子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

大阪で教科書問題にとり組む市民運動の交流ブログ

大阪府柏原市:モラロジー研究会主催「教育者研究会」で教育長の講演を取りやめを求める要求書を提出

2018-07-11 21:08:34 | 学校へのモラロジーの浸透
今年の6月以降、全国でモラロジー研究会主催の「教育者研究会」が開催されています。その多くで、文部科学省や当該自治体、教育委員会が後援しています。さらには、会場によっては、教育委員会教育長などが講演をしているケースがあります。下記の要求書にあるように、今年の中学校道徳教科書採択対象になっている日本教科書株式会社とモラロジー研究会は密接な関係にあります。採択期間中にモラロジー研究会主催の「教育者研究会」が開催され、採択権限を持つ教育長が講演を行うことは、教科書採択の公正性を逸脱する行為です。
ぜひ各地でも、この点を教育委員会に問いただしていただきたいと思います。

第55回教育者研究会の予定はこちら
http://www.moralogy.jp/educator

私たちは、今年の「教育者研究会」で教育長が講演予定の大阪府柏原市教育委員会に以下の要求書・質問書を提出しました。

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モラロジー研究所主催「第55回教育者研究会」の後援の撤回と教育長の講演中止を求める要求書及び質問書

子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会

 今年、公益財団法人モラロジー研究所は、「道徳教育の新たな充実をめざして」をテーマに「第55回教育者研究会」を全国91カ所で開催し、8月11日には柏原市で開催するとしています。そこでは柏原市と柏原市教育委員会が「後援」し、新子教育長の講演も予定されています。
 モラロジー研究所理事長の廣池幹堂氏は改憲団体である日本会議の代表委員であり、同研究所は特定の思想性を帯びた団体です。
 しかも、モラロジー研究会は今年の中学校道徳教科書採択対象になっている日本教科書株式会社(以下、「日本教科書」)と密接な関係にあります。「日本教科書」の顧問となっている八木秀次氏はモラロジー研究会の関連団体である麗澤大学教授です。「日本教科書」の中には、モラロジー研究会の発行する「ニューモラル」から引用した教材もあります。さらには、「教育者研究会」の講師に「日本教科書」の執筆者が2名います(白駒妃登美氏、丸岡慎弥氏)。
 柏原市で同研究会が開かれる8月11日は、中学校道徳教科書採択の真っ最中です。そのような時期に、採択対象の教科書と密接な関係にある同研究会に、教育委員会が「後援」するだけでなく、採択権限を持つ教育長が講師として参加することは不適切です。特定の教科書会社への便宜供与そのものであり、教科書採択の公正性、行政の中立性の原則に反します。
 柏原市と柏原市教育委員会は、以下の要求内容と質問事項に対して速やかに文書回答するよう求めます。

<要求内容>

1.柏原市と柏原市教育委員会は、モラロジー研究会「教育者研究会」への後援を取り消してください。
2.同研究会での新子教育長の講演を中止してください。

<質問事項>

1.どのような経緯で同研究会を「後援」することになったのか、明らかにしてください。具体的には、いつ、どこから「後援」要請があり、どの機関で「後援」を審議して決定したのか、明らかにしてください。
2.どのような基準で「後援」をきめたのか、明らかにしてください。
3.同研究会は毎年開催されています。いつから「後援」しているのか、明らかにしてください。
4.市立学校に同研究会の「案内」が配布されているかどうか明らかにしてください。配布されているのであれば、どのような経緯で配布されているのか明らかにしてください。
5.同研究会で新子教育長が講師となった経緯と理由を明らかにしてください。
6.8月11日の同研究会には、教育長以外に教育委員会関係者の参加予定があるのか明らかにしてください。あれば、誰が参加予定か明らかにしてください。

以上


箕面市でモラロジーの教育現場への浸透に対する要求書及び質問書を提出

2018-07-06 20:21:34 | 学校へのモラロジーの浸透
あぶネット(教育が危ない!みのお市民ネットワーク)からの報告です。

モラロジー研究会に関する市および校長あて申入れについて、「豊中市の会」さんより文書の拝借をご了解をいただきまして、ありがとうございます。下記のものを7月4日市教委に渡し、また郵送しました。

 この文書でも触れていますが、「豊中モラロジー事務所・箕面モラロジークラブ」のHPでは「作文コンクール」に関する下記の報告記事があります。箕面市の市立小・中学校は計22校ですので、ほぼ全校参加の状況です。全生徒数は小学校が8,673人、中学校が3,496人(18年6月現在)なので、子どもたちの参加(応募)は4分の1程度みたいです。

