子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

大阪で教科書問題にとり組む市民運動の交流ブログ

教科書全国集会2023秋 今年の教科書採択から見えてきたもの

2023-10-22 19:10:47 | 2023年集会案内
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教科書全国集会2023秋 ~中学校教科書採択に向けて~
今年の教科書採択から見えてきたもの
ー市民と教員にもっと開かれた教科書採択を!―
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■日時 11月11日(土) 14:00~16:30(開場13:30)
■場所 国労大阪会館 3階大会議室
      (JR環状線「天満」、地下鉄「扇町」)
■オンライン配信もします
  https://onl.la/Z4ffnIU
■内容
①大阪と全国の採択状況報告と今後の課題
②今年の小学校教科書の問題点(社会科、道徳)と、現行中学校教科書の問題点
③各地からの報告
④特別報告「自衛隊の若者勧誘に協力する地方自治体」

■主催 「戦争教科書」はいらない!大阪連絡会
     iga@mue.biglobe.ne.jp

■呼びかけ
(1)採択過程を透明にしない地域がいまだにある
 教科書運動は、ここ10年間ほどで大きく前進しました。市民が教科書展示会に足を運んで意見を書き、教育委員会の採択会議を傍聴してきました。教育委員会会議は通常傍聴人数が限られており、希望者が多いと抽選になります。教科書採択会議には教科書会社がつめかけるため、抽選になると市民がほとんど傍聴できません。そのため、私たちは採択会議には傍聴希望者全員が入れる大きな会場を用意するように、粘り強く働きかけてきました。その結果、大阪府下では傍聴人数に制限がない地域が増えています。
 ところが、東大阪市は今年も抽選をし、その結果、定員12名のうち傍聴できた市民はわずか3名で、9名は教科書会社の社員でした。多くの市民は別会場で画面を見るしかなく、別会場では採択資料すら配布されませんでした。教育委員どうしのやり取りは聞き取りにくく、市民はずっと我慢させられました。
 石川県金沢市は採択会議に市民の傍聴を許さず、採択結果も発表しませんでした。市民は強く抗議しましたが、「静謐な環境保持」を理由に、密室採択が長年続いています。このように、全国的にはまだまだ開かれた採択になっていません。今回の集会では、全国状況を集約し、来年の中学校教科書採択に向け、知恵を出し合いましょう。そして、育鵬社教科書採択をゼロにしましょう。

(2)増えている自衛隊の災害救助の写真
小学校の社会科教科書では自衛隊の写真が増え、その多くは東日本大震災の救援写真です。そのため、子どもたちは自衛隊を軍隊ではなく、レスキュー隊のようにイメージしています。文科省は検定の際、日本文教の「自衛隊のイラク派兵」写真のキャンプション「はじめて実際の戦闘地域に派遣された自衛隊」に、「戦闘地域ではなかった」と意見をつけ、「イラクで活動する自衛隊」に書きかえさせました。
自衛隊の本質は殺し合いをする軍隊です。南西諸島は中国、北朝鮮との戦争を視野に入れて、最前線基地として再編強化されています。岸田政権はウクライナ戦争を口実に、「敵基地攻撃能力」と称して、「先制攻撃」まで想定しています。麻生自民党副総裁は台湾で、日本の「戦う覚悟」を語りました。このように、現実には露骨な戦争準備がなされているにもかかわらず、子どもたちには真逆のことが教えられているのです。教科書が自衛隊の宣撫工作に利用されています。

自衛隊の高校生リクルートに、個人情報を提供する地方自治体  
 現在、岸田政権はアメリカの高価な武器を爆買いし、自衛隊を軍隊として強化しようとしています。しかし、自衛隊の真の弱点は武器の不足にあるのではなく、自衛官の不足にあります。そのため、若者には何とか自衛隊に親しみをもたせ、あこがれるように仕向けてきました。しかし、実際には五ノ井さんの告発でも明らかなように、内部ではセクシャルハラスメントが後を絶たず、いじめも横行しています。 
現在、自衛隊は高校生に、かつての「赤紙」まがいの勧誘ハガキを送りつけ、自治体は個人情報を自衛隊に提供しています。今回の集会では「特別報告」として、この問題を長年追及してこられた山下慶喜茨木市会議員に自治体の実態を語っていただきます。「若者を戦場に送らない」ために、私たちは何をすればよいのかをいっしょに考えましょう。
多くのみなさんの集会へのご参加をお願いいたします。





