子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

大阪で教科書問題にとり組む市民運動の交流ブログ

大阪府教委への2021年度使用中学校教科書採択についての要望書

2020-04-28 18:28:51 | 2020年度中学校教科書採択(大阪)
今年の採択は、コロナ感染によってさまざまな制約をうけることになりますが、私たちは、コロナ汚染に十分配慮しながら、最大限透明性を確保した採択を行うよう、大阪府教委に要請しました。

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2021年度使用中学校教科書採択についての要望書

2020年4月27日

子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会
教科書問題を考える北摂市民ネットワーク
サポートユニオンwith You
学校労働者ネットワーク・高槻
東大阪で教育を考える会
大阪府教職員協会
銘心会南京
ざざまる会
教育が危ない!みのお市民ネット
松原市退職教職員と市民の有志
教科書問題を考える会・豊中
守口から平和と民主主義を考える会・もりナビ
大阪教育合同労働組合
「日の丸・君が代」強制反対・大阪ネット
Dサポーターズ
教職員なかまユニオン
いま9条と私たち 非戦の市民講座(堺)
以上、17団体

 府下の児童生徒の健全な育成のために、貴教育庁が尽力されておられることに敬意を表します。
 さて、今年度は中学校教科書の採択の年です。すでに文部科学省から3月27日付けで「採択事務処理について」の通知が出されていますが、今年は新型コロナウィルス問題によって、これまでのような採択事務が滞りなく実施されるのかが懸念されます。
 よって私たちは今年度の中学校教科書の採択において、人権を大切にした教科書が公平・公正で開かれた手続きを経て採択されるように、貴教育庁が市町村教育委員会に対して適切な指導・助言をしてくださるように、以下の項目を要望いたします。

1.「人権の尊重」は全ての教科においてもっとも重要な項目のひとつです。貴教育庁が作成する
「教科書を調査研究する観点」には、従来から「人権の取扱い」が項目に含まれています。大阪には、問題や在日外国人問題、障がい者問題などさまざまな人権に関わる問題があり、教育課題としても積極的に取り上げられてきたところです。そのため、「人権の取扱い」は、大阪の教育にとって極めて重要な観点になっています。今年の中学校採択においてもこの観点を重視してください。

2.貴教育庁では、2011年の中学校教科書採択から「選定資料」の中で「教科用図書の特色が明らかになるような客観的な数値データ」を記載した「選定資料2」を作成しています。そこでは、何を項目として取り上げるかによって、意図的に教科書の特色を描いてみせることができます。教科書の特色は、特定の項目の記述箇所数だけで分かるものではありません。教科書全体の文脈の中でつかむことで、何を大切にしている教科書なのかを理解することが大切です。
貴教育庁は、特定の項目で教科書の数値データ化するのをやめてください。数値データを記載した「選定資料2」の項目や内容を市町村教委に指定しないでください。

3.教科書採択にあたっては、現場の教職員の意見を十分聞き、それを教科書採択に反映すべき
です。1997年3月28日「規制緩和推進計画の再改訂について(閣議決定)」の中でも、教科書の採択制度について、「将来的には学校単位の採択の実現に向けて検討していく必要があるとの観点に立ち、当面の措置として、教科書採択の調査研究により多くの教員の意向が反映されるよう、現行の採択地区の小規模化や採択方法の工夫改善についての都道府県の取り組みを促す」ことが明記されています。
 しかし、大阪府内の市町村教委の中には、教員による調査研究を軽視するところがあるのが現状です。各市町村教育委員会に対して「多くの教員の意向が反映される」採択方法を執るように指導・助言してください。

4.文科省の通知によれば、教科書展示会は「一般公開を通じて、地域住民等の多くの方々に教科書に触れていただくための取り組み」として、「教科書展示会の開催に係る経費は地方交付税で措置されて」おり、「広く地域住民の方々が展示会に参加できるよう工夫すること」が求められています。
  しかるに今年度はコロナウィルス問題のために、図書館などの公共施設が閉鎖され、教科書展示会の開催が危ぶまれる状況です。文科省も求めているような「広く地域住民等が展示会に参加できるような工夫」が、「法定展示」「法定外展示」のいずれにおいてもなされるように、市町村教育委員会に対して、適切な指導・助言をしてください。

たいへんお忙しいとは存じますが、5月13日までにご回答いただけますように、よろしくお願いいたします。


6/7 「改憲」と「戦争」に導く教科書NO!全国集会

2020-04-24 17:18:30 | 2020年度中学校教科書採択(大阪)
集会案内です。
現時点では開催予定で、資料の作成等、全力で準備しています。
今後のコロナ状況によっては開催できないこともありえますので、中止等の場合は、このブログにてお知らせします。
その場合は集会資料を希望者にお送りさせて頂く予定です。

現時点での開催内容をお知らせします。

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「改憲」と「戦争」に導く教科書NO!全国集会
2020年、中学校教科書採択―子どもたちにより良い教科書を!
 
