子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

大阪で教科書問題にとり組む市民運動の交流ブログ

2020年、教科書展示会参考資料(2021年度使用中学校道徳教科書)

2020-05-30 08:11:57 | 2020年度中学校教科書採択(大阪)
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*この資料で取り上げている各教科書の長所・短所以外にも、あなたの視点で教科書を読み、たくさん意見を書いてください。
*意見は何枚でも書けます。できたら一つのテーマで1枚書いてください。
*意見は記名でも無記名でも出せます。
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歴史・公民・道徳教科書資料は以下のページからPDFでダウンロードできます。
https://www.data-box.jp/pdir/143f94c7da6443a5b23364d31eff4eb9


◆◆道徳教科書◆◆

1 各社の問題のある教材

<日本教科書> 人権侵害が顕著。
1年 p.92「永久欠番42」 黒人初の大リーガーとなったロビンソンの契約条件は、差別されても「やり返さない勇気」を持つことだった。差別する側のことは問わず、差別される側が努力して自分の価値を認めさせることによってしか差別はなくならないと教えている。人種差別撤廃条約の理念を真っ向から否定。公民権運動などを通じて差別を撤廃してきたことも一切出てこない。
1年 p.141「銅像が教えてくれたこと」 日清戦争・朝鮮侵略の中心人物であった陸奥宗光を郷土の偉人として教える。
1年 p.153「大地―八田與一の夢」 台湾の植民地支配の一翼を担った八田與一を偉人として教える。
1年 p.178「ほっちゃれ」 鮭の産卵を夫婦愛として美化。実際の鮭の生態とは異なる。
2年 p.8「14歳の責任」 14歳からは刑事責任能力が問われると罰則を強調。イジメで被害生徒を自殺させた場合、少年院送り、地元では針のむしろ、賠償金の支払いは一生続くと脅しつける。これが“心を育てる道徳教育”といえるのか。
2年 p.12「自分を律する五つの決め事~橋本左内の啓発録より~」 封建時代の武士の道徳をそのまま美化。
2年 p.47「われ太平洋の橋とならん」 新渡戸稲造が日本文化の優れた面を、武士道にまとめ上げたのは一面的。封建的道徳の美化。
2年 p.54「雨の日のレストラン」 長時間労働の肯定。忙しいのは自分だけではないと知り、友人たちとの会食のあと、また会社へもどって働く若者の話。
2年 p.92「キスからもらった勇気」 1919年、シベリアのポーランド孤児を日本で治療し    たという美談。同じころ、日本軍はシベリアのイワノフカ村で民間人を虐殺していたが、
都合の悪いことは書かない。
3年 p.78「自分が好きですか」 統計を見せて、外国に比べて日本の若者の自己肯定感が低いのはなぜかと問う。保守派の場合は、日本に誇りを持たせる教育が行われていないせいだと強引に結論付けるために利用する。
3年 p.100「ライフ・ロール」 結婚した女性は、たとえ仕事をもっても家庭を優先すべきと教える男女の役割分業・女性差別の教材。
3年 p.148「伊勢の神宮~こころのふるさと~」 伊勢神宮は戦前の国家神道の中心であり、天皇の神格化に大きな役割を果たした。その反省抜きに、日本人のこころのふるさととして、伊勢神宮を印象づけようとするのは日本教科書だけ。

*「日本教科書」は育鵬社の歴史・公民教科書を作成した日本教育再生機構理事長の八木秀次氏が立ち上げた出版社で、ヘイトスピーチ本『マンガ嫌韓流』や児童ポルノ本で知られた晋遊舎の全面的支援を受けている。そもそも道徳教育を語る資格があるのか疑問。

<教育出版> 偉人伝が多く、勤王の志士を美化。
1年 巻末「都道府県にゆかりのある人物と、その言葉」
吉田松陰(山口県)、橋本左内(福井県)、坂本龍馬(高知県)、西郷隆盛(鹿児島県)
   ―吉田松陰はアジア侵略を、西郷隆盛は朝鮮侵略を唱え、日清・日露戦争に大きな影響を与えた人物。坂本龍馬は武器商人。子どもたちの道徳的モデルにできるのか。
2年 p.122「復旧にとどまらず、復興を~後藤新平~」 ボーイスカウトの「自治三訣」のひとつ「人のお世話にならぬよう」は、今日的には見直すべきもの。

