情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

放送法「改正」によって日本の民主主義は死滅する~反民主的メディアシステムのもとでの放送内容規制の怖さ

2007-04-20 07:13:34 | メディア(知るための手段のあり方)
さあ、そこで、放送法改正の話です。すでに見たように、日本ではメディアを巡って非民主的なシステムが多方面で張り巡らされています(ここ←参照)。そもそも、政府が直接、放送行政を担うことは先進国ではありえない話です。

ところが今回の放送法改正では、

第五十三条の八の二として、
 
【1 総務大臣は、放送事業者(受託放送事業者を除く。)が、虚偽の説明により事実でない事項を事実であると誤解させるような放送であつて、国民経済又は国民生活に悪影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがあるものを行い、又は委託して行わせたと認めるときは、当該放送事業者に対し、期間を定めて、同様の放送の再発の防止を図るための計画の策定及びその提出を求めることができる。
 2 総務大臣は、前項の計画を受理したときは、これを検討して意見を付し、公表するものとする】

という条文が入ることになっている。

これは大変なことです。政府が、放送内容を間違っているかどうか判断し、間違っている場合は、再発防止策を提出するようにさせるというのです。

これは、カードでいえば、ジョーカーを政府に与えることになります。オールマイティーです。

「はい、君のところは、政府が消費税の10%増加を検討しているって放送したよね。そんな計画はありませんから、再発防止策を出して下さい。出さないと免許取消になりますよ」【独立行政委員会の不存在】+【今回の放送法「改正」による内容に関する指導の実施】
             ↓
「はい、分かりました。うちの若いもんが失礼しました。きつくしかっておきます」
             ↓
半年後、第2のタマちゃん、第2のハンカチ王子でマスコミが騒いでいる時に、ひっそりと政府の15%消費税増加案が提案された。各社は把握しており、新聞では一部批判したが、テレビ局は一切批判できず。それどころが、「消費税を目的税として少子化対策や高齢者対策にあてる」という政府の表面的な説明をも批判することはできず、そのまま垂れ流す。
             ↓
それでも、一部国民から批判が出た。
             ↓
そこで、政府は、消費税増税に反対しているA新聞の系列のテレビ局αがつくっているドル箱バラエティー番組に目を付け、細かいことを取りあげ「やらせがある」と批判し、また、報道番組についても、特ダネについて些細な間違いを取り上げ「間違いがある」と批判し、それらの番組を廃止に追い込む勢いを示した。そして、αの経営陣に、そっと、「おたくのA新聞の消費税増税反対キャンペーンだが、もし、あれがテレビだったら、別番組を問題としてでも総務省が取り上げるべき重大問題だ」とささやく。【クロスオーナーシップの問題】
             ↓
αの経営者はびびる。Aの経営者に泣きつく。
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Aの報道姿勢が変わり、消費税増税賛成キャンペーンを繰り広げる。
             ↓
一方、雑誌社についても、電通を通じて、消費税増税賛成政府広報を掲載するよう圧力をかけ、造成批判を封じ込んだ。【広告業界における一業種一社制の不存在】
             ↓
消費税が増税される。しかし、それは、政府にとって一つのモデルケースでしかなかった。政府には、恐ろしい陰謀(コピーライト:外山恒一)があったのだ…
             ↓
201●年、国際的役割を果たそうキャンペーンのもと、改憲によって、日本軍の海外派兵を可能とする。
             ↓
201●年、機会の平等こそ大切。結果の平等は真の自由社会では不要というキャンペーンによって、累進課税が廃止され、税金の割合が金持ちも貧乏人も同じになる。
             ↓
202●年、石油の枯渇が現実化する
             ↓
202●年、国家としての自立キャンペーンを展開し、日本軍が核をもつ。
             ↓
203●年、石油資源の確保は、国是として、世界の強調路線に反対するも、メディアは、それを煽る記事・番組しかつくらない。
             ↓
203●年、日本軍が米軍との同盟関係を絶つ。
             ↓
203●年、日本軍が防衛行為の一環と称して、中国に対し、核兵器を使用

…ちょっと、ブラック過ぎるシナリオですが…


真面目な話、私たちは、自衛隊に金を使うくらいなら、脱化石エネルギーによる地球温暖化の防止などにつとめたり、あるいは、憲法9条を堅持することで地球温暖化による領土現象に伴い発生する難民などの世界的な調整役を行ったりすることで、自らの安全保障を実現する道を選ぶこともできます。

しかし、それでは、いまの政府を支える大企業はうまみがなくなるから、政府が自らそういう道を選ぶことは期待できない。

市民が新たな選択をしようと思っても、それを世間に広める手段は、なくなってしまう。どのメディアも政府の批判をすることができなくなるからです。


…日本の反民主的メディアシステムにおいては、今回の放送法改正はここまでの意味を有するのです。

改憲に反対する方、無駄な税金の使い方に反対する方、教育法改悪に反対する方、自然破壊に反対する方、共謀罪に反対する方、政府に対して政策の一部でも反対している全ての方にこの事実を知ってもらいたい。そのためにぜひ引用、リンクをお願いします。

ゴーマンかましてよかですか?…このエントリーは、警告であり、予言です。もし、このまま放送法改正が成立したら、いつか、このエントリーを無視した自分を後悔することになるでしょう。そうならないよう、全力で放送法改悪反対を叫びましょう!

