ときわの広場

ときわ動物病院のコミュニティ。診療のお話やしつけ教室の様子など、ざっくばらんに綴っています。

今週のしつけ教室

2015-05-30 18:19:25 | しつけ教室
5月5週目

5月ももう残り少なくなってきました
1年のうちの5ヶ月も終わってしまいました
月日が過ぎていくのは本当に早いです


そんなわけで今週のしつけ教室の様子を報告です~


5/28(木)パピークラス

今回で卒業のりくちゃん。
今回は落ち着く練習をメインに行いました!

☆足元でのフセ
パピークラスではあまり教えないのですが、
りくちゃんのお悩みにはオススメの項目だったので、
ジュニアクラスでの内容を前倒しで行いましたよ~




☆おすわり、フセを長くする

飼い主さんが「OK」と言ってくれるまで、
言われたことを続けていきます。

ご飯の前だけに食べることを我慢するマテではなく、
「OK」の指示まで、今の行動をキープしてね のマテとして使っていきます。

パピークラスだけでこんなに上手にできている子犬さんは初めてでした
スバラシイ


☆リードをひっぱらずに歩く

お散歩でうれしくて気が逸ることは当然の事ですが、
ずっとずっと引っ張りっぱなしではお互いとっても疲れてしまいます




どこを歩いて欲しいのか教えていきます
リード緩んで歩けています


今回で卒業となったりくちゃんでしたが、
6月からはジュニアクラスにも来てくれるそうなので、
またこの元気な笑顔に会えるかと思うと楽しみです

5/30(土)ステップアップクラス

☆歯みがきへの道
ゆっくりですが少しずつ歯みがきへ近づいてくれています
少しずつそのわんこさんに合ったペースで進めます

他人は他人
他犬は他犬

☆ハウス

お出かけするときだけに使うのではなく、
日常から、どこにも行かなくても「ハウス」のトレーニングをしていきます



ハウスを大好きにしておくと、いろんな面でとっても便利です。
でも、大好きにする努力をしないと閉じ込められる、病院に行くだけの大嫌いなものになっちゃいます

☆鈴鳴らし
何にも役には立ちませんが、
できるととってもかわいいし、とても好きなトレーニングになることが多い『鈴鳴らし』

はじめは何を求められているのか、困っていたまろちゃん
やっていくうちに、「あっ!こーすればいいんか!!」って繋がっていきます



ちっちゃい鈴の音を聞かせてくれましたよ


タンバリンとカスタネットを指示通りに奏でるきみちゃん



タンバリンは鼻で、カスタネットは前足で鳴らします。
きみちゃんの一番好きなトレーニング


こんなにうれしそうにトレーニングをするわんこを見ていると、
本当に犬って人と何かをすることが好きなんだなぁと実感します。


トレーニングの必要性とか堅っ苦しいことは置いといても、
飼い主さんとわんこが何か一つのことをやっていくことで、
お互いが楽しければとっても価値がある時間だと思います。

