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子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

大阪で教科書問題にとり組む市民運動の交流ブログ

「大阪市教育振興基本計画(素案)」パブコメに意見を送ろう!

2021-10-25 18:31:39 | 大阪での教育破壊
「子どもに教育への権利を!大阪教育研究会」からの呼びかけです。

2022年度から2025年度にかけての大阪市の「教育施策の大方針」をきめるという「大阪市教育振興基本計画(素案)」が公開され、10月1日からパブリックコメント(パブコメ)が募集されています。締め切りは、11月1日(月)とされています。
パブコメ作成のために、「子どもに教育への権利を!大阪教育研究会」で、「素案」に対する批判のメモを作成しました。
これを参考に使っていただけると幸いです。
たくさんのパブコメを大阪市教委にぶつけましょう。

ここから、メモにアクセスできます。(子どもに教育への権利を!大阪教育研究会のブログ)
http://eduosk.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-d664eb.html

この間、大阪市教育振興基本計画の案の審議は「協議題」として複数回にわたって大阪市教育委員会会議の議題にあげられてきました。しかし、大阪市教委は、教育振興基本計画に関わる協議をこれまですべて「非公開」としてきました。
配付資料や議事録の情報公開をかけても、「非公開」を盾にして、一度も配布資料、議論の公開を拒否し続けてきました。
そんな中で、いつの間にか大阪市教育振興計画(素案)ができあがり、いきなり「パブコメ」が始まっています。
いつ、どの会議で大阪市教育振興基本計画(素案)ができたのでしょうか。
全く非公開の下で審議や調整を行い、「素案」とは言え、市長サイドや教育委員、市教委事務局がほとんど「成案」として仕上げた状態になってからはじめてその内容を公開しました。
その後の「パブコメ」は「市民の意見を広く聴いた」というパフォーマンスの色彩が強く、重大な問題があります。 少なくとも、公開の大阪市教育委員会議で大阪市教育振興基本計画(素案)の議論を行い、パブコメにかけることを決定すべきですが、すべてが非公開で、どうなっているのか市民には全く分かりません。
この「秘密主義」「行政情報の隠匿」については、別途、情報公開審査会への審査請求も行っています。

以下が、「大阪市教委進行基本計画(素案)」のパブコメ募集サイトです。
こちらから、短くても構いません。どんどんパブコメを出しましょう。 →
https://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/kyoiku/0000545505.html   (大阪市のサイト)


緊急事態宣言下の「全国学力テスト」と大阪府独自テストの強行はやめてください 署名始めました

2021-05-13 20:14:42 | 大阪での教育破壊
子どもをテストで追いつめるな!市民の会からの呼びかけです。

緊急事態宣言下の「全国学力テスト」と大阪府独自テストの強行はやめてください
緊急署名を開始しました。どうか、ご協力をお願いしたします。

http://chng.it/2Jpy5szc

緊急事態宣言下の「全国学力テスト」と大阪府独自テストの強行はやめてください
~ 授業や行事が中止でも、テストは別あつかい?! ~

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このキャンペーンで寄せられた賛同署名は、コメント欄にいただいたみなさんの声とともに提出する予定です。署名への賛同とあわせて、保護者、児童生徒、教職員をはじめすべてのみなさんの声や思いをぜひお寄せくさい。
また、5月13日(木)から5月24日(月)にかけて、Twitterデモを行います。
「#全国学力テストは中止してください」のハッシュタグをつけて、ツイートをお願いします。
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発信者:子どもをテストで追いつめるな!市民の会 宛先:文部科学大臣、大阪府教育長、大阪市教育長

政府は、大阪府をはじめ4都府県に対し、4月25日からの「緊急事態宣言」を発出し、さらに5月31日までの延長を決定しました。このような非常事態のまっただ中で、萩生田文科大臣は、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を予定通り5月27日に実施する方針を明らかにしました。「緊急事態宣言等でやむを得ず参加できない場合」でも、「6月30日までに後日実施」するよう要望しています。さらに、「全国学力テスト実施日」に合わせて、「すくすくウォッチ」という大阪府独自のテストも小学校5・6年生全員に実施します。

