情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

同意なければ,報道機関へ提供しない?!~安否情報システムで言論統制?

2006-06-10 00:17:33 | 匿名発表問題(警察→メディア)
 ちょっと古いニュースですが,神戸新聞ニュース(ここ←)に【総務省消防庁は三日までに、外国からの武力攻撃などの有事に全国どこからでも家族や知人の安否を確認できる「安否情報システム(仮称)」について、自然災害や大規模事故での自治体による活用を積極的に認めることを決めた。尼崎JR脱線事故に対応した兵庫県内の自治体や医療機関などから、活用を求める声が相次いだため。同システムは二〇〇七年度から運用を始めるが、今後、自治体サイドで必要な事務手続きの検討を重ねる。】という記事がある。

さらに,読み進めると,【自治体や警察、病院などのパソコンと同庁のサーバーをインターネットで接続。自治体などは、避難したり負傷したりした住民から名前や住所、負傷の状況、名前を公表してもよいかなどを聞き、情報を送る。本人が希望すれば、報道機関への情報提供やインターネット上の公開もできる。】とあった。

えっ,本人が希望しない限り,報道機関への情報提供をしない…。犯罪被害者の匿名発表問題については,これまでなんども触れたが(ここ←など。カテゴリーの匿名発表欄をクリックして下さい),犯罪被害者だけでなく,災害時の被害者についてもなし崩し的に匿名発表にしようとしている…。

原資料にあたってみたが,確かにここ←の26/90にその旨の方針が書いてある…。

確かに,メディアに取材されることは鬱陶しい面もある。しかし,行政が情報を隠すことができるようになると,行政をチェックすることができなくなる。これは鬱陶しいとかいうレベルを超えた不利益だと思う。

手を変え品を変え,報道が規制されていく…。



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2 コメント

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秋田児童殺害事件での弁護士の記者会見 (JUNSKY)
2006-06-10 20:32:11
昨日の弁護士の記者会見について。



当方のブログでも書いたのですが、このブログの弁護士さんにお尋ねします。



 普通、弁護士は被疑者が真犯人だったとしても、無罪を目指して奮闘する職業であるのでしょうが、昨日の弁護士の記者会見では、被疑者が犯行を認めたことを報告し、犯行の様子を詳しく説明していました。



 被疑者は、公判での検察側からのいかなる変化球にも対応できるよう、弁護士には自己に不利になる情報でも、包み隠さず話すべきであるということが常識であり、最近のTVでの弁護士ドラマでも、紹介されています。



 ところが、昨日の記者会見では、弁護士だから話したかも知れない(本当に話したのかどうかは解りませんが)『被疑者にとって極めて不利な情報』を事細かく、殺害に至る心境の変化や、殺害の具体的方法まで詳細に紹介しています。



 弁護士には、弁護するために入手した被疑者に関する情報を、公判廷で使用する場合以外には(被疑者を守るため不利な情報は秘匿するという選択肢もあります)公開しないという常識(いわば守秘義務)があるはずです。



 今回の弁護人の対応は、弁護士の守秘義務違反にはあたらないのでしょうか?

少なくとも、『推定無罪』の考えや『冤罪』という発想は無いように見えます。



 なお、この弁護士たちは、冤罪などに力を入れている、『専門の』弁護士ではなく、秋田弁護士会の『普通の』弁護士だということです。 当番弁護士かも知れません。



 お気づきのことがあればコメントいただければ幸いです。 当方のブログ上でも結構です。

 もう、お読みかも知れませんが、この事件に関する連載(現在14回)をお読みください。

http://blog.goo.ne.jp/junsky/e/c3f5afc7e7adc03f4d36a2bdb96e54ce

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対応が難しいですね… (ヤメ蚊)
2006-06-10 21:52:27
この事件が冤罪である可能性はあると思います。現時点で,真犯人だと決めつける報道は問題だとも思います。



ただ,他方で,「自白をしたこと」がリークされ報道された以上,「否認をすること」が,「ふてぶてしい」などという批判を浴び,被疑者の家族にまで,嫌がらせが及ぶのではないかという懸念があります。



事実関係や経過を知らないので,何とも言えませんが,弁護人として,いかに動くかは,ケースバイケースだというほかありません。



JUNSKYさんの疑問ももっともだとは思いますが…。

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