もちろんその時間が、成果として現れるんですけどね


そんなわけで今週の報告はおしまいです
ではまた~


ときわ動物病院
大阪府岸和田市下松町3-4-1
072-493-6710
(電話のかけ間違いに注意してください)
動物看護師:たづみ

ウサギ専門診療科39 慢性腎不全

2015-05-29 18:02:21 | ウサギ専門診療科
今日は慢性腎不全のお話です

腎臓は血液中の老廃物を尿として排泄したり、
水分の排泄を調節したりする大切な臓器です

腎臓が障害され、その働きの75%が失われると、
本来は尿として排出すべき老廃物が体内に
蓄積し始めます

この状態になると、血液検査で
腎臓の数値に異常が出始めます

腎臓は一度、障害を受けると、
元に戻ることはありません

慢性腎不全になると、
尿を濃縮する能力が徐々に低下し
尿量が増えます

同時に、尿として出ていった水分を補給するために
たくさん水を飲むようになります

また、尿毒素の影響で、食欲が落ちたり
体重が減少したり、貧血や無気力を
引き起こすこともあります




写真のしっぽちゃんも、この症状が当てはまりました。

しばらく入院治療を受け、無事に退院しましたが
点滴が欠かせません

腎不全では不足する水分をしっかりと
補給をしてあげることが大切なのです

しっぽちゃんは、ご家族のご協力のもと
点滴を続けています

しっぽちゃんは飼い主様ご家族にとって家族の一員であり、
みんなで看護してくれているのがヒシヒシと伝わってきます

その愛情に応えるかのように、
元気な姿を見せてくれるしっぽちゃん

まだ治療は続きますが、
しっぽちゃんが元気でいられるように
飼い主様と一緒に頑張っていきたいと思います




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今週のパピークラスと野鳥さんのこと

2015-05-23 19:34:33 | 動物看護師のつぶやき
5月4週目 

今週のしつけ教室はのーんびりでした。

5/21(木)3頭が参加してくれましたが、2頭が卒業です
また少し寂しくなりますが、また新しいお友達も来てくれるでしょう


今回は困ってます!!!というご相談を受け、

☆お散歩の仕方
リードを引っ張らないお散歩の仕方を伝授

伝授といっても、話を聞いただけじゃ学べるわけもなく…
まずは屋内でコツを掴んでもらうべく、練習です



すっごく上手に歩けています!!
どこを歩いてほしいかを教えていきますよ

☆おすわり、フセ
手の合図ではみんな完璧にできるようになっていますので、
あとは1回の言葉の指示でできるようになればいいですね

☆フセ


☆ゴロン
ゴロンが得意のりくちゃん



ゴロンが苦手だけど、とっても頑張って克服できたそらちゃん


3頭とも上手にゴロンができるようになりました

☆アイコンタクト
名前を呼ばれたら、呼んでくれた人を見る練習と
自主的に飼い主さんに注目する練習 をしましたよ

☆フセを長くする
☆おすわりを長くする


☆プレイタイーム




今回で、卒業となったそらちゃんと麦ちゃん
パピークラスが終わっても、飼い主さんとの楽しいトレーニング、続けていきましょうね


では今週はここまで



鳥の話

夏ももう近くに感じられる頃になってくると、野鳥さんが巣立ちを迎える時期。
鳥ですが、巣立ちをしたばかりのヒナは、飛ぶことはできません。

人の子どもがはじめから自転車に乗れないのと同じです。

少しずつ少しずつ親から飛び方や獲物の取り方などを教わります。

羽毛が生え、地面をぴょこぴょこ歩いている、ジャンプしているヒナは正常な状態です。
全く人に助けを求めていませんので、絶対に捕まえないでくださいね
親が必ず近くで見守っています。


心許ない様子ですが、そっと見守ってあげてください。

もし道路にいて危ないようでしたら、少し追い立てて安全な場所まで誘導してあげてください





良かれと思い行ったことが、野鳥さんを苦しめちゃうこともありますので、
正しい知識で、不幸な野鳥さんを増やさないようにしましょう

えらそーに語るそんな私も小学生の頃、巣立ち雛を誘拐しました。
(その後すぐに親が迎えに来たので、放鳥しましたけどね

知らなかったとは言え、他の人に同じことをして欲しくないので、正しい知識を少しでも広げられたらと思います。







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動物看護師:たづみ  でした



災害時の備え ーペットはどうしたら?ー

2015-05-19 11:41:38 | 動物看護師のつぶやき
災害時の備え~ペットを連れて~

あまり嫌なことを考えることが好きではない私ですが、
日本に住んでいる限り、天災の可能性は必ずついてまわります。

・もし、地震が起きたら…
・もし、津波が来たら…
・もし、地崩れが起きたら…
・もし、大雨が降ったら…

など真剣に考えたことがありますか?
私自身、小学生の時に阪神淡路大震災を神戸で経験しました。
いざ!!!というときにすぐに持っていけるように備えておきましょう!!

人用の災害グッズは売っていますが、ペット用のグッズはなかなか売ってないと思います。
なので、使わないことを祈りつつ、用意しましょう!準備しましょう!!

