吉祥寺と周辺の街散歩

吉祥寺を中心に、中央線沿線の街のお気に入りの喫茶店、公園に咲く花、美術館、散歩レポートなどを紹介しています。

倉敷 大原美術館

2007年01月20日 | 美術館探訪

大原美術館(画像上) 倉敷美観地区(右下)

 倉敷観光の目玉の一つである大原美術館は、市内の江戸時代の面影を残す旧市街(美観地区)の運河に沿って建つ1930年に設立された日本最初の西洋美術中心の私立美術館です。
 この美術館の創設者、大原孫三郎はクラレの創設者でもある実業家であり、彼より1歳年下の友人の画家、児島虎次郎に選択をまかせて購入した西洋の近代美術作品を中核として、国内画家の作品や中国・オリエント古美術など幅広く展示されています。
 訪れたのが1月の半ばで観光シーズンから外れていたためか、土曜日の午前中でも館内は空いていて、落ち着いて観ることができました。

 西洋絵画の常設展示品には19世紀、20世紀の絵画の巨匠たちの代表的な作品が含まれ、とても見ごたえがあります。
 近代絵画の中ではゴーギャンの「かぐわしき大地」、モネの「睡蓮」やモディリアーニの「ジャンヌの肖像」などがポピュラーな作品でしょうが、僕は個人的にお気に入りの画家達、モローの水彩画「雅歌」やらルドン、コローの作品の前でしばし釘付けとなりました。
 近代絵画以降の展示作品がほとんどですが、それより2世紀以前に描かれたエル・グレコの「受胎告知」は別格の扱いで、この作品のみ単独で別室に展示されていました。グレコも僕の大好きな画家で、彼の作品は幻想的かつ独創的な構図が特徴的ですが、この傑作も同じ主題を扱ったフラ・アンジェリコダ・ヴィンチの作品と比較し、より神秘性が深く劇的な表現となっていて、作品を眼前にして新たに強いインパクトを受けました。

 ピカソのキュビズム以降の作品が2点、「鳥籠」と「頭蓋骨のある静物」が展示されていて、今まで彼のキュビズム以降の作品には余り興味を覚えなかったけれど、この2作品は"美しい"と心底感じました。1925年作の「鳥籠」は彼の新古典主義時代の作品だそうだけど、青の時代の作品と通じる抒情性が感じられました。この時期の他の作品も観てみたい。
 国内の洋画家の作品を中心に展示している分館が工事中で休館していたのが残念でしたが、本館でその主要作品が展示されていました。熊谷守一の「陽の死んだ日」、佐伯祐三の「広告“ヴェルダン”」や関根正二の「信仰の悲しみ」などがとくに印象に残りました。

(参考)
 ・大原美術館HP
 ・倉敷市美観地区(Wikipedia)
 ・地図情報:大原美術館周辺 
 ・モローの作品紹介(My HP)
 ・ルドンの作品紹介(My HP)
 

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吉祥寺 武蔵野珈琲店でお花見(2)

2007年01月07日 |  ・喫茶店、カフェ

カウンターのクレマチス(上)と入口のミニエピデンドラム(右下)
 
 武蔵野珈琲店のお花見総集編の第2回目として昨年5月から9月にかけて撮った12種の花を紹介しました。

 店には、カウンターにふたつと、テーブルと洗面所にそれぞれひとつづつの花活け、入り口のところにはライトスタンドに照らされたミニエピデンドラム(ラン科)やセントポーリア(イワタバコ科)など2、3の鉢植えが置かれています。  カウンターの花は、品種により花持ちの長さが多少違うけど、大体1週間ごとに花を入れ替えているようです。




