子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

大阪で教科書問題にとり組む市民運動の交流ブログ

5.19「愛国兵士づくり」のための道徳教科書を許すな!全国集会

2018-04-30 08:02:26 | 集会案内
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     2018年、中学校道徳教科書採択
「愛国兵士づくり」のための道徳教科書を許すな!全国集会
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■日時 5月19日(土) 開会13:30 開場13:00
■場所 大阪市立中央区民センター ホール
     地下鉄堺筋線・中央線「堺筋本町」下車5分
■内容
 □パワーポイント 「各社の中学校道徳教科書の検討」
 □解説「日本教科書株式会社と日本会議の動向」(仮)
 □全国各地から報告
 □方針提起
■主催 「戦争教科書」はいらない!大阪連絡会
■問い合わせ iga@mue.biglobe.ne.jp

<集会への呼びかけ>

◆中学校道徳教科書は「愛国主義的」教科書が2種類
 今年の夏に採択される中学校道徳教科書は8社から出ています。中学校道徳教科書を発行すると言っていた日本教育再生機構は、社会科のように育鵬社(フジ・産経グループ)からは発行できず、「日本教科書株式会社」から発行しました。これによって、「愛国主義的」道徳教科書は、貝塚茂樹氏ら日本会議のブレーンと見られる人物たちが作った教育出版の中学校道徳教科書と、「日本教科書株式会社」の中学校道徳教科書の2種類になりました。

◆「日本教科書株式会社」はヘイトスピーチ本を出している晋遊舎の事実上の子会社
 「日本教科書株式会社」は日本教育再生機構の理事長である八木秀次氏が代表になって作られた会社です(2017年9月1日に武田義輝氏に交代)。現在、「日本教科書株式会社」は東京の晋遊舎ビルの一角にあります。代表の武田義輝氏は晋遊舎の会長でもあり、両社は事実上一体の会社です。晋遊舎は2005年から『嫌韓流』などいわゆる「嫌韓本」を多数出し、韓国・朝鮮人や中国人へのヘイトスピーチをまき散らしてきました。また児童のセクハラ漫画も多数出してきました。このような人権侵害の出版物を出している出版社が、名前だけ変えて「道徳」教科書を出すなど悪夢としか思えません。「日本教科書株式会社」のHPでは「よい教材」「よい授業」など、一見もっともらしいことが掲げられていますが、彼らに「道徳」を語る資格があるのでしょうか?
  八木氏は2017年の8月の講演会で「小学校道徳教科書は期待外れ」と語っていました。そのため「日本教科書株式会社」の道徳教科書は、もっと“自己責任”“自己犠牲”“愛国心”を強調し、日本会議が求める道徳教科書になっています。そのうえ、道徳の22の徳目を習得できたか、子どもたちに項目ごとに4段階で自己評価までさせています。
 教育出版は偉人伝が多く、外国人の口を借りて日本賛美をするのは小学校道徳教科書と同じです。また「「心かがやき度」と称して子どもたちに自己評価(3段階)させるのは日本教科書と同じです。
 日本教科書も教育出版も、安倍政権が求める徳目を巧妙に刷り込み、子どもたちを「愛国兵士」に仕立てる教科書であり、絶対に採択してはならない教科書です。

◆ただちに「愛国主義」的道徳教科書採択阻止への取り組みを!
 昨年の小学校道徳教科書採択において、私たちは大阪府下では教育出版の採択を阻止しました。また情報公開などを進め、採択手続きの一定の改善をかちとってきました。この力をもって中学校道徳教科書採択においても、全力で取り組まねばなりません。
 道徳はそもそも、「自己責任」「公共の精神」「愛国心」などを盛り込んだ「22の徳目」を習得することを目的としているため、どの教科書も「自己犠牲」や「日本ファースト」を強調する教材がたくさんあります。しかし、それなりに違いもあります。私たちはしっかり吟味し、より良い道徳教科書を子どもたちに手渡しましょう!
 「教育再生」と「改憲」は安倍政権・日本会議の「戦争をする国づくり」のための二本柱であり、「歴史改ざん」と「道徳教育」が安倍式「愛国兵士づくり」の両輪です。
 阻止するために全国で・全力で取り組みましょう!


