情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

「どこの情報が信頼できるのか」からの~「この情報が信頼できるかどうか」その1

2012-01-25 08:13:27 | メディア(知るための手段のあり方)
 食べログのやらせ疑惑を利用してインターネット上の情報全体に対する信頼性を問題にしようとしているのかな~と思えるような発言をするコメンテーターがいる。例えば、俵孝太郎氏。彼は、インターネットリテラシーの必要性を説いた。しかし、インターネットリテラシーはあくまでも、メディアリテラシーの一環だ。彼の話しっぷりから、マスメディアは信用していいが、ネットはね~、という差別感が垣間見れたような気がしたのは私だけだろうか?

 インターネットは、無限ともいえる情報を極めて安価に掲載することができる。紙面や時間で限定されてきたマスメディアとはここが違う。

 それゆえ、情報が乱れ飛び、どの情報を信用してよいか分らない、ということになりかねない側面があるのも事実だ。

 しかし、ネットは、もう一つ大きな特徴をもつ。それは簡単にリンクできるということだ。マスメディアが文献を引用しても、普通の人は、その文献にあたって確かめるようなことはできない。これに対し、ネットでは、元の文献のアドレスを書いておけば、だれでも原典にあたることができるわけです。これが極めて重要なポイントです。
 
 「信用できるサイトはどこですか?」

 こう聞かれたらあなたはどう答えますか?

 私は、原典を引用しているかどうかがひとつのポイントとなると考えます。つまり、自分がこれを正しいと考える根拠を明示しているかどうか、ということです。

 この点から言えば、多くのマスメディアは、首相や大臣、官僚が述べていることを根拠に、自分たちが伝える情報は正しいと言ってきただけだ。本来は、公職にある者が言っているだけでは足りず、その公職にある者がそのように述べたことの根拠まで示すことが必要だ。これまでのマスメディアの姿勢は、「公職者無謬論(公職者は間違えない)」を前提としてきた。ある意味、無責任な報道だ。

 しかし、ネットメディアは、簡単にリンクできるため、原典を明示したり、引用することが可能だ。

 一つ例を上げてみよう。被曝量と健康被害の関係だ。当初、マスメディアの中には、100mSvまでは健康被害はないと断定的に書いているところがあった。その根拠は、原子力安全委員会や放射線医学総合研究所などの公的機関の説明にあるから、ということだった。しかし、では、それらの公的機関の説明は何を根拠にしているか、それを突き詰めて報道したところはほとんどないはずだ。

 他方、このブログはマスメディアからすれば、吹けばどころか、吹くまでもなく飛びぶよなものだが、常に、アメリカ科学アカデミーのような国際的な文献を引用して、100mSv以下でも危険があるとしていることを伝えた(例えば、「ICRPも、科学的に100mSv以下の被ばくでも癌が過剰発生すると認めている」 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/7d29f39123a149139d6d27d14ed0dff8 など)。

 結果、原子力安全委員会は、100mSvまで健康被害はないとした見解を修正せざるを得なかった。



 この健康被害問題について言えば、このブログの方が多くのマスメディアよりも信頼できる情報を発したということになる。

 いかに根拠をもっとも根本的なものまでさかのぼって伝えているか、どうか、それが重要だ。

 今日はここまでにします。「からの~」の次は、また、明日。



注:タイトルの「からの~」は、昨年の流行語です。誤用かとも思われますが、にわかテレビっ子ゆえ、ご容赦(笑)

 
 





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「ICRP Publ. 111 日本語版・JRIA暫定翻訳版」(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html)

「緊急時被ばく状況における人々に対する防護のための委員会勧告の適用(仮題)=109」
(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15290,76,1,html)

アメリカ科学アカデミーの文献「BEIR-VII」(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)
http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20public%20new.pdf


◆東電本社の記者会見は、午前11時~正午から始まる単独会見、午後5時ごろからの統合本部会見の2回となっている。インターネットで生中継と録画配信されている◆

 → ニコ生 http://live.nicovideo.jp/ 

   岩上さんのサイト http://ow.ly/4wCEr



◆東電会見に出席し続けている木野龍逸さんへの支援金の振込先口座は下記のとおりです。

 郵便局の振替口座
 口座番号は、00100-5-362362
 口座名称は、木野龍逸支援の会(キノリュウイチシエンノカイ)


 なお、銀行からの場合、
 ゆうちょ銀行
 〇一九店
 当座預金
 0362362
 にお願いします(できれば郵便局の振替でお願いします)。



◆以下参考◆


原子炉建屋とタービン建屋の図。クリックで拡大できます。

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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
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