吉祥寺と周辺の街散歩

吉祥寺を中心に、中央線沿線の街のお気に入りの喫茶店、公園に咲く花、美術館、散歩レポートなどを紹介しています。

三鷹の古書カフェ「フォスフォレッセンス」は、太宰治にこだわりの店

2005年06月26日 | 三鷹


 
「綺麗な花だなあ。」
 と若い編輯者はその写真の下の机に飾られてある一束の花を見て、そう言った。
「なんて花でしょう。」
 と彼にたずねられて、私はすらすらと答えた。
「Phosphorescence」

「フォスフォレッセンス」(1947)/太宰治

 太宰治が最晩年に発表した短編小説のタイトルを、この古書カフェの名としていることから想像できるように、オーナーの方(女性です)の太宰ファン度は相当なもので、太宰が晩年に暮らした三鷹の地に開店するため、3年前に京都から移ってこられたとのことです。店は、太宰の墓のある禅林寺から道路に沿ってまっすぐ1kmほど南に下ったところにあり、すぐ隣が三鷹市立図書館という恵まれた(?)立地です。

 10人も入るとおそらくいっぱいという感じのこじんまりとした店内には、太宰関連本の棚もあり、太宰と彼の娘で作家となった津島佑子や太田治子の著書も並んでいます。太宰関連のイベントも時々企画されています。
 この日は、コーヒー(300円)と、ワッフル(350円)を頼み、「太宰治論」/奥野健男(太宰治に関する古典的評論)と、「Desolation Angels」(1965)/ケロアック(ケロアックは、アメリカのビートジェネレーションの代表的作家で「路上」が代表作)などを購入しました。

(参考)
 ・「フォスフォレッセンス」HP
 ・ 桜桃忌(当ブログ) 
 ・ 玉川上水と太宰治(当ブログ)
 ・ 「斜陽」(兄弟ブログ:tokiの映画・読書ノート)

(地図情報)
 ・ フォスフォレッセンス(中央+印) 


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三鷹 禅林寺での桜桃忌(6月19日)に参列しました

2005年06月22日 | 三鷹


 毎年6月19日の太宰治の命日に、三鷹の禅林寺で営まれる桜桃忌に参列しました。今年はちょうど日曜日で、梅雨の晴れ間でもあったので、例年に比べるとずっと参列者が多かったのではないかと思います。などと言っている僕も、実は初めてだったのでした。もっとも、この辺は普段の行動範囲内なので、太宰やはす向かいの森鴎外の墓には幾度となく訪れていました。
 参列者のほとんどが若い女性ではないかという予想は、残念ながら必ずしもそうではなくて、意外と老若男女ばらついていたと思います。
 何はともあれ、このところ太宰を読み返していて、自分の中で彼への思いが高まっている時でもあったので、タイミングよくお参りできたのはうれしかった。 
 晩年の太宰一家が三鷹に住んでいたこと(この地について好ましいことは書いていませんが)、そして家から歩いて10分もかかからない玉川上水で心中死したことで、三鷹駅前の通りと、上水の身投げの場所に碑が建てられています。三鷹駅前通りの碑(右)に刻まれているのは、「斜陽」の一節です。


(参考)
 ・ 玉川上水と太宰治(当ブログ)
 ・ 「太宰治を再読しています」(tokiの映画・読書ノート)

(地図情報)
 ・ 太宰の碑(中央+印:三鷹駅南口より徒歩約8分)と禅林寺(徒歩約15分) 

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ジブリ美術館周辺の花(6月後半) ニワナナカマド、ナツツバキ、ビョウヤナギ

2005年06月18日 | 花図鑑(夏)

ニワナナカマド(6/17撮影)

○ ニワナナカマド(別名チンシバイ)(バラ科ホザキナナカマド属)
 ジブリ美術館脇の庭に植えられていて、枝先に小さな白い花をいっぱい咲かせていました。小さな花が密集していますが、ひとつひとつの花がとても美しい。
 雨あがりの朝だったので、花に水滴がまだ少し残っていました。
  
○ ナツツバキ(ツバキ科ナツツバキ属)

 
 ニワナナカマド同様、美術館脇の庭に植えられていました。花の径は5~6cmほど。
 まだつぼみが多かったので、これからが花の見ごろなのでしょう。


○ ビョウヤナギ(オトギリソウ科オトギリソウ属)

 
 ジブリ美術館横に広がる芝生"お弁当広場"の脇に植わっていました。
 黄色い花の径は4~5cmほどで、同時期に咲く同種のキンシバイと異なり、おしべが花弁より長いのが特徴です。