「選定資料」を作成する大阪府教委へ要望書を提出

2018-04-09 21:34:06 | 道徳教科書 中学校
大阪府教委は、中学校道徳教科書採択に際して、大阪府内の市町村教委に示す「選定資料」を作成します。
大阪府教委の「選定資料」は、市町村教委の調査研究に大きな影響を与えるものです。
そこで、大阪府教委の「選定資料」作成に際して以下の要望書を提出しました。

2019年度使用中学校道徳教科書の採択に関する要望書

                                       2018年4月9日
大阪府教育委員会教育長   様
大阪府教科用図書選定審議会 様
                 子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

 貴教育委員会の教育への日頃のご尽力に敬意を表します。
 さて2019年度から使用される中学校道徳教科書の採択に向けて、貴教育委員会も準備作業を進めておられることと存じます。今年の中学校道徳教科書採択は、道徳の教科化にともない初めて行われるものです。戦前の修身教育によって教育勅語の「徳目」を子どもたちに徹底して教え込み戦争に駆り立てた反省から、道徳の教科化には強い危惧が現在も存在しています。文科省の中学校道徳教科書検定でも、教科書会社は学習指導要領に明記された「徳目」を全て網羅するように求められました。私たちは、道徳の教科化によって子どもたちの心の中を国家が統制し評価することになるのではないかと強い危機感を持っています。そこで、貴教育委員会が、どのような選定資料を作成するのか、市町村教委にどのような指導・助言をしていくのか、注視しているところです。
 私たちは、日本国憲法に体現される基本的人権、平和、民主主義、そして近隣諸国との友好関係を深める観点から、公正かつ民主的に教科書採択が行われるよう貴教育委員会に要望書を提出します。ご検討の上、回答をお願いいたします。ご多忙と思いますが、回答を4月末日までにお願いします。

【要望書】

1.「人権の取扱い」の観点として人権、平和、共生を重視してください。
 貴教育委員会が作成する「教科書を調査研究する観点」には、従来から「人権の取扱い」が項目に含まれています。昨年の小学校道徳採択において「人権の取扱い」の観点は、「人間尊重の精神、生命に対する畏敬の念に基づき、生きることのすばらしさや生命の尊さについて考え深められるよう取り扱われているか」となっていました。しかし、ここにあげられた観点は、文科省の徳目に示された「生命や自然、崇高なものとのかかわりに関する」ものとなっており、具体的な人権問題に関わる内容とはなっていません。
 大阪には、問題や在日外国人問題、障がい者問題、男女差別などさまざまな人権問題があり、教育課題としても積極的に取り上げられてきたところです。さらに今年の中学校道徳教科書では、LGBTなどもあらたに取り上げられています。
 「人権の取扱い」は、昨年の観点を踏襲するのではなく、大阪の教育課題と結びついた人権、平和、共生の観点を明記してください。また、教科書以外の人権教材の使用を認めることを市町村教委に徹底してください。

2.偏狭なナショナリズムに繋がる「愛国心」を採択基準に加えないでください。
 教育基本法には、「愛国心」に繋がる目標がありますが、そこには「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が同時に明記され、偏狭なナショナリズムに陥ることがないように求めています。しかし、中学校道徳教科書検定結果を見れば、「日本美化」「日本人はすばらしい」と言った内容がことさら強調されている教科書があります。これらは偏狭なナショナリズムにつながっていくものです。採択基準に偏狭なナショナリズムに繋がる「愛国心」を採択基準に入れないでください。

