goo blog サービス終了のお知らせ 

子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

大阪で教科書問題にとり組む市民運動の交流ブログ

コロナ禍の中、大阪府中3チャレンジテスト6月17日実施は中止してください!

2020-04-17 17:09:16 | 全国学力テスト
子どもをテストで追いつめるな!市民の会からの緊急の呼びかけです。ぜひ、賛同をお願いします。

大阪をはじめ全国のみなさまへ

大阪府中学生統一テスト「チャレンジテスト」をご存知でしょうか。
これは、大阪維新の会府政・市政において生み出された教育施策のなかでも、過度な競争主義と格差肯定施策の典型ともいえ、深刻な問題を含んでいます。

高校入試の際の内申(5段階絶対評価)を統一テストによって学校ごとの評定平均を予め行政が決め、各学校はそれに合わせて生徒の評定をつけるという制度です(尤も説明では粉飾していますが、実質はこうです。)

「子どもをテストで追いつめるな!市民の会」は、学校(教員)の評価権に対する行政の介入であり、何より学校格差を肯定し、拡大する不公平な制度であると、その問題性を広く市民に伝える活動を行なってきました。

さて、4月7日、安倍首相は新型コロナウイルス感染症対策本部で特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令しました。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県が対象、実施期間は7日から5月6日までです。それを受け、感染が拡大している大阪では、4月13日吉村知事によって休業要請がなされました。

現在、大阪の学校はすべて休校中です。児童・生徒をはじめ教職員も保護者も、感染の危険を抱えながらこの未曾有の出来事に対処していくのが精一杯の状況です。

ところが、その13日に、大阪府教育委員会はホームページで、大阪府公立中学統一テスト「中3チャレンジテスト」周知リーフレットを公表しました。そこには、6月17日に中3チャレンジテストを実施するとありました。

これには驚きを禁じ得ませんでした。多くの学校関係者は、3月から2ヶ月以上の休校が続いているため、6月17日の実施はできない、またやるべきではないと考えていました。その上、5月7日以降学校が再開できるかどうかの不安も抱えています。再開できたとしても、学校で何より優先したいことは、子どもたちの命と健康を守ることです。学習はもちろんのこと、心のケアと互いの信頼関係の回復が必要です。にもかかわらず、教育委員会は休校中であることを承知しながら一方的に実施をホームページに掲載しました。

「チャレンジテスト」は全国で唯一、その結果が高校入試の内申に影響します。大阪府教育委員会はホームページにおいてもテスト対策のための「中学生チャレンジテスト復習教材」を多量にアップしています。このような状況で実施を公表することは、休校中の学力補償を歪めてしまうことにもなりかねません。そしてなにより生徒を追いつめることになります。4月16日に予定されていた全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)はすでに中止が表明されています。

新型コロナウイルス感染症の影響下、おとなも子どもも心身ともに疲弊しています。このような状況下での実施は、生徒はもちろん教員、保護者をも追いつめることになります。どうか、6月17日の中3チャレンジテストの実施は中止してください。

「子どもをテストで追いつめるな!市民の会」は6月17日実施中止を求めるネット署名を始めました。ご賛同いただければ幸いです。

◆ネット署名は、以下からお願いします。
http://chng.it/kxRzDZhgGg


全国学校一斉休業の背景で進むエドテック産業の公教育への浸透

2020-03-11 20:30:57 | 全国学力テスト
学校の一斉休校が始まって10日以上すぎました。突然の学校休業による保護者と子どもの多大な負担。保護者・子どもの忍耐は限界を超え始めています。そんな中でも大阪市の小学校は、子どもの受け入れに消極的です。これからは、学校の開放と給食の提供など、休校中であっても子どもの積極的な受け入れが急務となっています。

これらの問題を利用して、教育そのものを大きく変える動きがあることに注目しています。全国一斉休校を利用してエドテック産業(民間教育産業)が活況を呈していることです。まずは、無料のインターネットを通じた学習資料を各教育委員会や家庭に配信し始めています。あまりにも急速な動きに驚かされます。

