ときわの広場

ときわ動物病院のコミュニティ。診療のお話やしつけ教室の様子など、ざっくばらんに綴っています。

ウサギ専門診療科3 消化管内異物

2013-05-27 20:01:53 | ウサギ専門診療科
こんにちは、岡村です。



ウサギさんは、消化器系疾患の罹患率が比較的高い動物だと思います。
歯牙疾患については、以前にこのブログで紹介しました。



胃腸が運動鬱滞をしている場合には、いくつか考えなくてはいけません。
その中で、
物理的に運動が鬱滞する場合、胃内毛球症と消化管内異物、消化管腫瘍などによります。
毛球症という疾患が有名な一方、
消化管内異物という疾患は、あまり注目されていません。



今回は消化管内毛球症とでもいうべき、糞様の大きな塊によって元気を失ってしまった
ウサギさんの紹介です。
軽度の鬱滞ならば、内科管理によって、鬱滞が解消されることもありますが、
これが無理な場合もあります。
写真のような大きな塊が腸管にあれば、致命傷になりかねない閉塞をおこしてしまいます。
この塊を割ると、少量の毛が混じっているのみで、異物はありませんでした。


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もちろん、こんな場合はウサギさんは何をやっても食べないので、
内科管理で経過をみていくうちに、脱水したり肝リピドーシスになるなどで弱ってしまいます。
そこで、外科治療にいつふみきるかが、大切になります。
麻酔のリスクや、麻酔薬の消化管運動への影響、
さらにウサギさんの腸を傷つける事がその後の運動にどう影響するかを考えてしまうことなどが判断を鈍らせますが、
正しい判断をして助けていかねばなりません



異物を取り出して、元気になったポムさん。
今はとても快調なようです








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さて、今回のケースから、考えるべきことは、
詰まっていたのは、他ならぬ毛まじりの食塊であったこと。
食べ物が腸を通過するのはいたって普通のことですよね
いつも通り食べていただけなのに、ある日突然、食べなくなった。
原因は食塊が腸につまったから。
なんていうとても奇妙な病態なのです



毛球症という言葉が一人歩きして、実際はどんなものが詰まっているのかをみたこと
がない方もたくさんおられると思います。
毛が混じる事が、全ての悪ではなく、
消化管の消化機能や運動機能が停滞することが
いわゆる毛球症なんだと考えていただいてもよいかと個人的に思っています
この機能と運動を正常に保ち続けるには、
良質の十分な繊維の給餌や、胃のpHや腸内細菌叢が正常であることなどは最低限大切だと考えています。



具体的な予防方法が解明されていないこの疾患。
お腹の健康を守る意識で、
室温やストレスの有無、食生活をみつめて
愛ウサギさんと接してあげることが、予防のためのとりあえずの第1歩かな
ちょっと難しい話でしたね。すいません。

ときわ動物病院
ウサギ専門診療科
〒596-0823
大阪府岸和田市下松町3-4-1
TEL072-493-6710
http://www.tokiwa-v.com

パピークラス☆

2013-05-26 11:44:35 | パピークラス
もう夏も目前に迫っているような気候のなか、今週もパピークラスが行なわれました。

今回は4頭でみっちりお勉強しました

まずはしっかりと体をさわる練習や、
歯をみる練習→歯に歯ブラシをあてる練習☆

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そらちゃんは「あたちの歯こんなんですよー」ってしっかり見せてくれました。


ブラッシング☆
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イヤイヤ~ってならないようにキチッとフードに引きつけて行ないます
ココちゃん上手にできていますね

服も着ました☆

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服を着られるということは、
足を触ったり、首を通したり…体を触られることが平気でないと出来ません
みっくすちゃんも上手に着られました
とっても似合っていますね


傘の音やドライヤーの音への社会化☆
みんな全然へっちゃらになっていました
先週は苦手だった子も今回は平気になっていました

足場の悪いところを歩いたり、
ハードルジャンプに挑戦したり、

オスワリ、フセ、ゴロン、オイデなどちょっとしたトレーニングなども行ないました

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パピークラスでは、
色々なこと(体を触られること、音、足場の悪いところを歩く、知らない人、知らない犬など)への
社会化をメインで行なっています。
オスワリやフセ、ゴロンくらいの基本的なことはしていますが、
マテ、ヒール(ついて)、マットなどなど本格的なトレーニングは社会化期を過ぎてからでも学べますので、
社会化期にしか学べないことをしっかりと学ぶ、慣れる教室になります


今日もしっかりと頭と体を使ってお勉強しました
お疲れ様でした
1週間空くので、しっかりとでも焦らずに練習してくださいね

☆次回は 6/8(土)13:30~です
よろしくおねがいしますー



パピークラス☆

2013-05-18 18:35:43 | パピークラス
夏ももうすぐそこなのか暑くなって来きた本日も、
ものすごくにぎやかにパピークラスがありました。

今日も新しいメンバーさんが入ってくれました。

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キャバリアのクレオちゃん、
初めはお兄ちゃんの足の間でプルプルしていましたが、
ちゃんと初めて出会った人からもフードをもらえました

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ミックス犬のみっくすちゃん、
初めからテンションでしたが、ちゃんとオーナーさんとアイコンタクトができています


今日のお教室は
①仰向け抱っこ
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そらちゃん、とってもリラックスしてできています

②体をさわる練習
目のまわりや足先、しっぽ、お口周り…どこをさわられても平気な子を目指します

③ドライヤーや傘の音にならす

④足場の悪いところを歩く

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こんにチビちゃんなちろろちゃんですが、自信を持って歩いていました

