goo blog サービス終了のお知らせ 

情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

足利事件で再生するべきは警察での取り調べ状況だった~普通じゃんと誤解した人のために

2010-01-23 07:49:19 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 足利事件の検察官取り調べ状況が法廷で再現されたが、いずれも検察官による取り調べに関するものだった。そりゃぁ、あかんべ。だって、検察官のところにきたときには、もう警察で一丁上がりになってるわけだから…。本当に取り調べの録画・録音が必要だと感じるのは、冤罪事件における警察の取り調べ(もちろん、検察が捜査を開始した事件の場合は、検察ってことになるが…)に関するものだ。足利事件でも、検察官の取り調べを「読む」限り、場合によっては、これだけでは単に否認に転じた場合とどう区別できるのか、という見方もできよう(もちろん、読むだけでなく、聞けば迫力が全く違うと思うが…)。

 そこで、毎日新聞が報じた警察での取り調べ状況を転載したい。これは、もともと、弁護側が、検察から開示されたテープを文字化したものだ。毎日新聞を取っていない方は、読んでいないかもしれないので、全文を引用する。敬称添付(http://mainichi.jp/select/today/news/20100122k0000m040134000c.html)

 足利事件では、検察官取り調べテープは12本残っていたが、警察官取り調べはわずか3本。すべての取り調べを可視化すること重要性をうかがわせる毎日の記事だ。

 ちなみに冒頭は米兵の取り扱い。やろうと思えば全面可視化、できるんじゃない。

■■引用開始■■
 

 警部 ひも取って(万弥ちゃんの殺害現場に)戻って来たの?

 菅家さん はい

 警部 それで?

 菅家さん それで、あのう、何ていうんですか……ビニールと……あのう、何ていうんですか……カバン、カバンとかなんとか言ってましたけど

 警視・警部 ビニールと何?

 菅家さん カバンですか

 警部 カバン

 菅家さん あのう……体を、中に入れるために、ビニールに入れまして

 警部 うん

 菅家さん で、あの、ひもですか、ちょっと……くる、くるむようにですか

 警部 うん

 菅家さん ……そうふうに、あの、包みまして

 警部 万弥の体を何したっけ? ビニールで何? ひもは何に使ったんだい

 菅家さん ひも、あのう

 警部 万弥ちゃんの死体にどうしたんだい、ひもを?

 菅家さん ……くるむようにですか

 警部 ひもは縛るだんべ

 菅家さん あ、そうです

 警部 万弥ちゃんの体をひもで縛ったっつんか

 菅家さん はい、縛ったということです

  【中略】

 警部 で、その大きいビニール袋は何かにまた入れたのか

 菅家さん ……自分は、あのう……ビニール入れまして

 警部 うん

 菅家さん そうすっと、あのう、普通はよく透き通って

 警部 透き通って、中身が見えないビニール袋入れたんだろ

 菅家さん はい

 警部 うん、その後、万弥ちゃんが入ったビニール袋を何かに入れたんか? カバンか何かに?

 菅家さん ……

 警部 風呂敷に包むとか、何かしたんか?

 菅家さん ビニール入れまして……そのビニールをよくあのう、はっきりとは、透き通るとか……

 警部 うん、だから、中身が見えないビニール袋に入れたんだよ

 菅家さん はい

 警部 その入れたビニール袋を、そのままじゃなくて、何か

 警視 箱ん中に入れたとか

 警部 ビニールを。この包んだね

 菅家さん はい

 警部 包んだっつか、こういう袋入れたでしょ

 菅家さん はい

 警部 さらに何かに入れたんじゃないかって聞いてんだよ。何も入れねえのかって、そのビニールしか

 菅家さん ……自分は、なんか、ビニールでして

 【休憩で録音中断】

 警視 万弥ちゃんを捨てに行った時さ、ビニール袋に何を、ビニール袋に何を入れたって?

 菅家さん ……ビニール袋に、子供ですか……

 警視 入れたと

 菅家さん はい

 警視 そのビニール袋は(中身が)分かんねえようにするために、ビニール袋だけで持って来らんねえべ、普通は。何に入れたの?

 菅家さん ビニール袋に入れたのはやはり、ビニールと……しまして

 警視 ビニールと紙……

 菅家さん ……リックですか(小声)

 警視 うん、リック。リックちゅうのはさ、どこにあったんだよ

 菅家さん ……確か……この地図

 警部 地図でいうとどこなんだい?(万弥ちゃんがいなくなった)神社はここだぞ

 警視 おめーはリック持って来てねえんか、うん? おめーの家にリックはねえんか?

  【中略】

 警視 よく、記憶をたどって、真実はただ一つなんだから、ほらなあ、菅家よ。で、無理に話を押っつけるってことは、すんだねえぞ

 菅家さん はい

 警視 うん。じゃあ、次さあ、もう一件の、有美ちゃんっての知ってっか?

◆◆引用終了◆◆


おかしいところを考えてみてください。
私もいくつか、気づきましたので、下に示します。テープを聞いたわけではないので、実際に聴くと違う印象のがあるかもしれませんが…。


■■引用開始■■
 

 警部 ひも取って(万弥ちゃんの殺害現場に)戻って来たの?

 菅家さん はい

 警部 それで?

 菅家さん それで、あのう、何ていうんですか……ビニールと……あのう、何ていうんですか……カバン、カバンとかなんとか言ってましたけど(◆言っていましたけどって、いきなり…。誘導の痕跡)


 警視・警部 ビニールと何?

 菅家さん カバンですか(◆疑問形になっている)

 警部 カバン

 菅家さん あのう……体を、中に入れるために、ビニールに入れまして

 警部 うん

 菅家さん で、あの、ひもですか、ちょっと……くる、くるむようにですか

 警部 うん

 菅家さん ……そうふうに、あの、包みまして

 警部 万弥の体を何したっけ? ビニールで何? ひもは何に使ったんだい

 菅家さん ひも、あのう

 警部 万弥ちゃんの死体にどうしたんだい、ひもを?

 菅家さん ……くるむようにですか(◆ここも疑問形)

 警部 ひもは縛るだんべ(◆誘導)

 菅家さん あ、そうです

 警部 万弥ちゃんの体をひもで縛ったっつんか

 菅家さん はい、縛ったということです

  【中略】

 警部 で、その大きいビニール袋は何かにまた入れたのか

 菅家さん ……自分は、あのう……ビニール入れまして

 警部 うん

 菅家さん そうすっと、あのう、普通はよく透き通って(◆「普通は」ってとこに誘導された片鱗が残っている。「普通どういうビニルに入れるんだ、あの黒い奴だろう」とか事前に言われていたと思われる)

 警部 透き通って、中身が見えないビニール袋入れたんだろ(◆中身が見えないというのは誘導)

 菅家さん はい

 警部 うん、その後、万弥ちゃんが入ったビニール袋を何かに入れたんか? カバンか何かに?(◆誘導。さきほどカバンと答えたが、ここではカバンではなくリュックと言わなければならないにもかかわらず、覚えさせられた言葉が出なくて戸惑っている印象を受ける)

 菅家さん ……

 警部 風呂敷に包むとか、何かしたんか?

 菅家さん ビニール入れまして……そのビニールをよくあのう、はっきりとは、透き通るとか……

 警部 うん、だから、中身が見えないビニール袋に入れたんだよ

 菅家さん はい

 警部 その入れたビニール袋を、そのままじゃなくて、何か

 警視 箱ん中に入れたとか

 警部 ビニールを。この包んだね

 菅家さん はい

 警部 包んだっつか、こういう袋入れたでしょ(◆袋ってそりゃ、ひどい。菅家さんはここでは何も言っていない)

 菅家さん はい

 警部 さらに何かに入れたんじゃないかって聞いてんだよ。何も入れねえのかって、そのビニールしか

 菅家さん ……自分は、なんか、ビニールでして

 【休憩で録音中断】(◆この休憩の間に再度、「教育」をしてきたと思われる)

 警視 万弥ちゃんを捨てに行った時さ、ビニール袋に何を、ビニール袋に何を入れたって?

 菅家さん ……ビニール袋に、子供ですか……

 警視 入れたと

 菅家さん はい

 警視 そのビニール袋は(中身が)分かんねえようにするために、ビニール袋だけで持って来らんねえべ、普通は。何に入れたの?

 菅家さん ビニール袋に入れたのはやはり、ビニールと……しまして

 警視 ビニールと紙……

 菅家さん ……リックですか(小声)(◆言われたことを言っているだけという様子)

 警視 うん、リック。リックちゅうのはさ、どこにあったんだよ

 菅家さん ……確か……この地図

 警部 地図でいうとどこなんだい?(万弥ちゃんがいなくなった)神社はここだぞ

 警視 おめーはリック持って来てねえんか、うん? おめーの家にリックはねえんか?