エドテック産業は、急速に学校現場と家庭に入り込み市民権を得ようとしています。それは、教育そのあり方そのものを大きく変えていく可能性があります。現在の無料の教材提供は、来るべきエドテック産業同士の市場競争の露払いになっています。数年後に振り返ってみたときに、今回の新型コロナ問題での一斉休校が民間教育産業が公教育の支配的な教材になる「ショックドクトリン」になっている可能性があるのではないでしょうか。

*EdTech企業各社による「新型コロナウイルスによる臨時休校」無償支援まとめ
https://edtechzine.jp/article/detail/3431#header_public


この動きのもとにあるのは、経済産業省の「『未来の教室』とEdTech研究会」です。この研究会は、アメリカで公立学校の廃校とチャータースクールへの置き換えを推進したボストン・コンサルティング・グループがその事務局を担っています。同研究会が、今後、何を目指そうとしているのか、想像することができます。

*「学びを止めない未来の教室」
https://www.learning-innovation.go.jp/covid_19/


さらに背景にあるのが文科省と経産省が推進するGIGAスクール構想です。2019年12月、政府は2022年までに子どもたち一人一台のタブレットをもたせるとしたGIGAスクール構想の具体化を補正予算化しました。タブレット端末を使って授業を行い、ドリル学習、単元テスト、中間期末テストなどの結果を一元的に管理するものです。文科省は、2023年度には全国学力テストの全ての問題をPCを使って回答させる方針も示しました。それだけでなく、日々の出席状況や保健室に行く回数、その日の気分など、子どもたちの行動と心まで数値化して管理するものです。これは、これまでの人と人との関わりの中で進める学校教育のあり方をPC入力とモニター化に根本的にかえる危険性があります。

*文部科学省HP
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm



2/29子どもをテストで追いつめるな!大阪集会のご案内

2020-02-20 20:40:29 | 全国学力テスト
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
子どもをテストで追いつめるな!大阪集会
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

■日時 2020年2月29日(土)14:00(開場13:30)~16:30
■場所 エルおおさか 南館ホール
     地下鉄・京阪「天満橋」駅下車7分 
■資料代 700円(学生、障がいのある方は無料)
■内容
□問題提起 住友剛さん(京都精華大学)
学校に「ゆとり」と「あそび」を取り戻すために
~競い合いではなく、子どもと教員がつながれる教育をめざして~
□パネルディスカッション
 コーディネーター(濱元伸彦さん(大阪市保護者・京都造形芸術大学) 
 パネラー
  佐々木サミュエルズ 純子さん(大阪市保護者・インクルーシブ教育をすすめる会)
  現職教員 
□特別報告 橋本智子弁護士
 「チャレンジテストによる人権侵害と憲法」
■主催 子どもをテストで追いつめるな!市民の会
   問い合わせ mailto:iga@mue.biglobe.ne.jp

<呼びかけ>
 2018年、吉村元市長が推し進めようとしたテスト結果の校長・教員、学校予算への反映は、多くの批判によって一定後退しましたが、子どもたちと教員、学校をテスト中心、テスト漬けにする動きは止まっていません。むしろますます拍車がかかっています。

