ときわの広場

ときわ動物病院のコミュニティ。診療のお話やしつけ教室の様子など、ざっくばらんに綴っています。

ウサギ専門診療科71 膀胱結石と子宮疾患と臼歯過長の併発

2016-10-23 09:55:11 | ウサギ専門診療科
今日は膀胱結石と子宮の病気と臼歯過長を
同時に起こしてしまったウサコちゃんのお話です。

ウサコちゃんは5歳のミニウサギさん

血尿と食欲が落ちているとのことでご来院されました。

血尿に関しては...
避妊手術を受けていない女の子のウサギさんでは、
尿に血が混じった場合、膀胱炎か子宮の病気の
どちらかがが疑われます

実際には子宮が原因であることの方が多いのですが
ウサコちゃんの場合はめずらしく両方でした

膀胱の中に結石ができていて、膀胱炎が起きていました。

横向きのレントゲン写真で、左側が頭側です。
赤い矢印の先にある白色の丸いものが結石

ウサコちゃんは何度も何度もおしっこの姿勢を
取っていました
常に残尿感のような気持ち悪さと
痛さがあったはずです

また子宮も一部に腫れがありました

一方、食欲不振の原因は臼歯過長。
臼歯(奥歯)が伸びて舌に当たり、食べたくても
食べられない状態

こんなに病気をいくつも抱えながら、
ウサコちゃんは懸命に頑張っていました

ご来院された日からすぐに入院
翌日には手術を受けることになりました。

膀胱から取り出した結石です。

術後は、おしっこも順調に出せるようになって
元気に退院していきました

ウサコちゃんがスッキリした明るい表情に
なったのを見て、わたしもとても嬉しくなりました


病気は常にひとつではなく、重なってしまうことも
あります
でもそれぞれの病気のサインをウサギさんは
出してくれています

ウサコちゃんは、
① 赤色のおしっこをする
② 食べない
③ 何度もおしっこの姿勢をとる
...という3つのサインを出していました

こういうサインを見逃さないように、
普段からよく観察してあげましょう
そして、おかしいな?と思われたら
できるだけ早く受診するように
しましょうね



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