  【中略】

 警視 よく、記憶をたどって、真実はただ一つなんだから、ほらなあ、菅家よ。で、無理に話を押っつけるってことは、すんだねえぞ

 菅家さん はい

 警視 うん。じゃあ、次さあ、もう一件の、有美ちゃんっての知ってっか?

◆◆引用終了◆◆




【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

7分の2という確率が意味するもの~東京地検の勾留チェックが効かなくなるとき

2010-01-04 16:50:18 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 「7分の2」ってなんだか分かりますか?某有名塾のポスターで四角い頭を丸くするとかいうタイトルで少し変わった入試問題が紹介されていましたが、それに似た感じの問題ですね。

 答えは、1週間のうちの休日(土曜、日曜)の割合です。これと東京地検がどう関係あるかは、一般の方はほとんどご存じないと思います。

 その前に、逮捕、勾留の仕組みを簡単に説明します。

 警察は被疑者を逮捕した後、48時間以内に身柄を検察庁に送らなければならず(いわゆる「ヨンパチ」。送るだけの証拠がないなら釈放)、検察庁は警察から身柄を受けてから24時間以内に勾留(=身柄拘束のこと。この時点では10日間。10日間さらに延長できる)の要否を判断し、必要な場合は24時間以内に裁判所に勾留を請求し、不要であれば釈放しなければならないのです。
 そして、検察庁では、通常、警察から送られた身柄について、担当の検察官を決め、その担当検察官が勾留の要否を判断し、上司の決裁を仰ぐことになります。
 (東京本庁では慣例として、逮捕の翌日に送られて勾留請求がなされ、翌日、裁判所で勾留の要否について判断します。地方では、逮捕の翌々日に検察庁に行った後、裁判所に連れて行かれる)

 で、問題は、土日の休みのときです。東京地検の場合、土日は、担当者制をとらないで、日直担当者が、送られた事件について勾留請求するかどうかを決めます。しかし、基本的に日直担当者にとっては、「他人」の事件ですから、勾留をしないで釈放するという判断をすることが極めてしにくいのです。ですから、金曜日、土曜日に逮捕されて、土曜日や日曜日に検察庁に検察庁に送られた人は、たとえ、少し検察で調べてくれれば、勾留の必要性がないことが分かってもらえるような事案でも、担当ではないことを理由に勾留請求をされてしまうことがあるのです。つまり、本来、警察の捜査の問題点ををチェックすべき検察が、土日には、そのチェック機能を発揮することができにくいのです。

 そうなると、さっき説明したとおり、東京では、検察庁に送られた翌日になってから勾留について裁判所で判断しますから、被疑者は留置場などでもう一泊しなければならないことになります。

 ちょっと考えてみてください。人を理由なく監禁したら大変なことになるはずでしょう(逮捕監禁罪=3か月以上7年未満の懲役)。それは、本来、警察・検察などの捜査機関についても同じことが言えるはずです。

 それにもかかわらず、東京では、検察官の勤務の都合で、不要な一泊が課せられることになりうるのです(個々の検察官の問題ではなく、これは制度や検察官の人数の問題。そして、検察だけの問題ではなく、この問題についてきちんと対処できなかった弁護士会や指摘しなかったマスメディアの問題でもある。また、この記事を読んだあとは、あなたの問題でもあるんですよ~)。

 しかも、問題は、余分な一泊にはとどまらない。裁判所は勾留請求された場合、弁護士がつかなくてきちんとした意見が述べられないと、よほどのことがない限り、勾留請求を認める傾向にあります。したがって、担当検察官が判断すれば、勾留がされないような事件が、土日の場合には、結局、裁判官のチェックもすり抜けて、勾留されてしまうということになりかねないのです。裁判官はその点について一定の考慮をしてくれているのではないかと信じてはいますが、多数の事件を担当するなかでどれだけ丁寧にできるかは心もとない感じもします(ここでも、裁判官の人数の問題があります)。

 つまり、「7分の2」は、天国か地獄かを決める確率でもあるわけですね。

 それから、さらに、恐ろしい話…。警察も「土日問題」を知っているわけだから、危ない事件については、わざと、土曜日、日曜日に検察官に送致するようなスケジュールに持っていく可能性があるってこと。証拠は少々甘いが、つっかまえて口を割らせてやる、っていう意気込みで、7分の2の裏技をつかい、そのまま強引に虚偽自白をさせる…、こういうことが起きているのではないでしょうか。

 そういう意味でも、「7分の2」の制度を変えて、土曜、日曜も担当が出勤できるような人員を東京地検にあててほしい。

 実は、今回の当番弁護でも詳細は書けませんが、改めて同じことを思わされたのです。
 
【補足】
 当番弁護の被疑者は、勾留請求されたものの、裁判所の適切な判断で請求は却下され、無事、外の世界に帰ってくることができましたこの被疑者は外国人でしたが、やっぱり、供述調書が日本語であることについて、「通訳してくれた内容は自分の言ったとおりだったが、本当に日本語でもそうなっているのかは分からない」と話していました。



★冒頭の図はhttp://www.npa.go.jp/syokai/ryuchi/seido.htmlより


【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

当番弁護に行ってきます~ところで、外国人の取り調べで米兵が優遇されてたこと、知っていますか?

2010-01-02 15:28:55 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 当番弁護にまもなく向かいます。多くの方がご存じだと思いますが、逮捕された後、起訴されるまでの間に、弁護士に1回無料で相談できる制度です。費用は無料、というか、弁護士会が負担する。もらう側が出しているわけだから、完全なボランティアだね。こういう社会貢献をしているってことをよく理解してもらわないと、ね。弁護士会は宣伝が下手だから…。

 まあ、東京では、当番弁護のために、控えていても、ゼロ、もしくは1件程度の配点しかないが、地方では5件とか6件とか回ってくるらしい。そうなると、もう一日が当番弁護でつぶれてしまうっていう感じだろう。

 ところで、話は変わりますが、外国人の取り調べをどうするか分かりますか?

 ちょっと、抽象的な質問でしたね。

 当然、通訳が入りますよね。

 通訳を入れた取り調べってどんな感じになされるか、分かりますか?

 で、取り調べに入る前に、この通訳が警察官だったりするんですが、それはご存知ですか?

 そして、そして、取り調べの過程で、何が行われるかは、想像に難くないのだけれど、はっきりしているのは、供述調書は日本語だけで作成されるってことです。

 母国語のバージョンも添付すればいいんだろうけどそこまではしてくれない。

 とすると、どうやって、逮捕された被疑者は、日本語で書かれている供述調書が自分の話したことを正確に記録したものであるかどうか、知ることができるのだろうか。

 あなたが被疑者の立場だったら、どうしますか。

 一所懸命、通訳人に確認しても、通訳人までもが取り調べる側の警察だったら、信用できなくって、署名することなんてできない…てことになりませんか?

 この問題を解決するためには、取り調べを録画・録音するほかないわけです。

 では、米軍は、この問題をどう解決しているか?

 実は、地検にごり押しして、英訳文を添付させているんですね。

 1999年ですから、もう10年以上前に、山口地検岩国支部と長崎地検佐世保支部で、米兵の調書には翻訳文をつけることになっているという特ダネを毎日新聞が次のとおり、すっぱ抜いた。
 
  



 その後、長崎地検佐世保支部では、取り調べ過程をすべて録音していたことが発覚している。自民党政府のもとでは、警察、検察が絶対に導入させなかった全面可視化を米兵には認めていたのだ。

 


 さらに、実は、英訳文を添付するようにとの指示が、全国的なものだったことも毎日新聞がスクープした。

 



 しかも、裁判所内でも特例の扱いだった…というのが、冒頭の記事…。


 しかし、このすさまじい人権侵害ぶりと、属国ぶり、自民党政権ではこれが長らく続いていたのです。いまも、一般の外国人の調書に英文が添付されるっていう話は聞きませんが、米兵の調書はどうなんでしょうね…。


 結局、自民党政権は、日本市民の上に米兵をつくったってとこでしょうか?

 そして、自民党政権のもとで、米兵を優遇してきた検察が、米国と対等な関係を求めている民主党の首脳を徹底的に叩こうとしている…。とっても分かりやすい図式ですね。

 がんばれ、民主党!

 圧力をはねのけ、日米関係の正常化と完全可視化の導入を!


