吉祥寺と周辺の街散歩

吉祥寺を中心に、中央線沿線の街のお気に入りの喫茶店、公園に咲く花、美術館、散歩レポートなどを紹介しています。

武蔵野珈琲店マスターのイタリア・カフェ紀行③ カフェ・ペドロッキ/パドヴァ

2007年04月28日 | イタリアのカフェ・バール紀行

カフェ・ペドロッキの内部(上)、サンタントニオ聖堂(右下)

 吉祥寺 武蔵野珈琲店マスターのイタリア・カフェ/バール紀行の第3回目は、ベネチアの西約40kmに位置する中都市、パドヴァの「カフェ・ペドロッキ」です。
 パドヴァは大学と信仰の中心として栄えた街で、人口約24万人の内5万人が学生だそうです。
 右のサンタントニオ聖堂は、イタリアでもっとも有名な聖堂のひとつで、また、スクロヴェニ礼拝堂には700年前にジョットが描いたフレスコ画が残されています。そのほか、サンタ・ジュスティーナ教会や世界遺産となっているヨーロッパ最古の植物園などが主な見どころです。

 カフェ・ペドロッキは、1772年にフランチェスコ・ペドロッキが今の建物の南の部分に開店した小さなカフェが前身で、新装して現在の店構えとなったのは1831年でした。
 「行きつけのカフェを変えるくらいなら、恋人を変えるほうがましだ」と言ったというカフェ好きだった小説家、スタンダールが絶賛したこの店は、有名なベネチアの建築家ジャッペリの指揮の下、今日まで保全されているドーリア式とコリント式の柱の並ぶ回廊をもつ、堂々としたネオクラシックの建物の外観を誇っています。マスターのコメントにもあるように"ドアのないカフェ"としても知られています(参考「カフェの光景」)。
 
 (マスターのコメント)
 看板も扉もないと聞いていましたが、寒い時期だった為か、さすがにガラスの扉はありました。でも、地図を持っているのに何回も行ったり来たりして、ようやくそれらしき店の中に入ると、そこがスタンダールがイタリア随一のカフェと言った「ペドロッキ」だったという有様です。
 ホテルのラウンジかと見間違うほどの店内の中央にはグランドピアノが置かれ、その隣には枝物が生けてあり、ゆったりとイス、テーブルが配置されています。
 ここでは貴族という感はありません。どちらかというと年配の人たちが新聞を読んだりして、ゆっくりと寛いでおりました。
 なぜか私はまたダージリンを注文しました。ティーバッグの入ったポットではありましたが、オリジナルクッキーが5枚も付いてきました。本でも読んで、しばらく時を忘れてしまいたいような雰囲気です。
  
 
(参考Web)
 ・カフェ・ペドロッキ HP
 ・イタリア政府観光局 HP 
 ・スクロヴェニ礼拝堂のフレスコ画
 ・武蔵野珈琲店の紹介(当ブログ)
 ・他のイタリアのカフェ・バールの紹介(当ブログ)
 ・「カフェの光景」/ローゼ・マリー、ゾンマー・バンメル著(amazon.co)
 ・「イタリアのBAR(バール)を楽しむ」/林 茂 著(amazon.co)


サイト内に掲載されているすべての写真画像は、クリックで拡大画像にリンクしています。


武蔵野珈琲店マスターのイタリア・カフェ紀行② カフェ・フローリアン/ベネチア

2007年04月22日 | イタリアのカフェ・バール紀行

カフェ・フローリアンの内部(上)、外観(右下)

 吉祥寺 武蔵野珈琲店のマスターのイタリア・カフェ/バール紀行の第2回目は、ベネチアの歴史的カフェ「カフェ・フローリアン」です。

 サンマルコ広場の歴史的建造物、プロクラティエ・ヌオーヴェ(新政庁)の下に位置するカフェ・フローリアンは、1720年にフロリアーノ・フランチェスコーニが開いた店で、現存するヨーロッパ最古のカフェといわれています。
 開店の際、愛国者の店主が名付けた店の名は「ベネチア・トリオンファンテ(勝ち誇るベネチア)」でしたが、1797年にナポレオンによりベネチアが占領された後、現在のように改名されました。

  当初から知識人、芸術家が集うサロンとしての役割を担い、ローマのカフェ・グレコ同様、多くの著名人がこの店に通いました。
 ワーグナーも毎朝、この店に朝食にとりに来たそうで、彼に敬意を表し、折にふれてオーストリアの軍楽隊はサン・マルコ広場で彼のオペラの序曲を演奏したとのこと。また、トーマス・マンはここで「ベニスに死す」のヒントを得たそうです(「カフェの光景」より)。
 
 サンマルコ広場に面した室外のテラス席もあります。

 (マスターのコメント)
 訪れたのが日曜日だったからでしょうか、素敵な紳士、淑女で店内は溢れておりました。
 ローマの「カフェ・グレコ」よりも一段と上品な雰囲気です。
 華麗なる貴族の時代にタイムスリップした自分が紅茶を召しておりました。ダージリンティー(8.8ユーロ 1400円)をいただきました。
  

(注)ユーロ/円換算は、2007年4月時点のレート(160円/ユーロ)です。 

(参考Web)
 ・カフェ・フローリアン HP
 ・イタリア政府観光局 HP 
 ・武蔵野珈琲店の紹介(当ブログ)
 ・他のイタリアのカフェ・バールの紹介(当ブログ)
 ・「カフェの光景」/ローゼ・マリー、ゾンマー・バンメル著(amazon.co)
 ・「イタリアのBAR(バール)を楽しむ」/林 茂 著(amazon.co)


