大阪の会では、7月9日、大阪府内の全市町村教委に育鵬社公民教科書写真問題などに関する追加要望書を提出しました。
2021年度使用中学校教科書採択についての追加要望書
2020年7月9日
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会
新型コロナによる厳しい状況が続いておりますが、貴教育委員会の教科書採択業務へのご尽力に敬意を表します。
いうまでもなく教科書は主たる教材であり、子どもたちが平和で民主的な社会の形成者として健やかに育つことに役立つ教科書が、公正で公平な手続きを経て採択されるよう、私たちは強く願っております。
しかるにこのほど、育鵬社は人権侵害行為、および不当な営業活動をしていたことが明らかになりました。すでに私たちは6月に育鵬社歴史・公民教科書は、子どもたちが学習するにはふさわしくない教科書であるとして、採択しないように要望書を提出いたしましたが、以下理由を添えて、あらためて育鵬社歴史・公民教科書を貴教育委員会が採択することのないよう強く要望いたします。この追加要望書も教育委員、選定委員のすべての方にお読みいただき、正しい教科書採択をおこなっていただきますよう、切にお願い申し上げます。
<要望事項>
1. 当事者の了解なく、人権侵害を招きかねない写真を掲載した育鵬社公民教科書は絶対に採択しないでください。
2. 検定期間中に、教科書執筆者が自治体の首長らに不当な営業活動をした育鵬社歴史・公民教科書は絶対に採択しないでください。
[理由1]育鵬社公民教科書には、当事者の了解なく掲載された写真があります。
教科書には各種の写真が掲載され、個人が特定される可能性のある写真もあります。したがって、掲載にあたっては、当事者の了解がなければなりません。しかるに、育鵬社公民教科書には当事者の了解なく掲載された写真があり、写真に添えられた説明によって個人が特定され、差別やいじめ被害が発生する可能性があります。現在、当事者側は写真の無断掲載に抗議し削除を要求しているとのことです。
いうまでもなく、すべての出版物に掲載される写真には当事者ないし著作権所有者の承諾が必要です。全国の児童・生徒に配布される教科書であれば、いっそう慎重な対応が求められます。ところが育鵬社は教科書編集の最低限のルールも守らず、また写真に添えられた説明には配慮もなく、そもそも教科書発行の資格がない出版社だと言わざるをえません。
育鵬社は当事者側から削除を要求されているので、来年度生徒に配布される供給本からは当該の写真を削除するかもしれませんが、すでに教科書展示会を通じて広く公開されており、写真の無断掲載の責任を逃れることはできません。
2020年5月21日付で、文部科学省初等中等教育局教科書課から出された「令和3年度使用教科書の採択に係る留意事項について」によれば、「教科書発行者から送付される教科書見本を基に、その記載された内容について、専門的な見地及び客観性の担保された文献等の資料による調査研究が必要であり、教科用図書検定規則(平成元年4月4日文部省令第20号)第14条に基づく訂正の手続きを経ていない見本本の将来的な訂正の可能性等に関する不確定な情報を用いることは、調査研究の趣旨として適切ではありません」と、文科省はあくまでも見本本を基にして採択するように通達しています。
したがって、育鵬社が今後どのような対応をするかにかかわらず、現在提供されている見本本を基に、当事者の了解のない写真が掲載され、人権侵害の可能性のある教科書だということを認識したうえで、厳正に採択されるように要望いたします。
[理由2]育鵬社歴史・公民教科書の執筆者である八木秀次氏は、検定期間中に不当な営業活動をしていました。
育鵬社歴史・公民教科書を作成・宣伝している日本教育再生機構の理事長であり、育鵬社教科書の執筆者でもある八木秀次氏は検定期間中の2月中旬に大阪府南部の首長(和泉市、忠岡町)を訪問していました。これ以外にも複数の自治体を訪問していた可能性も指摘されています。この4月から採択対象になる教科書の事実上の代表であり執筆者でもある人物が首長を訪問すること自体、不公正な営業活動を疑わざるをえません。
文科省は2020年3月27日付の「教科書採択における公正確保の徹底等について(通知)」において、教科書発行者に「過当な宣伝活動等を慎むよう」指導しています。他社が文科省の指導を遵守し、教科書採択に大きな影響力を持つ自治体の首長への直接的な働きかけを自粛している中で、育鵬社のみが大胆にも首長に営業活動をおこなうのは、公平・公正な採択の精神を踏みにじる行為であり、道義的にも許されない行動ではないでしょうか。
八木秀次氏は日本教科書株式会社を立ち上げ、中学校道徳教科書の発行にもかかわっています。子どもたちに人としての生き方を教えるべき人物が、率先して不当な営業活動をしていることを見過ごすことはできません。育鵬社歴史・公民教科書は絶対に採択しないでください。