教科書全国集会2023~琉球弧の軍事要塞化と戦争教科書 

2023-05-07 09:39:09 | 2023年集会案内
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教科書全国集会2023~小学校教科書採択に向けて~
琉球弧の軍事要塞化と戦争教科書 
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■日時 6月3日(土)14:00(開場13:30)
■場所 エルおおさか 本館6階大会議室
     (大阪メトロ「天満橋」、京阪「天満橋」)
■講演 北上田毅さん(沖縄から来阪)
■報告 小学校教科書の内容
    採択制度の民主化に向けて
    藤井寺市での教科書汚職事件
■資料代 800円(学生、しょうがい者無料)
■オンライン希望者は添付のQRコードから申し込んでください。
 (5月31日までに)


■主催 「戦争教科書」はいらない!大阪連絡会
     iga@mue.biglobe.ne.jp

■呼びかけ
□「愛国心教育」の道具にされる小学校教科書
今年の夏に採択される小学校教科書の検定結果が出ました。
 道徳では、教育出版2年生の「私の町のあんこやさん」という教材のテーマが、「ちいきのよさに気づく」から「国やちいきのよさに気づく」に変えられ、本文では「これからも日本のあじをつたえていきたいね」が付け加えられました。また、日本文教6年生の姫路城の修復を取りあげた教材では、「木組みの技術」が「日本古来のすぐれた木組みの技術」に変えられました。
「あんこ」は東アジア共通の食品です。「木組みの技術」は仏教の伝来とともに、中国・朝鮮を経て伝わった寺院建築の技術であり、いずれも日本独自のものではありません。子どもたちが学ぶべきは、視野の狭い「日本すごい!」ではなく、国際理解と多文化共生の大切さではないでしょうか。
社会科では、北方領土・竹島・尖閣諸島は、すべて「日本固有の領土」と記述されました。これらの領土問題は日本の侵略戦争と深く関わっています。したがって、歴史的背景と相手国側の主張も教えてこそ、領土問題の平和的解決を考える力を養うことができます。文科省の領土教育は相手国への憎しみを煽ることにしかならず、好戦的な国民を育成する危険な教育です。
 日本文教6年生では、自衛隊のイラク派兵(2004年)の写真のキャンプションが、「はじめて実際の戦闘地域に派遣された自衛隊」から「イラクで活動する自衛隊」に書きかえさせられました。イラク派兵は激しい戦地への派遣で、帰国後PTSDを病んで、幹部も含め29名もの自衛官が自殺するような悲惨な結果となりました。それを隠ぺいし、あたかも平和的なボランティア活動だったかのように、子どもたちがイメージするように文科省は誘導したのです。
 
□琉球弧(南西諸島)の軍事要塞化を企む岸田政権
 このような「愛国心」の刷り込みの背景にあるのが、岸田政権の軍拡と増税政策です。岸田政権はウクライナ戦争をきっかけとした国民の不安感を利用して、「敵基地攻撃能力」を持つために軍事費をGDPの2%(5年間で43億円)に上げるとしました。そのための大増税ももくろんでいます。すでに沖縄や奄美などの南西諸島では、自衛隊のミサイル基地建設が着々と進められています。日本は「新たな戦前」=「戦争準備の開始」に踏み込みつつあるのです。
 アメリカは「台湾海峡有事」に備えて沖縄の米軍基地を強化しています。岸田政権はアメリカに全面協力し、沖縄県の反対を無視し、辺野古の海の埋め立てを強行しています。今回、講師としてお呼びした北上田毅さんは辺野古の海底がマヨネーズのようにゆるく、埋め立てるには無理があることを明らかにして、反対運動の先頭に立ってこられた方です。講演では、辺野古の最新の状況と、南西諸島の軍事要塞化の実態についてお話していただきます。

□「平和・人権・共生」を大切にした教科書の採択を!
戦争をするためには「お国のために命を捨てる覚悟」を持った国民を大量に育成しなければなりません。「愛国心教育」が不可欠なのです。安倍政権が進めた侵略戦争の歴史の抹殺と、道徳の教科化。私たちはそれに立ち向かい、2020年には大阪市、東大阪市などで育鵬社中学校教科書の採択を阻止しました。藤井寺市では大日本図書と癒着した元校長らによる不正採択が明らかになり、採択のやり直しがおこなわれました。これらは市民の教科書運動の成果です。
市民アンケート、採択会議の傍聴など、今年もぜひいっしょに取り組んでください!