ときわの広場

ときわ動物病院のコミュニティ。診療のお話やしつけ教室の様子など、ざっくばらんに綴っています。

ねこちゃんと楽しく暮らす12〜下部尿路疾患②〜

2017-12-18 16:35:03 | 猫ってどんな動物?
今回は冬場に来院が増える『下部尿路疾患』について。

2回目の今回は、『下部尿路疾患』をなるべく予防できるように、「飲水量を増やす方法」


<水を飲みたくなるよう工夫する>

水の好みはにゃんこによって様々です。
入れたてが好きな子、流れているのが好きな子、蛇口から直接飲む子、お風呂場の水が好きな子、
ぬるめが好きな子、ヒゲが器に当たるのが嫌いな子…

その日の体調やお天気、気分によっても好みが変わる場合もあるでしょう。

我が家のたれ蔵の水には、お風呂場のバケツと廊下に湧き出ている給水器を置いています。
今は、バケツの水を飲むのが流行っています


(写真の奥の方にちっちゃく写っているのが、湧き出てくる給水器。そして、触られていることにひたすら我慢…)


お家のねこちゃんがどんなお水を好むのか観察してあげましょう。


・器
陶器が好き、ガラスが好き、ステンレスのキラキラや匂いが嫌い、
器にヒゲが当たるのが嫌い、水が鼻に当たるのが嫌いなど色々な好みやこだわりがあります。


・高さ
台を置いてあげたり、高さがある食器を使う。
特に老齢になってくると、下に置いてある器が飲みにくいということもあります。


・設置場所
一箇所だけではなく、いろいろな場所に置いてあげましょう。
 ・景色を見に行く高い場所
 ・フードあげる場所
 ・寝床の近く

逆に安心できない場所、いやなことがあった場所は避けましょう。


<食べ物から水を摂取させる>

水を飲むことが苦手なねこちゃんにとって、食べることで水を摂取できることは理想的

飼育下のねこちゃん以外の他のネコ科動物(ライオンやチーターなど)は、他の動物を食べて栄養を摂ります。
その食べている動物の内臓や筋肉や骨にも、血液や髄液など様々な水分が含まれています。
みんな食べ物からもしっかりと水分を摂取しているんです。

そして、飲んで摂取した水分より、食べて摂取した水分の方が尿になりやすいというデータもありますので、

・ウェットフードを使う

・ドライフードをふやかす


など食べ物から水分を摂れるようにしてあげることが簡単にできる方法です。
(※カリカリじゃないと食べない子もいます)



水からでも食べ物からでも良いので、水分摂取量を増やし、下部尿路疾患の不安なく、元気に冬を乗り越えましょう!!
そして、もしもおしっこのトラブルが出たら、すぐに気付いてあげ、獣医師の指示を仰ぎましょう。



ときわ動物病院
大阪府岸和田市下松町3-4-1
072-493-6710
(電話のかけ間違いにご注意ください)

動物看護師:田積(タヅミ)
過去のねこちゃんブログはこちらから





当院では、ねこちゃんの動物福祉を考慮し、
できるだけストレスの少ない診療を心がけています。
他の動物さんのいない時間のご予約も承っていますので、お気軽にご相談ください。


動物福祉の詳しいお話は、こちらのブログをご参照ください。
http://blog.goo.ne.jp/tokiwaah/e/3978b622e31fff18a04c09742fb56210

うさぎ入院室

2017-11-17 16:16:55 | 猫ってどんな動物?
こんにちは。
うさぎ入院室を設けたので、ご報告です。
従来の入院室に壁、窓、扉を作ってもらいました。
これにより、他動物の入院室と完全に空間をわけることが可能となりました。
狭く感じますが、遮音性が思ったより高く、いい空間ができたのではないかなと思っています

ビフォーアフター。
うさぎさん達がより静養できればと思います

ねこちゃんと楽しく暮らす12〜下部尿路疾患①〜

2017-11-07 14:19:26 | 猫ってどんな動物?
「ねこのブログまだですか?」

と言われてしまったたづみです。

待ってもらえている幸せを感じました。
ありがとうございます。
そして遅くなってすみません



今回は冬場に来院が増える『下部尿路疾患』について。
寒なると、猫ちゃんたちの活動が減少し、飲水量が減るため、「下部尿路疾患」が増すのではないかと言われています。

『下部尿路疾患』とはなんぞや?と思った飼い主さま!
 

泌尿器というのは、

①腎臓 で作られ
②尿管 を通って、
③膀胱 で溜められ、
④尿道 から排泄されるのですが、

この③膀胱④尿道 のことを合わせて「下部尿路」と言い、
その下部尿路で起こる様々な原因と症状を含む病気の総称を『下部尿路疾患』と言います。

主に『膀胱炎』のことを言い、

原因は大きく分けて、

1.細菌性
2.結晶・結石
3.特発性(原因不明の意)  


2.の「結石」が尿道に詰まってしまう『尿道閉塞』も増えます。
(結晶(サラサラの小さな小さな砂状)が固まると結石になり、結晶の種類も複数あります。)

『下部尿路疾患の』の症状は、

・頻繁にトイレに行く
・何度も排尿姿勢をとるが、あまり出ていない または 全く出ていない
・トイレ以外でおしっこをしてしまう
・トイレにキラキラしたものが残っている
・血尿
・痛み(大きな声で鳴くなど)
・重症化すると食欲不振や嘔吐 を伴います。



このような症状が出たら、すぐに動物病院に相談しましょう。
(全くおしっこが出ない状態が長く続くと、命に関わることもあります)



↑みんな元気で冬をのりこえようぜ!  とのことです。


次回は、『下部尿路疾患』をなるべく予防できるように、
「飲水量を増やす方法」を書こうと思います。
(あまり間があかないうちに!!頑張ります!!!)