※何人からお問い合わせがありましたが、いつもと同じく、転載、引用は大歓迎です。できれば、転載・引用元も掲載してください。


【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

判例時報「裁判員裁判における評議の進め方」最終回~評議の秘密への疑問

2009-12-14 04:00:13 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 一度、判例時報で連載中の「裁判員裁判における評議の進め方」について取り上げて、この論文の筆者が所属する研究会は、裁判官主導の裁判にすることを研究しているおそれがあるということを書いたことがある。2053号に最終回が掲載された。ようは、論点を結論のどこに関係するのかを示しつつ、分かりやすく説明したうえで、議論を進めようというような感じで、特に誘導的ではないようであり、少し、安心した。

 しかし、問題は、今後、このような「進め方」を磨くにあたって、誘導する技術を磨くものとならないようにすることができるか否かである。裁判官主導で議論が進めば、そういう類の研究になりかねない。

 そこで、市民も参加して広く議論をする必要がある。

 ところが、上記論文では、裁判員の評議は秘密とされているが、それを録音したうえ、「専門家」と「実務家」が制度改良目的で研究する場合には、その録音内容を利用できるようにするべきだと提言している。

 もちろん、評議の秘密はプライバシー侵害予防に限定されるべきであるから、専門家と実務家に開放すること自体は、反対しないが、解放する先を専門家と実務家に限定する必要はない。

 限定して研究した場合、結局、誘導的な評議の進め方を確立する方向で議論が進みかねない。

 すでにうろこは剥がれかかっている。すなわち、量刑についての評議の仕方について、裁判長が語るべき内容として次のようなことが上記論文に掲載されている。

【では、これまで執行猶予についても考えてみましたので、具体的に系の年数を決めていきましょう。過去の殺人と傷害の量刑の分布がありますので、これを参考にしながら、年数を考えてみましょう。グラフの山になっているところが、殺人未遂に科せられた刑に対して最も多い年数ということになります。本件では、こよりも重くすべきと考える事情があるのか、これまでの話し合いを踏まえて考えていきましょう】

 つまり、従前の量刑を基準にすることへの疑問を口にする余地がないような運び方を推奨しているわけだ。

 ぜひ守秘範囲を限定されたい。

 

 
 

【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

宮城刑務所に入る際には友人の住所を裏付ける住民票などを持参しよう~更生させるつもりはあるのか?

2009-11-25 21:06:18 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 とにかく、ひどい話だ。宮城刑務所が面会や手紙の発信(いわゆる外部交通)について、とんでもない制限を加えているという。面会したい人について、事前に氏名などを裏付ける住民票や免許証などのコピーをつけてリストアップしなければならず、リストアップされていない人とは面会できないのだという。事前に免許証などのコピーを提出しろって言われても、じゃぁ、そのコピーをいつ、だれからもらうのか…。

 刑務所っていうのは、社会復帰できるようにする場所でしょう。こうやって隔離ばかりしていたら、社会復帰できるはずがない。「刑務所に入っているおじさんから手紙が来たよ」「どれどれ、彼も頑張ってるみたいだね」なんて、会話が外の世界で普通になされるようにならないと、社会復帰したくても受け入れ先がなく、結局、刑務所で知り合った受刑仲間だけが友人になり、結局、再犯をしてしまう…そりゃ、仕方ないよ。

 監獄人権センター通信61号によると、宮城刑務所の外部交通に関する独自の規制は次のようなものだという。

①「面会・発受信相手先」を親族30名以内、親族外30名以内に限って、住所・氏名・生年月日を明記して届け出させる。

②「面会・発受信相手先」として届け出た相手について、住所・氏名・生年月日を証明する「疎明資料」(住民票、運転免許証、健康保険証のコピーなど)を予め受刑者から提出させる。

③親族についてはこの他に親族関係を証明する「疎明資料」を提出させる。

④届け出ていない相手については、面会は原則として許可しない。

⑤届け出ていない相手への発信は事前に提出してそのつど許可を受ける。

⑥届け出ていない相手からの受信は審査に時間がかかる。


 ねっ、事前に住民票などのコピーをもらっておかないと、面会に来てもらうことすらできないわけだ。

 その住民票をもらおうと思って手紙を出そうとしても、許可を受けなければならないから、許可の運用によっては、手紙すら出せないかもしれない。そうなると、結局、面会は不可能ということになる。

 できるだけ多くの家族、友人、知人と面会したり、文通をしたりすることでこそ、出所後の基盤ができるはずだ。それを限定すれば、出所後の基盤を失い、更生する機会を失ってしまうだろう。

 確かに、刑事収容者処遇規則上、面会や手紙の相手の氏名などを証明する資料の提出を求めることができるとは決められているが、一律に求めることができるのではない。「必要性があると認めるとき」に限定されている。

 宮城刑務所のこの制限は、日本の刑務所が社会復帰を実現するためのものではないことを表す端的な例だと思いませんか。

 なんとかしなきゃっと思ったあなた、受刑者との文通運動に参加してみませんか?

 監獄人権センターでは、受刑者からの相談にアドバイスする活動のほかに、ボランティアと被拘禁者(受刑者と裁判中の人)との文通を仲介するシェイク・ハンズ・プロジェクトを実施しているという。トラブル防止のため、必ず監獄人権センターを通して文通をしているので、安心して参加できるらしい。

→ http://www.caresapo.jp/fukushi/blog/akiyama/2009/08/post_15.html
→ http://www.tokyovolunteer.com/program/detail.php?id=20  


※参考条文:刑事収容者処遇規則

(面会の相手方の届出)
第六十六条  刑事施設の長は、受刑者及び死刑確定者に対し、面会の申出をすることが予想される者について、次に掲げる事項を届け出るよう求めることができる。
一  氏名、生年月日、住所及び職業
二  自己との関係
三  予想される面会の目的
四  その他刑事施設の長が必要と認める事項
2  刑事施設の長は、前項の場合において、必要があると認めるときは、受刑者及び死刑確定者に対し、同項各号に掲げる事項を証明する書類その他の物件の提出又は提示を求めることができる。

(面会の申出書の提出)
第六十七条  刑事施設の長は、被収容者との面会の申出をする者に対し、次の各号(受刑者及び死刑確定者以外の被収容者との面会の場合にあっては、第一号及び第二号に限る。次項において同じ。)に掲げる事項を記載した申出書の提出を求めることができる。
一  氏名、生年月日、住所及び職業
二  面会を希望する被収容者の氏名及びその者との関係
三  面会の目的
2  刑事施設の長は、前項の場合において、必要があると認めるときは、被収容者との面会の申出をする者に対し、同項各号に掲げる事項を証明する書類その他の物件の提出又は提示を求めることができる。



【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

裁判員制度施行後半年目前~NPJ動画ニュースでのネット討論はいかに現実化したか…

2009-11-22 07:28:49 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 裁判員が施行されて半年が経とうとしているいま、ある程度、問題が明らかになってきたような感じもする。そこで、ここらで裁判員が始まる前の議論を見返してみるのもいいかもしれない。

 NPJ動画ニュース用に収録し、諸般の事情でアップが遅れていた裁判員ネット討論で簡単におさらいしてはいかがでしょうか?連休のうちの1時間ほどを、賛成派、反対派、是々非々派の語りに耳を傾けてみてください。


【賛成派・宮村啓太弁護士】


その2:http://www.youtube.com/watch?v=NLJ6HzdQjQs

その3:http://www.youtube.com/watch?v=8VG3ZdSad2A

その4:http://www.youtube.com/watch?v=fb4I2Iehy4Q

その5:http://www.youtube.com/watch?v=3hZD9VCvnJ8

その6:http://www.youtube.com/watch?v=LPBa1tY449s


【反対派・米倉勉弁護士】


その2:http://www.youtube.com/watch?v=p8EL5z-G-cM

その3:http://www.youtube.com/watch?v=oZBz3l6WEac

その4:http://www.youtube.com/watch?v=KO5VVO8fNNk

その5:http://www.youtube.com/watch?v=6x149XoKg3M

その6:http://www.youtube.com/watch?v=6x149XoKg3M

その7:http://www.youtube.com/watch?v=bli5wbFyV_w


【是々非々派・坂井眞弁護士】


その2:http://www.youtube.com/watch?v=YMlV_RXe5qY

その3:http://www.youtube.com/watch?v=Ph1hGWV4BlE

その4:http://www.youtube.com/watch?v=RP7eMmtfMqg

その5:http://www.youtube.com/watch?v=epig918yEJ0

その6:http://www.youtube.com/watch?v=_EO9jx1j_gw

その7:http://www.youtube.com/watch?v=338jN1PnUfU

その8:http://www.youtube.com/watch?v=vxrtX1hXiAE


【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

裁判員裁判を担当することになりました。何かあったらご支援を!

