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住まいは人権! 一般社団法人協働舎
暮らしを高めるのは福祉制度の充実。
福祉制度の充実には私たち一人ひとりの声

ワーキングプア 人間らしい生活を求めて

2008-08-30 | 暮らし・社会
 今日は昼から広島弁護士会のシンポジウム「ワーキングプア~人間らしい生活を求めて~」に参加しました。

 広島大学の緒方桂子さんが、「格差社会と非正規労働政策の動向」と題して
日本社会における格差の広がりをジニ計数をもとにここ30年あまり格差は広がってきていること、先進諸国の中で市場原理主義に立っているアメリカ合州国、日本、イギリスなどが所得分配のふびょう度が高いこと、
 1995年に日経連が「新時代の日本的経営」を出し、労働者を「長期蓄積能力型活用グループ」「高度専門能力活用型グループ」「雇用柔軟型グループ」にわけ非正規労働者を増やしていく方向を打ち出していること、
 実はワーキングプアは女性のパート労働者ではずっと以前から続いてきておりそれが男性一般にも広がってきているのだと短い時間でわかりやすく説明をされ、彼らの問題としてではなく、仲間の問題、自分たちの問題としてとらえる中で解決への道が開けていけると話されました。


 NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの湯浅誠さんは「反貧困 私たちにできること」と題して
相談メールを取り上げながら、火事になったら119 事故にあったら110番とはみんな知っているが、暮らしに困った時に「役所に相談してみよう」とはなっていないこと、
 生活できないとき、どこに相談すればよいのか学校でも家庭でも学ぶ機会はないこと そんな中で「ホームレスになる」か「自殺するか」しか選択肢がでてこないこと 
 全世帯が今母子世帯化し、全国が寄せ場化している、今「自己責任論」から解き放たれる必要があると話し始められました。
 これまでは労働相談と生活相談が別々に行われてきていたが、働いても貧困ラインから抜け出せない状況の中で、労働や生活の問題の境目がなくなってきている。
 日本は提灯型社会といわれてきたが、貧困層が増えることは逆に富裕層も増えてきていることであり、このままではひょうたん型社会になっていくだろう、
 「貧困」とは単にお金がないっだけではなく、私たちが貧困の問題だけを見ていては問題の本質を見失ってしまうだろう、生活相談・支援、トラブル・多重債務対応、生活保護申請の付添、緊急貸付 など、社会資源を充実させていく取り組みと 当事者のエンパワメント活動を共に進めていく必要があることなどを話されました。
 憲法25条が切り捨てられることは憲法9条が後ろから食いつぶされていることであり、今、様々な立場の違いを超えて市民としての責任を果たしていこうと呼びかけられました。


 明日、8月31日は午後5時から西区民文化センターで雨宮かりんさんの講演会があります。(参加費500円)

 また、9月10日には反―貧困キャラバンを迎え広島集会が開かれます。(18時から県庁前広場)
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閉鎖病棟 ろう者

2008-08-30 | 読書
 京都への行き帰りの新幹線の中で箒木蓬生の『閉鎖病棟』を読んだ。12.3年前に出たものが文庫化されたもの。
 精神科病院がようやく変わり始めた頃の様子が書いてある(最も、昔のままの病院のほうがまだまだ多いのだが…)
 この中には、ろう者である(だろう)昭八さんが登場する。入院治療の必要はないが行くところがなくて(つまり引き取り手がなくて)入院生活を続けている一人だ。昭八さんがどのような経緯で入院となったかは知らない。
 
 私が精神保健福祉の仕事に就いた20年ほどまえ、県内の精神科病院には一人二人くらいずつこういったろう者がいたものだ。昼間はせっせと病院の作業の手伝いをする。病院やスタッフにとってはとても便利な入院患者が…。
 親が亡くなって兄弟の代になり、コミュニケーションが取れないために「直接行動」に出たせいで入院となった…。

 箒木さんはもともと本職は精神科の医師なので病院の中の様子はとてもわかりやすい…。

 ご一読をお勧めする。
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