「豊中モラロジー事務所・箕面モラロジークラブ」のHPより
・「平成29年11月19日(日)午後2時より、箕面市立多世代交流センターにて、第8回
「伝えよう!いのちのつながり」優秀作品表彰式典(箕面会場)が開催されました。
 
参加校は、箕面市内の20校。小学校低学年が1047通、高学年が915通、中学校が787通
の合計2749通の応募がありました。」

 
 学校新聞でも、「モラロジー表彰式」が掲載されています。「二中の窓」(2013年12月)や「一中だより」(2014年11月)、彩都の丘学園など。また「箕面市青少年弁論大会」は、「箕面市、箕面市教委、箕面ライオンズクラブ」の共同主催で行なわれてきていることも初めて知りました。

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2018年7月4日
箕面市長 倉田哲郎 様
箕面市教育長 藤迫 稔 様
箕面市教育委員 様

あぶネット(教育が危ない!みのお市民ネットワーク)

公益財団法人 モラロジー研究所への後援の撤回等を求める要求書及び質問書

箕面市教育委員会は、公益財団法人モラロジー研究所が企画する「作文コンクール」にこれまで「後援」をしており、箕面市内に在住する小学生、中学生を対象に作品募集を行なってきています。応募された作品からは、「箕面市長賞」、「教育長賞」の進呈もされています。
同研究所は、改憲団体である日本会議と深いつながりがあり、理事長の廣池幹堂氏は日本会議の代表委員を務めています。また廣池氏は、中学校道徳教科書を作成するとしている育鵬社の共同事業者である日本教育再生機構の顧問でもあります。廣池氏は、日本教育再生機構の機関誌『教育再生』 (2015年5月号)の「巻頭言」で「(育鵬社教科書が)今後、公教育の場において広く活用されていくことを願ってやみません」と述べ、育鵬社採択に協力していることは明らかです。(下記1*)
このような特定の教科書の作成・採択運動に直接関わる団体の地域組織の事業を箕面市および箕面市教育委員会が後援、協力することは行政の中立の原則からして不適切です。
教科書採択の公平公正の原則に反し、教科書採択が市民の疑惑を招くことになりかねません。(下記2*)

箕面市と箕面市教育委員会は、以下の要求内容と質問事項に対して速やかに回答するよう求めます。

<要求内容>
1.箕面市と箕面市教育員会は、同事業への後援を取り消し、箕面市立学校での紹介・協力を取りやめてください。
2.この「作文コンクール」企画において、箕面市教育委員会関係者、市立小・中学校長が審査員になっている場合には、その経緯と理由を明らかにしてください。
とともに、教育委員会関係者、市立学校の校長や教員が審査員に就いている場合には、直ちにその任をやめさせるよう要求します。

<質問事項>
1.どのような経緯で同事業を「後援」することになったのか、明らかにしてください。具体的には、いつ、どこから「後援」要請があり、どの機関で「後援」を審議して決定したのか、明らかにしてください。
2.どのような基準で「後援」をきめたのか、明らかにしてください。
3.同事業は、第9回となっています。いつから「後援」しているのか、明らかにしてください。
4.市立学校に「案内」が配布されていることを承知しているのでしょうか。また、市もしくは市教委から学校に配布したのでしょうか。
                                             以上 
                                               
* 教育出版・道徳教科書の編著者には、育鵬社の道徳教育本(「13歳からの道徳教科書」・「はじめての道徳教科書」)の関係者が多数入っています。―貝塚茂樹氏、柳原良太氏、木原一彰氏、武蔵村山市立学校校長・教員。 

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2018年7月4日              
箕面市立小中学校長様
                                              
あぶネット(教育が危ない!みのお市民ネットワーク)

モラロジー研究所の「作文コンクール」募集事業について(要望) 

箕面市教育委員会は、公益財団法人モラロジー研究所が実施する「作文コンクール」募集事業について後援し、この事業について市内の学校は協力をされていると聞いています。
公益財団法人モラロジー研究所は改憲団体である日本会議と深いつながりがあり、理事長の廣池幹堂氏は、日本会議の代表委員を務めています。また廣池氏は、教科書を作成している育鵬社の共同事業者である日本教育再生機構の顧問でもあります。
廣池氏は、日本教育再生機構の機関誌『教育再生』(2015 年5月号)の「巻頭言」で「(育鵬社教科書が)今後、公教育の場において広く活用されていくことを願ってやみません」と述べ、育鵬社採択に協力していることは明らかです。
私たちは、憲法に定められた平和、人権、共生、民主主義の理念に基づく教育を願う市民として、標記の事業については下記のような問題点があると考えています。
今後、同様の事業について学校ヘの協力要請があった場合、各学校長様におかれましては、これらの点をご考慮いただき、当事業への対応を慎重にご検討いただきますようお願い申し上げます。

