警察による匿名発表を認めることの弊害について何度も書いてきたが,落合洋司弁護士のブログで見つけたこの記事(ここ←)には,びっくり。外国人キャバレーに捜査情報を流して接待を受けていた複数の警官(処分は懲戒免職など)について,高知県警は,氏名を伏せたばかりか,所属する警察署名すら隠して,発表したという。警察庁の発表指針に基づいたというが,まったくあきれるほかない。とにかく,メディアの発表段階は実名とする原則を設けておかないと,都合の悪いことは何でも匿名となりかねない…。
記事うち,匿名に関する部分は次のとおり。
■■引用開始■■
県警実名、署名明かさず
県警は2日発表した接待汚職事件の処分で、懲戒免職や停職処分などとした16人をすべて匿名とし、どこの署に所属しているのかも明らかにしなかった。
県警は「警察官以外の関係者もおり、警察庁の発表指針を基に個別に検討した結果だ」と説明。接待を受けたとして懲戒処分にした巡査部長ら4人についても、明らかにしたのは階級と所属課、年齢のみ。事件の舞台となった窪川署の名前も伏せた。
懲戒免職を実名で公表している県や県教委の対応と大きな隔たりがある。高知新聞には2日、「これだけの不祥事を起こしておいて、なぜ匿名なのか」と県警の姿勢を批判する声が相次いだ。
■■引用終了■■
ちなみに,事件の概要は次のとおり。
■■引用開始■■
窪川署員らの外国人キャバレー通いは、地元客の間では有名だった。頻繁に接待を受ける署員らの姿には、風俗営業の許認可権限を持つ「官」の“たかりの構図”さえ浮かぶ。14年末に高知市で発覚した同じ外国人キャバレーを舞台にした警察官汚職事件を再び繰り返した県警。自浄力を失った県警組織の病巣の根深さがあらためて露呈した。
「ああ、あのフィリピン刑事(デカ)」―。同署刑事生活安全課員だった窪内孝志容疑者(55)の書類送検を知った地元客らはそうあだ名で呼び、「(キャバレーに)ずぶずぶに漬かっていた」と言い捨てた。
同署員らは以前から、事件摘発の打ち上げや外部団体との懇親で、この外国人キャバレーを利用。1時間に3000―4000円前後は掛かる料金システムだが、経営者は代金を取らずに利用させることも多かったという。
同店はフィリピン人女性らをホステスとして働かせ違法な営業実態だった。署員らはそれを黙認状態で接客を受け、次第に「付け」と称してただで飲食するなど深みにはまっていった。中でも、窪内容疑者の“たかりぶり”は突出していた。
同容疑者は15年6月に長岡郡本山町の本山署に異動後も管内を抜け出し、キャバレー通いを続けた。「帰国したホステスを追いかけてフィリピンに行った」と聞かされた同僚もいるほどだ。
県警は窪川署員らのキャバレー通いを14年に匿名の投書で把握しながら、当時は署長が口頭で注意しただけで、問題の悪質さを突き詰めなかった。
14年末に高知署員の外国人キャバレーでの汚職事件が発覚後、県警は警察官に職務倫理についての作文を提出させるなど、各署ごとに不祥事防止対策を取ったという。しかし、同容疑者は漫然と通い続けていた。
村田達哉警務部長は2日の記者会見で「二度と起きないよう取り組んできたが、本当に特異な者がまだいた」と強調した。その一方で、「それ以上に、幹部が止められなかったことが大きな問題だ」と県警組織の構造的問題にも言及した。
現場警察官の中には「『だらしない個人の犯罪』として済ませられる問題ではない」「若い課員を引き連れていった課長の責任はもっと重いはずだ」と、今回の処分にさえ不満の声がある。
不祥事を繰り返す県警の病巣はどこにあるのか。幹部と現場の警察官が一体になって考え、あしき体質に向き合わなければならない。
■■引用終了■■
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記事うち,匿名に関する部分は次のとおり。
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県警実名、署名明かさず
県警は2日発表した接待汚職事件の処分で、懲戒免職や停職処分などとした16人をすべて匿名とし、どこの署に所属しているのかも明らかにしなかった。
県警は「警察官以外の関係者もおり、警察庁の発表指針を基に個別に検討した結果だ」と説明。接待を受けたとして懲戒処分にした巡査部長ら4人についても、明らかにしたのは階級と所属課、年齢のみ。事件の舞台となった窪川署の名前も伏せた。
懲戒免職を実名で公表している県や県教委の対応と大きな隔たりがある。高知新聞には2日、「これだけの不祥事を起こしておいて、なぜ匿名なのか」と県警の姿勢を批判する声が相次いだ。
■■引用終了■■
ちなみに,事件の概要は次のとおり。
■■引用開始■■
窪川署員らの外国人キャバレー通いは、地元客の間では有名だった。頻繁に接待を受ける署員らの姿には、風俗営業の許認可権限を持つ「官」の“たかりの構図”さえ浮かぶ。14年末に高知市で発覚した同じ外国人キャバレーを舞台にした警察官汚職事件を再び繰り返した県警。自浄力を失った県警組織の病巣の根深さがあらためて露呈した。
「ああ、あのフィリピン刑事(デカ)」―。同署刑事生活安全課員だった窪内孝志容疑者(55)の書類送検を知った地元客らはそうあだ名で呼び、「(キャバレーに)ずぶずぶに漬かっていた」と言い捨てた。
同署員らは以前から、事件摘発の打ち上げや外部団体との懇親で、この外国人キャバレーを利用。1時間に3000―4000円前後は掛かる料金システムだが、経営者は代金を取らずに利用させることも多かったという。
同店はフィリピン人女性らをホステスとして働かせ違法な営業実態だった。署員らはそれを黙認状態で接客を受け、次第に「付け」と称してただで飲食するなど深みにはまっていった。中でも、窪内容疑者の“たかりぶり”は突出していた。
同容疑者は15年6月に長岡郡本山町の本山署に異動後も管内を抜け出し、キャバレー通いを続けた。「帰国したホステスを追いかけてフィリピンに行った」と聞かされた同僚もいるほどだ。
県警は窪川署員らのキャバレー通いを14年に匿名の投書で把握しながら、当時は署長が口頭で注意しただけで、問題の悪質さを突き詰めなかった。
14年末に高知署員の外国人キャバレーでの汚職事件が発覚後、県警は警察官に職務倫理についての作文を提出させるなど、各署ごとに不祥事防止対策を取ったという。しかし、同容疑者は漫然と通い続けていた。
村田達哉警務部長は2日の記者会見で「二度と起きないよう取り組んできたが、本当に特異な者がまだいた」と強調した。その一方で、「それ以上に、幹部が止められなかったことが大きな問題だ」と県警組織の構造的問題にも言及した。
現場警察官の中には「『だらしない個人の犯罪』として済ませられる問題ではない」「若い課員を引き連れていった課長の責任はもっと重いはずだ」と、今回の処分にさえ不満の声がある。
不祥事を繰り返す県警の病巣はどこにあるのか。幹部と現場の警察官が一体になって考え、あしき体質に向き合わなければならない。
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