2009-11-17 15:58:17 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 現時点では、経過や事件の概要については触れることができないが、裁判員裁判を担当することになった。もともと、制度そのものには賛成できないところも多いが、担当する以上は、できることはしたいと考えている。

 今後、手続きの進行次第で、「こりゃぁ、ひどい~。あちこちに知らせてくださ~い」などとお願いすることもあるかと思う。その折にはぜひ、ご支援を!



【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

評議での議論に問題があるとして強引な評議設計が正当化される?~判例時報2050号

2009-10-25 22:24:30 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 判例時報2050号(10月21日号)に、「評議設計はなぜ必要なのか―評議の課題と設計の方法」という論文が掲載されている。この論文は、「裁判員裁判におけるコミュニケーション・デザインの学際的研究会」の成果を発表するもので、法曹三者が実施した模擬裁判や独自に行った模擬評議などの結果を分析し、評議を円滑に行うための一定の指針を示そうというものだ(3回シリーズなので、指針は最終回に掲載される)。

 第1回目の2050号掲載の論文では、
裁判員制度における評議(後ろに引っ込んで検討し判決を導く議論)の問題点として次の6点を指摘している。

①事件の経過が把握されていない
②事件の経過と争点が整理されていない
③争点と意見が関連付けられない
④各人がバラバラに意見を出し議論が深まらない
⑤議論が蒸し返される
⑥結論とそれまでの議論が結びつかない

 う~ん、衝撃の吐露…。こんなにたくさんの問題、しかも結論を導く上で相当重要な問題を抱えた裁判員裁判によって人生を決められてしまうなんて…。しかも、普通の裁判を選ぶこともできないなんて…。

 研究会で検討の材料とされたのが、事後強盗という非常に争点が多数あり、かつ、それぞれが難しい犯罪だからよけいなのかもしれないが、実際に事後強盗で起訴される人も相当数いるわけだから、ほとんどの犯罪は争点そのものはそんなに難しくはないから…、なんて言っても仕方がない。

 ただし、ここで問題としたいのは、「だから、裁判員制度という制度の在り方を見直すべきだ」という方向にはいかず、「だから、評議の場を裁判長が仕切るべきだ」という方向にいくことが予定されていることだ。

 制度的な欠陥が「素人に任せると、全然、まとまらないから、裁判員の拘束時間を短くするためにも誘導が必要だ」などと裁判官主導評議の理由付けに使われ、さらに問題が悪化するのでは、たまらない。
 
 
 特に⑤を問題視する姿勢は重大な問題だ。

 なぜなら、慣れない裁判員が「さっきは、この点について、みんなと同じだと意見を述べたけど、本当は、やっぱり違うと思う。さっきは、みんなと違うと思う理由を言うことが恥ずかしくてできなかったけど、少し慣れてきたから話せそうだ」と思ったり、「さっきのところはやっぱり違うと思えてきた」なんて考えたりすることはよくあると思われるにもかかわらず、「蒸し返し」が禁止されたら、貴重な見解を検討する機会が失われてしまうからだ。

 研究会が指摘する例でも、蒸し返す際、次のとおり、明らかに裁判員が緊張しており、蒸し返しを提案することに勇気が必要なことが分かる。

 「だけれども、彼の証言の中には、えー、なぜ、一度はもらったものを、な、『なんでそんなことを言うんだ』っていうような、ひょう、しょう、証言はあったと思うんですけど、「取り返させたくない」っていう証言はなかったと思うんですけれども、」

 このように緊張している裁判員に、いったん決まったことはもう議論とはしません…、と言ってしまえば、簡単に委縮してしまい、貴重な意見が抹殺されてしまうだろう。こんな強権的な議事進行がなされることにだけはならないようにしてほしいもんだ。

 しかし、この論文は、⑤について、「このように議論が蒸し返されてしまうと、議論がなかなか前に進まなくなり、十分に議論を深めることができないまま、評議が時間切れとなってしまう」と評価しており、強権的な指揮が推奨される恐れがある。

 問題は、判決の予定まで決めてしまうような制度となっていることだろう。結論がでなければ、1週間でも、1か月でも評議をしなければならない。そうしてこそ、議論が深まるのではないだろうか。

 今後掲載される論文が、審理を尽くすことを防ぐようなものにならないように、注視したいと思う。

※イラストは http://www.courts.go.jp/okayama/about/koho/4_5_okayama_forum_kekka.html より。
 


【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

ハンセン病患者を救えなかった反省は本物か~弁護士会の刑事手続き改善への姿勢を問う

2009-10-07 16:19:53 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 午前中、ハンセン病の患者が収容されていた全生園(現多摩全生園)の国立ハンセン病資料館で、元患者の方の話を聞いた。完治させる薬が昭和24年に国内で使用されるようになったにもかかわらず、その後も隔離、断種(パイプカット)などが続けられた。その中で暮らした方の話は耳をふさぎたくなるようなつらいものだった。

 患者は早い時期から、隔離などの廃止を求める声を上げており、弁護士にもさまざまな形で働きかけがあったようだが、弁護士はそれらの声にこたえることが十分にできず、らい予防法廃止まで(もちろん、その後も悲惨な状況は続いたが)、明らかな人権侵害状況が続いた。
 その後、弁護士会は弁護士が十分な役割を果たすことができなかったことを反省し、ハンセン病への偏見をなくすための活動などを行っている。

 しかし、ハンセン病での反省は、ハンセン病あるいは特定の感染症への取り組みに向けられることで自己満足していて良いとは思えない。われわれ法律家は、日々の業務のなかで、刑事手続き上の人権侵害システムによって、苦しむ多くの方々の声に接している。取調べの可視化、捜査側証拠の弁護側への全面開示などは、ハンセン病に例えるならば、隔離政策から開放政策への脱却と同視できよう。被疑者・被告人という世間の偏見を受ける立場の人が、警察官に脅されたりして虚偽の自白をさせられたり、検察官が無罪を裏付けるような証拠を隠してしまうことによって、正当な権利を行使できない状況は、まさにハンセン病患者が置かれた状況に似ている。

 われわれ弁護士は、ハンセン病患者の啓発パンフレットをつくることと同時に、取調べの可視化や捜査側情報の弁護側のへの全面開示など国際スタンダードとなっている手続きを導入することに真剣に取り組まなければならないのではないか。
 いや、もっと、はっきり言えば、本当にハンセン病に対する取り組みが遅れてしまったことを反省しているならば、一日でも、いや一刻でも早く、取調べの可視化や捜査情報の弁護側への全面開示を実現することに取り組むはずだ。

 ハンセン病については、すべての弁護士がその実態を認識していなかったという言い訳ができる。
 しかし、刑事手続きが非民主的であり、それゆえ、無実の人に有罪判決が下されている実態についてはすべての弁護士が知っているはずだ。言い訳はできない。
 弁護士会が本気で政府に働きかければ(例えば、国選弁護ボイコットなど死に物狂いの方法)、政府も応じざるを得ない。そのこともみんな分かっていはずだ。

 ハンセン病に関する取り組みが遅れたことについて、弁護士会は反省の声明を発表した。 刑事手続きにおける人権侵害について、弁護士会はどう責任をとるつもりなのか?