⑤ハードル(5cmくらいの板)をジャンプ(またぐ(笑))
⑥狭い所に入る

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モカちゃん、ちょっっぴりコワイようでしたが、
克服すべくすごくがんばっていました

⑦歯みがき

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さすが今日卒業のみるくちゃん☆
上手に見本見せてくれました

⑧ブラッシング
フードを上手に使ってみんな上手にブラッシングさせてくれていました

⑨オスワリ、フセ、ゴロン

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お家でもすごくがんばってくれているようで、上手なゴロンも披露してくれました

10アイコンタクト
みるくちゃんを見本にみんなでアイコンタクト☆
みなさんだいぶ集中が切れてきたようでしたが、おうちではきっと出来ると思います。


今回も宿題がいっぱい出されました。
がんばってください
分からないことがあったら連絡してくださいね


みるくちゃんは今日で卒業となりました。
ちょっぴりこわがりさんで入園しましたが、卒業ともなればそんな陰はひとつも見せず、
みんなの見本を堂々とこなしてくれました。ありがとうございました
ご卒業おめでとうございます

またジュニアクラスでお会いできるのを楽しみにしています


次回のパピークラスは
5/25(土)13:30~です。
よろしくお願い致します。


肛門科1 犬の会陰ヘルニア

2013-05-16 16:15:46 | 院長のつぶやき
こんにちは、岡村です。


今回のお花は、ひまわり(もうあるのですね!)、パイナップルなど
夏を先取りしたような元気いっぱいな感じになっています。
こういう組み合わせは、見てて楽しくなります


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今日は、以前に少しだけ紹介した、会陰ヘルニアという疾患を知っていただこうと思います。
ヘルニアとは、簡単にいえば、内容物が飛び出した状態のことを言います。
脂肪も含めた各種内蔵は、所定の場所で正しく納まっているべきで、
これが飛び出してしまうと、症状をみせます
椎間で椎間板物質が飛び出せば、椎間板ヘルニア
会陰部で腹腔内の内容物が飛び出せば会陰ヘルニア
鼠径部で腹腔内の内容物が飛び出せば鼠径ヘルニア
ヘソで飛び出せば、臍ヘルニアなどと名前が付けられます。



9歳をこえた頃に、おしりの横がぽっこりと膨れてきて、便秘になったりしぶりがみられたりします。
たいてい、会陰部が腫れている事を心配して来院されます。
腹圧の上昇、会陰部を閉鎖する筋肉の脆弱化、ホルモンなどが関与して、
会陰ヘルニアが発生します。
膀胱がこのヘルニア内容物に含まれる場合は、とても危険です
この疾患の約20%でこの状態になってしまっています。
排尿障害を伴い、とても辛い思いをし、
放っておくと死んでしまいますので、緊急的な処置が必要です
また、会陰部の腫脹には、腫瘍の鑑別も必要です。





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治療前の状態です。
お尻丸出しでかわいそうということで、横からの写真です



この疾患は、ヘルニア孔を閉鎖するための外科治療と、
食事や内服薬で管理する内科治療があり、食事や薬が必要になります。




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外科治療では、いくつかの合併症に注意が必要です。
写真は外科治療をしたわんちゃんで、術後は快便とのことです
被毛もサマーカットで違和感がありませんね
この疾患に罹患してしまった場合、
高齢での手術になりますので、よく相談していただき、
生活の質をいかにして守ってあげるかを決めてあげてくださいね





パピークラス☆ジュニアクラス

2013-05-11 19:56:56 | インポート
今日はパピークラスとジュニアクラスがありました

今日のパピークラスも新入りさんが2名
マルチーズのそらちゃんとトイプードルのココちゃん

初めはちょっぴりビビっていた2頭ですが最後には楽しそうにお勉強できていました

今日もみっちり授業が行なわれました。
初めてあった人からフードをもらったり、
ごちゃごちゃしたところを歩いたり


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(ココちゃんは初めはなかなかこの中に行けなかったけど、1回行って自信がついたようで、ほかのわんこがやっているところにも参加していました

体をさわる練習をしたり、
ブラッシングの練習をしたり、
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(膝にフードの入ったコングを使ってブラッシングの練習。そらちゃんはお家でもされているのか、もつれもなくトリマーさんからもお褒めの言葉をもらっちゃいました

はみがきの練習をしたり、

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(りょうまくんも歯ブラシをチョンと当てることから磨くことへのステップアップ成功☆とっても上手にできていました)

オスワリ、フセ、ゴロンの練習をしたり、

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(みるくちゃんはオスワリもフセもゴロンもお手のものでした宿題のバキューンがうまくいくといいですね

おいでの練習をしたり、
アイコンタクトの練習をしたりとたくさんの項目を練習しました

最後に仰向け抱っこでリラックスして今日もパピークラスはお開きとなりました。


そしてそのすぐ後にエースくんのジュニアクラス☆
先生が忘れていて、危うく帰ってしまうところでした~(笑)

前回のクラスから少し間が空いてしまったのですが、がんばってやってくれました

まずは飼い主さんが座ったらその足の下でフセをしておくこと。
フセをするだけではなく、飼い主さんが「もうしなくていいよ」の『OK』と言われるまでフセをします。

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次にヒールポジションの練習やヒールポジションで他の人に触ってもらったり、飛びつかない練習、ヒールでお散歩に行く練習をしました


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ひっぱらないこと、他の人が来ても飛びつかないことを
しっかり覚えてくれると、今後のお散歩もとってもラクチンです

少しまた時間が空きますが、お家でもがんばって継続していって下さい


次回のパピークラスは5/18(土)13:30~
ジュニアクラスは6/8(土)15:00~です