一昨日(5/17)21:00~23:10、関西テレビ系の全国ネット番組「第1次さんま内閣~首相!全国からこんな陳情が来てますスペシャル~」(土曜プレミアム)がオンエアされた。全国から6チームが出場、それぞれが抱える悩みを「さんま内閣」に陳情し、それが認められれば補助金(賞金)が出る、という仕組みである。
私は平野奈津さん(スムージー専門店「DRINK DRANK」経営者、「三条通橋本商親会・奈良未来クラブ」リーダー)、お笑いコンビ「ロッチ」の2人とタッグを組み、「奈良にはおいしいものがたくさんあるのに、『奈良にうまいものなし』といわれて困っている」と陳情した。
途中からは増井義久さん(大和焼きそうめん)、三家(さんが)弘和さん(らーめん棒)、長崎大助さん(大和牛ホルモンの天ぷら)が、それぞれお料理を携えて登場。審査員(閣僚)に試食してもらった。これらはすべて、過去3回の「ならB級グルメ決定戦」でグランプリに輝いた逸品である。奈良市の仲川元庸市長も、VTRに出演され、現状をアピールした。
今回の出演依頼は、4月半ばになって突然舞い込んできた。当初は県下の自治体に出演を依頼したようだが断られ、最終的に私にお鉢が回ってきたようだ。依頼書の日付が「2月22日」となっていたので、2ヵ月近くもたらい回しが続いたことになり、これはちょっと情けない。
ディレクターとメールなどで出番の構成を打ち合わせた後、4月21日(月)にディレクターが奈良入り。平野さんの「DRINK DRANK」に集合し、そのあとは東向商店街の「月日亭」で茶粥や大和野菜などのランチを食べたり、「旬彩ひより」や「粟 ならまち店」で地場野菜の話をヒアリングしたり(「旬彩ひより」では美味しいわらび餅をいただいた)。夕方にはやすらぎの道の「やたがらす」で「大和焼きそうめん」をいただいた。ディレクターは「これはうまい!」。これで「大和焼きそうめん」をはじめとする「ならB級グルメ決定戦」の歴代グランプリ料理の出場が決定したようである。
4月28日(月)には撮影クルーと「ロッチ」の2人組が奈良入りし、仲川市長へのインタビューや街の声を拾う。私は夕方に「やたがらす」で合流し、「大和焼きそうめん」が「B-1グランプリ」出場を狙っていることなどを話す(しかし結局このシーンは使われなかった)。ここでロッチの中岡創一さん(橿原市出身)から「貴社に中岡って社員がいませんか?」「J部にいますが、ご親戚ですか?」「従兄弟です」「へぇ~!」。世間は狭い。
本番は5月7日(水)だった。早朝から東京での収録なので、前日(ゴールデンウィークの最終日)から上京、新幹線は超満員だった。指定された赤坂のビジネスホテル(陽光ホテル)に宿泊。翌朝は6:30にロビー集合、バスで関西テレビ・レモンスタジオ(世田谷区砧の「東京メディアシティ」内)へ。朝食は、バスの中でお弁当をいただいた。
背広は1度しか手を通していないオーダーもの。シャツとネクタイは、この日に備えて新調した。控え室では、出演者同士、自己紹介が始まった(「ばばば」の宮城県チームの発案)。隣の席には宇佐市から来られた吉武裕子さん(大分「USA☆宇佐からあげ合衆国」大統領)がいて「奈良市と宇佐市は、八幡宮つながりですね」(東大寺建立のおり宇佐八幡宮から守護神を勧請、それが手向山八幡宮として残る)との話題で盛り上がる。
8:00からリハーサル、10:45からは応援団(奈良は「ロッチ」)を迎えてのリハーサル。つまり2回の予行演習だ。そのあと13:00から食事休憩。移動のおり、廊下で担当ディレクターからこんな助言が。「tetsudaさん、もっとしゃべってください。さんまさんから『やかましい、ちょっと黙って!』と言われるくらいアピールしてください。そうして初めて、熱意が伝わりますから」。なるほど、これは良い助言だった。確かに私は「4人で出るから、私の発言は1/4だな」と考えて遠慮していた。しかしそれでは奈良チームの熱意が伝わらないというのなら、もっとしゃべろう。
わずか30分の短いランチタイム、私は平野さん相手にしゃべり続けた。「奈良県民は謙遜しすぎ」「もっと誇りと自信と、厚かましさを持たなければいけない」「飛鳥時代から奈良時代まで都があったところ。そんなところに美味しいものがない訳がない」「美味しいものは美味しいと、ハッキリ言わなければ伝わらない」などと、自分の言いたいことを口に出し、それを頭にたたき込んだ。いわば、イメージトレーニングである。
本番は13:30にスタート。観客席にもお客さんが入っていた(ほとんどが若い女性)。拍手などの練習をしている。このあと、初めてタレントが登場。メインは明石家さんま(首相)、審査員(閣僚)は稲垣吾郎、萬田久子、鈴木福、杉山愛、千原ジュニア(小池百合子は途中から出場)。審査員全員が「承認」すれば、その陳情は認められ、当該チームに補助金(賞金)10万円が出る。
