吉祥寺と周辺の街散歩

吉祥寺を中心に、中央線沿線の街のお気に入りの喫茶店、公園に咲く花、美術館、散歩レポートなどを紹介しています。

荻窪の名曲喫茶「ミニヨン」で嶽本野ばらを読む(再訪)

2011年01月10日 | 荻窪
 
 1971年に北口から現在のビルの2階に移転して40年の歴史のある名曲喫茶です。昨年(2010年)から営業時間が若干変わったようです。併設されているギャラリーでの展示を眺めるのも楽しみです。
 12:00~21:00(月ー土)11:00~19:00(日・祝)水曜定休




(2005年10月10日の記事)


 「ミニヨン」は荻窪駅南口から歩いて3分ほどの古びたビルの2階にあります。当初は北口に昭和36年の開店ということで、先に紹介した高円寺の「ネルケン」と同じく由緒ある名曲喫茶です。91歳まで店に出ていたママさんは、今年の4月に94歳で亡くなっています。

 この喫茶店は、荻窪に住んでいた(今も?)嶽本野ばらの短篇集「カフェー小品集」にも登場しています。

 僕の許(もと)に君からの手紙が届きました。そこにはたどたどしい文字で「いつかミニヨンに行くから待っていて下さい」とだけ書かれていました。 
 もう君の姿を見なくなってから一年が経ちます。僕は毎日、ミニヨンを訪れ、一人カウンターで数時間をやり過ごします。
 「双子の約束された場所」/嶽本野ばら


 吉祥寺の「バロック」と同じく、CDは置いてなくて、カウンター越しのレコード棚にはずらりとLPレコード(5000枚以上)が並べられています。「バロック」のように会話禁止ではないので、待ち合わせにも適しています。昨日は僕の大好きなグリュミオーとハスキルによるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集のアルバムが、かかっていました。
 正面にはタンノイのスピーカーとグランドピアノが置かれ、週末などにはコンサートも開かれていて、以前、弦楽四重奏やハモニカのコンサートを聴いたことがあります。喫茶室の隣に貸しギャラリーがあり、時々絵画、写真展なども行なわれています。
 ブレンド450円、チーズトーストセット750円など。ビール、ワインなど、アルコールもあります。11:00~22:00(月、火、木~土、水:休み)/~19:00(日)

(参考)
 ・ミニヨン HP
 ・高円寺の名曲喫茶「ルネッサンス」(当ブログ)
 ・阿佐ヶ谷の名曲喫茶「ヴィオロン」(当ブログ)
 ・吉祥寺の名曲喫茶「バロック」(当ブログ)
 ・高円寺の名曲喫茶「ネルケン」(当ブログ)
 ・「カフェー小品集」/嶽本野ばら
 ・地図情報: ミニヨン

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荻窪「邪宗門」の壁の落書きは半世紀の歴史を物語っている

2006年03月12日 | 荻窪

 荻窪駅北口から歩いてすぐの商店街にある「邪宗門」は、邪宗門グループの中では国立「邪宗門」に次いで古く、開店してから半世紀の時が経っています。
 扉を開け狭い急階段を上った2階に客席スペースがあります。もともとは1階も客席だったのが、いつしかマスターの書斎となってしまったのだそうです。マスターは奇術界では著名な方だそうで、関連の著作もされていて、店内にも様々な記念品が飾られていました。

 客席は20席ほどで、絵画の額が掛けられている壁のすきまに描かれた無数の落書きが意匠と化している様が長い時の蓄積を物語っています。
 腰を落ち着けて読書に励むときなどにはうってつけの喫茶店でしょう。
 ブレンド珈琲は400円、食べごたえのあるモンブランやチーズケーキなどが250円というのは、ちょっと得した気分になります(珈琲とレアチーズケーキの写真)

(参考)
 ・邪宗門グループ ホームページ
 ・地図情報: 荻窪「邪宗門」
 ・国立「邪宗門」紹介(当ブログ)


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荻窪のピアノホールでプレイエルを弾いた

2005年12月04日 | 荻窪

荻窪 衎芸館と入口の外階段

 でも素晴らしいことよ、自分自身のために音楽が演奏できるということはね。
 「ノルウェイの森」/村上春樹


 11月26日の土曜日の午後、荻窪の住宅街にあるホール"衎芸(かんげい)館"に、主にネットを通じて知り合ったピアノ仲間18人が集まり、コンサートを開きました。
 衎芸館は収容人数が40~50人ほどの小さなホールですが、かつてショパンが愛用し、繊細な音色を奏でるプレイエル社製のグランドピアノを備えています。題してプレイエル夢コンサートと名づけたこのコンサートは、今回で3回目となりました。
 我らが仲間たちは、ピアノ歴がまだ2~3年のメンバーから、「プロじゃないの?」という実力の持ち主まで、年代的にも30代から60代まで幅広く、演奏曲目もショパン、バッハなどの純正クラシックから、ジョージ・ウィンストン、倉本裕基などニューエイジ系まで多彩(バラバラとも言う)ですが、"ピアノが好き!"という思いは皆同じです。
 メンバーの演奏後には、ゲストとしてソロや連弾によるコンサートなどで活躍されているピアニストで、国立楽器の講師をされている片桐みどりさんにすばらしい演奏を披露していただきました。

 僕はといえば、エストニアの作曲家ペルトの「アリーナのために」と、吉松隆さんのアルバム「プレイアデス舞曲集2」に収録されている小品2曲を弾きました。どちらもとても好きな現代の作曲家で、大バッハと並んで、僕にとって今一番近しく感じている音楽です(プレイアデス舞曲集全曲を録音している田部京子さんとも近しくなりたい)。
 冒頭のレイコさんの言葉を大事にしたいなとずっと思ってきました。いつか、レイコさんが語った"楽しんで自分のためにピアノを演奏することのできる幸せなピアノ弾き"になれたらいいなと思っています。

(参考)
 ・ コンサートの演奏者と曲目
 ・ 衎芸館 HP
 ・ アルヴォ・ペルト紹介(メインサイト)
 ・ 吉松隆 紹介(メインサイト)
 ・ 田部京子さん HP
 ・地図情報: 衎芸館 

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