せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

コゴメイヌノフグリとオオイヌノフグリ

2014-03-30 | 日記
桜がもう咲こうかという季節に、しとしとと雨が降っている。電車の窓から眺める遠くの雲は蒸気でできた煙のようにゆっくりと流れていた。「あなたの夢をあきらめないで...負けないように悔やまぬように...」と歌が流れるのを聞きながら、自分の夢?夢は何だろうなあ?と考えた。過去、全速力で走ってきたが特別夢を意識したことはなかった。受験勉強の時から可能な限りの力を出したし、寝食忘れて仕事や研究に打ち込んだ。目の前のことが目標であり夢だった。しかし、いつしか夢や希望はひとつずつ頓挫し消え去っていき、努力がいつも報われるとは限らないことを知った。運や不公平が多いと努力はむなしくなる。好きだから夢中になれるからといつまでもそれをやり続けられるものではない。今の状況の中で自分にふさわしいことを日々実現していく他はないと悟った。当時抱いていた果てしない可能性や希望はもう湧いて来ないのだろうか?火のように燃え上がる情熱や脇目も振らず突進する馬力はどこに行ったのだろう?まだやり残した当時の目標が流れていく白い雲の下の家々や湾岸の工場地帯に点在しているような気がした。成し遂げられなかった思いは遥か遠くの東京湾海上に浮かぶ船の灯火のようにいまだにかすかな光を放っている。降る雨は少しずつ激しくなってき、後悔、無念、焦燥の思いが去来したが、同時にコースを外れレースを断念した競走馬のようなある種の安堵もどこかに感じた。



コゴメイヌノフグリ ゴマノハグサ科

職場近くの公園は周りは荒れた湿地と住宅地に囲まれている。手入れの行き届かない公園の敷地の外の草むらは昨年ツリフネソウが群生していたところのすぐ隣。春の日差しを浴びて一斉に小さな花たちが咲き始めた。先週のある晴れた日。


見た目は小さなオオイヌノフグリのような感じ。但し色は青ではなく真っ白。


毛深いのでフラサバソウかな?とも思ったが花弁が隣どうしで重なっているのでフラサバソウではないだろう。ネット検索するとすぐにコゴメイヌノフグリが出てきた。きっとこれだ。






近くにはオオイヌノフグリがまた群生しているので比較してみる。



コゴメイヌノフグリは小石川植物園が1961年にヨーロッパから種子交換で入手して栽培を始め広まったらしい。都内の小石川とはかなり離れたこんな田舎で群生しているとは不思議。

アブラチャンとダンコウバイの花

2014-03-30 | 日記
アブラチャン クスノキ科

アブラチャンとダンコウバイはともにクスノキ科クロモジ属の落葉低木とWikipediaには書いてある。しかしこの公園のアブラチャンは7-8mと背が高い。落葉小高木としたほうがいい。いまごろの季節には黄色く枝全体が染まったように見える。葉の展開の前に小さな黄色い花が咲いているから。雌雄異株。


この木は雄株。


花芽が今展開していくつもの花が咲いている。その枝の先端部に葉芽がある。花序には無毛の柄がある。


雄しべが見える。雄花序には3-5花が付き、花被片は6、雄しべが9。



ダンコウバイ クスノキ科

昨年秋にこのダンコウバイを見つけた(2013-11-21ブログ)。葉の形が面白いのが特徴。この木は3mくらいしかない。すぐ近くのアブラチャンと花の感じは似ている。雌雄異株。


雌しべが突出しているようだから雌株だろう。




花序には柄がないが、個々の花には1cm程度の柄があり、絹毛が密生。

シロバナレンギョウ(ウチワノキ)とヤマトレンギョウ

2014-03-30 | 日記
レンギョウの季節になってあちらこちらの公園では濃い黄色いチョウセンレンギョウの花が最盛期を迎えている。先週会合のついでに植物園に立ち寄ってみると、びっくり。真っ白な花をつけたレンギョウがあった。


シロバナレンギョウ (ウチワノキ) Abeliophyllum distichum モクセイ科 ウチワノキ属





色は白いが花はレンギョウとそっくり。花冠は4つに裂け、裂片の先は浅く2つに裂ける。葉が展開するとレンギョウとは違ったイメージになるらしい。同じモクセイ科でもウチワノキ属でレンギョウ属とは異なる。



ヤマトレンギョウ Forsythia japonica モクセイ科レンギョウ属

葉が展開する前に満開となるレンギョウで公園によく植栽されているのはチョウセンレンギョウだと2012年4月2日のブログに書いた。市立公園に植栽されているこのレンギョウにはヤマトレンギョウとわざわざ名札がついている。それにしても区別することは大切なことなのに難しいなあ。






普通花弁は4枚だけれど、たまには5枚もあっていい。雌しべが突出しているのでやはりチョウセンレンギョウとは違う。