*小学校道徳教科書同様、日本会議系の道徳学者として知られる柳沼良太氏らが中心で作成している。柳沼良太氏は「偉人伝」による道徳教育の推奨者。特定の人物の特定の側面を美化して子どもたちのお手本にさせようとする偉人伝は、道徳教科書にはふさわしくない。

<東京書籍>
1年 p.13「選手に選ばれて」 リレーの選手に選ばれたら引き受けるのは義務であり、断るのは個人のエゴだと批判。個人の権利より義務の押しつけ。
1年 p.74「全校一を目指して」 全校一になるという競争的な目標の無理を見直す視点がない。
2年 p.190「郷土のことを考える」 軍人の工藤俊作(山形県)、台湾の植民地支配を担った八田與一(石川県)と西郷菊次郎(鹿児島県)、武器商人だった坂本龍馬(高知県)を郷土の偉人として教える。
3年 p.2「かけがえのない君 どう生きる」(冒頭の詩) 強靭な精神力を学ぶのが道徳授業だ、
頭と心と体をきたえるのが学校生活だと、戦前の『修身』のような詩。教科書編集責任者(押谷由夫氏)自らが、子どもに檄を飛ばすのは異例。
3年 p.111「伝えたいことがある」 第五福竜丸のことを取り上げているが、アメリカの水爆実験による被害ということが明確でなく、差別の問題にされている。
3年 p.190「郷土のことを考える」 明治時代のハンセン病院の創設者ハンナ・リデル(熊本県)を偉人として教える。ハンセン病院の人権侵害が広く知られるようになった今、その問題を教えずに肯定的に取り上げるべきではない。

<日本文教出版>別冊ノートがある。
2年 p.72「いじめをなくすために」 罰則を持ち出して子どもを脅すのは邪道。
2年 p.186「きいちゃん」 障がい児が地域で生きられない社会の問題は問われない。津久井やまゆり園事件を経た今日、障がい児の頑張りに感動しているだけでいいのか。

<学研教育みらい>
1年 p.23「武士道から見る日本人の礼儀」 新渡戸稲造が日本文化の優れた面を武士道にまとめ上げたのは一面的。封建的道徳の美化。
2年 p.34「美しい母の顔」 顔にやけどの痕がある母をお化けみたいだと排斥してきた娘が、やけどが火事から自分を守るために負った傷だったと知って、初めて母の顔を美しいと思ったという話。テーマは「母の愛は無償」。そもそもの娘の差別意識は問わないまま。
2年 p.44「ヨコスカネイビーパーカー」 軍港都市・横須賀には触れずに、地域起こしを美化。
2年 p.124「未来から来たおじいさん」 70年後の未来では、国は当てにならないから助け合いが大事だと説く。「自助・共助・公助」のうち、「公助」の視点が欠けている。

<廣済堂あかつき>別冊ノートがある。文章が長く、1時間内に消化しきれない教材が多い。教材の最後には必ず格言があり、特定の結論を押しつけている。
1年 p.86「美しい母の顔」 顔にやけどの痕がある母をお化けみたいだと排斥してきた娘が、やけどが火事から自分を守るために負った傷だったと知って、初めて母の顔を美しいと思ったという話。テーマは「母の愛は無償」。そもそもの娘の差別意識は問わないまま。
2年 p.118「国」 王監督が野球の開会式の国歌斉唱で起立しない日本人を批判。何らかの思いを持って、あえて起立しない人もいることに思いをはせていない。
3年 p.110「ほっちゃれ」 鮭の産卵を夫婦愛に擬人化して美化。実際の鮭の生態とは異なる。

2 子どもに数値で自己評価させることの問題

<日本教科書>だけが、22の内容項目ごとに数値評価(4段階)させている。教員は数値で評価しないことになっているにもかかわらず、子どもには数値評価させるのは矛盾している。「愛国心」をどのレベルまで「態度と行動」に現わすことができたかを問えば、「日の丸」に敬意を表し、「君が代」をしっかり歌うように、目に見える形で表現するように強制することにしかならない。
さらに「理想の人物はだれか、その人物に何パーセント近づいたか」まで書かせている。特定の人物の特定の側面だけを美化した教材を学習させ、その人物をロールモデルにさせるのは、子どもたちの視野をせばめ、一面的な価値観のもとに行動させることにしかならない。

3 各社の「人権・平和・共生」教材は?