いま、大阪府の新規感染の拡大と医療崩壊は極めて深刻なものとなっています。4月だけに限定しても、大阪市立学校の学校休業は57校にのぼり、教職員・子どもの陽性者も260名を超えています。1月に比べても学校休業は2倍以上です。大阪府立学校でも196校中の137校(4月中・のべ数)が休業措置をとりました。
大阪市教育委員会は、緊急事態宣言中の教科の授業をやめて、次のような対応を指示しています。“小学校は、2限目までオンラインやプリントで自宅学習を行い、登校後4限目のみ教室での「指導」、給食を食べたあと帰宅させる。中学校は、午前中は自宅でオンラインやプリント学習、登校して給食を食べたあと、教室での「指導」を行う。修学旅行や校外活動、運動会などの諸行事等は中止または延期、部活動も原則中止”としています。コロナ感染への不安に加えて、中途半端な学校生活に強いストレスや不安を持つ子どもたちが増え、保護者も大きな負担と不安が強いられています。

一方、大阪府教育委員会は、緊急事態宣言中の府立学校の教育活動について、通常通り授業を行い、修学旅行や校外学習等は中止または延期としています。部活動は公式大会参加等「必要と認める範囲」で行っています。大阪市以外の小中学校も府立学校に準じています。

まともに授業も行事も実施できない状況が続く中で、なぜ「全国学力テスト」と「すくすくウォッチ」が最優先になるのでしょうか。子どもたちの安全安心と日常生活を取り戻すことが第一なのではないでしょうか。

私たちは、強く要望します。
2021年度の「全国学力テスト」と大阪府「すくすくウォッチ」の実施を中止してください!

楠木正成・正行を主人公とするNHK大河ドラマ制作に反対する要望書

2020-09-25 20:43:11 | 大阪での教育破壊
大阪北摂地域からの新しい動きです。

河内長野市が中心となって「楠木正成・正行を主人公とするNHK大河ドラマを誘致する運動」がおこなわれています。このほど北摂で市民団体を立ち上げ、島本町をはじめとする大阪府で反対する声をあげることに踏み出しました。添付の「要望書」と資料はすでにNHK大阪放送局に届けました。大阪放送局から東京の制作局に伝えてもらい、文書での回答をもらえるように要望しています。

北摂での市民団体は基本的にはこれまで教科書運動をやってきた人たちが中心ですが、これまで島本町で「楠正成の顕彰」に疑問を持って調査活動をしてこられた市民も参加していただいての出発です。

大阪府で35自治体が参加し、維新の吉村知事と松井大阪市長が顧問です。全国では61自治体が参加しています。誘致協議会は幅広く作られており、観光とからんだ町おこしの起爆剤のように考えている自治体も多く、「楠正成親子」の史実と戦前の『修身』での利用のされ方はほぼ検証されていません。私たちの活動はそれに一石を投じるものです。

この問題は教科書問題と深くかかわっており、日本会議ら右派の皇国史観の流布を止めることは、非常に重要な意味を持っています。育鵬社歴史教科書ではすでに楠正成は天皇の「忠臣」とはっきり書かれています。その他の教科書ではそこまでではなく、「悪党勢力」とはっきり書いている教科書もありますが、神話の「神武天皇」が教科書改訂のたびに教科書で大きく扱われるようになっていったのと同様に、楠正成も状況次第では今後大きくなっていくかもしれません。教科書運動もそうですが、怪しい動きが見つかったら、すぐに芽を摘むことが重要だと考えます。

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2020年9月22日
日本放送協会
NHK大阪放送局 広報部 担当者 様
NHK東京放送局 大河ドラマ制作担当者 様 
                
楠木正成・正行を主人公とするNHK大河ドラマ制作を考える会
                                   

楠木正成・正行を主人公とするNHK大河ドラマ制作に反対する要望書

私たちは日本国憲法にもとづく人権・平和・共生の理念を大切にした教科書を子どもたちに渡したい、と活動している大阪府内自治体の市民です。
 
2018年4月、楠木正成・正行にゆかりのある地の自治体が連携し、NHK大河ドラマ誘致に向け「楠公さん」大河ドラマ誘致協議会(大阪府河内長野市事務局)が発足しました。河内長野市長が会長、副会長には富田林市、四條畷市、千早赤阪村、高石市、島本町の首長が就任しています。2020年7月現在では大阪府内の35自治体を含み全国で61自治体が協議会に加盟して、NHK大河ドラマ誘致活動を行っています。(資料1参照) 
 