<モラロジー研究所主催「作文コンクール」事業の問題点>

1.特定の教科書の作成・採択運動に関わる団体の地域組織の事業を箕面市教育委員会が後援することは、教科書採択の公平公正の原則に反し、教科書採択についての市民の疑惑を招くことになりかねません。
2.公益財団法人モラロジー研究所理事長の廣池幹堂氏は、改憲団体である日本会議の代表委員を務めていること、同研究会主催の51回教育者研究会(大阪市会場)では、有名な右派論壇の加地伸行氏が講師となるなど、同団体の活動は政治的色彩が強いと考えます。

3.この「作文コンクール」実施要綱には、目的の項に「家庭は教育の原点です。家庭、親、先祖との絆を感じるとき、子どもたちは喜びと生きる力を得ることが出来ます」と記載されています。
大阪市内のモラロジー事務所主催の過去の作文コンクールでは、テーマが、「家族の絆」、「家族と過ごして楽しかったこと」、「私のすばらしい家族」(サブテーマ)となっていました。
保護者からのネグレクト・虐待で悩んでいる子、様々な事情で児童養護施設から通学する子どもたちがいる中で、家族の役割を強調する目的・テーマで児童生徒に作文を書かせることは配慮をかき、人権の観点からも問題があると考えます。

4.表彰式での青木信幸代表世話人の挨拶文(第8回・第9回)には、「日本人本来のよき美徳を取り戻したい」と、在日の子ども、外国ルーツの子どもへの配慮に欠けた言葉があります。

5.箕面市の同事業には、昨年度20校が参加、応募数は小学校低学年が1047通、高学年が915通、中学校が787通の合計2749通となっています。これだけの人数の応募があったのは、学校が協力して、作文の募集をする、授業中に書かせる、宿題にするなどがあったのではないかと考えられます。
(提出用紙には、提出先が担任の先生となっています。)
また箕面市教育委員会関係者、市立小・中学校長が審査員になることは教育委員会の後援名義使用の範囲を超えていると考えます。
以上
                                
  

松原市「モラロジー研究所の作文コンクール」後援取りやめに!

2018-06-05 20:36:21 | 学校へのモラロジーの浸透
6月4日、松原市教育委員会に、市民・退職者のかた合わせて6人で訪問。「道徳教科書採択にあたっての要望書」を提出し説明しました。参加者から、二社の教科書の危険性を具体的に訴えました。教科書会からの「採択アンケートの提出」も要請しました。
次に、「モラロジの作文コンクール後援やめよ」の要望書を提出し、今年度のことを聞きましたら、なんと!「モラロジの作文コンクールは、今年度から取りやめた。後援しません」と返答がありました。「2月に皆さんに来てもらって以降、教委内部で論議しやめることに決めました。詳しい理由は言えないし聞かないでほしい」とも。
 ひとまず、取り組みの大きな成果であることを参加者で確認しました。

モラロジ―問題で南河内の3市に申し入れ

2018-02-26 20:32:05 | 学校へのモラロジーの浸透
モラロジ―問題で南河内の3市に申し入れを行い、話し合いの場を持ちました。

■Ⅿ市教委へ 
市民、元教職員の方々と行きました。市教委の担当部署4人が応対。まずⅯ市の「モラロジ―研の作文コンクール後援」について説明を受け、質問と要請を行いました。

①Ⅿ市は2013年度に作文協力を、2015年度より正式に作文後援をしている。Ⅿ市の小学生のこの作文の提出総数は、2014年-1861名、2015年-2311名、2016年ー2527名、2017年―2499名である。Ⅿ市内の小学校の総児童数から見ると、たいへん多くの児童が提出している。学校によってほぼ全員提出のところもあれば、少ないところもある。校長と学校に任せている。他の後援団体と同じで、モラロジ研究会自身が、各学校に作文の説明やプリントを配布している。具体的に児童に配布している「作文指導」のプリントは、教委は持っていない。今年のテーマは(昨年とほぼ同じ)『心の絆エッセー募集”ありがとう”を伝えたい人に』であった。作文の一次審査はモラロジー研究会がやり、二次審査は、市教委も入って行っている。そこで「市長賞」「教育長賞」「モラロジー賞」「入賞」の作品を選ぶ。その表彰式は、毎年12月に行っているが、市長や教育長も空いていたら参加し、表彰授与している。あいさつもしている。校長のあいさつはない。

