ときわの広場

ときわ動物病院のコミュニティ。診療のお話やしつけ教室の様子など、ざっくばらんに綴っています。

皮膚科1 犬のマラセチア性皮膚炎

2013-08-30 11:27:26 | 院長のつぶやき
こんにちは、岡村です。



皮膚に炎症を起こした結果、
痒みを伴い、被毛を脱毛させることで、わんちゃんを苦しめる皮膚炎
痒みは一連の生体反応の流れで引き起こされます。
皮膚炎を患う動物では、「かきむしる」行為を防ぐ事が大切です
自分自身も幼少期にはアトピーがあり、掻きむしっていたのでよくわかります。



今回のテーマとなるマラセチア性皮膚炎とは、
マラセチアという表皮に常在する酵母様真菌による皮膚炎です。
この微生物は湿気と脂を好み、皮膚環境の変化や免疫機能の変化により増殖し、
病原性を有してしまいます
耳にもいますので、外耳炎の理由としてもよく目にします。
顕微鏡でみるとこんなふうにみえます。


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症状は脱毛、皮膚の炎症、肥厚、かきむしる、臭うなどで、
かわいそうな様相を呈してしまいます


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内服やシャンプーなどで病原体を抑え、
炎症を鎮め、かきむしる事をやめさせるなど、
上手に管理することで、改善がみられますが、
飼い主さんの努力がとても必要です


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同じわんちゃんとは思いにくいですね
良い皮膚のコンディションを維持するためには、
継続してシャンプー療法を行うなどが必要なこともありますが、
痒みもひき、気持ち良さそうに眠るわんちゃんをみていると、
なんだが頑張れちゃうという声をよく伺います



皮膚の痒みは、掻きむしって悪循環になってしまうので、
早めに病院と相談して対応してあげてくださいね





パピークラスとジュニアクラス

2013-08-24 19:41:11 | パピークラスとジュニアクラス
昨夜はとんでもない雷雨でした
今日もシトシトと雨が降り続く中、パピークラスとジュニアクラスがありました


★色んな物に慣れる練習
 ☆傘

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お家で頑張って自主練したらちょっぴり傘がこわくなってしまったので、リベンジです
初めから近いところではなく、
遠くで小さい音から初めて徐々に近づいていくようにしましょう
リベンジ果たせました

 ☆長靴
今日のパピークラスのお二人さんは全く気にしませんでしたが、
次のクラスのジュニアクラスのわんちゃんが苦手だということが、後に判明(笑)
先生も持ってきてくださった甲斐があり、無事克服することができました

 ☆トンネルくぐり
得意さん、苦手さんがありますが、
パピーちゃんの場合、苦手な子はそういったところに入ったという経験がないだけです。
ゆっくりと良い経験を積み重ねていきましょう

 ☆脚立
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マリーちゃんの得意の脚立
楽しそうに、そして自信に満ちた歩みでした

 ☆ガタガタする場所を歩く
 ☆ハードルジャンプ

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軽やかなジャンプです
さっすがシェルティさっすがマロン

★体をさわる練習
足先とか目のまわりとか嫌がるわんこは多いです
どこを触られても平気なわんこを目指しましょう

★歯みがき
まずは歯を見られることを嫌がらないようにしていくことが一番大事です
そして、そこまで決して焦らないことが一番の近道です

★オスワリ、フセ、ゴロン
★なんとなくヒールで歩く
パピークラスなので、バッチシなヒールをしなくてもいいですが、
お散歩中に右や左や後ろや前や行ってしまって、飼い主さんこけちゃいそうに…ってことなので、
授業に入れました。


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とても上手なヒールでした
飼い主さんの左側にいたら良いことがあります

今日でマロンちゃんは6回目で卒業となりました。
得意のオスワリ、フセ、ゴロンを披露して無事に卒業です
おめでとうございます

また次のクラスもありますので、ご興味ありましたらご参加お待ちしています。


そして次はジュニアクラス
★足下でのフセ→OKと言われるまで

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家でめっちゃ頑張ってくれているんだと思います。
とってもじょうずでした