日時 2020年6月7日(日)13:30~ 
場所 国労会館(JR天満駅、地下鉄扇町駅)
主催 「戦争教科書」はいらない!大阪連絡会

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今年は中学校教科書採択の年―とくに社会科歴史・公民、道徳に注目を!
社会科歴史・公民―採択してはならないのは「育鵬社」と「自由社」


 「育鵬社」も「自由社」も日本の歴史を天皇の統治の歴史として描き、侵略戦争や植民地支配を正当化する立場で書かれています。公民では「基本的人権」より「義務」の大切さを強調し、「国防の義務を果たせ」と、子どもたちを「戦争」へと導いています。

 「自由社歴史」は、極端で不正確な記述が多かったため、不合格になりました。「自由社公民」は、かろうじて合格しましたが、極右の教科書といえるような内容です。

 「育鵬社歴史」は、巧妙に表現を和らげていますが、本質は変わりません。男性を支え家庭を守る存在として女性を描く「なでしこ日本史」、「特攻」の美化など、日本会議の歴史観が貫かれています。現在、「育鵬社」を採択しているのは、おもに大阪や横浜ですが、その地域を死守するためか、「育鵬社歴史」は大阪の地域調べに6ページ、横浜には4ページを割いています。

 「育鵬社公民」は、「国民主権」より「天皇制」、「基本的人権の尊重」より「制限」、「平和主義」より「国防の重要性」の説明に偏っています。安倍首相や天皇、自衛隊の写真の多さでも突出し、初めて「旭日旗」を登場させました。子どもたちを「改憲」に導くアクティブラーニングに多くのページを割いているのも大きな特徴です。曽野綾子氏の「人は一つの国家にきっちりと帰属しないと『人間』にもならない」というコラムは、排外主義であり「多民族共生」に反すると厳しい批判を受けているにもかかわらず、相変わらず掲載されています。
 今回、新たに中学校歴史を発行した「山川出版」は、「従軍慰安婦」を記述しました。これ自体は画期的なことですが、沖縄戦の「集団自決」についての記述がありません。私たちはきちんと記述するように要求します。

道徳―採択してはならないのは「日本教科書」と「教育出版」


 「日本教科書」は八木秀次氏が、嫌韓本や児童ポルノ本で知られた「晋遊舎」の全面的な支援を受けて立ち上げた会社が発行し、そもそも「道徳」を語る資格があるのか疑わしい教科書です。若者の長時間労働を正当化し、女性差別を助長するなど人権侵害の教材が多く、八木氏は「教育再生首長会議」に採択を働きかけるなど、不法な営業活動もしています。

 「教育出版」は貝塚茂樹氏ら日本会議系の道徳学者が作成しています。小学校同様「偉人伝」が多く、巻末の都道府県の「偉人一覧」では、日本をアジア侵略に導いた「勤王の志士」を美化しています。これら2社は、「愛国」と「自己犠牲」を子どもたちに押しつける道徳教科書です。

今年は大阪の教科書採択の分水嶺


 大阪府では現在、「育鵬社」が大阪市・東大阪市・四条畷市・河内長野市・泉佐野市で採択され、中学生の5人に1人が学ばされています。このような状況を何としても今年で終わらせましょう。
 「コロナ」を理由にした密室採択を許さず、教科書展示会を必ず開かせましょう!市民アンケートを通じて、あなたの意見を教育委員会に届けてください。


コロナ禍の中、大阪府中3チャレンジテスト6月17日実施は中止してください!

2020-04-17 17:09:16 | 全国学力テスト
子どもをテストで追いつめるな!市民の会からの緊急の呼びかけです。ぜひ、賛同をお願いします。

大阪をはじめ全国のみなさまへ

大阪府中学生統一テスト「チャレンジテスト」をご存知でしょうか。
これは、大阪維新の会府政・市政において生み出された教育施策のなかでも、過度な競争主義と格差肯定施策の典型ともいえ、深刻な問題を含んでいます。

高校入試の際の内申(5段階絶対評価)を統一テストによって学校ごとの評定平均を予め行政が決め、各学校はそれに合わせて生徒の評定をつけるという制度です(尤も説明では粉飾していますが、実質はこうです。)

「子どもをテストで追いつめるな!市民の会」は、学校(教員)の評価権に対する行政の介入であり、何より学校格差を肯定し、拡大する不公平な制度であると、その問題性を広く市民に伝える活動を行なってきました。

さて、4月7日、安倍首相は新型コロナウイルス感染症対策本部で特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令しました。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県が対象、実施期間は7日から5月6日までです。それを受け、感染が拡大している大阪では、4月13日吉村知事によって休業要請がなされました。

現在、大阪の学校はすべて休校中です。児童・生徒をはじめ教職員も保護者も、感染の危険を抱えながらこの未曾有の出来事に対処していくのが精一杯の状況です。

ところが、その13日に、大阪府教育委員会はホームページで、大阪府公立中学統一テスト「中3チャレンジテスト」周知リーフレットを公表しました。そこには、6月17日に中3チャレンジテストを実施するとありました。

これには驚きを禁じ得ませんでした。多くの学校関係者は、3月から2ヶ月以上の休校が続いているため、6月17日の実施はできない、またやるべきではないと考えていました。その上、5月7日以降学校が再開できるかどうかの不安も抱えています。再開できたとしても、学校で何より優先したいことは、子どもたちの命と健康を守ることです。学習はもちろんのこと、心のケアと互いの信頼関係の回復が必要です。にもかかわらず、教育委員会は休校中であることを承知しながら一方的に実施をホームページに掲載しました。

「チャレンジテスト」は全国で唯一、その結果が高校入試の内申に影響します。大阪府教育委員会はホームページにおいてもテスト対策のための「中学生チャレンジテスト復習教材」を多量にアップしています。このような状況で実施を公表することは、休校中の学力補償を歪めてしまうことにもなりかねません。そしてなにより生徒を追いつめることになります。4月16日に予定されていた全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)はすでに中止が表明されています。

新型コロナウイルス感染症の影響下、おとなも子どもも心身ともに疲弊しています。このような状況下での実施は、生徒はもちろん教員、保護者をも追いつめることになります。どうか、6月17日の中3チャレンジテストの実施は中止してください。

「子どもをテストで追いつめるな!市民の会」は6月17日実施中止を求めるネット署名を始めました。ご賛同いただければ幸いです。

◆ネット署名は、以下からお願いします。
http://chng.it/kxRzDZhgGg