全員が揃ったところにさんまが登場。冒頭からハイテンションで、楽屋話などでタレントを盛り上げる。さんまは、どうも声がかすれている。以前「60歳になったら引退する」と公言していたが、今年の誕生日で59歳だ。身の振り方を考えているのだろうか。
最初に登場したのは羽生市(埼玉県)のチーム。市の職員がゆるキャラを連れて登場。「金メダリストの羽生結弦選手を市のキャラクターにしたい」とアピール。しかし、この様子はオンエアされなかった。オンエアの翌日が市長選挙の日で、ゆるキャラの是非が争点になっていたので、公職選挙法上「これはマズイ」となったのだろう。着席しているシーンにも、ボカシが入っていた。
2番目(オンエアではトップ登場)が奈良チームだった。現地取材したVTRや試食を入れて40分以上の時間をかけて収録した(オンエアは20分)。試食では「料理が冷めている」「汁を吸ってふやけている」などの意見もあったが、それらはカットされていた。私が奈良のうまいものを紹介するところで「柿の葉寿司、茶粥、わらび餅」というつもりが「柿の葉寿司と葛餅」と言ってしまった。葛餅も美味しいので問題ないが、茶粥を落としたのは失敗だった。あとで萬田久子がフォローしてくれて、助かった。
審査員が「承認」か「却下」のボタンを押すシーンでは緊張したが、全員「承認」で、ホッと胸を撫でおろした。はるばる奈良から駆けつけて良かったと思った。リハーサルでは「このおカネは、奈良のうまいものの普及に使わせていただきます」と公言していたが、本番では申し上げる機会がなくて残念だった。
審査員講評のところで、大阪出身の萬田久子が「茶粥のような美味しいものがあるのに、奈良県民はPR下手」、杉山愛が「(うまいものがないと言う)県民のメンタルを変えなければ」の発言は、グサッと心に突き刺さった。私が普段言っていることなのだが、こんな短時間で2人に指摘されるとは。杉山愛の発言に、さんまが「それは時間かかるなぁ~」と突っ込んでいたが、時間がかかっても「奈良にうまいものあり」を唱え続けたいと、私は心に決めた。オンエア後、私のFacebookにはたくさんのコメントをいただいた。
Yくん テレビみましたよ~ tetsudaさん、ちょっと緊張してたんちゃうかな(笑)
Sさん 見ましたー。奈良だけで、けっこう長い尺でしたね!かなりの効果あったのでは。
Iくん 嫁さん共々 正座して見ました! 緊張感漂ってましたよ~
Kさん さんまちゃんに大奮闘されてましたね!紹介されたのがB級グルメだったの残念でしたね
Yさん 面白く拝見しました。ただ、女性のコメントで「8時には閉まっている」は、悪気がなくても多くの飲食店にとってはイメージ的にNGかも。私はよく午前様で多くのお店で楽しませて頂いています。実は、若手オーナーを中心に、遅くまで頑張っています。応援お願いします!!
M本さん (奈良県はスイカのタネの全国シェア8割以上という番組での紹介に関し)「大和スイカ」、日本のスイカの代名詞でした、最盛期には九州などからスイカ栽培の技術を学びに農業高校生が農家に泊まって学んでいた時代(1960年後半)も有りましたが、時代の流れで今では生産量が激減して「大和スイカ」の名も聞かれなくなり、スイカの種作りが主流になっています。同様に、大和平野に電照栽培のイチゴハウスが数多く有った時代も有りました。
M原さん 楽しく見ました!食に対する奈良のイメージを少しは払拭出来たのでは。個人的には茶粥も話題にでたのがうれしかったです。
Kさん 写真の葛餅が関東風なんですが
Iさん 大阪出身の萬田久子さんから「茶粥の紹介が抜けている」との指摘がありましたね。オーソドックスな料理では番組にならないのでB級グルメが扱われたのでしょうが、奈良ファンの兵庫県民としては、茶粥・柿の葉寿司・普通に調理した三輪素麺で勝負して欲しいと思います。
本番ではとても緊張し、掌が汗だくだった。やはり見ていて分かるのだ。家内からは「マイクの音量が小さいのでは。もっと大きな声でゆっくりしゃべらないと…」と指摘された。タレントの皆さん、ものすごく大きな声なので、その声に音量を合わせているのだろう。
Iさんの「茶粥・柿の葉寿司・普通に調理した三輪素麺で勝負して欲しいと思います」というご指摘はまさにその通りで、そのためディレクターに茶粥や柿の葉寿司を食べてもらったのだが、おそらく「よく知られている料理なので、インパクトがない」と判断されたのだろう。私も番組でコメントしたとおり「地味なので、若い人にアピールできない」のである。
今回の番組で「奈良県には美味しいものがたくさんある。県民はもっと誇りを持ってPRしないといけないし、これをもっと前面に出して観光客誘致を図らないといけない」ということが骨身に染みてよく分かった。さぁ、これからも「食べ物の美味しい奈良県へ、いらっしゃい!」を訴え続けるぞ~!
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