ここに書いてあることは、わんちゃん猫ちゃん用です。
他の動物さんも用意するものなどは、基本的には同じですが、その種に必要な物、必要な事のグッズは用意しておきましょう。
まず、災害時ではなくても基本的なことができていますか?


①首輪をつける

Q.お散歩の時だけつける!のではなく、家にいるときも常につけていますか?

インターホンが鳴って、来ている人にびっくりして玄関から出て行ってしまったり、
家族が出て行く時について出てしまったり…など予期せぬ時に予期せぬことが起こることもあります。

 

Q.サイズは合っていますか?
苦しそうと、首輪をゆるゆるにしてはいませんか?
指2本入ればOKです!
苦しそうに見えても苦しくはありません。

引っ張っても抜けないか必ず確認しましょう。

逃走時に誰かにリードをつけてもらっても、ゆるゆるだと抜けちゃいます。

飼い主さんとお散歩に行く時には、踏ん張って「いやだ~~!」ってならなくても、
知らない人にリードを持たれたら、踏ん張ってついてこないことはよくあります。
その時に無理に引っ張ると、首輪が抜けちゃいます。
そしたら、その後は首輪もついていない状態で、飼い犬か野犬か捨て犬か分からなくなってしまいます。

私もホテルで預かっているわんこでヒヤッとした経験があります!
(リード2本で行っていたので、抜けても大丈夫なんですけど、焦ります!!)


②迷子札と狂犬病の鑑札を首輪につける
迷子札は見ればすぐに、飼い主に連絡することが可能です。

以前、首輪の裏に電話番号を書いているという犬がいました。
緊急の事態で、首輪を外すということはその子の唯一の情報を外すということ。
飼い主さんは、どんな時に連絡して欲しいのかを想定して、連絡先を提示しなくてはいけません。

パッと見て分かるところに書きましょう!!つけましょう!!!


狂犬病の鑑札と済票はつけることが義務付けられています。
これも飼い主の最低限のマナーだと思います。

鑑札の番号を調べれば、飼い主を特定できるのでつけてあげましょう。
小型犬でプラプラしているのがジャマな場合は、縫い付けたり、
ジャマにならないようなグッズもあるようですよ。


うちの子きちんと狂犬病ワクチン打っています、登録していますというアピールにもなります。


③マイクロチップを入れる

これは義務ではありませんが、入れておくに越したことはないと思います。
首輪に迷子札と鑑札をつけていても、首輪が切れたり抜けたりしては全く意味を成しません。

その点マイクロチップは、外れることはありません。

しかし、せっかく入れているのにマイクロチップの登録をされていないという方が稀にいます。
マイクロチップを入れたら、
この番号は○○さんのところの犬で、連絡先は×△のいうことを管理会社に登録しないと意味がありませんのでご注意を!

マイクロチップは入ってるけど、どこの誰の子かわからない状態になります。

そして、登録内容(住所や電話番号など)が変わったら、必ず連絡しましょう。



そしていざ災害時の避難することが必要となった際のこと

一緒に避難しましょう!


環境省もそう言っています。
しかし現時点で日本中の自治体全てが、態勢を整えているわけではありません。

☆自分の地域の現状を調べておきましょう



そして、
準備しておく物は、



☆5日分程度のフードとおやつ

☆ペットシーツ

☆トイレ砂、トイレになるような入れ物(猫)

☆水、水入れ

☆リード(予備も)

☆タオル

☆飲んでいる薬

☆クレート

☆動物の全身が写った写真

 もしいなくなった時には、コピーして張り出すことができます。
 これは備え用と、常に飼い主さんが持っておく用がある方がいいでしょう。
 家にいるときに災害が発生するとは限りません。
 飼い主が外にいるときに災害に遭い、犬や猫は自力で逃げたけれど、探す術がない…
 なんて事にならないように。


準備しておくこと

☆クレートトレーニング
 狭いところに入ることに慣らしておく。
 クレートを落ち着くことができる、好きな場所にしておくことがとっても大事です。

☆色々な環境や人に慣らしておく
 一緒に旅行に行ったり、電車に乗ったり、車に乗ったり、様々な経験に慣らしておきましょう
 外が怖い、飼い主さんしか触れない、他の人をとても怖がる!なんてことのないよう
 日々、飼い主さんが一番だけど、他の人も大丈夫だよ!って子にしておく方がいいでしょう
 