参照:北海道新聞
■■引用開始■■
放送法改正案*表現の自由が侵される(4月8日)
 関西テレビの「発掘!あるある大事典2」のような番組捏造(ねつぞう)は、許されることではない。

 しかし捏造防止に政府が乗り出し、目を光らせるようになれば放送はどうなるだろう。

 たしかに、でたらめや荒唐無稽(むけい)な番組は減るに違いない。

 一方、さまざまな場面で放送事業者は慎重に構え、時には自己規制するだろう。番組から遊び心が消え、政府への批判が慎重になる可能性がある。

 ユーモアや批判精神は放送の大事な要素だ。政府によってそれらが押しつぶされるなら、メディアの危機と言ってもよい。

 これが現実になりつつある。

 政府が国会に提出した放送法改正案に、新しい行政処分制度の導入が盛られた。

 捏造番組を流した放送事業者に対し総務相は再発防止計画の提出を求め、意見をつけて公表するという。

 これは放送事業者を委縮させ、憲法が定めた報道や表現の自由を侵しかねない。法案からこの制度を削除すべきである。

 中身も問題だらけだ。

 第一に、対象を「あるある…」のようなバラエティーに限らず、ニュースを含む全番組としている点だ。

 政府や政治家が、自分に都合の悪いニュースや報道に対して「事実でない」「捏造だ」と反論したらどうなるのか。報道機関でもある放送局への強烈な圧力となるのは確実だろう。

 次に、適用対象を「事実と誤解させるような放送」で「国民生活に悪影響を及ぼし」または「及ぼすおそれがあるもの」と、あいまいにしている点だ。裁量の余地があまりに大きい。

 菅義偉総務相は、問題放送に対して、民放連とNHKでつくる放送倫理・番組向上機構(BPO)の再発防止措置が機能している限りは、この行政処分を発動しない方針だと言う。

 ならば行政処分の創設に走るのではなく、BPOの活動状況、つまり放送事業者の自浄能力を見守ればよい。放送界もそれにこたえる必要がある。

 菅総務相は行政処分を「抜かずの宝刀」と呼んだ。放送に国がにらみをきかすための「宝刀」とは物騒だ。

 今回の放送法改正案には、NHKへの監督強化の姿勢もうかがえる。

 経営委員会の権限を強化し、経営基本方針を決められるようにした。また「命令放送」を「要請放送」とし、NHKの応諾義務を明記した。

 NHK受信料の引き下げ・義務化の問題では、菅総務相とNHKが真っ向から対立し、物別れに終わった。菅総務相主導の決着に向けた布石とも受け取れる。

 菅総務相の一連の強権的手法には与党からも批判が出ている。問題が多い法案だ。国会で徹底審議してほしい。
■■引用終了■■



★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
書かれた記事を是非投稿してください。 (アーティクルサイトジャパン)
2007-04-20 12:07:29
初めまして、塚田と申します。
突然のコメントすみません。
新しく記事投稿サイトを始めました。
そこで記事の投稿のお願いにきました^^
あなたの書かれた記事を是非投稿してください。
もっと多くの人にあなたの記事を読んでもらってください。
アクセスアップとバックリンクの増加のお手伝いになると思います。
無料サービスですのでどんどん利用してください。
また、サイト内の記事は自由に引用していただいてOKです。
よろしくお願いします。
http://articlejapan.com
返信する
勉強になります。 (カーク)
2007-04-20 19:18:04
ここ何日かのヤメ蚊さんの記事はじっくり読まないといけないなあと思っています。私は放送が政治から独立していなければ、民主主義は危ないと思っています。プリントアウトしてじっくり考えて見たいと思います。
返信する
システムとして (ヤメ蚊)
2007-04-21 05:32:58
市民が立ち上がれないものにされてしまうのではないかと恐れています…。政府の非民主化政策は素早く進行していると思います。
返信する
ちょっと古い記事ですが・・・ (yamamoto)
2007-04-21 23:36:55
ちょっと古い記事ですが関連があるのでTBしました.
返信する
複雑な構造 (flagburner)
2007-04-22 21:08:51
はじめまして。
この動きが日本だけでなく世界各国で・・・と思うと気が重くなります。
返信する
マイ ストーリー  「クッククック、青い鳥~」 (デカルト)
2007-04-22 23:28:51
消費税導入

累進課税廃止

日本軍海外派兵

道州制導入
大企業、、金持ち、タックスへブン州に大移動。

競争になり、全州、金持ちは非課税になる。結局、金持ちは大都会に戻る。

過疎州は苦しくなり「租庸調」が復活。貧乏人は防人に。「さきもりにいくはたがせと・」と妻達が泣く。

石油枯渇 核保有。

世界から孤立。
またまた、「追い詰められた」と、日本は被害妄想に陥り、パニックとなり、核先制攻撃で打ちまくる。「核弾三勇士」という国民的ヒーロー登場するも・、世界中の反撃を受け日本列島大爆発!

菅よしひで総務大臣、天皇に玉音放送を願い出る。

終戦。 『いつか見た青い空』
↓ 
占領。 
安倍、スガ、石破、両中川、石原父子、終身刑。
セコウ、山本一太、中西輝政、八木秀次、遁走。

平和憲法! 再び!
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