★オスワリ→アイコンタクト→OKと言われるまで

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やる気スイッチが入ればとっても上手にできます

こつぶちゃんのこのキラキラした目がとってもステキです~
長靴とも仲良くなれました


★犬とのすれ違い

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ヒールポジションで歩いて、わんこと近くなる時だけごほうびをあげます
犬の方を見てワンワンなるより、飼い主さんの横を歩いている方が良いことがあるようにします

★歯みがき

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こつぶちゃんは本当にどこを触られても平気です
すばらしい得意分野ですねー
歯みがきも嫌がることなく上手にしてもらえます

★仰向け抱っこ
パピーちゃんの時からしているので、さすがの上手さでした


後は個々の困っていることなどを相談して、今日のお教室はお開きとなりました

次回は1週間空いて、9/7(土)です
パピークラスは13:30~
ジュニアクラスは15:30~です

宿題がいっぱい出たと思うので頑張ってください~

そして宿題と言えば…学生さん
残り少ない夏休みは謳歌しつつ、宿題頑張ってください~



ジュニアクラス

2013-08-22 20:55:20 | ジュニアクラス
今日は安国先生の生徒さんのこむぎちゃんが飛び入り参加で、
一緒に授業を受けてくださいました。
ゴールデンレトリバーのとってもべっぴんさんの女の子。

CAPPに参加した帰りに一緒にお勉強してくれました。
(CAPPとは、日本動物病院福祉協会が推進するアニマルセラピーの総称。高齢者施設、病院、学校などを訪問し、そこの施設の方々に動物の持つ温もりや優しさにふれて頂くボランティア活動のことです。)


まずは、
★足下でのフセ

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飼い主さんが座ったら、すぐにフセをさせます。
みんなでする時には、わんこの向きにも注意を払います。
お顔が向かい合わせにならないようにしましょう

★オスワリ マテ
初めは「マテ」は言わずに、解放の「OK」といわれるまで座ります。

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いずれは、お散歩中などに「オスワリ、マテ」と号令をかけて、
うんちを拾ったりできるようになりたいですね

同じように、
★フセ マテ

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みんなめっちゃ上手ですね

★ヒール
手の合図でヒールポジションに移動です

Hiru

まずは座らなくてもいいので、きちっとポジションにつくこと。
それが出来るようになったら、座らせますが、ここで「オスワリ」の言葉は使いません。
ヒール=横で座ることなのであえて「オスワリ」の言葉は必要ありません

★犬とのすれ違い

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★おいで
わんこの方に行ってしまいそうなそんな時!!!「おいで」を使います。
こっちに来てくれるように、しっかりとフードで誘導しましょう
なにもなければ、わんこの方が魅力的なのでそっちに行ってしまいます

ついつい色んな場面で「おいで」を乱用してしまいますが、
わんこが混乱しないよう、あまり頻繁に使うこと避けましょう


おいで=オーナーさんの足下まで来て座って首輪を触る です!
ちょっと来てほしい時などは別の号令を使いましょう


歯みがきの練習なども行い、そんなこんなで今日の授業は終了しました。
少人数で個人個人みっちりとトレーニングできてよかったです


おまけ写真
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放課後残ってハードルの自主練をしていたむさしくん
楽しそうにJUMPしていました


一緒に参加してくれたこむぎちゃん、ありがとうございました


次のジュニアクラスは
8/24(土)15:30~
9/7(土)15:30~
です。
少し時間があいてしまうメンバーさんもいますが、
今日頑張ったことをしっかりとお家で練習してくださいね