【応援中】


【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

日本の証拠開示は張りぼてか?~グリーンピース「横領」鯨肉「窃取」事件で問われる日本の裁判制度

2009-10-06 08:02:39 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 昨日、東京地裁の司法記者クラブで、【グリーンピース・ジャパン職員による調査捕鯨肉持ち出し事件で弁護側が特別抗告】(FNN)したことについて、記者会見をした。この件について、FNNは、【「グリーンピース・ジャパン」の職員らが調査捕鯨の肉を持ち出した事件をめぐり、調査船の乗組員に対する捜査書類の開示が認められなかったのを不服として、弁護側が特別抗告した。
 佐藤潤一被告は「わたしが訴えたいのは、公平な裁判にしてほしいということ」と話した。
 この事件では、調査捕鯨船「日新丸」の乗組員が自宅に送ったクジラの肉を配送所から盗んだとして、「グリーンピース・ジャパン」の職員2人が逮捕・起訴されている。
 弁護側は「乗組員の横領を告発するためだった」として、審理前に証拠などを絞り込む「公判前整理手続」において、乗組員の供述調書などの証拠書類を開示するよう求めたが、青森地裁は不開示を決定し、仙台高裁も抗告を棄却していた。
弁護側は、証拠の不開示は、憲法や国際人権規約で保障された被告が公平な裁判を受ける権利に違反するなどとして、5日、特別抗告した。 】と伝えてくれた。

 ほかのメディアもいくつか取り上げてくれている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aomori/news/20091006-OYT8T00103.htm

http://www.mbs.jp/news/jnn_4251240_zen.shtml

http://www.mutusinpou.co.jp/news/2009/10/8464.html

しかし、やはり、ストレートニュースではこの問題の重要性は届きにくい。補足するために、特別抗告理由書の一部を紹介する。

 その前に、少し事件の復習をしておくと、グリーンピースの二人が捕鯨船の船員Aが自宅に送ろうとしていた鯨肉を宅配途中で取得し、これが窃盗罪などで起訴された。他方、Aを含む船員は、業務上横領罪で告発されたが、Aはグリーンピースの二人が確保した箱に入った鯨肉は、お土産として正規にもらった肉をほかの人からももらって集めたものだと説明した。当初、Aは一人のみから肉をもらっていたと述べていたが、のちに4人だと訂正している。Aの供述調書、4人の供述調書は一部証拠開示されているが、最高裁でも認められている警察官が取り調べ時に作成するメモは全く開示されていない。また、調書のうち、グリーンピースの二人が確保した箱に入っていた肉についいての説明は開示されているが、では、ほかの4人の自分たちのもらった鯨肉のすべての処分方法などは全く開示されていない。つまり、箱に入った鯨肉に関する供述が正しいかどうかをチェックするための関連情報が開示されず、マスキングされた状態で開示されたのである。

以下、特別抗告申立書の一部を引用します。


【第1 何が争点であり、証拠が開示されなければどのような裁判が行われることとなるのか
 本件特別抗告事件において、弁護人が開示を求めている証拠は、弁護人側が基本事件である窃盗被告事件(以下、「本件窃盗被告事件」という)において、主張する予定である「本件窃盗被告事件の被害品とされる鯨肉(以下「本件鯨肉」という)が、所有者であると主張するA●●●によって横領されたものであること(以下「本件鯨肉が横領された事実」という)」を立証するために不可欠なA●●●自身の供述、A●●●に本件鯨肉を譲り渡した船員の供述、横領されたと思われる鯨肉を発送するとりまとめをした船員の供述及び検察官が証人尋問を請求している船舶会社の従業員の供述が記された書類である。
 なお、それらの証拠が、弁護人の各主張、すなわち、①国際人権法に基づく主張と関連する理由(即時抗告申立書第3)、②刑法上の正当行為についての主張に関連する理由(同第4)、③憲法21条に基づく主張に関連する理由(同第5)、④被告人らの量刑に関する主張に関連する理由(同第7)に関連することは、即時抗告申立書に詳述したが、少なくとも、仙台高裁は、関連性を否定することはできなかったのであり、開示の必要性はもはや否定できないことに触れておく。
 そして、それらの書類には、当然ながら、上述したA●●●らが警察などの取り調べに対して何を話しているかが記載されているが、公判に臨むにあたって、当然ながら、検察官はそれらの書類を事前に閲覧し、どのような事実が記載されているかを把握することができる。これも当然ながら、検察官は、本件鯨肉を横領された事実を立証しようとはしていない。
 しかしながら、本件鯨肉が横領された事実を立証しようとしている弁護人は、上述したA●●●らが警察などの取り調べに対して、どのような話をしたのか、その全貌を知りえないまま、公判に臨まなければならないこととなる。これらの証拠を利用すれば、どのような事実が立証可能であるかを最もよく知るものは、検察官でも、裁判所でもなく、弁護人であり、被告人であるにもかかわらず。
 他方、本件窃盗被告事件を審理する裁判体は、弁護人側が開示を請求している証拠を検察官に提示させて既に閲覧している。
 公判廷の参加者で、本件鯨肉が横領された事実を立証しようとしている弁護人及び被告人のみが、A●●●らが警察の取り調べに対して何を話したかの全貌を知らされないまま、立証活動を行わなければならないのである。これでは、弁護人は、一人前の訴訟当事者として取り扱われておらず、このような尋問を遂行しなければならないことは、弁護人にとって屈辱というほかない。

第2 最高裁は弁護人に究極の屈辱を耐えよというのか
 はっきりと具体的に述べることにする。
 弁護人は、すでに青森地裁が認めている裁判の争点を立証するために本件鯨肉が横領されたとの主張を予定している。本件鯨肉が横領された事実を立証するためには、まず、A●●●や鯨肉を渡したとされる船員らの尋問を実現しなければならない。そのためには、まず、尋問の必要性について裁判所を説得しなければならない。すなわち、A●●●らが主張している本件鯨肉は船舶会社からのお土産にすぎなかったという事実が誤りであることが立証されうることを一定程度裁判所に納得させなければならない。そして、そのためには、A●●●らが警察の取り調べの初期の段階から最後の段階までに述べた供述内容を詳細に分析して、供述内容に矛盾があることを指摘する必要がある。そうしなければ、裁判所は、A●●●らが述べている供述を覆す可能性はないとして、A●●●らの尋問そのものを認めないだろう。つまり、裁判所は弁護人が分析したいと主張しているA●●●らの供述内容の開示を制限したうえで、弁護人らの分析内容が不十分だとして、尋問すら認めないということになる。裁判所は無謬の「神」なのだろうか。もし、そうだとしたら、なぜ、民主主義が発達した諸外国で当事者対等主義が採用され、検察官手持ち証拠の全面開示が原則とされているのであろうか。
 仮に、A●●●らが証人として採用されたとしても、弁護人は、A●●●らの供述の全貌を知りえないままに、尋問を遂行しなければならない。取り調べ時期が違うことによる供述の変遷、特に他の4名のA●に鯨肉を譲渡したとされる者たちの供述内容との整合性などを分析することができない。そのような分析ができないまま、公判廷に臨んだとして、弁護人は何ほどの証言を引き出すことができるだろうか。A●●●らは変遷を経た結果の相互に矛盾しない証言を繰り返すだけであろう。
 これでは、弁護人は、裁判所と検察官は既に台本を読んでいる筋書きのドラマを、台本を見せられないままに演じさせられていることとなる。私たち弁護人は、そのようなドラマの舞台に立つことは法律専門家として最高の屈辱であると考える。これまで多くの弁護人が耐え忍んだ屈辱ではあるが、私たちはその屈辱に耐えようとは思わない。

第3 今こそ、昭和44年4月25日最高裁第2小法廷決定を見直せ
 昭和44年4月25日最高裁第2小法廷決定(刑集23巻4号)は、周知のように、次のように判示して、裁判所の訴訟指揮権に基づく証拠開示命令を肯定した。
 「裁判所は、その訴訟上の地位にかんがみ、法規の明文ないし訴訟の基本構造に反しない限り、適切な裁量により公正な訴訟指揮を行い、訴訟の合目的的進行を図るべき権限と職責を有するものであるから、本件のように証拠調の段階に入った後、弁護人から具体的必要性を示して、一定の証拠を弁護人に閲覧させるよう検察官に命ぜられたい旨の申出がなされた場合、事案の性質、審理の状況、閲覧を求める証拠の種類および内容、閲覧の時期、程度および方法、その他諸般の事情を勘案し、その閲覧が被告人の防禦のために特に重要であり、かつ、これにより罪証隠滅、証人威迫等の弊害を招来するおそれがなく、相当とみとめるときは、その訴訟指揮権に基づき、検察官に対し、その所持する証拠を弁護人に閲覧させるよう命ずることができるものと解すべきである(250ページ)。」
 同決定から既に40年の歳月が経過した。
 この間には、公判前整理手続きに付された事件についてだけ、部分的な証拠開示制度が設けられた。 
 しかし、公判前整理事件についてのみ、このような制度が法定され、他の事件については、このような時代遅れの最高裁判決が維持されているという法制に、実質的な制度的な根拠があるとは思われない。
 新政権のもとで、緊急課題とされている取調の全面可視化と並んで全面的証拠開示が重要な政策課題となってきている。最高裁が来るべき刑事司法制度改革の指針となる骨太の証拠開示制度に関する新たな見識を示すべき時期が来ている。
 本件におけるように、訴訟上の重要な争点に関する敵性証人が、その証言の根拠として一定の文書や証拠物にほぼ全面的に依拠して証言する場合、反対尋問をする弁護人が十分な尋問を行い、証言の信憑性について適正なテストをするためには、少なくともその証人の供述が録取された調書やその作成のためのメモ、その証言の信用性に関わる証拠について弁護人がアクセスできなければ、被告人の防御権が全うできないことは明らかである。
 新たな立法がなくとも、裁判所はあらゆる事件について、弁護人の要求に応じて争点に関連するすべての証拠について証拠開示命令を発する権限と責務を負うと言うべきである。このようにしてはじめて、自由権規約14条1項、3項の保障する当事者の対等、弁護活動のための「十分な」「便宜」を保障し、憲法37条2項の保障する十分な証人審問権が実効性を持ちうるのである。このような制度は、真実の発見という刑事裁判の目的に奉仕することはあっても、何らの弊害を生ずるものではない。

