梼原町川西路に鎮座される「三嶋神社」。御祭神は『大山祇命』。
四万十川の支流である梼原川の対岸に社殿があり、鳥居から境内までは屋根付きの木橋で結ばれています。
梼原町産の「梼(ゆす)」の木材で作られたという「神幸(みゆき)橋」。橋から見る梼原川の流れの清らかさとあいまって、まさに神域への道に相応しい佇まい。
梼原町の観光案内等に寄れば、津野山郷の開祖『津野経高』がこの地を梼原と名づけ居城を築き、延喜13年(913)に伊豆:三嶋大社より梼原宮首の地に観請したと伝えられています。
神幸橋を渡ってすぐ、二の鳥居脇より神域を守護されるのは、太鼓の上に前足をかける阿形さん。その紐をかみ締めて見上げる吽形さん。時代を経た石の肌が美しい色合いとなって狛犬好きの心を惹きつけます。
明治23年(1890)に再建された拝殿の彫刻は、山口県の大工『中本喜作』の作。神社彫刻に関しては、有名無名にかかわらず素晴らしいものが多く楽しみの一つなのですが、作者の名が残された彫刻には、また格別の思い入れがわき、次の楽しみへと繋がっていきます。
貫に彫刻された阿吽の龍。目には当時としては高価であった玉が嵌め込まれており、互いを振り向く姿は、今にも屋根を突き破って、高らかな笑い声と共に天に駆け上りそうに見えます。
境内には、津野家代々を祀る「津野神社」や、樹齢約400年の御神木があったのですが、この時思いがけない僥倖に遭遇し、後回しになったまま失念してしまいました。
三嶋神社の境内には、木で作られた「神馬」が神馬舎に保存されているのですが、丁度、損傷部分を修理する為に宮大工さんがおいでになり、色々とお話しを聞かせて頂く事が出来ました。
おかげ様で、灯りがともされた扉の内側から「神馬」を直接拝見することも出来、非常に貴重な経験となりました。
参拝日:2013年3月26日
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