 案外、いざという時には状況に慣れていくるということもあるようですけどね

☆基本的なトレーニング
 体を触られることを嫌がらなかったり、トイレトレーニングなど基本的なことが
 身についていると、いざという時にも犬も人もラクチンです



あとは、携帯電話やスマートフォンにメモしておくと便利なことがあります。

☆混合ワクチン、狂犬病ワクチンの接種日を記載しておく
 狂犬病の登録番号やマイクロチップの登録番号も記載している方がよいでしょう。

☆処方されている薬の名称と容量を記載しておく
 特に心臓疾患やてんかんの薬などはメモしておくと良いようです。
 これはきっと人も同じでしょうね。

処方食を使っていて覚えられないようでしたら、これも記載しておきましょう。




そして、家にフードやペットシーツ、トイレ砂など備蓄を多めに置いておくことが良いそう。


これだけ書きましたが、結局本当に避難する時には、人の避難グッズと動物を持つと他に持てるものなどしれています。
もしかしたら、お子さんもいたりすれば、着の身着のままになるかもしれません。

避難所から一時的に家に戻ることできたら、必要なものを取りに戻ることができます。


それでも、一応必要なものをリュックなどに入れてすぐに持ち出せる場所に置いておきましょ



備えることで大切な家族が守れますように…

  
他にも「コレあったら便利!」「備えといたらいいで!!」というものがありましたら、
ぜひ教えてください









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(お電話のかけ間違いには注意してください)
動物看護師:たづみ  


ウサギ専門診療科38  うさぎの股関節脱臼

2015-05-18 16:57:04 | ウサギ専門診療科
こんにちは、岡村です
うさぎさんの骨は犬や猫と違う特徴を持ち、
脊椎や四肢などの骨がふと折れてしまう事故も多く見られます
また、股関節の脱臼も時折みられますが、治療の難しい疾患の一つです。

関節の外傷性脱臼が起こる際、
骨ではなく関節を形成する靭帯や関節包などの軟部組織が損傷をうけています。
骨に病変があるわけではありません
放置した場合でも、筋肉を使って歩けるようになり、生きてはいけますが、
後々に関節症を発症して痛みとの闘いなど生活の質に影響を及ぼすこともありえ、
この場合、痛みのケアやQOLの維持が治療対象となります
もちろん整復することが最良と考えます。
しかし、脱臼を入れ直しても常法通りのテーピングが困難な動物であることもあり、
再脱臼を免れないのがウサギさん
だから難しいのです
最終的には大腿骨頭切除術という骨を切る治療法も一手となりえ、
うさぎさんの股関節脱臼の外科治療といえば、この手法が多いのではないでしょうか
この場合でも筋肉などの軟部組織の支持により次第に歩けるようにはなります
しかし、うさぎさんの受ける外科的侵襲への配慮から、
結果的に無処置を選ばれたうさぎさんも多くいると思われます。

右足の股関節が脱臼したうさぎさん(仰向けで撮影していますので、左が右になります)



今回、なんとか骨切除せずに整復し維持したいと考えました。
結果、再脱臼を起こすことなく経過できています。
外科治療後3週間での様子です。
先ほどのレントゲン写真と比べて、大腿骨頭部がうまくはまってくれています


たまたま幸運に再脱臼していないのかもしれず、
受傷の程度や治療開始時期など種々の要因もうまくいっていることに関係あると思います
治療選択肢のひとつとして罹患したウサギさんを、あるがままの姿に戻し、
やむを得ずという場合もあるでしょうが、関節症の苦しみや骨切り治療から脱却してあげられればと思っています


治療法はさておき、
事故や怪我を防ぐことが何よりも大切です
後ろ足がひっかかる、落下させるなど、
大きな外力が股関節に加わって脱臼することは確実ですので、
そうならないよう工夫や配慮をしてあげてくださいね。