ではまた~☆




ジュニアクラス

2013-08-14 10:59:43 | ジュニアクラス
こんにちは、岡村です。
しつけ担当の徳岡が一足早くお盆休みに入りましたので、
かわりに報告しま~す


8/13 ジュニアクラスが開催されました
ジュニアクラスでは、パピークラスで社会化時期を過ごしたわんちゃん達が、
今度は人と犬の共同社会生活を上手くしていくために、
色々なマナーをみにつけていくための教室で、少しずつトレーニングが入っていきます。

今回、ジュニア初参加のアンちゃんと、ムサシちゃん
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少し先輩のルイちゃん


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の3頭で行われました。

まず、待っている時に、ちょっとすまして待つための方法。
動物病院やドッグカフェなどで、とても役立つでしょう。
わちゃわちゃ動き回るよりも、人がいようが、犬がいようが、
賢く飼い主さんの足もとで「伏せ」して待つトレーニング。

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飼い主さんの手が膝の上でも、かしこく待っています





次は、うろうろ動き回らせるのではなく、飼い主さんの「横」でアイコンタクトをとるトレーニング
これから行うトレーニングの基本となります。

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さすが先輩、とても上手


これができれば、「横について」これます。
お散歩中の信号待ちや、便などを拾うときなんかも
こうしていてくれていると、なんだかちょっとオシャレですよね

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○○するから、ちょっとまっててね~という感じです。
ちょこんとまっててくれたらますますかわいい

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これで散歩は大変。さらにあっちへいき、こっちへいきとしてくれると、リードもぐちゃぐちゃに
飼い主さんの何となく横をあるいてくれたら楽チンです。
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さて、リードの持ち方の講習もありました。
リードはふとした時に、離してしまうようではよくありません。
こう巻くといいようです。
「うちの子賢いからノーリード」はありえませんのでご注意を
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最後はわんちゃん同士すれ違う時のちょとしたコツ。
お互いワンワン言いあっている姿はよくみかけます。意識をそらすことも有効です。
「横について」いればそれもやりやすいです。
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毎日こうして管理していき、一つ一つの事象に対応していくことはなかなか大変ですが、
いろいろ吸収していただき、楽しんでトレーニングしていってもらい、
自分の子を立派な市民・社会人にして欲しいと願います


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飼い主さんとわんちゃんとの関係の哀愁漂う写真がとれたので、のせちゃいました。



遊び好きで、お子ちゃま感が残るアンちゃん
左右どちらでものターンが苦手なルイちゃん
トレーニングがとっても優秀で、お口周りを触られる事だけが苦手なむさしちゃん
みんなのいいところをますます伸ばしてもらえる様、宿題もこなして、成長っぷりをまたみせてくださいね。


次回トレーニングは
8/17(土)はしつけ教室はお休みです。
8/22(木)14:00~ ジュニアクラス
8/24(土)13:30~ パピークラス 15:30~ ジュニアクラス
です




エキゾチック診療科6 モルモットの重度の眼球周囲炎(眼球摘出術)

2013-08-12 17:37:08 | 院長のつぶやき
こんにちは、岡村です。



今日は眼科のお話です
当院では小動物さんがよく来院されます。
つぶらな瞳に大きな目がとても魅力的な動物が多く、
モルモットさんもその仲間です。



モルモットの眼窩に、どんな原因であれ、とても重度の炎症を患ってしまった場合、眼球が突出してきます。
この状態はとても痛く、食欲も低下してしまいます

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抗生物質での管理がおいつかなくなってしまった場合、
もう外科的に眼球をとることでしか痛みの管理ができなくなるでしょう
摘出した眼球の病理組織検査結果はハーダー腺という部位での重度の炎症が原因でした




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顔が少し傾いている、目がでている気がするなどの症状は
顔まわりの器官の炎症があることが多いため、
気になる場合は、目や耳、口など、顔周りをあれこれチェックして診てもらいましょう。
今回の様に、頑張ったんだけれど、感染をコントロールできない場合は、
視神経への感染を防ぎつつ、痛みから解放するために、
かわいそうですが、眼球を摘出することも最終的には考える必要があります。

術後には、食欲もすっかり回復したのでした