第4 もし証拠開示を否定して公判審理を強行すれば、日本の刑事司法の国際的権威は地に墜ちるであろう
(略)

第5 本件は自由権規約委員会への最初の通報事件となるかも知れない
 9月18日に政権が交代し、あらたに就任された千葉景子法務大臣は、初閣議の会見において、自由権規約の選択議定書の批准を進めることを明言された。同議定書が批准されるのは時間の問題となっている。
 本件の本案裁判の確定前に自由権選択議定書が批准され、日本の国内の裁判所が自由権規約の求める人権基準に達しない判断をした場合には、被告人らは自由権規約委員会に通報することとなるだろう。
 自由権規約委員会は、すでに一般的意見、各国に対する総括所見、他の通報事案についての見解において、いずれも争点に関連するすべての検察官手持ち証拠を開示するよう勧告していることは、「第3章 第1」において、詳述するとおりである。
 本件においても、証拠開示が認められなかったことが規約違反として強く指弾されることであろう。そして、その非難は国際的な常識に沿った正当であることが、今回、本件をつぶさに検討されたデレク・ホルフォーフ教授やウィリアム・シャバス教授ら国際的な権威によって解説され、全世界に数百万人の会員を擁するグリーンピース・インターナショナルの国際的な組織によって広く伝えられることになるのである。
 自由権規約委員会は、いまから約17年前の1993年から「弁護人は、弁護の準備を可能とする警察記録にあるすべての関係資料にアクセスする権利を有していない。」ことを指摘している(1998年と2008年の勧告については後述する)。
 この勧告から既に17年が経過した。日本は後述するように、2004年刑事訴訟法改正の後にもわが国の証拠開示制度が自由権規約14条3項(b)を満たしていないとの勧告を受けている。本件のように弁護側が被告人にとって有利な事実を立証するために必要不可欠な証拠を、開示による特段の不利益について全く説明しないままに開示しないことを、自由権規約委員会が認めるはずがない。
 隣国韓国では、軍事政権から民主政権へと移行し、死刑の執行を停止し、政府から独立した国内人権機関を設立し、自由権規約の求める人権基準に到達し、ついには国連事務総長を輩出するに至った。本件のような国際的な関心を集めている事案について、極めて重要な証拠が開示されないままに公判手続が強行されれば、わが国は人権後進国との決定的なレッテルを貼られ、日本の有望な人材が国連などの国際舞台で活躍する機会さえ奪われてしまうことだろう。最高裁は世界の刑事司法の動向に目を見開き、誤りのない判断に到達して欲しい。世界は日本の最高裁判所の判断に固唾を呑んで注目している。】



【応援中】


【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

10月5日、人権の世界標準を知ろう~セミナー「拷問等禁止条約選択議定書と国内人権機関の役割」  

2009-10-02 05:47:54 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 日本で拷問なんかあるのか~、と思ったあなた、世界標準からみれば、日本の警察の取り調べは、イコール拷問です。拷問禁止委員会は、次のような勧告を出しています。

【委員会は、被逮捕者が裁判所に引致された後ですら、起訴に至るまで、長期間勾留するために、代用監獄が広くかつ組織的に利用されていることに深刻な懸念を有する。これは、被拘禁者の勾留及び取調べに対する手続的保障が不十分であることとあいまって、被拘禁者の権利に対する侵害の危険性を高めるものであり、事実上、無罪推定の原則、黙秘権及び防御権を尊重しないこととなり得るものである。特に、委員会は以下の点について深刻な懸念を有する。

a) 捜査期間中、起訴にいたるまで、とりわけ捜査の中でも取調べの局面において、拘置所に代えて警察の施設に拘禁されている者の数が異常に多いこと

b) 捜査と拘禁の機能が不十分にしか分離されておらず、そのために捜査官は被拘禁者の護送業務に従事することがあり、終了後には、それらの被拘禁者の捜査を担当し得ること

c) 警察留置場は長期間の勾留のための使用には適しておらず、警察で拘禁された者に対する適切かつ迅速な医療が欠如していること、

d) 警察留置場における未決拘禁期間が、一件につき起訴までに23日間にも及ぶこと

e) 裁判所による勾留状の発付率の異常な高さにみられるように、警察留置場における未決拘禁に対する裁判所による効果的な司法的コントロール及び審査が欠如していること

f) 起訴前の保釈制度が存在しないこと

g) 被疑罪名と関係なく、すべての被疑者に対する起訴前の国選弁護制度が存在せず、現状では重大事件に限られていること

h) 未決拘禁中の被拘禁者の弁護人へのアクセスが制限され、とりわけ、検察官が被疑者と弁護人との接見について特定の日時を指定する恣意的権限をもち、取調べ中における弁護人の不在をもたらしていること

i) 弁護人は、警察保有記録のうち、すべての関連資料に対するアクセスが制限されており、とりわけ、検察官が、起訴時点においていかなる証拠を開示すべきか決定する権限を有していること

j) 警察留置場に収容された被拘禁者にとって利用可能な、独立かつ効果的な査察と不服申立ての仕組みが欠如していること

k) 刑事施設では廃止されたのと対照的に、警察拘禁施設において、防声具が使用されていること】

民主党政権によって、人権後進国の汚名が返上されることを期待したいですよね~。

そのためのステップとして、10月5日、セミナー「拷問等禁止条約選択議定書と国内人権機関の役割」が予定されています。

【本セミナーでは拘禁施設の定期的な訪問のための国際機関である拷問防止小委員会と国内拷問防止メカニズムの協同システムの構築を求める拷問等禁止条約の選択議定書について、その意義、仕組み、わが国がこの議定書を批准するために克服しなければならない課題を整理し、この議定書の批准が現実的な政策課題となるための具体的な方策を皆さんと共に模索します。この議定書は2002年採択2006年発効の新しい議定書で、既に46ヶ国が批准しています。

諸外国の先例では国連パリ原則に基づき設立される国内人権機関が同選択議定書の国内防止メカニズムの中核として有効に機能しており、アジア地域で同議定書の批准を目指している韓国・フィリピンの状況も伺います。今回は、この課題について議論するため、海外からベストの専門家の方々をお招きしました。奮ってご参加ください!】

2009年10月5日(月)13:00~19:00

場所 弁護士会館 2階講堂クレオ
(千代田区霞が関1-1-3 地下鉄丸の内線・日比谷線・千代田線 「霞ヶ関駅」B1-b出口直結)(会場地図)

講演予定者
●シルヴィア・カサレ 氏 Ms. Silvia Casale(国連拷問防止小委員会委員長)
●マーク・トムソン 氏 Mr. Mark Thomson(拷問防止協会(APT)事務局長)
●レイラ・M・デ・リマ 氏 Ms. Leila M. De Lima(フィリピン国家人権委員会委員長)
●アン・ギョンファン 氏 Mr. Ahn Kyong-Whan(韓国国家人権委員会前委員長)
●キーレン・フィッツパトリック 氏 Mr. Kieren Fitzpatrick (アジア太平洋国内人権機関フォーラム(APF)ディレクター)
●田原裕之 氏 Mr. Hiroyuki Tahara(名古屋刑務所視察委員・日弁連刑事拘禁制度改革実現本部事務局長代行



参加費等 無料(※要事前申込)→申込書:http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/data/091005.pdf

問合せ先:日本弁護士連合会 法制部法制第二課
TEL:03-3580-9925 / FAX:03-3580-9920

内容 スピーカー(予定)
シルヴィア・カサレ 氏 Ms. Silvia Casale(国連拷問防止小委員会委員長)
マーク・トムソン 氏 Mr. Mark Thomson(拷問防止協会(APT)事務局長)
レイラ・M・デ・リマ 氏 Ms. Leila M. De Lima(フィリピン国家人権委員会委員長)
アン・ギョンファン 氏 Mr. Ahn Kyong-Whan(韓国国家人権委員会前委員長)
キーレン・フィッツパトリック 氏 Mr. Kieren Fitzpatrick (アジア太平洋国内人権機関フォーラム(APF)ディレクター)
田原裕之 氏 Mr. Hiroyuki Tahara(名古屋刑務所視察委員・日弁連刑事拘禁制度改革実現本部事務局長代行





【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

最高裁が秘密警察国家への道を許容!~信じがたい判断に呆然、そして激しく怒!

