ときわの広場

ときわ動物病院のコミュニティ。診療のお話やしつけ教室の様子など、ざっくばらんに綴っています。

ウサギ専門診療科12 膿瘍

2014-05-31 15:21:53 | ウサギ専門診療科
今日は膿瘍(のうよう)についてのお話です

膿瘍とは化膿して、膿が溜まった袋ができてしまう状態で、
アブセスとも呼ばれます

ウサギの膿は白~クリーム色、ドロッとした液体から
チーズのような固さのものまであって、
ワンちゃんネコちゃんの化膿した時とは、
見た目もだいぶ異なります

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写真は左前肢の肘の近くにできた皮下膿瘍です

表面にできたカサブタの下から白い膿が少量見えています。

このように身体の皮膚にできることもありますし、
歯が悪くて顎や頬にできることもあります。
足底皮膚炎(ソア・ホック)が悪化して、
足裏にできることもあります

膿瘍ができた場所によっては、
完治が難しく持病となることもあるので、
うまく付き合っていくことが必要です

それでも、早め治療が功を奏することが多いので、
見つけたらすぐに病院に連れて来てあげてくださいね



ときわ動物病院
〒596-0823
大阪府岸和田市下松町3-4-1
072-493-6710

再生医療科1 活性化リンパ球療法

2014-05-30 19:07:26 | 院長のつぶやき
こんにちは、岡村です。


先進医療である再生医療技術を、
当院に来られる動物と飼い主さんに提供できることは、私自身のかねてからの望みでした。
学生時代には自律神経の再生に関わる研究を行ない、再生医療を夢みて研究に励んでいました
あれから10年近くたち、こうして臨床現場で提供できるようになり、
時の流れを感じながらも嬉しく思います
近頃はテレビや新聞でもとりあげられていますね
医療や生活の質の向上、アンチエイジングにも応用されているようです。


炎症がおこったり、変性がおこったり、修復がおこったりした際の、
体の細胞が連絡を取り合う際に
役割を果たすのが細胞間伝達物質であるサイトカインといわれる物質です
これがなければ、炎症が広がる事も、修復、再生が行われる事もありえません。


白血球のなかでもリンパ球は
サイトカインにより、命令が下されたり、
自身もサイトカインを分泌し命令したりしています。
そうして抗体を産生して抗原をやっつけたり、
あるいは自身が直接攻撃をしたりするなどで、体の防御・免疫を支えてくれています。



動物における活性化リンパ球療法は主にがん治療で応用され、
外科治療、抗がん剤や放射線治療の他の治療として認識されています



採血し、血液からリンパ球を分離し、
それを培養して増やして、体の中にもどします。
この際に腫瘍免疫をつけるという特別な役割をあらかじめプログラムすることもあります。


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培養は当院一の才女、赤堀が行っております

培養により増加したリンパ球は顕微鏡で確認できます。
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あとは、静脈から投与します。
この活性化リンパ球療法は今のところ、わんちゃんと猫ちゃんで利用できます。
細胞療法は活性化リンパ球の他にも、幹細胞や血小板を用いる方法もあります。
うさぎさんには、脊椎骨折などの脊髄損傷に対する脂肪幹細胞を用いた再生医療に期待しています
より小さい動物さんは、まだ残念ながら、培養手技が確立されていませんので、非適応になり、
今後の発展が待たれます


パピークラス★☆★

2014-05-29 17:56:18 | パピークラス
今日の大阪の天気は、真夏日になるかも!!とのこと
そんなお天気の中、パピー教室が行われました

今日は初めてのフランちゃんが参加してくれました。

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とってもかわいい女の子のプードルさんです


ベテランパピーちゃんの2頭とは少し時間差を作り、
フランちゃんは社会化をメインに、
ベテランさんは少しトレーニングに力を入れて、
一緒にお勉強する時間と別々の時間を作ってみました


★音への社会化

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色々な音を聞きながら、大好きなフードを食べました。
初めての場所でも、しっかりとフード食べられました
それだけでもすごいのに、ドライヤーの風を受けてもへっちゃらでした

★色々な物の上を歩く
ガタガタした板の上や、ビニールシート、人工芝など色んな素材の物の上を歩きました。
物怖じすることなく、自信を持って歩んでくれました


ベテランさん2頭が来てくれて、
★初めましてのごあいさつ

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しっかりと様子を見つつ、
★Play Time

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初めは、新入りのフランちゃんの押しの強さにタジタジな2頭でしたが、
少し落ち着いたらこの通り
一緒に仲良く追いかけっこをしていました

この低い姿勢からの『お兄ちゃん、遊ぼ?』の目線がめっちゃかわいかったです
左から、フランちゃん→マルコちゃん→ガブちゃん です



★変な物の中を通る
トンネルの中を3頭が、我先にと通っていました

★仰向け抱っこ

★体をさわる練習
どこでも触らせてくれる子を目指しましょう

★はみがきへの道

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歯みがきは、地道な努力と頑張りすぎないことが大切です
無理に行うことは避けなきゃいけません!