大阪の小中学校は、全国に例を見ないテスト中心の教育

 大阪市の中学校では、全国学力テストに加え、高校入試の内申点に反映される大阪府チャレンジテスト(中1・2・3)と大阪市統一テスト(中3)、各学期に行われる中間・期末テストなど、他府県に比べて突出してテスト漬けになっています。授業はテスト時間を確保するために速く進められたり、通常の授業を削ってテスト対策授業が行われたりしています。
 2019年9月5日、大阪府教委は、チャレンジテストの「見直し」を公表しました。これまで中学3年で行っていた「団体戦方式」(各学校の平均点が大阪府平均を上回っていれば5段階評定で「5」「4」をたくさん付け、下回っていれば「1」「2」をたくさん付けざるを得ない)を中1・2年にまで拡大するものです。「見直し」によって学校間格差はますます広がり、子どもたちは中学校入学と同時に点数競争にさらされることになります。
 一方、大阪市の小学校では、各単元テストに加えて、3年生以上で大阪市経年テスト(国・算・理・社)を実施しています。9歳の子どもたちから全国学テと同様の強い緊張感とストレスを与えているのです。大阪府教委は、今後府内の5・6年生に統一テストを実施する方針を示しました。小学校からテスト漬けの毎日です。
 このような中で大阪市教委は、子どもたちの学力テスト結果をビッグデータとして管理し、点数による成果によって「学校カルテ」(学校評価)、「教員カルテ」(校長・教員評価)、「児童生徒カルテ」を作成し始めています。大阪の学校現場は、テスト結果で学校教育を評価する偏った教育観で覆い尽くされようとしているのです。

もう限界です!テストが教育を壊している!

 テスト中心の学校教育は、子どもたちに競争主義の価値観を浸透させ、ともに学びともに育つ教育、人権や共生を大切にする教育に取り組む余地をなくしていきます。全国学テやチャレンジテスト・経年テストの学校正答率をあげるために、障がいのある子どもをテストから排除するケースが明らかとなっています。
 学力テスト競争を重視する学校で子どもたちは、不合理な校則=「ブラック校則」を強制され、ルールへの従属を求められています。「ゼロトレランス」とも呼ばれる現在の厳格な学校ルールは、管理教育が問題となった1980年代よりも厳しくなっていると言われています。ここ数年、大阪市の小中学校では不登校の子どもたちが増え、とりわけ中学校の不登校率は2018年度で約5.3%あり、都道府県・政令市の中で最も高い比率となっています。大阪市の学校が、子どもたちにとってますます息苦しい場所になり、不登校の子どもたちが増えているのではないかと考えられます。
 教員も追いつめられています。テスト結果による成果を求める人事評価、教員間での競争と過度の時間外勤務、創意工夫した教育活動を規制する「スタンダード化」(マニュアル化)などによって常に過労状態が続いています。大阪の教育現場は、教員間の協働関係が失われ、病気休職者が他府県に比べても高くなっています。その結果、「担任がいないクラス」「教員のいない授業」が激増しています。大阪市では、2019年12月時点で教員が配置されていない小学校が52校(全体の約18%)にも上っています。子どもたちの教育権が十分保障されない事態にまでなっています。 

保護者、子ども、教員、市民がつながり、教育の危機に歯止めをかけよう!

 2018年以降、自治体独自の学力テストを見直そうとする動きが少しずつ広がってきています。長野県と奈良県で廃止、神奈川県と岐阜県は休止、広島県はテストをやめ質問紙調査のみ実施、札幌市は毎年実施を数年に1度の実施へと。佐賀県では、2019年度から学校現場の負担を軽減するために廃止。さらに2019年12月10日、土佐町議会が全国学テを抽出式に改めるように求める意見書を採択しました。
 大阪はこれらの動きに逆行しています。そんな時だからこそ様々な立場の人たちで教育現場の危機的状況を共有し、学校と教職員間の民主主義、全ての子どもたちの権利が尊重される学校を築いていくための議論をはじめて行きたいと思っています。ぜひ、集会にご参加ください。





9.23「チャレンジテストーここが問題!」ブログ公開用ppt

2019-12-07 10:26:03 | 全国学力テスト
子どもをテストで追いつめるな!市民の会からのお知らせです。


9月23日に開催しました「大阪府中学生『チャレンジテスト』ここが問題?!」学習会で、使用しましたpptを公開します。どうぞご自由にお使いください。また、地域にミニ学習会を開催したい方はどうかご連絡をお待ちしています。できる限りご協力させていただきます。

https://1drv.ms/p/s!ApYYtT1Gj3-JgaJNY_oFDhsQ2_m8nQ


大阪市は今年度の新人事評価制度の試行実施を断念!完全な撤回まで取り組みを強めよう!