②(こちらから資料を示し説明) モラロジ‐研の理事長・廣池幹堂氏は、日本会議の代表委員、日本教育再生機構(育鵬社の共同事業者)の顧問である。「明治以降の近代国家としての堂々たる歩みは、アジアの国々にも独立への勇気を与えた。しかし、戦後の誤った教育により、日本は今、道徳的な危機にある。」「育鵬社の教科書を推薦する」などと主張している人物である。「モラロジ‐研の新年大発表会は昨年、本部のある千葉県柏市と大阪の2か所で行われていて、内容は「廣池千九郎が問うたもの」「万世一系の現代的意義」であった。このように、戦後の教育を批判し戦前の天皇制をも賛美する団体の取り組みを、市教委が後援するのは間違っている。「市の後援名義使用承認要綱」の「特定の主義主張の浸透を図ることを目的とするもの(は承認できない)」に当てはまるのではないか。また道徳教科書採択の時期に、教科書執筆者が所属する団体や研究会を後援するのは、教科書採択の中立性の保持という面からも問題である。Ⅿ市のモラロジ研の作文コンクールの題名は、大きな問題にはならないが、大阪市内の作文コンクールの題名は「家族のきずな」であり、家族関係に悩む子や施設から通う子への配慮が全くないものである。こういうものを押し付けることは子どもの人権侵害であり、教委がそれを後援し進めることは、たいへん大きな問題である。Ⅿ市としても真剣に受けとめてもらいたい。今後こういう作文コンクールの後援はやめるよう検討してほしい。

③市教委側は「大阪市内の作文の題名」については、「やはり配慮がないと感じる。Ⅿ市では子どもの生活を重視し取り組んできた。」と言われましたが、明確には作文コンクールを問題視されず「外部からの取り組み要請があまりにたくさんあって、教職員の多忙化への対策として、こういうコンクールについての縮小?も考えていくかもしれない」という返事でした。

■H市教委へ 
元教職員数名で行きました。市教委側は 2人が応対。「モラロジのことを今回初めて知った。7月のモラロジ教育研究会のことも知らなかった」と無責任な返答。モラロジの問題を指摘説明し「来年度は後援をやめるよう検討を」と要請しました。「教育委員会傍聴の問題点=1週間前に傍聴申込書を提出しなければ傍聴できない方式⇒こんな傍聴条件は他市にはない」についても改善を要望しました。

■F市教委へ・教育長と懇談 市民と元教職員数名で。教育長と他5人が同席。まず教委からの説明「3年前までどうだったかわからないが、2年前近くのモラロジ―研の代表が『モラロジーの教育研究会』後援とその会での私のあいさつの要請にきた。文科省や府教委も後援しているし、モラロジーは公益財団法人であるし、また道徳教育の内容づくりは教育上大事だと思っていたので、後援することにした。昨年7月の『教育研究会』では自分が推薦し元校長だった人の講演もあった」と。このあと、こちらから資料で、モラロジの問題をじっくりと指摘説明しました。そして「モラロジ研理事長の主張の一つは、戦後教育の否定である。あなた達自身=戦後の教育委員会自体を否定するような主張の団体の取り組みを、後援協力するのは、大きな問題ではないのか?」 「このお知らせチラシを見たら、教育長があいさつし、市教委の人が講演者にも加わりで、市教委自身が主催しているような研究会にさえ見える。今後、こういう研究会の後援をやめてほしい。」と要請しました。それに対して「団体組織そのものを後援しているのではなく、団体の取り組みを後援しているので、この取り組みだけなら、後援はやめられない」ようなことを言われました。

週刊金曜日2月2日号「学校教育に浸透する『モラロジー』」

2018-02-03 21:41:07 | 学校へのモラロジーの浸透
週刊金曜日2月2日号に「学校教育に浸透する『モラロジー』」という2ページの記事が掲載されています。
私たちは、この間モラロジーの学校への浸透を追及していきましたが、その内容の一端が記事になりました。
モラロジーの学校への浸透の問題は、これまであまり注目されてきませんでしたので、これをきっかけにこの問題への関心が高まればうれしいです。ぜひ、ご覧ください。

週刊金曜日HP
http://www.kinyobi.co.jp/