特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

レール

2007-04-03 12:59:30 | Weblog
列車事故による轢死体を初めて見たのは、この仕事を始めて二年目くらいの時だったと思う。
レールの上で電車に曳かれた遺体だった。
「バラバラ」と言う程でもなかったけど、手足がちぎれてかなり悲惨な状態。
赤い肉が緩んで広がる切断面と、裂けるような形で突き出た白い骨が、私の頭を凍らせた。

経験の浅い私には衝撃が強すぎたのか、普通なら波立ってもおかしくないはずの気持ちは、ずっと硬直したままだった。

「肉はビーフ、骨はチキンみたい・・・人間も所詮はただの肉なんだな」
亡くなった故人には失礼だったかもしれないけど、極めて冷静にそう思ったのを今でも憶えている。

この社会では、子供をレールに乗せようとする親が多い。
親は、子供のために安全に走れるレールを探し、安定したレールに乗せたがる。
そのために、躍起になって学校教育にすがりつく。

私くらいの年代になると、小学生くらいの子供を持つ人も少なくない。
同年代の私の友人にも、小学生の子を持つ者が何人かいる。
その中の一人が、子供の教育について相談を持ち掛けてきた。
相談の内容は、中学進学について。
小学校高学年になる子供を、この先、私立中学or地元の公立中学どちらに入れようか考えているらしかった。



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4 コメント

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レールにはレールの意味がある (Koshian)
2007-04-03 15:48:18
おっしゃりたいことはわかりますが、レールにはレールの意味があります。
しかしどのみちいつかは「レールからはずれる」、つまりその列車を降りる必要があるのです。

その降り方はさまざまでしょうが、それまで走っていたレールで学んだことが、必ず生きて来ます。

学んだつもりがなくても、周囲に引っ張られる形で、実は多くの知識と知恵が身についているものなのです。

えらそうなことをいって申し訳ありませんが、隊長がこうして文章をお書きになれるのも、そのレールで学んだことが生きてるのではないでしょうか。

実際のところ、今の子供たちは、大人になってもあなたのように文章を書くことができないかもしれません。いえ、今もそういう大人がたくさんいます。決定的に作文能力が欠けているのです。

それを個人の力量なり才覚なりだけのせいにしてはいけないのだと、私は思うのです。
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Unknown (生中桜)
2007-04-03 17:55:43
現代人は「生きる」ことに真に困ったこと、苦労したこと、が少ないからです。

「生きる」ために苦労していないから「生きる」ための知恵がわからない。知識は手段であって目的ではない、とトルストイが警告したにもかかわらず、知識ばかりを優先する。



そして簡単に「生きる」ことを諦める、放棄して自殺する現代人には呆れるばかり。「生きる」ことほど、如何に価値があるかなど、わからぬうちに簡単に自殺してしまう。



知識よりも「知恵」を身につけさせてほしい、と現役教師と子を持つ親に願います
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Unknown (Unknown)
2007-04-04 03:44:09
隊長さんのおっしゃること、たしかにね、と思います。研究職ですが、いい研究ができるかどうかは、「いい学校」を出てるかどうかとは、実際ほとんど関係がないです。いわゆる三流大学を出ていても、やる気のあるやつは関係なく伸びるし、たとえ一流大学を出ていても、できないやつはいつまでたってもできないまま。
保守的な世界なので、研究職のポストが回ってくるかどうかとか、そういうことは、卒業大学によって左右される面が大きいのは事実。でも力のあるやつは、最終的には自力でもぎとっていきますね。
お金の問題はより深刻ですが、それだって、クリアするやつは時間をかけてでもクリアします。要するに横並びで、人生の同じ時期に同じことができるかどうかだけで競うから、持って生まれた条件の悪いやつが損をするようにみえるだけなんじゃないですかね。
いろいろ言っても、長い目でみればやっぱり本人次第なんじゃないかと、私は思います。
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自分の選択肢 (t_ogawa)
2007-04-04 19:52:28
例え途中まで、そのレールに乗っていたとしても、結局は自分の行きたい道が見えてしまったら、そちらへ行くんでしょうねぇ。

ネクシィーズの近藤太香巳氏も言ってましたが、次に生まれ変わってきたら、大学のキャンパスを闊歩したい、と。(でも、多分直ぐに飽きるだろう、と思いますけれど。)

ところで、そろそろ、暖かくなってきましたが、ハエの幼虫さんもお目見えの時期でしょうか?

以前本で読んだけれど、身元不明の遺棄死体の顔を複元するときはウジを使って、綺麗に頭蓋骨の余計なものを食べてもらうんだそうです。彼らは本当に綺麗にしてくれるのだとか。。。

こう考えると、森の中であったらば、彼らはやはり、必要不可欠な存在なのですねぇ。
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