tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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「町並みはみんなのもの」。全国町並み保存連盟が、発足40周年!

2014年05月25日 | 奈良にこだわる
今井町町並み保存会の若林稔会長から「先日の今井町並み散歩最終日、全国町並みゼミの記事を今井町で毎日新聞が書いてくれました」というメールをいただいた。若林さんのFacebookにも、
※写真は2枚とも、若林さんのFacebookから拝借。浴衣姿(有松絞り)が「有松
(ありまつ)まちづくりの会」、菅笠が「妻籠を愛する会」の幹部。茶人姿が若林さん

「町並みはみんなのもの」を合言葉に40年前、今井町、有松、妻籠から誕生した全国町並み保存連盟はいまは加盟団体全国に108団体を数える大きな団体となりました 5月10日から18日で行われた今井町町並み保存会主催の今井町並み散歩に合わせ、17日、18日の両日、妻籠、有松、今井町の幹部が今井町に集い、懇親を深めたのち、18日には今井町内をたっぷり時間をかけて散策して歩き、40年は通過点、町並み保存の努力は今後も続くと確信した その時の模様を毎日新聞が21日の朝刊でカラー版の記事にしてくださいました

とあった。茶行列の日(5/18)に3人が集まったのだ。5/21(水)の毎日新聞奈良版には《全国町並み保存連盟 40周年 先人の努力「消さない」 結成初期団体が橿原・今井町に集合》として、大きく掲載されていた。記事全文を紹介すると、

歴史的な集落や町並みを生かしたまちづくりに取り組む全国の団体や個人でつくる「全国町並み保存連盟」が、今年で発足から40周年を迎えた。橿原市今井町で18日にあったイベント「今井町並み散歩」には、結成初期の住民団体からメンバーが参加し、町並み保存の意義を語り合った。【矢追健介】

連盟は1974年4月に結成された。今井町にある称念寺の住職、故今井博道さんが「町並み保存は孤立してはいけない。情報を交換し、助け合うべきだ」と呼び掛けたことがきっかけという。初期メンバーは、名古屋市の有松地区「有松まちづくりの会」▽長野県南木曽町の「妻籠(つまご)を愛する会」▽今井町の「今井町を保存する会」。合言葉は「町並みはみんなのもの」だった。

「町並みが残っていないと、まちの歴史が伝わらない」。伝統工芸の絞り染め「有松絞り」の粋な浴衣に身を包んだ有松まちづくりの会の服部豊会長(85)は、1790年創業の問屋を営む8代目。父は全国連盟の初代会長だった。会は、歴史と地場産業を守ろうと1973年に結成。東海道に面し、参勤交代で帰る大名や旅人がお土産に買って広まり、太陽光から藍染めを守るために独特の軒の深さが生まれたという。「歴史は積み上げ。次の世代に引き継ぐのが我々の使命と思う」



知らないうちに、私も写っていた

妻籠は中山道の宿場町。高度成長期に若者が出て行き、急激な高齢化と過疎化が進んだ。妻籠を愛する会は1968年創設。「景観を保存すれば観光客が来る」と説得に回った小林俊彦理事長(85)は「こんなボロボロで何が文化財だ、閉鎖社会だと学者から冷やかされた。だけど、当時の知事は『その考えでないと信州の発展はない』と分かってくれた。今や妻籠はオープンだ」と誇る。住民と行政、学者の三者が協力して保存が進み、今は年間60万人以上が訪れ、外国人も多い。「庶民の生き様の跡が文化財だ。真四角のビルの部屋と、ふすまや障子のある部屋で育つのとは違う。保存しなければ日本人の魂が育たず、残らない」

全国連盟結成のきっかけを作った今井町は1955年、東大の学生らによる調査を機に価値が見いだされた。東西約600メートル、南北約310メートルに伝統的建造物が約500棟。全国最多という。幾つもの建物が国や県、市の指定文化財になるなど町全体が貴重な文化遺産で、大勢が生活する地でもある。今井町並み保存会の若林稔会長(73)は「昔は暗くて陰気と思われていた。先人の努力で残されたまちを評価する人がいて、住民の意識も高まってきた」。現在はイベントなどを通じ、町を支える人材育成に力を入れる。

連盟理事長で日本イコモス国内委員会顧問の前野まさる・東京芸大名誉教授は、▽住めること▽清潔さ▽価値の見える化--という保存の3原則と、住民目線の「内の目」による持続と保存、更に「外の目」による評価が欠かせないと説く。「防災や防犯、コミュニティーなど、町並みから技や人の関係を読める。無くなれば全てが消える」と語る。40周年は通過点。町並み保存の努力はこれからも続く。

40年もの長い間、地道に活動を続けられた。73歳の若林さんは、33歳だったのだ。近畿日本鉄道の中堅社員として、最も多忙な時期だ。前野氏の《「外の目」による評価が欠かせない》という話はよく分かる。外部に評価してもらって、はじめて住民が「ウチの町もまんざらではないのだ」と気づくのである。町並み保存の活動は、決して気を抜けない。大切なのは「持続可能な町並み保存」だ。これからも、粘り強く活動を進めてください!

コメント (2)
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