2019-08-04 18:11:32 | 全国学力テスト
(1)松井市長は、8月1日の定例記者会見で、吉村前市長が主導した学力テスト結果を校長評価・給与に反映させる新人事評価制度について、今年度の試行実施を断念することを表明しました。これは、12.22集会の成功、政策立案過程の情報開示と市教委交渉、大阪市会教育子ども委員会での「新人事評価制度の見直しを求める」陳情書採択、チャレンジテストへの批判活動、大阪市役所ヒューマンチェーンやさまざまな立場からの批判の声の高まりによる大きな成果です。何よりも、3月中に試行案を作成させず、4月からの試行実施を遅らせてきたことが決定的でした。まずは、運動の成果として喜びたいと思います。
 同時に、松井市長は、今年度中に新人事評価制度案を修正し、来年度から試行実施に入ることも表明しました。松井市長は諦めていません。私たちは、完全に新人事評価制度を撤回するまで運動を継続したいと思います。

(2)会見で松井市長は、1月29日の総合教育会議で提案された新人事評価制度案を修正するとしました。会見での松井市長の発言から修正案の問題点を明らかにしたいと思います。

①松井市長は、1月総合教育会議で提案された新人事評価制度と同じ物にならないとしつつも、評価基準に学力向上を設定していく制度の根幹部分は、吉村前市長の考えを踏襲していくとしました。テスト結果を人事評価に活用する方針に変わりないことを明らかにしたもので、私たちは強く抗議したいと思います。

②松井市長は、「各校長の責任を重視することは大事なことだが、教育委員会本体にいるブロック責任者が一番結果を作っていかなければならない」として、校長だけでなく市教委のブロック責任者もテスト結果による評価の対象者にするとしました。そして4つに分けるブロックは「特別区のエリアで設定するのがわかりやすい」と、大阪都構想を見据えていることもあかしました。
 実は、テスト結果でブロック責任者も評価する案は、昨年9月14日の総合教育会議で大森特別顧問が提案していたものでした。しかし、その後の教育委員会議では、もっぱら教員・校長の人事評価評価制度について議論がなされ、ブロック責任者の議論はほとんど行われていませんでした。
 吉村市長はブロック化を「バーチャル教育委員会が4つあるようなもの」と述べ、ブロックごとに予算と権限を与えようとしています。ブロック責任者をテスト結果での評価対象にすることは、ブロックごとに学力競争をあおり、ブロック責任者は校長に、校長は教員へとテスト結果向上圧力を強めていくことを狙っています。これは大森特別顧問が考えていた構想そのものです。
 松井市長は、制度設計を1年遅らせる代わりに、大森特別顧問の提案を復活させたのです。今後は、事実上吉村前市長と大森特別顧問の作成した新制度案(1月総合教育会議で提案されたもの)を修正する過程で、大森特別顧問がどのような影響力を行使してくるのか注視する必要があります。

③松井市長は、「校長評価を単年度の点数だけで評価していくのは難しい」と指摘し、複数年で学力の「伸び」を評価する方向を打ち出しました。複数年であってもテスト結果を校長評価・給与に反映させることに変わりなく、私たちは認めることはできません。

(3)私たちは、今年度の試行実施断念を新制度そのものの撤回に向けた運動につなげていきたいと思います。そのためにも、人事評価制度修正に向けた動きの開示請求と市教委の追及、吉村・大森メールの公文書隠匿問題点や吉村・大森の不当な教育介入の暴露、チャレンジテスト廃止に向けた取り組み、現在の大阪でのテスト至上主義に対する教員、保護者、生徒の声を集める取り組み、大阪で進んでいる教育破壊の現状を明らかにする取り組みなどを進めていきたいと思います。