市民が直接、NHKのあり方に口を出すことができる途が設けられている。この手段は、他国のように受信料の支払が強制されている国の市民は、取りえない(他方で、この方式は支払をしない市民が増えたときには運営自体ができなくなるという重大な問題を抱えているが…)。

◆理想との乖離■
 ところが、実際には、NHKを市民メディアだと考える人は少ない。多くの人はどちらかというと、国営放送のようなイメージでとらえており、税金も使われていると思っている。

 そして、実際に放送される番組(特にニュース)も、政府に阿ねる傾向があり、NHKの政治部記者と与党政治家との密接な関係も批判されることが多い。森元首相の「神の国発言」の際、NHKの記者が森元首相に記者会見の際のアドバイスを書面に書いて渡した疑いなどが有名だ。

◆乖離の原因◆
 なぜ、このようなことになったのか。

 一つには、NHKを含む放送局を監督する機関を戦後、当初は「電波監理委員会」という独立行政機関に委ねていたのだが、日本が占領下から独立して直ちに電波監理委員会が廃止され、郵政省(現総務省)に委ねられたということが挙げられる。このことは何度もこのブログで指摘したところだが、電波監理委員会の廃止で、NHKは政府から直接圧力を受けるようになってしまった。

 次に、市民の側がNHKに対してこれまで口をはさんでこなかったことが挙げられる。その結果、経営委員会の委員長に首相の友達が選ばれるような事態になってしまった(※1)。これでは、市民メディアというよりも、政府公報という方がふさわしいというほかない。

 市民がNHKに口を出さない原因の一つに、市民が「公共(パブリック)」概念を誤って理解していることがあるようにも思う。英国の「public school」が、公立学校ではなく、私立学校を意味することを知ったとき、とても混乱したことを覚えている。なぜ、「public」が「私立」なのか…。しかし、今思うに当然のことだ。パブリックとは、公権力のことではなく、市民の共同体のことを表すからだ(※2)。したがって、「公共」とは「市民集団」、「市民連帯」のように翻訳するべきであり、そうだとすると、「public school」が私立学校であるのは当たり前だ。

◆公共放送=市民メディア◆
 ということは、NHKが公共放送と自称したからって、なんだかお役所のもので、我々平民には口をはさめない…なんて思わず、毎日、何度でもいいから、「あのニュースはおかしい」、「権力に阿る放送をするな」、「ほかの局は権力のこの問題について取り上げて批判をしているのに、なぜ、NHKはしないのか」、「警察の裏金疑惑をなぜ取り上げないのか」などと電話すればいいわけだ。

 ここで重大な発表です。英語で市民メディアは、Public Media と言います。

 やはり、公共放送NHK(public broadcasting NHK)は、市民メディアだったんだ。

◆受信料、そして、NHKの将来は…◆
 NHKが市民メディアである以上、税金でではなく、市民一人一人が支えなければならないし、もし、NHKのあり方に疑問をもったら、受信料の支払いを拒むことができなければならない。

 いまの受信料のシステムは、その部分だけは市民メディアとしての理想に近い形で規定されたものが残っているということができる。

 いま、独立行政委員会がないままに、受信料を強制徴収制に変更するなんてことになったら、NHKは「第2税金」によって運営される国有放送と化してしまう。

 そこで、まず、NHKに日々、注文をつけるとともに、独立行政委員会を設置するようNHKとしても運動するように呼びかけましょう!

 さらに、「市民による」という観点でも、いままではプロでなければ番組撮影はできなかったが、短い時間のドキュメンタリーなら素人でも勉強すれば何とか撮影できるようになっています。そこで、単に経営に参画するだけでなく、実際の番組制作にも参加させるよう、つまり、NHKの放送時間の一部を市民に開放するよう求め、NHKを名実ともに真の市民メディアとさせましょう!

 壮大なる市民メディア構想をあなたの手で現実のものにしましょう!


※1:「李下に冠を正さず」はどこへ、権力者の身の処し方として、まったく美しくないNHK新経営委員長

※2:語源は、ラテン語のpublicus(最初のuの上には横棒がつく) だという。そのラテン語は、「populus(人民)」+「-IC」からなっており、「人民の」という意味だという。

【関連記事】
放送法「改正」によって日本の民主主義は死滅する~反民主的メディアシステムのもとでの放送内容規制の怖さ http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/ad80fcf264821ebe9b7b3ff8e9ca36f3

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2 コメント

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せっかく各県に放送局があるのですから (Sola)
2007-09-24 01:58:37
各地方放送局ごとに運営委員会を投票で選ぶとかどうでしょう。
Unknown (Piichan)
2007-09-26 12:00:12
NHKが制作(製作)した番組は著作権フリーであるべきです。

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