3.「考え,議論する道徳」を重視する調査の観点を設定してください。
 新学習指導要領では、「考え、議論する道徳」が強調されています。しかし、教科書の中には、教材の前後に「学ばせたい徳目」に誘導する設問を設けているものがあります。
 また、中学道徳教科書で検定合格した8社中5社で「愛国心」等を段階別で自己評価欄を設けています。段階評価は、文科省の「徳目」にそって、自分の「内心」を評価させるものです。中には、「徳目」への「理解」だけでなく「態度や行動」まで自己評価させる教科書もあります。出版社によって段階評価の仕方は多少変わりますが、どれも子どもたちの「内心」を縛るものになることは間違いありません。
 子どもたちは、自由に発想し、幅広く考え、意見交換する中で自分の考えを深めていきます。自由な発想は、「考え、議論する道徳」の基になるものです。教材が、特定の価値観に誘導するものでなく、「考え、議論する」ように取り扱われているかどうか、採択基準として重視してください。

4.各市町村教育委員会に対して「多くの教員の意向が反映される」採択方法を執るように指導・助言してください。
 教科書採択にあたっては、現場の教職員の意見を十分聞き、それを教科書採択に反映すべきです。1997年3月28日「規制緩和推進計画の再改訂について(閣議決定)」の中でも、教科書の採択制度について「将来的には学校単位の採択の実現に向けて検討していく必要があるとの観点に立ち、当面の措置として、教科書採択の調査研究により多くの教員の意向が反映されるよう、現行の採択地区の小規模化や採択方法の工夫改善についての都道府県の取り組みを促す。」ことが明記されています。
 また、国際的にも「ILO・ユネスコの「教員の地位に関する勧告」によって「教員は生徒に最も適した教材および方法を判断するための格別の資格を認められたものであるから、承認された計画の枠内で、教育当局の援助を受けて教材の選択と採用、教科書の選択、教育方法の採用などについて不可欠な役割を与えられるべきである。」と明記されています。しかし、大阪府内の市町村教委の中には、教員による調査研究を軽視するところがあるのが現状です。貴教育委員会は、市町村教委に対して「多くの教員の以降が反映される」採択方法になるよう指導・助言してください。

5.各市町村教育委員会に対して採択関連資料の公開度を高めるよう指導・助言してください。
 3月30日、文部科学省は、「教科書採択における公正確保の徹底等について」通知を発出しました。その中で「採択基準、採択結果や採択理由等について十分に公表されているとは言い難い」と採択関連資料の公表度が低いことを厳しく指摘しています。貴教育委員会は、大阪府内の市町村教委に対して、「採択基準、採択結果、採択理由」の速やかなHP・地元の情報公開センター(地域によって名称は様々)で公表を行うよう指導・助言してください。
 さらに文科省通知では「採択権者においては、より一層、採択結果及びその理由をはじめとする教科書採択に関する情報の積極的な公表に取り組」むよう求めています。選定委員会の日程や答申、会議録、さらには市民による教科書アンケートなど、できる限り全ての資料を公開するよう指導・助言してください。 
以上

中学校道徳採択に関する文科省通知で、更なる情報公開を要請

2018-04-07 20:50:10 | 道徳教科書 中学校
文科省は、3月30日、今年度の中学校道徳教科書採択に関して
「教科書採択における公正確保の徹底等について」、「教科書採択の公正確保について」、「平成31年度使用教科書の採択事務処理について」の3つ通知を出しています。
ほとんど昨年と同じでしたが、違う点もありました。

「教科書採択における公正確保の徹底等について」には、昨年度の採択状況の調査結果が添付されており、2014年度に比べて昨年度の市町村教委の採択資料の公表度が下がっていることがわかります。
ここで言う公表とは、ホームページや各地の情報公開センターなどでの公表を意味すると思いますが、どの数字も下がっています。これはとても意外でした。




文科省通知「教科書採択における公正確保の徹底等について」の中でも、「採択基準、採択結果や採択理由等について十分に公表されているとは言い難い」と指摘しています。
あらためてこの通知を活用して、市町村教委での公開度を高める運動をしていく必要を感じました。