 
サイト内に掲載されているすべての写真画像は、クリックで拡大画像にリンクしています。


銀閣寺から哲学の道をたどって南禅寺まで

2007年04月14日 | ウォーキング

銀閣寺 国宝 観音殿(上・右下)

 銀閣寺(東山慈照寺)へは、JR京都駅から、途中、清水寺、祇園を経由する系統のバスで行きました(約40分)。
 銀閣寺は、1482年に室町幕府八代将軍足利義政により建立された臨済宗相国寺派に属する禅寺です。こちらよりずっと華やかな金閣の方は、義政の祖父にあたる三代将軍義満により建立されました。金閣とは違って、銀閣には当初より銀箔は貼られていなかったとのことです。
 庭園には白砂により波紋を表現した銀沙灘(ぎんしゃだん)や富士山型の向月台が配置され、高台の展望所から庭園を見下ろすことができます(右)。
 
 銀閣寺から南禅寺へは、琵琶湖疎水沿いに付けられた小道、通称「哲学の道」をたどりました(約2km)。「善の研究」を著した哲学者の西田幾多郎が思策に耽りながら歩いたという逸話から名付けられのだそうです。「善の研究」は昔読んだことがあり、難解だけどなかなか面白かったような気がします。
 道沿いの桜並木からは、折からの風によって花吹雪が舞っていました。この付近は風致地区に指定されていることもあって、沿道がよく整備されていて気持ちよく歩けました。疎水も澄んでいました。秋、冬にまた来てみたい道です。



南禅寺三門(上) 水路閣(右下)

 南禅寺も銀閣寺と同様、臨済宗の寺ですが、こちらは南禅寺派の大本山とのこと。1300年頃には寺観が整ったが応仁の乱で焼失し、現在の姿に再建されたのは江戸時代に入ってからとのことです。
 この大きな門(三門)は、歌舞伎で石川五右衛門が「絶景かな」と見栄を切るシーンに登場する門なんだそうで、知恩院三門、東本願寺御影堂門とともに、京都三大門の一つとのこと。たしかにでかい。
 右の禅寺には似合わないレンガ造りの建造物は水路閣といい、南禅寺の境内を横切っています。これは琵琶湖と京都市内を結ぶ琵琶湖疎水事業により1890年(明治23年)年竣工された長さ93m、幅4mほどの水路橋で、現在も疎水が滔々と流れていました。
 
 南禅院は南禅寺発祥の地で、一般公開されている庭園(左)は鎌倉時代末の代表的池泉回遊式で、夢窓国師の作庭といわれ、天竜寺庭園、苔寺庭園と共に京都の三名勝史蹟庭園の一つに指定されているとのことです。
 南禅寺から平安神宮へ辿り、市美術館前からバスで京都駅に戻りました。



(参考) 
 ・地図情報:銀閣寺、南禅寺周辺 
 ・銀閣寺 公式ページ
 ・南禅寺 公式ページ
 ・善の研究(amazon.co.jp)


サイト内に掲載されているすべての写真画像は、クリックで拡大画像にリンクしています。

武蔵野珈琲店マスターのイタリア・カフェ紀行① カフェ・グレコ/ローマ

2007年04月10日 | イタリアのカフェ・バール紀行

カフェ・グレコの外観(上)、内部(右下)

 吉祥寺駅から井の頭公園への通り沿いにある武蔵野珈琲店のマスターが、2/19~3/2の10日間余り、ローマ、ミラノ、ベネチアなど、イタリア各地のカフェ(caffe')やバール(Bar)を探訪してきたと聞き、ぜひ当ブログに撮ってきた写真とマスターのコメントを掲載させてとお願いしたところ、快諾して頂いたので、主要な店を順次紹介していきたいと思います。

 第1回目は、ローマの「カフェ・グレコ」です。

 スペイン階段のあるスペイン広場の正面のコンドッティ通りにあるこのカフェが文書に最初に登場するのは1760年ということだから、250年もの歴史があるということになります。1953年にはイタリア文化省から重要文化財に指定されたとのことです。
 由緒あるカフェだけあって、ここを訪れた著名人には、文豪ゲーテ、作曲家のメンデルスゾーンとベルリオーズ(二人はここで知り合った)、リスト、ワーグナー、詩人のボードレール、キーツ、シェリー、画家のターナー、コロー、作家のゴーゴリ、プルースト、オスカー・ワイルドなどなど、挙げていたらきりがありません(参考「カフェの光景」)。

 (マスターのコメント)
 いまや博物館となっているこの店では、今でもウェイターがタキシードスタイルで接客サービスしていて、さすがにローマで一番古いカフェとしての風格と気概が伝わってきます。こうした歴史的に価値のある店はいつまでも残って欲しいと切に思います。

 この日は最初はビールをグラスで頼み(8ユーロ:1280円)、写真を撮らせてもらったお礼の意味もこめて、2杯目はアイリッシュコーヒー(画像右、11ユーロ:1760円)をオーダーしました。

 余談ですが、過去にウィーン、ロンドン、パリ等のカフェも巡ってきましたが、トイレが有料なのはここが初めてかもしれません。私がおばちゃんに払ったのが0.4ユーロ(64円)、1日500人が利用すれば200ユーロとなり(12800円)、おばちゃんの人件費を払ってもお釣りが出そうだなどと思いました。
   

 画像左は、「カフェ・グレコ」で寛ぐマスターです。

(注)ユーロ/円換算は、2007年4月時点のレート(160円/ユーロ)です。

(参考Web)
 ・イタリア政府観光局 HP 
 ・武蔵野珈琲店の紹介(当ブログ)
 ・「カフェの光景」/ローゼ・マリー、ゾンマー・バンメル著(amazon.co)

 


サイト内に掲載されているすべての写真画像は、クリックで拡大画像にリンクしています。