楠木正成については鎌倉末期から南北朝時代に後醍醐天皇に尽くした武士として軍記物語『太平記』に記されています。近世には尊王思想が隆盛する中で楠木正成を顕彰する「楠公祭」なども行われ始めました。近代は国体論と結びつき楠木正成は国民的英雄とされ、楠公祭は全国各地に広がり、日中戦争前後には盛大に催されています。
後醍醐天皇の建武の新政(1333年)に反旗を翻した足利尊氏との合戦に湊川に向かう前、楠木正成は最後の合戦と覚悟し、途中の「桜井の宿(しゅく)」で息子の正行に「忠義を貫け」と遺訓を与えたという「桜井の別れ」が有名です。その舞台とされた「桜井駅」(大阪府島本町)は歴史的に確定されていないにもかかわらず、1921年に国の史跡に指定されました。史実より「忠孝」「忠臣」という国民道徳を優先し、史跡桜井駅跡一帯は戦争中、戦意高揚のために「楠公精神」の教育の場となりました。史跡は拡大整備されて、巨大な乃木希典陸軍大将揮毫の「楠公父子決別之所」碑、東郷平八郎海軍大将揮毫の「明治天皇御製」碑も建てられました。整備には小学校・中学校・高等女学校の生徒が「勤労奉仕」も行い、戦争が激化するとともに大人のみならず、大阪や京都の子どもたちは学校から参拝に来ました。
楠木正成と正行親子は明治期からアジア・太平洋戦争の敗戦まで、天皇に忠義を尽くす「教育勅語」の教えを体現するシンボルとしてたたえられ、「忠臣」を育成するために『国史』『修身』で最も重要な教材でした。1941年から国民学校で使用された教科書『初等科国史』の最後は、靖国神社の絵とともに「正行のやうな、立派な臣民となり、天皇陛下の御ために、おつくし申しあげなければなりません。」で締めくくられ、正行は天皇に忠義を尽くす皇国臣民の鏡とされました。
子どもたちを戦争に導く楠公精神教育については、戦中の大阪府島本町の島本国民学校教育の歴史(資料2参照)が証明しています。

おりしも2021年度使用中学校教科書の採択対象となった育鵬社歴史教科書は、史実より神話を重視し、戦争を美化する教科書として特徴的です。楠木正成については、肖像画入りのコラムで「後醍醐天皇のために戦い続けたことから、のちに「忠臣」とたたえられた」との記述があり、他社の教科書記述(「悪党勢力」など)と比較しても特異です。

 先の大河ドラマ誘致協議会の加盟自治体は楠木正成・正行にゆかりがあるということで、「観光」や「活用」をうたい地域おこしに役立てようとしています。史実より物語を優先する誘致活動姿勢は学問や歴史、文化財が商品化され、戦後の歴史研究の到達点をないがしろにし、普遍性のない内向きのナショナリズムをもたらす危険性があります。憲法にもとづく自治体運営を行うべき自治体として、子どもたちを戦争に導く楠公精神を是とした戦前の教育を検証することなく、「楠公さん」大河ドラマ誘致を行う協議会に疑問をもちます。

よって、貴NHKにおかれましては、要望の内容を十分ご検討いただき、楠木正成を主人公とするNHK大河ドラマの制作を行わないよう、強く要望いたします。





大阪市での小学校統廃合条例化に反対の声を市議会に届けてください!