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ねこちゃんと楽しく暮らす11〜においのこと〜

2017-07-25 10:17:02 | 猫ってどんな動物?
こんにちは、動物看護師のたづみです。


今回はねこちゃんの『嗅覚』について。

ねこちゃんは犬に勝るとも劣らない嗅覚の持ち主。
(犬の種類によっては優っているようです




私の印象では、猫は犬に比べても「強い匂いが苦手」な気がします。

・たばこ
・香水
・アロマ
・洗剤や柔軟剤
・消臭スプレー

などなど…



・たばこ
たばこは、吸っている人は気になりませんが、吸わない人にとってはとてもつらいもの。
そして、匂いだけではなくて、体に害があるのは万人がご存知でしょう

・香水
我が家のねこも香水をふった時には、すごい速さで逃げていったように思います。
あの時は、ごめんね

・アロマ
アロマも良いものもあるのかもしれませんが、まだまだわからないことだらけです。
アロマポットや、アロマオイル、お香、アロマバスなど色々ありますね
猫を飼っている方は避けていただいた方が良いでしょう!
因果関係ははっきりとしていませんが、精油を舐めたり、皮膚に触れた猫が死亡した例もあるようです。

猫は、犬や人と代謝機能が異なります。
良かれと思ってやったことや、無知でやったことで重大なことにならないようにしましょう。


・洗剤、柔軟剤
昨今、柔軟剤のブームです!
たくさんの種類がところ狭しと並んでいますね
女子力が高そうな方が使っていそうなイメージですが、愛猫家さんは無臭でお願いします!!
トイレを洗ってあげるときも、無臭のもので洗ってあげてください。
柑橘系は、本当に苦手です

・消臭スプレー
これも無臭のものにしてあげてください。
私は、病院で使っている舐めても安全なものを使っています


病院では、この他に犬など他の動物の匂いにも配慮してあげなくてはいけません。




みなさんの愛猫さんや私の癒しの寝顔が、いつもノンストレスでありますように





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猫と楽しく暮らす10〜猫らしさって?〜

2017-05-23 14:13:30 | 猫ってどんな動物?
春は動物病院にとって予防シーズンですが、子猫の誕生シーズンでもあります。
子猫はとってもかわいいですよね〜❤️

昨今、世間は空前の猫ブーム!!


猫はお散歩が要らないし、一人暮らしでも飼えるよ!

っていう話を聞きます。

う〜ん、本当にそうでしょうか?


飼うだけなら、飼えるでしょう。

でも本当にその子の幸せな環境を整えてあげられるのか、
猫を迎える前にもう一度考えてみてほしいです。



当院で大切にしていることは、『動物福祉の5つの自由』


①飢えと渇きからの自由 
 適切なフードを適切な量あたえてる?
  与えすぎて、肥満!もNGですよ〜!
 常に新鮮なお水を飲める?

②肉体的苦痛と不快からの自由
 お部屋やトイレはキレイ?
 安全?
 暑すぎない?
 寒すぎない?
 
③外傷や疾病からの自由
 痛みやケガなどはない?
 そんな様子が見られたら、動物病院へ連れて行ってあげることができる?

④恐怖や不安からの自由
 恐怖や精神的苦痛(不安)の兆候はない?
 あれば原因を特定できてる?原因がわかったら対応してあげられる?

⑤正常な行動を表現する自由
 十分なスペースが与えられる?
 猫ちゃんを猫ちゃんらしく生活させてあげられる?


私はこの⑤がネックだと思っているのです。

猫が猫らしく…すごく深いです。

飼えますよ〜〜て簡単に言える人は、猫のことをあまりわかっていない方なのかなって思ってしまいます。


猫はネズミを取るために飼われていたことは皆さんご存知ですよね。
猫のハンターなんです。
このハンター気質を満足させるためには、しっかり遊んであげなければいけません。
特に子猫の時の、やんちゃっぷり、噛み癖はなかなかのもの

(子犬のしつけの仕方は色んなところで教えてくれても、
 子猫のしつけ方はまだまだ知られていないのが現状・・・。;△;)

高いところも登りたいので、高さの工夫も必要
ハンターにとって大切な爪の手入れ…爪とぎも必要です


と、そんなわけで

私個人的には、”一人暮らしの癒し”のためだけに猫を飼うのであれば、おすすめはしません。


でも猫と暮らすことは、ハッピーもいっぱいです
本当にかわいいです。

猫が猫らしく生活できる環境を20年間整えられるなら、
ぜひ家族として迎えてあげてください。


新しい家族を待っている猫ちゃんはたくさんいます。





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