ときわの広場

ときわ動物病院のコミュニティ。診療のお話やしつけ教室の様子など、ざっくばらんに綴っています。

ウサギ専門診療科75 腹壁ヘルニア

2017-05-30 15:33:40 | ウサギ専門診療科
今日は前回に引き続き、去勢手術を受けていない高齢の男の子のウサギさんがかかりやすい病気のお話です

ヘルニアとは、臓器もしくは組織が体内の裂け目を通って,本来の位置から脱出した状態をいいます
・鼠径ヘルニア
・臍ヘルニア
・椎間板ヘルニア
・横隔膜ヘルニア
・脳ヘルニア
などがあります。

高齢のウサギさんで診られる「腹壁ヘルニア」は、下腹部にポコンとした膨らみとして見つかります 下のお写真は、仰向けになっているウサギさんの下腹部です。


この膨らみは、膀胱とその周りの脂肪が、腹壁にできた裂け目を通り抜けて腹腔外に脱出することで生じます。多くの場合、この膨らみを手で押すとおしっこが勢いよく出てきますウサギさんの下腹部は毛で覆われていますし、仰向けに抱っこできない場合は、なかなか気付きにくいかもしれません

症状としては、以下が挙げられます
・あちこちで少しずつ排尿する
・後ろ足やお尻周りがおしっこで汚れやすい
・おしっこにたくさんの砂が混じる
   


7歳1ヶ月齢のすずまるくんは、まさにこの症状が出ていましたそこで、裂け目から膀胱をお腹の中に戻す手術をすることになりました シニアと言われる年齢ですが、すずまるくんは手術を無事に乗り切り、術後はトイレできちんとおしっこができるようになりましたよく頑張ったね!!

この病気も若くて健康なうちに去勢手術をして未然に防ぎたい病気のひとつです 去勢手術をお悩みの飼主様はぜひ一度ご相談くださいね





ときわ動物病院
〒596-0823
大阪府岸和田市下松町3-4-1
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猫と楽しく暮らす10〜猫らしさって?〜

2017-05-23 14:13:30 | 猫ってどんな動物?
春は動物病院にとって予防シーズンですが、子猫の誕生シーズンでもあります。
子猫はとってもかわいいですよね〜❤️

昨今、世間は空前の猫ブーム!!


猫はお散歩が要らないし、一人暮らしでも飼えるよ!

っていう話を聞きます。

う〜ん、本当にそうでしょうか?


飼うだけなら、飼えるでしょう。

でも本当にその子の幸せな環境を整えてあげられるのか、
猫を迎える前にもう一度考えてみてほしいです。



当院で大切にしていることは、『動物福祉の5つの自由』


①飢えと渇きからの自由 
 適切なフードを適切な量あたえてる?
  与えすぎて、肥満!もNGですよ〜!
 常に新鮮なお水を飲める?

②肉体的苦痛と不快からの自由
 お部屋やトイレはキレイ?
 安全?
 暑すぎない?
 寒すぎない?
 
③外傷や疾病からの自由
 痛みやケガなどはない?
 そんな様子が見られたら、動物病院へ連れて行ってあげることができる?

④恐怖や不安からの自由
 恐怖や精神的苦痛(不安)の兆候はない?
 あれば原因を特定できてる?原因がわかったら対応してあげられる?

⑤正常な行動を表現する自由
 十分なスペースが与えられる?
 猫ちゃんを猫ちゃんらしく生活させてあげられる?


私はこの⑤がネックだと思っているのです。

猫が猫らしく…すごく深いです。

飼えますよ〜〜て簡単に言える人は、猫のことをあまりわかっていない方なのかなって思ってしまいます。


猫はネズミを取るために飼われていたことは皆さんご存知ですよね。
猫のハンターなんです。
このハンター気質を満足させるためには、しっかり遊んであげなければいけません。
特に子猫の時の、やんちゃっぷり、噛み癖はなかなかのもの

(子犬のしつけの仕方は色んなところで教えてくれても、
 子猫のしつけ方はまだまだ知られていないのが現状・・・。;△;)

高いところも登りたいので、高さの工夫も必要
ハンターにとって大切な爪の手入れ…爪とぎも必要です


と、そんなわけで

私個人的には、”一人暮らしの癒し”のためだけに猫を飼うのであれば、おすすめはしません。


でも猫と暮らすことは、ハッピーもいっぱいです
本当にかわいいです。

猫が猫らしく生活できる環境を20年間整えられるなら、
ぜひ家族として迎えてあげてください。


新しい家族を待っている猫ちゃんはたくさんいます。





ときわ動物病院
大阪府岸和田市下松町3-4-1
072-493-6710
(電話のかけ間違いにご注意ください)

動物看護師:田積(タヅミ)
過去のねこちゃんブログはこちらから





当院では、ねこちゃんの動物福祉を考慮し、
できるだけストレスの少ない診療を心がけています。
他の動物さんのいない時間のご予約も承っていますので、お気軽にご相談ください。


動物福祉の詳しいお話は、こちらのブログをご参照ください。
http://blog.goo.ne.jp/tokiwaah/e/3978b622e31fff18a04c09742fb56210

久々のパピー教室

2017-05-19 12:55:08 | トレーニング
こんにちは。

昨日、たづみのパピークラスがありました。

ほぼ毎週土曜日には、安国先生の様々なクラスのしつけ教室は行われています。
ブログが更新できていなくてすみません

今日はかわいいポメラニアンちゃんが2頭参加してくれましたよ

自己紹介からはじまり、
今の悩み事や、パピークラスですることなどをお話ししました。




ネズミのおもちゃに興味津々のルッカちゃん



ちょっと怖がりさんのこはくちゃん、でも頑張って出てソファーの下から出て来られました。
次回は笑顔が見られたらいいなぁ
ゆっくり頑張っていこね

そして久々にきみちゃんもお仕事をしてとっても楽しそうでした。
写真がきれてるけどw


今から、卒業の時にはどんな2頭になっているか、とっても楽しみです


ではまた次回〜




パピークラスやしつけ教室にご興味ある方は、お気軽にご連絡ください。

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動物看護師:たづみ

ウサギ専門診療科74 精巣腫瘍

2017-05-12 20:40:57 | ウサギ専門診療科
今日は精巣腫瘍のお話です

最近、7歳以上のシニアうさぎさんが病気を抱えてご来院されることが多くなりました


去勢手術を受けていないウサギさんがかかってしまう病気のひとつに『精巣腫瘍』があります。

精巣が大きくなって、引きずるぐらいになってしまう子もいます
治療は外科手術です


お写真に向かって右側の精巣が左側よりも大きくなっているのがお分かりいただけると思います

手術は若くて元気な子に比べたら年齢を重ねている分、麻酔のリスクが上がるため
リスクをきちんと評価した上で手術を実施するかどうか決めていきます


摘出した精巣は病理検査に出して良性なのか悪性(癌)なのか判断してもらいます
悪性の場合は転移がないか、術後も定期的な経過観察が必要です。


当院では基本的には生後6ヶ月を超えたら去勢手術をおすすめしています

スプレー(おしっこ飛ばし)行動やマウンティングがある男の子は、積極的に去勢手術を受けられることが多いのですが、そうでない子に関しても病気の予防という観点から言えば、手術を受けていただくことはとても大切なことだと思っています

まだお悩み中の方はぜひ一度ご相談くだいね


ときわ動物病院
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