2020-02-08 10:15:12 | 大阪での教育破壊
■2月7日、大阪市議会に小学校の統廃合を教育委員会主導で進め、地域の合意形成を軽視する大阪市立学校活性化条例の改正案が提出されました。今後、2月17日(月)の教育こども委員会で審議・採決され、2月21日(金)の市議会本会議で採決に欠けられる予定です。教育委員会主導の統廃合条例化は、1月15日の大阪市総合教育会議ではじめて公に成り、まだ半月ほどしか立っていない中での議会提出です。批判の声が高まる前に、一気に成立させてしまおうとしています。

■今回の改正案の問題点は、
(1)教育委員会主導で小学校統廃合を行うことです。保護者や地域との合意形成は、「意見を聴く」ことに変わり、たとえ保護者・地域の合意がなくても統廃合を進めることが可能となります。
(2)これまで統廃合の対象校を6つに分類し、優先順位を付けていましたが、この条例改正では教育委員会に11学級以下の学校全てで「学校再編整備計画」策定を義務ずけています。その結果、84校(全小学校の約30%)が対象となります。

条例改正案は大阪市議会HPにあります。
https://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu260/result/202002_03.html
議案第8号です。

■学校統廃合の条例化は、コストと効率化を優先させ、学校や子どもたち、地域の意見や状況は、軽視されます。統廃合には、通学距離が飛躍的に長くなり保護者の不安や、地域のコミュニティー的な役割を担う学校がなくなることへの地域の不安など、地域の実情に応じた様々な反対意見があります。
 何より小規模校が子どもの教育環境として課題があると考えるのは全くの間違いです。小規模校では、一人ひとりの子どもたちを大切にし、子どもたちを主体とした教育が進めやすいです。同学年の集団だけでなく、異学年のつながりも強まり、子どもたちの学び合いも一層深まります。小規模校の良さを見ず、コストと効率を重視する統廃合条例化は小規模校での教育を受ける権利を侵害するものです。

■条例改正案は、2月17日の教育こども委員会で審議され、採決にかけられます。現在の委員会構成では、委員長が自民で、委員は維新6、自民3、公明3、共産1です。松井市長が推進している改正案ですから維新は賛成する可能性大です。しかし、自民、公明、共産が反対すれば否決することはできます。カギを握るのは自民と公明の同以降だと思います。教育こども委員会に向けて自民・公明・共産の各委員に改正案に反対するように声をとどけてください。維新の議員に賛成しないように声を届けてください。

■大阪市議会教育こども委員会メンバー

◆自民党議員

委員長 前田 和彦(まえだ かずひこ) 自民 北区  
電話: 06-6809-3039 FAX:06-6882-1933
mailto:kzmmkz1013@gmail.com

副委員長 木下 吉信(きのした よしのぶ) 自民 阿倍野区  
TEL(06)6621-2651 FAX(06)6624-8651
mailto:kinoshitakai@oct.zaq.ne.jp

有本 純子(ありもと じゅんこ) 自民 中央区  
TEL:06-6641-1133 FAX:06-6641-1306
http://www.arimotojunko.jp/

永井 啓介(ながい けいすけ) 自民 西区 会派代表者
TEL:06-6581-0054/FAX:06-6584-3863
MAIL:mailto:nagaikai@athena.ocn.ne.jp

◆公明党議員

辻 義隆(つじ よしたか) 公明 東住吉区  
℡ 06-6624-8875  ファクス 06-6624-1011
mailto:ytsuji2001@gmail.com

永井 広幸(ながい ひろゆき) 公明 平野区 会派代表者
TEL 06-6701-8882
mailto:nagai@komei21.com

山口 悟朗(やまぐち ごろう) 公明 西成区  
TEL 06-6634-8215
mailto:yamaguchi56.jimusyo@gmail.com

◆共産党議員

長岡 ゆりこ(ながおか ゆりこ) 共産 東淀川区 会派代表者
TEL 06-6323-2183
mailto:info@yuricolumn.osaka.jp

◆維新議員

副委員長 杉村 幸太郎(すぎむら こうたろう) 維新 平野区  
TEL./06-6796-1139 FAX./06-6791-5763
mailto:ishin@sugimurakotaro.com

高山 美佳(たかやま みか) 維新 北区  
TEL 06-6147-7527 FAX 06-6147-7528
mailto:ishin.takayama1992@gmail.com

金子 恵美(かねこ えみ) 維新 天王寺区  
電話 06-6774-3000
mailto:emikyon1971@gmail.com

杉山 幹人(すぎやま みきと) 維新 東淀川区 会派代表者
mailto:contact@sugiyamamikito.com
TEL:06-6459-9271

海老沢 由紀(えびさわ ゆき) 維新 東成区  
ホームページhttps://ebisawayuki.com/

伊藤 亜実(いとう あみ) 維新 住吉区  
FAX 06-7635-8200


この4月から子どもの心と行動を管理するキャリア・サポートが全国の小中高校で強制!