    ビバーナム    オーニソガラム     オーニソガラムの花
    キソケイ      キソケイの花     コバノズイナ
・ビバーナム(スイカズラ科)は、セイヨウガマズミ、西洋テマリカンボクとも呼ばれ、ガマズミ属の園芸品種です。アジサイを思わすような丸い花を節節につけます。
・オーニソガラムは、ユリ科のとても美しい花です。花の色には、白、黄、オレンジや朱色のものがあるそうです。
・キソケイ(モクセイ科)の花です。 同属のソケイは白い花で、ジャスミンと呼ばれますが、キソケイのほうは香りがほとんどありません。
・コバノズイナ(ユキノシタ科ズイナ属)は、別名ヒメリョウブ、アメリカズイナとも呼ばれるそうです。紅葉も美しいとのこと。

      クガイソウ    スモークフラワー     キョウカノコ
     スイートメモリー     エリンジウム     ヒメヒマワリ
・クガイソウ(ゴマノハグサ科)は、九階草と書き、葉が輪生して段々につくことからこの名がついたとのこと。 紫の花がきれいな草原の草で、白い花が咲くオカノトラノオと姿が似ています。
・スモークフラワーは、花が煙のように見えることから付けられた名なのでしょう。
・キョウカノコ(バラ科 シモツケソウ属)は、京鹿子と書き、名前の由来は京都の”鹿の子絞り”のようです。同属のシモツケソウによく似ていますが、マスターによると葉の形(付きかた?)が違うとのことでした。
・スイートメモリーというユリ科の花です。名前はピンクの花のイメージに因んだものでしょう。 ネットでチェックしたら、アカカノコユリとヒメサユリの交配種ということらしい。
・エリンジウム(セリ科エリンジウム属)は、葉にぎざぎざがあるなどアザミを思わせる花です。世界に約200種もあるとのこと。
・ヒメヒマワリ(キク科ヘリオプシス属)が入り口に近いテーブル席に置いてありました。あざやかな黄色の花がきれいです。

(参考)
 ・ 「武蔵野珈琲店」紹介(当ブログ)
 ・「武蔵野珈琲店でお花見(1)」紹介(当ブログ)
 ・ ミクシィ「武蔵野珈琲店」コミュニティ(注:会員でないとアクセスできません)

(地図情報)
 ・ 武蔵野珈琲店(中央の+印) 

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高尾山へ初参り

2007年01月04日 | 八王子

高尾山 薬王院大本堂

 今日(4日)高尾山に初参りに行って来ました。東京の郊外に位置するという絶好の地理的条件もあって年間約250万人もの人が訪れるという高尾山は我が家からとても近い山です。昨年の秋にも2度登っていますが、今回はいつもとは違ったルートでということで、小仏峠から城山を経由して稜線伝いに高尾山頂に至るコースを選んでみました。右の画像は城山から相模湖方面を眺めたものです。雲がかかっていて残念ながら富士山は望めませんでした。

 今回の出発点となる小仏峠へは中央線高尾駅から約20分ほどバスに乗って小仏まで行き、そこから徒歩40分ほどの登りです。
 高尾駅のホームには高尾山のシンボルである天狗の大きな石像が置かれていて、なかなかユニーク。そういえば中央線のトレードマークのオレンジ色の車両がまもなく順次新しいデザインの新車両に置き換わるのだそうです。ちょっとさびしい。

 さて小仏峠から稜線伝いに20分ほど歩くと城山に到着です。高尾山の山頂(標高599m)は周囲に木が繁っていてあまり見晴らしがよくありませんが、城山山頂は開けているので、存分に展望を楽しめます。標高も高尾山より70mほど高い670mです。
 山頂の茶店(画像右)の名物"なめこ汁"(下の画像)で体を温めてから高尾山へ向けて出発しました。ここから高尾山山頂までは約30分ほどの道のりです。山頂からは薬王院経由参道を経てケーブルの麓駅まで一気に下る道です。

 【本日の行程】
本日はバス、休憩を含めて約3時間の行程でした。
高尾駅北口 ―  小仏 ― 小仏峠
  9:12   (バス) 9:36   10:09
― 城山山頂(休憩20分) ― 高尾山山頂
    10:29           11:19
― 薬王院本堂 ― 高尾山ケーブル麓駅
   11:36      12:12

(参考) 
 ・地図情報:城山、高尾山周辺 
 ・高尾山公式ページ


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