<光村図書> 小学校同様、人権教材がもっとも多い。
1年 p.30「魚の涙」 さかなクンのいじめ体験。
1年 p.36「私の話を聞いてね」 手に障害を持つアメリカの少女。
1年 p.40「ユニバーサルデザイン―誰もが使いやすいものを」 ユニバーサルデザイン。
1年 p.50「みんなで成功させよう」 リーダーの在り方を考える。
1年 p.80「なんだろう なんだろう 正義ってなんだろう」(ヨシタケシンスケ)
1年 p.117「異文化の人々と共に生きる」 価値観の違い。
1年 p.121「考えの違いを乗り越える」 乗り越えるための方法。 
1年 p.123「撮れなかった一枚の写真」 フォトジャーナリスト吉田ルイ子
1年 p.128「親友」 男らしさ・女らしさを考える。
2年 p.21「松葉づえ」 誰のための手助けか。
2年 p.33「明日、みんなで着よう」 いじめの被害者への連帯。ピンクシャツデー。
2年 p.50「異なり記念日」 斉藤陽道(聴覚障害)。
2年 p.78「なんだろう なんだろう ゆるすってなんだろう」(ヨシタケシンスケ)
2年 p.106「国際人道支援―どんな仕事があるのだろう」 国境なき医師団。
2年 p.174「アンネのバラ」 オットー・フランクから贈られたバラ。
3年 p.84「なんだろう なんだろう 自立ってなんだろう」(ヨシタケシンスケ)
3年 p.86「ぼくの物語 あなたの物語」 人種差別。
3年 p.94「世界の子どもたちの状況」 貧困、児童労働など。
3年 p.96「私の再出発」 夜間学級で学ぶ。
3年 p.108「家族って?家庭って?」 いろいろな家族。
3年 p.122「希望の義足」 ルワンダ内戦。
3年 p.127「本当に意味のある国際協力とは」 相手が何を望んでいるか。

<日本文教出版>
1年 p.30「さかなのなみだ」 さかなクンのいじめ体験。
1年 p.86「むかで競争」 勝つことよりみんなでやることの大切さ。
1年 p.182「肝心のバスガイド」 沖縄戦・平和。
2年 p.22「最後のパートナー」 引退盲導犬。
2年 p.40「リスペクト アザーズ」 共生に必要なのは他者の尊重。
2年 p.44「人権課題への取り組み」 世界人権宣言。
2年 p.50「戦争を取材する」 戦場カメラマン山本美香。
2年 p.92「自分ってなんだろう」 シッタカブッタ。
3年 p.101「さまざまな性」 体の性、心の性、性志向、性表現
3年 p.118「自分・相手・周りの人」 マタニティマークなど。

<東京書籍>
3年 p.144「その子の世界、私の世界」 少年兵、児童労働など。
3年 p.148「そのこ」(谷川俊太郎) 働く子ども、学校に行く子ども。
3年 p.151「子どもの権利条約」
3年 p.180「命見つめて」 第二次世界大戦の被害者の憎しみと許し。

<学研教育みらい>
1年 p.116「公平とはなんだろう」 条件の違いへの配慮。
2年 p.132「ものづくり」 障がい者が使いやすいスプーン、痛くない注射針など。

<教育出版>
3年 p.42「あなたは顔で差別しますか」 差別・偏見との闘い。共感性の大切さ。
3年 p.48「ふつうってどういうことだろう?」 違いがあることを普通にする。

<廣済堂あかつき>
3年 p.96「虹の国―ネルソン・マンデラ―」 アパルトヘイト
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