「亡くなってから、そんなに時間は経ってなかったみたいですけど・・・」
依頼者の中年女性は、奥歯にモノが挟まったように話した。
そして、誰かに言い訳でもするかのように、プライベートな事情を話し始めた。
私は、何を尋ねる訳でもなく、受話器に向かって返事を繰り返すだけだった。
亡くなったのは、女性の父親。
故人は、長年に渡って独り暮しをしていた。
男の一人所帯で、しかも高齢の故人が不便な暮らしを強いられていたであろうことは容易に想像できた。
そしてまた、女性は、そんな父親をいつまでも放っておいたことに、後ろめたさを感じているようだった。
親が年老いたとはいえ、子が同居としなければならないものではないと思う。
現に、高齢者の独り暮しは珍しいことではない。
また、親子の間柄であっても、特段の用がないかぎりは連絡をとり合わないことも普通だろう。
そんな生活を続けていたって、〝子として薄情〟ということにはならないと思う。
そして、一般的な意識は、生活や身体のことばかりに向かって、孤独死の危険性・可能性にまでは及ばない。
だから、独居者の孤独死は誰のせいでもなく、天変地異に似た不可抗力的なものかもしれず、残された者が責められるべきことではないような気がする。
続きはこちら
依頼者の中年女性は、奥歯にモノが挟まったように話した。
そして、誰かに言い訳でもするかのように、プライベートな事情を話し始めた。
私は、何を尋ねる訳でもなく、受話器に向かって返事を繰り返すだけだった。
亡くなったのは、女性の父親。
故人は、長年に渡って独り暮しをしていた。
男の一人所帯で、しかも高齢の故人が不便な暮らしを強いられていたであろうことは容易に想像できた。
そしてまた、女性は、そんな父親をいつまでも放っておいたことに、後ろめたさを感じているようだった。
親が年老いたとはいえ、子が同居としなければならないものではないと思う。
現に、高齢者の独り暮しは珍しいことではない。
また、親子の間柄であっても、特段の用がないかぎりは連絡をとり合わないことも普通だろう。
そんな生活を続けていたって、〝子として薄情〟ということにはならないと思う。
そして、一般的な意識は、生活や身体のことばかりに向かって、孤独死の危険性・可能性にまでは及ばない。
だから、独居者の孤独死は誰のせいでもなく、天変地異に似た不可抗力的なものかもしれず、残された者が責められるべきことではないような気がする。
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相変わらず読ませますね、隊長!
気になります、きっととばっちりなんでしょうね。
早く知りたい~!
迷路のような路地の、車はもちろんバイクや自転車さえも通れないような狭さの場所で、しかも老朽化の激しい2階の階段の昇降作業となると相当に厳しい状況になる訳ですよね。あの第一話の「哀愁のマットレス」を彷彿とさせるような・・・。(@@;)
ん~、焦らされますね~(o^、^o*)
呼んでいると引き込まれます。
大変な仕事をなさっているようで、こういう仕事があるんだと初めて知りました。
こういう仕事は嫌な仕事ですよね。
誰かがやらなくてはいけないことですし。
色々と考えさせられる仕事でもあると思います。
あなた達のような人がいるから、僕たちはこういうことを考えずに過ごせるんだなと思います。
それは良いことなのか、それとも悪いことなのかは解りませんが、感謝することだとは思います。
ありがとうございます。
こういった仕事のことを、想像したこともありませんでした。この文章を読んで、名状しがたい何か不思議なものが少し私の自我に影響を与えた気がします。
凄まじい。
三日で全ログを読んでしまいました。
月並みな言葉しか言えませんが
身体に気をつけて頑張って下さい。
(私もお酒を飲みますが、たまに休肝日を作った方が良いですよ