2009-08-13 23:47:49 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 今日、机の上を整理していて、少し前の最高裁判決がでてきた。いや~、久しぶりに最高裁の判決で驚かせていただきました。まさに、時代錯誤も甚だしい!

 法務省から警察庁に出所情報が提供される制度の運用をめぐり、対象となる罪名などの公開を弁護士が新潟県に求めた訴訟の判決で、最高裁第1小法廷が7月9日に下したもの。一審、二審は、非公開とした県の処分を取り消していたが、最高裁はそれを破棄、弁護士の請求を棄却した。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090710090023.pdf

  出所情報提供制度については、2005年に開始されたが、その際、警察庁は通達「凶悪重大犯罪などに係る出所情報の活用について」を全国の警察本部に発していた。争点は、この通達に記載された対象罪名を公開すると、新潟県条例で規定された「公開すると捜査に支障を及ぼす」ことになるか否かだった。及ぼすとするならば、非公開を認めることとなる。

 東京高裁は、

(1)本件通達に基づく出所情報活用の制度の対象が二十数罪種に及び,対象者は出所者全体の8割程度の数になること,すなわち,出所者の大部分が上記制度の対象にされていることは,報道等により公表されているのであるから,重い犯罪を犯して刑に服したという自覚のある者は,「出所者の入所罪名」及び「出所者の出所事由の種別」に係る情報が公にされるのを待つまでもなく,自分がこの制度の対象とされていることを当然に認識し又は認識し得る状況にあるものと考えるのが自然である。そうすると,上記情報が公にされることによって初めて,重い犯罪を犯して刑に服したという自覚のある出所者が警察への対抗措置を講ずることになるとは認め難い。

(2) 本件文書のうち「出所情報ファイルの有効活用」に係る情報の記録された部分は,わずか3行程度にすぎず,本件通達が警察内部の運用指針を示したものであり,個別具体的な犯罪の捜査に関するものではないことを考慮すると,上記情報に,これを公開すると犯罪の捜査等に支障を及ぼすおそれのある内容が含まれていると考えることは困難である

として、非公開を認めなかった。

 つまり、重罪と思われる犯罪で受刑した者は、出所情報に掲載されていることはほとんどわかっているから、いまさら、罪名を明らかにしたとて支障はない、ということで、至極当然のことだ。

 これに対し、最高裁は、

(1)「出所者の入所罪名」及び「出所者の出所事由の種別」に係る情報が公にされた場合には,出所者は,自分が出所情報ファイルの記録対象となり出所情報の活用の対象とされるかどうかなどについて,単なる推測にとどまらず,より確実な判別をすることが可能になるということができる。

(2)さらに,前記事実関係等によれば,本件通達は,提供された出所情報を犯罪捜査に利用することとし,その有効活用等を図ることを求めるものであるから,「出所情報ファイルの有効活用」に係る情報を公にすることは,一定の限度においてではあるとしても,出所情報ファイルを活用した捜査の方法を明かす結果を招くものといわざるを得ない。

(3)そして,犯罪を企てている出所者が,自分が出所情報ファイルの記録対象となっていることなどを確実に知った場合には,上記の入所罪名等の情報が広く送付されていることをも知ることとなって,より周到に犯罪を計画し,より細心の注意を払ってそれを実行しようとする可能性を否定することはできない。また,犯罪を企てている出所者が,その出所情報を活用した捜査の方法をその一端でも知ったときは,その方法の裏をかくような対抗策に出る可能性があることも否めない。

として、罪名などの情報を公にすると犯罪の捜査等に支障を及ぼすとして、非公開を認めた。

 アンビリーバボー!

 ええか、警察は、われわれの税金で出所者情報を管理しているんやでぇ!そしたら、どういう情報を管理しているかを知るのは当然やろ。もしかしたら、重罪なんていいつつ、軽犯罪まで管理して無駄な税金を使っているかも知れんやろ!油断したら、すぐに予算を拡大し、天下り先をつくるんやから。

 それに、そもそも、出所者側かて、自分の出所情報が警察に管理されているのか、どうかを知る権利くらいある!もう刑務所で罪を償ったんやから、本来は通常人と同じ扱いのはずや。それにもかかわらず、情報を管理されているんやから、どういう情報なのか、自分が管理されているのか、ぐらい教えたるのが、当然や!

 え~、【犯罪を企てている出所者が,自分が出所情報ファイルの記録対象となっていることなどを確実に知った場合には,上記の入所罪名等の情報が広く送付されていることをも知ることとなって,より周到に犯罪を計画し,より細心の注意を払ってそれを実行しようとする可能性を否定することはできない】やて!

 ドあほ!出所者は犯罪予備軍か!裁判所が刑務所に被告人を送るのは、更生を図るためやろが!そしたら、出所者を犯罪予備軍扱いすんな!

 犯罪を企てている者を全部管理しなきゃいかんなら、盛りのついた若もんは、全部●◎に勃起探知機でもつけさせろ、っての。ほんまにアホか!

 なんでもかんでも警察のことを秘密にしよったら、そのうち日本はゲシュタポ国家や!

★画像は、子ども対象・暴力的性犯罪に係る受刑者の場合にいかなる情報が収集されているかを示すものだ。これだけの情報が開示されているのに…。 




【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

消費者庁消費者委員会に住田弁護士は就任するのか?~ちょっと信じられない

2009-08-12 05:21:29 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 法律家にとって「手続きが適正に行われなければならない」ということは大原則であり、手続きが守られることによってこそ、権利が守られると考えている。手続きが簡略化されたり、変更されることによって、弱者が不利益を被ることになるからだ。

 なので、共同通信の【政府は11日午前の閣議で、9月1日に消費者庁を発足させることを正式に決定した。これまで経済産業、農水など各省にまたがっていた消費者行政を一元的に担うもので、有識者の監視機関「消費者委員会」も同時に設立。初代長官には内田俊一元内閣府事務次官、消費者委員会委員長には弁護士の住田裕子氏が就任する。】(http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009081101000306.html)というニュースには驚かされた。

 住田弁護士が消費者庁消費者委員会の委員長に就任するということが9月1日前に決まっているということが堂々と報道されている!

 委員長は、委員の互選で選任されると決まっている。9月1日前、すなわち、委員が選ばれてもいないのに、委員長が決まるなんてどう考えても手続き違反だ。

 それを弁護士が、しかも、テレビに露出し、影響力を有する弁護士が受けたのでは、もはや、手続きの公正さなんて、どうでもいいってことになる。

 しかも、事前に住田弁護士を委員長にすることを了解している委員=政府の言うことを聞く委員=が過半数を占めるということになるのだから、もはや、「監視機関」なんていえるだけの機能は有していないということを公言するようなもんだ。

 さらに、これがメディアで堂々と報道される。メディアは、手続きの公正さについてどう考えているのか?

 NHKの経営委員長に富士フィルムの社長が選ばれたときもメディアは、手続きの問題点を深く追求することはなかった。

 ルールを守らない社会、守らないことを公言する社会、それでは民主主義が守られているとは言えない。ルールを破ってでも利権を得る社会、それはヤクザ社会だ。

 住田弁護士の委員長就任には、多くの弁護士会が反対の声を上げている。


 札幌:http://www.satsuben.or.jp/info/statement/2009/04.html

 秋田:http://akiben.jp/03iken/210708.html

 仙台:http://www.senben.org/archives/1259

 新潟:http://www.niigata-bengo.or.jp/about/statement/index.php?id=44

 群馬:http://www.gunben.or.jp/3-2seimei82.htm

 東京:http://www.toben.or.jp/news/statement/2009/0810.html

 愛知:http://www.aiben.jp/page/frombars/topics2/402shouhisha.html

 京都:http://www.kyotoben.or.jp/siritai/menu/pages_kobetu.cfm?id=419

 兵庫:http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~consumer/hyougo.pdf

 福岡:http://www.fben.jp/suggest/

 佐賀:http://www17.ocn.ne.jp/~sagabgsk/seimei/090728.pdf


 それらを無視した今回の政府の内定は本当に腹立たしいし、受ける住田弁護士も弁護士としての矜持を示してほしかった。

 あ、ヤメ検だから仕方ないのか…?

 どうしても住田弁護士が委員長に就任する場合、個人的には期するところあり。




【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

「被害者遺族からあなたへ~私たちは死刑に反対する」…ぜひ、ご一読を!