(地図情報)
 ・ニワナナカマド、ナツツバキを撮影した付近
 ・ビョウヤナギを撮影した付近


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吉祥寺の「カフェ・ビシュエ」は、雰囲気がとてもいい

2005年06月14日 |  ・喫茶店、カフェ


 東急裏に位置するお店で、"ビシュエ"とはフランス語で、"薪(まき)"という意味だそうで、たしかに店内正面奥には暖炉を模したスペースがありました。
 10席ほどのカウンター席と、奥のテーブル席を合わせて25席ほどの照度を抑えた店内は、深緋色の椅子・ソファとクリーム色の壁、その壁を飾るダ・ヴィンチの絵や素描とが調和して、シックで落ち着いた雰囲気を醸成しています。
 ブレンド・コーヒーには3種(ビシュエ、ラバン、リュンヌ各630円)あり、深煎りのビシュエは苦味とコクがあり、ラバンとリュンヌは中煎りで、ラバンは酸味のある割とすっきりした味で、リュンヌは両方の中間くらいといったところです。

 この店のスイーツは、別にあるケーキ工房で作られていて、品のある甘さのモンブラン(399円)や、レアチーズにクリームを載せた、まったり感が充実のフロマージュ・シャルーズ(367円)などおいしかった。
営業時間:AM10:00~PM11:00

(参考)
 ・ 「カフェ・ビシュエ」HP
 ・ 「カフェ・ビシュエ」紹介サイト(甘党男と吉祥寺)

(地図情報)
 ・ カフェ・ビシュエ(中央の+印) 

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金沢 兼六園の花(6月前半) カキツバタ、サツキ

2005年06月11日 | 花図鑑(夏)

兼六園(6月10日撮影)
 金沢出張で運良く時間が空いたので、兼六園を散策しました。
 兼六園は金沢城と堀を隔てて隣り合っていて、もともと城に属した庭でした。加賀藩5代藩主であった前田綱紀が1676年に作庭したのが創始の名園で、1985年には"特別名勝"に指定されています。
 よく手入れされ、今どきの緑の季節もとても美しい庭園ですが、雪景色が一番と言う地元の方が多かったです。

○ カキツバタ(アヤメ科アヤメ属)

 
 庭園内は、松の樹が主体ですが、池・小川にはカキツバタが植えてありました。開花のピークは過ぎていましたが、それでもきれいな花を見ることができました。


○ サツキ(ツツジ科ツツジ属) 

 
 園内には183種、8750本の樹木があるそうですが、松の樹に次いで多いのはツツジ、サツキではないかと思われます。サツキはちょうど見ごろでした。


(参考)
 ・金沢城と兼六園ホームページ(石川県金沢城・兼六園管理事務所)
 
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6月の花(トキワツユクサ、ニガナ、ホタルブクロ)

2005年06月07日 | 花図鑑(夏)
 井の頭公園のトキワツユクサ(6月6日撮影)と、八王子にある都立滝山自然公園で見かけたニガナ、ホタルブクロです(6月5日撮影)。

○ トキワツユクサ(ツユクサ科)

 
 今の時期、公園内でも家の庭でも、ドクダミの花がやたら目立つ中、「お茶の水」の近くにひっそり群生していました。15mm径ほどの小さな花ですが、清楚で美しく、見飽きることがありません。おっと会社に遅れてしまう...
 手持ちの図鑑に出ていなくて、サイト"植物園にようこそ"さんに教えていただきましたが、南アメリカが原産地の野草とのことです。

(地図情報)
 ・トキワツユクサが群生している場所

○ ホタルブクロ(キキョウ科ホタルブクロ属) 

 名前は袋状の花弁の中に蛍を入れて遊んだことに由来しているとの説があるそうです。
 井の頭公園近くの家の庭にも咲いていたので、園芸用としても植えられているのかもしれません。

○ ニガナ(キク科ニガナ属)

 野原などで、わりとよく見かけますが、野草らしいシンプルな美しさが好きです。
 ニガナ(苦菜)とは、葉や茎に苦みのある白い乳液を含むことから付いた名です。
(参考)
 ・滝山自然公園案内(東京都公園協会のHP)
 
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井の頭公園の花(5月後半) エゴノキ、ヤマボウシ、ハコネウツギ

2005年06月01日 | 花図鑑(春)

満開のエゴノキ(5/20頃)

○ エゴノキ(エゴノキ科エゴノキ属)
 井の頭公園駅脇でいっぱいの花を咲かせていました。撮影している間も花がぽとぽとと足元に落ちていて、木の下は落花で白くなっていました。果実の皮は有毒だそうで、かつては魚を採るのに使われたそうです。
  
○ ヤマボウシ(ミズキ科ミズキ属)

 
 この木もエゴノキと同じ広場の片隅にありました。白い手裏剣のような形状が特徴的で、庭木として植えている家もよく見かけます。白い花弁のように見えるのは実は花を包む総苞片(そうほうへん)で、花は中心にある黄緑色の部分なんだそうです(ハナミズキも同様)。

○ ハコネウツギ(スイカズラ科タニウツギ属)

 
 ジブリ美術館横の"お弁当広場"の脇に植わっていました。白と赤の花をつけていますが、白色で開花し、後に赤い色に変化して、樹全体が紅白の花で彩られます。 

(地図情報)
 ・エゴノキを撮影した付近
 ・ハコネウツギを撮影した付近


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