(予定通り開催します)
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育鵬社を激減に追い込んだ市民の闘い
中学校教科書採択全国報告集会2020
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■日時:12月12日(土)18:30~20:30(開場18:00)
■場所:エルおおさか 南館5階ホール
■資料代:1000円(当日発行の「2020中学校教科書採択報告集」代を含む)
■プログラム
1. 育鵬社激減を可能にしたもの
2. 採択された教科書の分析とこれから
3. 各地からの報告
*当日、「2020中学校教科書採択報告集」(500円)を発売します。ぜひ各地で活用してください。
*コロナ対策のため、マスクの着用をお願いいたします。
<呼びかけ>
大阪で育鵬社激減! 全国でも大きく後退! 教科書運動の歴史的勝利!
2020年の中学校教科書運動は、全国の市民によって歴史的勝利を闘い取りました。育鵬社の採択率は、歴史で約1%、公民では何と約0.5%になると予想されます。前回の2015年採択時(歴史 約6.2%、公民 約5.7%)からの大幅削減です。これまで育鵬社を採択していた横浜市、藤沢市、松山市、呉市、東京都立中高一貫校、武蔵村山市などが採択をやめました。各地の市民のねばり強い闘いの成果です。
大阪府では2015年に、大阪市(歴史・公民)、東大阪市(公民)、四条畷市(歴史・公民)、河内長野市(公民)、泉佐野市(歴史・公民)の5市で育鵬社が採択されました。しかし今年、泉佐野市(公民)を除いて、すべて育鵬社を阻止しました。
今年はコロナ禍によって、6月集会を中止せざるをえませんでした。しかし、私たちは諦めませんでした。「要望書」を通じて、育鵬社歴史の「大仙古墳」自慢の徹底批判、育鵬社公民の「写真無断転載」と人権侵害記述批判などを、数度にわたって教育委員会に届けました。また、教科書展示会では多くの市民が意見を書きました。その結果、4市で育鵬社採択を断念させたのです。
大阪市で育鵬社採択を阻止できたきっかけは、フジ住宅による社員を動員した市民アンケートの水増しを暴いたことでした。大量の水増し証拠はマスコミでも市議会でも取り上げられ、真相調査の結果、採択区の複数化・現場教員の意見重視へと改善されました。これらは私たちの情報公開を通じた地道な調査や、議会との連携などによって可能となったものです。
今年、大阪市教委はコロナ禍の下でも希望者全員の傍聴を保障し、さらにユーチューブで中継もしました。育鵬社採択をやめれば堂々とできるということでしょう。
東大阪市では2011年の育鵬社公民の採択以来、市民は9年間闘い続けました。「オール東大阪」の市民団体が作られ、2015年の採択における野田市長(現在「教育再生首長会議」会長)の政治介入疑惑は市議会で度々追及されました。今年、市民の活動はマスコミでも取り上げられ、野田市長は「教科書採択には全く関心がない」と表明せざるをえませんでした。
しかし、野田市長はあきらめていませんでした。道徳で八木秀次氏の「日本教科書」を採択させようと画策していました。しかし、最終的には教育長が他社を推薦し、それが採択されました。こうして野田市長の思惑はすべて頓挫しました。
なぜ育鵬社は敗北したのか。
(1)財政困難と、草の根保守の後退
育鵬社教科書を作成・宣伝している「日本教育再生機構」の力の衰えは、2017年から機関誌『教育再生』が発行されていないことからも明白でした。育鵬社は「道徳」教科書を発行できませんでした。歴史・公民の中途半端な採択率によって、財政的に圧迫されたことが最大の原因と考えられます。「日本教育再生機構大阪」は、昨年の11月に解散しました。
(2)「道徳」の教科化に鍛えられた教員と市民
安倍政権は2017年に「道徳」を教科化し、「愛国心」と「自己犠牲」を刷り込もうと画策しましたが、これが教員に大いに危機感を持たせました。「道徳」は全教員が授業にかかわるがゆえに、社会科教員だけの問題であった教科書問題が、一気に全ての教員の問題になったのです。保護者にも関心が広がり、教科書展示会に足を運ぶ市民が増えました。私たちも毎年の教科書採択に鍛えられ、より多彩な活動ができるようになりました。
(3)採択制度の特殊性
教科書の採択権は各教育委員会にあります。そのため、安倍首相は「教育再生首長会議」を作らせ、右派系首長に教育委員の入れ替えを指南し、2015年はそれが功を奏しました。しかし、地域単位で採択されるということは、市民の活動によって首長の思惑通りにはいかない状況を作れるということでもあります。今年の東大阪市はその典型でした。
大阪では維新が伸長し、今年、堺市などでは育鵬社を推薦する教育委員がいました。しかし、市民の取り組みが上回り断念させました。
大阪で唯一育鵬社を採択した泉佐野市に抗議を!
泉佐野市の千代松市長は「教育再生首長会議」の幹事です。泉佐野市教委は今年、歴史の採択はやめたものの、公民を採択しました。
私たちは育鵬社公民教科書の問題点を指摘し、採択しないように何度も要望書を出しました。しかし、教育長は私たちの要望書も含めて、一切の市民の要望書を教育委員に見せず、重要な情報を遮断していました。これは「公正・公平」「開かれた採択」という教科書採択の原則に反します。今後は泉佐野市教委に、抗議と「真相究明」を求める声を集中しなければなりません。
2021年は高校教科書採択!高校生にも、より良い教科書を!