2009-07-26 17:13:44 | 適正手続(裁判員・可視化など)
いよいよ、裁判員制度による裁判が実際に始まろうとしている。そう、8月3日には、東京で初の裁判員裁判が始まるのだそうだ。重大事件だけに死刑の選択が迫られることも少なくはない。そして、選択の際、被害者や被害者の遺族のことが頭に浮かぶはずだ。素直に考えるならば、厳罰に処してやりたいという気持ちが芽生えるのは当り前だろう。しかし、それだけで死刑の選択をしてよいのだろうか?被害者遺族が死刑を望むのは当然なのだろうか?死刑が選択肢となる裁判の裁判員になる方にぜひとも一読してほしいのが、小冊子「被害者遺族からあなたへ~私たちは死刑に反対する」だ。

 この小冊子は、【米国に本拠を置く国際団体「人権のための殺人被害者遺族の会」(Murder Victims' Families for Human Rights: MVFHR)のホームページの、『被害者の物語』(Gallery of Victims' Stories)からダウンロードして翻訳・印刷されたもの】を中心にまとめられている。


 冒頭の写真で紹介したケースのほか、裁判で厳罰を求める遺族の声だけが取り上げられる実態、遺族に対し死刑を求めるよう検察官に迫られる実態などが書かれている。

 この小冊子を翻訳した「死刑を止めよう」宗教者ネットワークは、【家族を殺人事件で失った遺族は、誰でも死刑に賛成するものだ-という思いこみは、どこの国でも常識となっている。だが、皆さんがこれから読むページには、そうした思いこみに挑戦するアメリカの殺人被害者遺族たちがいる。この本に登場する遺族たちは、母や父、夫、子どもを亡くした人たちだが、自分の物語を語って、なぜ死刑に反対しているかを説明する。かれらが死刑反対の立場に至った体験や信念はさまざまだが、一致して明言しているのは、遺族にとって死刑は、正義の実現も心のけじめももたらさないということだ。】とこの小冊子の意義を説明している。

 1冊100円+送料。希望者は、必要な部数、送り先の住所・氏名・電話番号を明記の上、 「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク(e-mail:pyopyo@m78.com)までe-mailで申し込んでほしいとのことだ。

 詳しくは、http://www.kiwi-us.com/~selasj/inochi/text2009/2009-04-28.htmlまで。



 






【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

お布施は兼業禁止規定に違反しないが、チャットのエロ画像報酬は違反?!~市職員停職6か月

2009-07-25 18:38:21 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 浜松市の職員がチャットでストリップ映像を動画配信して収入を得ていたことが発覚し、地方公務員法38条に規定された兼業禁止規定違反で、停職6か月の処分を受けたという。しかし、公務員が住職としてお布施をもらっても、地方公務員法違反とはみなされない。寺の本尊を開帳して金員をもらっても違反にならず、自らの身体を開帳して金員をもらったら違反になるっていうのは、どういう理屈だろうか?しかも、停職6か月というのは、免職を除けば最高の懲戒だが、そこまでのペナルティを課さなければならないようなことだろうか。さらに、チャット上、市職員だと明示していたのではなく、チャットを通じて知り合った男性にチクられたことによって市に発覚したのだという。そういう意味では、この件が発表されるまでは品位などを汚したわけでもない。浜松市にこの不当な懲戒を撤回するよう呼び掛けてはどうだろうか?


 共同通信(http://www.47news.jp/CN/200907/CN2009072401000767.html)によると、

【浜松市は24日、動画カメラでインターネットのチャット(文字による会話)サイトに自分の裸の映像を送って、男性会員らから計約208万円の報酬を受け取り、地方公務員法に違反したとして、同市の区役所に勤める女性主任(32)を停職6カ月の懲戒処分にした。
 市は「主任の行為は地方公務員法の兼業禁止に違反し、信用と品位をおとしめたと判断した」としている。
 市によると、主任は2007年3~9月と今年3~6月に、会員制のアダルト系チャットサイトに偽名で登録。チャット上で男性会員らが求めるのに応じ、パソコンに取り付けた動画カメラ前で服や下着を脱いで裸になり、みだらな行為をした。
 主任は相手が1人のときは1時間4500円、複数の場合は1人当たり1時間1800円を銀行口座に振り込ませて受け取っていたという。
 主任はチャットを通じて知り合った男性と交際し、市職員であることを打ち明けた。昨年12月、別れた男性が浜松市に連絡して発覚した。】という。

 地方公務員法38条1項は【職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない】と規定し、兼業を原則として禁止しているが、そもそも許可を得ればかまわないし、公務に影響がない場合まで重い処分を下してもよいとは思えない。

 ZAKZAK(http://www.zakzak.co.jp/top/200907/t2009072504_all.html)によると、【ご開帳で稼いだカネは総計208万6478円】という結構な金額だが、主任は【「チャットが好きでよく週末にやっていた」と話しているという】ことらしく、基本的には市職員としての業務に影響は出ていないようだ。

 住職として活動するのと、チャットをするのと、どっちが業務に影響が出るだろうか?少なくとも、住職の方が精神的にも肉体的にも疲労度は高いように思う。

 また、市の信用と品位という点でも、市職員という立場でお勤めをする方が問題ではないだろうか?というのも下手なお勤めをする住職は「あんな人でも●◎市には務められるんだよ~。やはり、コネかね~」などということになり●◎市の品位を汚すことになりかねないが、身分を明らかにしないままエロチャットをしていても、市との関係はなんら問題にならないわけだから…。

 収入の額についても、住職だって少なくとも、1時間数十万円から数万円は持っていくだろうから、今回懲戒処分となった職員よりも稼いでいることだろう。

 どう考えても、納得のいかない処分だが、皆さん、どう考えますか?

 ちなみに、地方公務員法38条2項には、【人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる】という規定があり、浜松市でも基準があるのかもしれない。この基準に実質的に反しているかどうかも気になる。どなたかご存じだったら教えてほしい。

 それにしても、ちくった男性、関係がこじれたために市に通報したというが、最低の野郎だ。その最低野郎のチクリにのった浜松市も最低だ。 

 すべての労働者に正当な権利を!

※冒頭の画像は記事とは関係ありません.


【下記のようなコメントをいただきましたので、追記します】
(コメント)
 宗教は、社会的奉仕活動であると考えられるから、公務員と両立は可能だし、品性も保たれる。
 無許可は問題だが、裁量によって、許可されればOKだとおもいます。
 チャットでデートクラブまがいのことをして、エロ画像が社会奉仕かといわれると、文化によるでしょうが日本の文化においては、認められにくく、品性に欠けると考える人は多数であると考えます。
 どう考えても、裁量によって許可されるとは考えづらい。
 私としては、問題なく理屈がとおっていて、なんで納得できないかが理解できません。

(ヤメ蚊)この問題を6か月の停職という重い懲戒を与えなければならないほどのことか、という視点でみたときに、お布施が例外規定とされていることと比較して、皮肉っぽく描きたくなったわけです。住職を兼任されている公務員が彼女を救うための嘆願でもしてくれれば、こんな書き方をすることはなかったかもしれませんね。停職当たり前、辞めて当たり前という考え方でいいんでしょうかねぇ。労働者としてそこまで拘束されなければならないんでしょうかねぇ。性的倫理と懲戒が関係ないとするならば、休日の自宅で行うアルバイトにそんなに目くじら立てる必要があるんでしょうか?


【追記その2:こういうコメントもいただきました】
金銭はともかく行為は大したことはない。早い話誰でもやってる。私的な事。どこかの国会議員はもっと変態。表街道でやることではないが、こっそりやってたことくらいで確かにやりすぎな罰則。
兼業は兼業だが、そっちは品位どうのは関係ないし。
ま、某牛久市では庁内LANで野球賭博やっててバレたことがある。
どっちが「健全」かなあ。



★ところで、ちょっと前の「ミクロネシアの小さな島・ヤップより」(http://suyap.exblog.jp/8692927/)が激しい。【それに対して、わたしの答えは、あたいのボートに触ってみな、ケーサツ呼ぶぞ、ホレ、触れるもんなら来てみろよ、ドッボーン(笑)。それで、大声で叫んだわけです、このオッサンがあたいを犯すって言ってるよ、ファッ〇ユーって言ってるよ!ってね。あっはっは、今年も華々しい展開になったもんです。子供たちの前で、州青少年課長がファッ〇ユーとのたまったのですから。まあ、その程度のオツムの人なんですが】…えっ、何?この人たちは何をしてんの?





【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。