今日初めてのフランちゃんは、口周りをさわる練習
ガブちゃんとマルコちゃんは、歯みがきです。奥歯もしっかりと見せてくれるようになっています
お口を開ける練習もしました

★オスワリ、フセ、ゴロン

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2頭そろってのゴロ~~ン


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今日は、オスワリを長くしていくトレーニングをしました。
『OK』と言われるまでオスワリを続けていく練習です

★2頭でのPlay Time
今日も仲良く元気よく遊んでいました。


そんなこんなで今日も終了となりました。
ガブちゃんが次回で、パピークラス卒業となります


今日はあまりに暑すぎて、お外での授業は断念しました
これからの季節、熱中症やアスファルト・マンホールなどでのやけどには注意してあげて下さいね


また来週楽しくお勉強しましょー


整形外科6 犬の骨盤骨折

2014-05-27 15:10:32 | 院長のつぶやき
こんにちは、岡村です。


4本足で元気に駆け回る姿がとてもハッピーな気分にしてくれるのが、わんちゃん
整形学的疾患によって、この元気な姿がみられなくなってしまいます。
関節や骨の疾病では著しい跛行を示し、
まともに体重を負荷することもできなくなってしまいます


骨盤は、3つの骨からなり、結合・関節を形成することで、
立体的な四角形構造を作り、安定を維持し、下半身を支えています。
骨盤が原因で後ろ足が跛行を示す時、立体構造の破綻を意味します。
骨盤骨折の放置は、そのうちに歩く事もできるようになるかもしれませんが、
立体構造の変形から、腸などの中にある臓器に影響を及ぼすことがあり、
物理的な問題から便がでにくくなるなどが起こりえます


骨盤骨折では、そういった問題がおこらないように整復する必要があります。


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プレートを当てて、骨折部を整復しました。
術後1月をすぎた頃には、かなり上手に足が使えるようになり、
体重もしっかりとのっけられるようになりました。


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骨盤骨折は事故による発生がほとんどで、交通事故が多くを占めます。
たまに、ノーリードで散歩されている方をお見かけしますが、
絶対にノーリードはよくありません!
リードをつけないことは愛情表現にはなりませんのでご注意くださいね


パピークラス☆

2014-05-26 17:56:57 | インポート
今日はあいにくの雨模様でした
そんなお天気にも関わらず、パピー教室がありました

マカロンちゃんは、本日パピー教室が最後です。
次回からジュニアクラスに参加されることになったので、
「わんちゃんについて」のお話をさせていただいた後に、パピー教室となりました

わんちゃんってどんな動物で、どんな風に学習するのか
などを詳しくお話させていただきました


パピークラスの内容をかい摘んで報告したいとおもいます

★はみがきへの道
歯みがきは歯をしっかりと見ることが出来ていないと、歯ブラシは使えません。
でも、歯が見られるようになれば出来るので、
焦らずに、嫌がらず見せてくれるようになるようにしていきましょう

大事なのは ”焦らないこと” です

★アイコンタクト

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名前を呼ばれたら、呼んだ人の方を向く練習です。

名前呼ばれたら、いつも小言を言われていると、名前が嫌いになっちゃいます
名前呼ばれたら、大好きな飼い主さんの方を向くと、褒めてもらえて、ごほうびまでもらえます
そしたら、名前呼ばれたらキラキラした目でこっちを向いてくれるようになりますよ

せっかく家族で色々悩んで話し合い
つけてあげた、「名前」好きになってもらいたいですよね

★おいで
「◯◯ちゃん、おいで~」と楽しそうに呼びます。
なるべく近くまで寄せてきて座らせます。

上手に出来ていました


★オスワリ、フセ、ゴロン

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本日、初めてのゴロンができました
勝手におなかを見せてくるのではなく、人の指示に従っておなかを見せることってなかなか難しいです

でもすっごく上手にできていました


マカロンちゃんもパピークラスに参加していますが、
社会化期も終わっているので、少しジュニアクラスに近いような内容で行っています。


本日で、パピークラスは卒業ですが
ジュニアクラスにも参加してくれるようなので引き続き
気負わず楽しんでやっていきましょー


ではまた、次のしつけ教室をご報告できればと思います~