ときぶーの時間

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害獣のこと

2016-09-08 21:00:12 | 日記
みなさん、こんばんは。
今日は来年の春に避難指示を解除し、帰町宣言をする準備をしている富岡町の害獣のことを書こうと思います。


餌やりを終えて一休みしている松ちゃん。
この日も暑かったです。
額は汗びっしょりの松ちゃんだった。

餌やり後、二人で富岡川の水量を見に行ったのですが、旧役場前の橋に出ようと細い小道を軽トラックで走っていたら、突然松ちゃんと僕の目の前をイノシシが横切った。

「おぅっと、出た~」と瞬時にブレーキを踏んだ松ちゃん。
突然の急ブレーキで狭い軽トラの助手席で足をぶつけ、その痛みで膝をさすりながら「今の何歳くらいのイノシシ」って聞いたら「2歳くらいだべな~、昼寝でもしてたんだべ」と彼は涼しげな顔。

僕は夜に出ると思っていたし、真昼間にイノシシと遭遇するとは思わなかったから、ほんとにびっくりしました。
それから「向こうの牧場に毎日イノシシが出てよ~、餌場が荒らされて参ってんだ~」と松ちゃん。

松ちゃん特製の鉄板を敷いた餌場は何年もわら餌をやり続けたおかげで、鉄板の周りに落ちた細かいわらクズが土の中で発酵し腐葉土みたいになっているらしい。

栄養満点の土になり土の中には大きくて太いミミズがたくさんいるようで、そのミミズを食べるためにイノシシが毎日掘り起こすので、鉄板の上が土だらけになって困ると言っていた。


土と与えているわらが鉄板の上に散乱してました。
これが毎日・・・
さすがに呆れるわなぁ~。

イノシシの鼻は凄い。
あちこちで穴だらけになっているのを見ますが、あの食欲は本当に凄いです。

松ちゃんは数日前に国道6号線から西に500mくらい入った住宅地で、二家族のイノシシの群れに遭遇したと言い「10匹くらいいた。目の前に突然現れたからよけきれなくてよ~、ウリ坊が俺のトラックの下に入っちまって一瞬轢いたと思ったんだ。だけど走って逃げて行った。轢かなく良かったよ~」と。


暑くてつなぎを半分脱ぎ水やりする松ちゃん。

イノシシは人間が設置した檻わなに全然入らないようで、その間に、どんどん増えていると松ちゃん。

イノシシだけでない。
誰よりも早く帰還の意志を示し、富岡の家に良く戻っている畜主の半谷じっちゃんの家では、ハクビシンが6匹出たらしい。

「そのうちの2匹は家の中に入り込み、半谷さんの猫の餌をボリボリ食べてたってよ。国道ではアライグマが車に轢かれて死んでるし、野生の王国みて~だ」と松ちゃん。

危ない連中なのでハクビシン・アライグマ・イノシシは何とかしてほしい。
帰還する準備をしている人たちに、この動物たちは脅威でしかない。


帰還困難区域の牧場について松ちゃんは「ここは向こうの牧場と違って草が生えてるべ、向こうの草はコケみたいな草だからやっぱりこっちの方の体がでかくなるんだよな」と話してくれた。

草が一気に伸びた時に餌を少し減らして与えていたと聞き、家の下の牧場とは全然違うと感じた。

松ちゃんは今、畑を耕しているんだけど全然進んでいない。
苗を買って畑を耕している最中にイノシシが出て来て、これは絶対にあいつらにやられると手を止めてしまった。

半谷のじっちゃんにある植物の苗をもらったのですが、松ちゃんは「イノシシにやられて収穫出来ねぇ~んでねぇ~」と言ったら、半谷さんに「半分はイノシシにくれてやるつもりでやるだぁ~」と言われたらしい。

だけど、半谷さんが作っているカボチャの話になり「カボチャはどうなった」と松ちゃんが聞いたら「全部イノシシにやられたわぁ~(食われた)」って返ってきたらしく、その話をする松ちゃんは大笑いしてました。

これだもの畑をやりたくなくなるの分かる。
そんなわけで悪戦苦闘の人たちでした。


餌やりを終えて家に戻る途中、僕たちは帰還の準備をしている人の家の前で呼び止められた。
そこで松ちゃんは杭打ちを頼まれ、まさかりを借りて作業してあげた。

色々と頼まれたらやってあげる松ちゃんです。
人とのふれあいがまだまだ少ないけれど、それでもふれあいのある町になった。

これはこれでほんとに嬉しいです。


松ちゃんは作業後、アイスコーヒーとお菓子を頂いた。
僕も頂きました。
アイスコーヒー美味しかったです。

除染した後、草ぼうぼうになっているところがたくさん見られるようになった。
松ちゃんが言うように、草の陰でイノシシの数は増えていると思う。

今のまま解除されると町民が襲われ怪我したり、あるいはもっと重大事故が起きるのでは?と思っていしまう。

人の消えていた時間に獣たちの世界が作られた。
原発事故がなければ、こんな事はなかった。

戻る人たちが町の中心でなく郊外に多いと聞く。
その郊外で暗躍している獣たち。

町には何としても害獣を捕獲し除去してほしいと強く思っています。
帰還する人が少しでも安心できる環境を作って下さい。
宜しくお願いします。
今日は以上です。

みなさん、今日はこの辺で失礼します。
それではまたお会いしましょう。























コメント
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