以上、よろしくお願いいたします。
2021年度使用中学校教科書採択についての追加要望書
2020年7月9日
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会
新型コロナによる厳しい状況が続いておりますが、貴教育委員会の教科書採択業務へのご尽力に敬意を表します。
いうまでもなく教科書は主たる教材であり、子どもたちが平和で民主的な社会の形成者として健やかに育つことに役立つ教科書が、公正で公平な手続きを経て採択されるよう、私たちは強く願っております。
しかるにこのほど、育鵬社は人権侵害行為、および不当な営業活動をしていたことが明らかになりました。すでに私たちは6月に育鵬社歴史・公民教科書は、子どもたちが学習するにはふさわしくない教科書であるとして、採択しないように要望書を提出いたしましたが、以下理由を添えて、あらためて育鵬社歴史・公民教科書を貴教育委員会が採択することのないよう強く要望いたします。この追加要望書も教育委員、選定委員のすべての方にお読みいただき、正しい教科書採択をおこなっていただきますよう、切にお願い申し上げます。
<要望事項>
1. 当事者の了解なく、人権侵害を招きかねない写真を掲載した育鵬社公民教科書は絶対に採択しないでください。
2. 検定期間中に、教科書執筆者が自治体の首長らに不当な営業活動をした育鵬社歴史・公民教科書は絶対に採択しないでください。
[理由1]育鵬社公民教科書には、当事者の了解なく掲載された写真があります。
教科書には各種の写真が掲載され、個人が特定される可能性のある写真もあります。したがって、掲載にあたっては、当事者の了解がなければなりません。しかるに、育鵬社公民教科書には当事者の了解なく掲載された写真があり、写真に添えられた説明によって個人が特定され、差別やいじめ被害が発生する可能性があります。現在、当事者側は写真の無断掲載に抗議し削除を要求しているとのことです。
いうまでもなく、すべての出版物に掲載される写真には当事者ないし著作権所有者の承諾が必要です。全国の児童・生徒に配布される教科書であれば、いっそう慎重な対応が求められます。ところが育鵬社は教科書編集の最低限のルールも守らず、また写真に添えられた説明には配慮もなく、そもそも教科書発行の資格がない出版社だと言わざるをえません。
育鵬社は当事者側から削除を要求されているので、来年度生徒に配布される供給本からは当該の写真を削除するかもしれませんが、すでに教科書展示会を通じて広く公開されており、写真の無断掲載の責任を逃れることはできません。
2020年5月21日付で、文部科学省初等中等教育局教科書課から出された「令和3年度使用教科書の採択に係る留意事項について」によれば、「教科書発行者から送付される教科書見本を基に、その記載された内容について、専門的な見地及び客観性の担保された文献等の資料による調査研究が必要であり、教科用図書検定規則(平成元年4月4日文部省令第20号)第14条に基づく訂正の手続きを経ていない見本本の将来的な訂正の可能性等に関する不確定な情報を用いることは、調査研究の趣旨として適切ではありません」と、文科省はあくまでも見本本を基にして採択するように通達しています。
したがって、育鵬社が今後どのような対応をするかにかかわらず、現在提供されている見本本を基に、当事者の了解のない写真が掲載され、人権侵害の可能性のある教科書だということを認識したうえで、厳正に採択されるように要望いたします。
[理由2]育鵬社歴史・公民教科書の執筆者である八木秀次氏は、検定期間中に不当な営業活動をしていました。
育鵬社歴史・公民教科書を作成・宣伝している日本教育再生機構の理事長であり、育鵬社教科書の執筆者でもある八木秀次氏は検定期間中の2月中旬に大阪府南部の首長(和泉市、忠岡町)を訪問していました。これ以外にも複数の自治体を訪問していた可能性も指摘されています。この4月から採択対象になる教科書の事実上の代表であり執筆者でもある人物が首長を訪問すること自体、不公正な営業活動を疑わざるをえません。
文科省は2020年3月27日付の「教科書採択における公正確保の徹底等について(通知)」において、教科書発行者に「過当な宣伝活動等を慎むよう」指導しています。他社が文科省の指導を遵守し、教科書採択に大きな影響力を持つ自治体の首長への直接的な働きかけを自粛している中で、育鵬社のみが大胆にも首長に営業活動をおこなうのは、公平・公正な採択の精神を踏みにじる行為であり、道義的にも許されない行動ではないでしょうか。
八木秀次氏は日本教科書株式会社を立ち上げ、中学校道徳教科書の発行にもかかわっています。子どもたちに人としての生き方を教えるべき人物が、率先して不当な営業活動をしていることを見過ごすことはできません。育鵬社歴史・公民教科書は絶対に採択しないでください。
以上、よろしくお願いいたします。