2020-01-14 22:23:47 | 大阪での教育破壊
2020年4月から「キャリア・サポート」が、全国のすべての小中高校で強制されようとしています。これほど多くの子どもたちと保護者、学校を巻き込む新制度ですが、ほとんど知られていないのではないでしょうか。

文科省の通知によると2017年3月に公示された学習指導要領の「特別活動」の項目で示されていたようです。文科省が出した「キャリア・パスポート」の見本を見るととんでもない内容でした。道徳と連動させることで、学校、家庭、地域での行動すべてが枠にはめられ、子どもは「良い子」暮らしを強いられるようになります。しかもそれが自分が立てた目標を自分で実践し、自分で振り返り、自己評価するというやり方なので、あたかも自主的にやっているかのように、すべて自己責任と思いこまされるような仕組みです。

簡単にいえば企業で奨励されてきた「PDS(Plan Do See)」の子ども版です。すでにかなり以前から「教職員評価」には導入されていますが、ついに子どもの時から思考と行動を縛ろうとするところにまで来たかと恐ろしい気がします。

文科省が子どもに求めている能力は「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」の4つです。道徳は個人の形成がまずあって他社、集団へと同心円的に広がりますが、特別活動のためか、他者・集団との関係での能力がトップに来ています。すべて前向きな向上を求める項目ばかりです。

学期ごとに目標を立て、学期末に振り返り、学年末には小学校では7項目を、中学校では12項目を4段階で自己評価し、次の学年へとつなぎます。

これらを小中校と12年間繰り返させることを通じて、子どもは国家が求める4つの能力を絶えず意識し、12項目を規準に自分を考えるように刷り込まれます。つまり「将来の仕事のために常に自己の向上に努力する良い子」として振る舞えているかと12年間脅迫されているようなものです。

教員の負担も大変なものです。教員には子どもを高めることが要求されるので、向上しない子どもに頭を悩ませ、子どもを指導しなければなりません。それだけではなく常にこの12項目を規準に子どもを見るように教員にも刷り込まれます。

これによって自由な子どもと教員との関係は完全に壊されます。「道徳の教科化」によってただでさえ息苦しくなっているのに、「キャリア・パスポート」なるものによって子どもはいっそうストレスを溜め、いじめや不登校が増えるのではないかと心配です。

これまで「特別活動」には教科書も評価もなく、比較的自由にカリキュラムが組まれてきたのではないかと思いますが、この「キャリア・パスポート」なるものを通じてじわじわと管理的なものに変質するのではないかと思います。

しかもこの「キャリア・パスポート」は卒業しても次の学校へと引き継がれ、12年間分で完結されるようになっています。文科省の通知では学校を通じてまとめて進学する学校に渡すことができることになっています。大阪市の場合は「入学式前後での早い段階での提出を求め」ることになっていますので、子どもは捨てたくとも捨てられません。実質的には強制提出であり、これまでの「指導要録の写し」以上にたいへん詳しいので、次の学校はその子どもをより把握しやすくなるとも言えます。大阪市は、小学校から中学校、高校に引き継いでいくために、専用のファイルまで配付する予定になっています。子どもが気持ちを切り替えて新しい学校で出発したいと思っても、過去はずっと付いてくるというわけです。

文科省は「キャリアパスポート」は学校ごとにカスタマイズしていいと言っていますが、これだけ忙しい中では独自のものを作るのは大変なので、ほとんどの学校は文科省の見本通りのもので進めるでしょう。しかし放置はできないので、「キャリアパスポート」の問題点を広く伝え、何とか形骸化させることを考えないといけないと思います。